懐中時計


Z9 + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

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棚の奥にあった小箱の蓋を開けてみたら、父親の持っていた小物類が出てきた。
その中に、祖父の懐中時計が入っていた。
父が祖父から受け継いだものだ。
父の生前、何度か見せてもらった事があり、そう言えばあの時計、どこにいったかな・・と思っていた。

一体、何時頃のものであろう。
文字盤にSEIKOSHA(精工舎)のプレシジョンと書かれている。
ネットで調べてみると、1929年(昭和4年)に発売された通称「19セイコー」と呼ばれる時計で、同年鉄道時計として採用され、1971年(昭和46年)まで製造されていた。
正確さが必要とされる鉄道時計は、それまでウォルサムなどの海外製が使われていたが、国産で負けないものを作る、という意気込みで開発されたものだという。

この個体には、後に装備される秒針規制装置は無く、社名もSEIKOSHA(後にSEIKOに変更)のままなので、それなりに古いものであるのは確かだ。
そもそも祖父が1949年(昭和24年)に亡くなっているので、それ以前に購入したものであることは間違いない。
ご覧のように文字盤の痛みは激しく、それなりの年数使い込んでいるはずだ。
恐らく戦前に購入したものであろう。

残念なことに父親がもういないので、祖父が何時頃購入したものであるかは分からない。
こんな事なら、事情をよく知っていたはずの父親に、詳しく聞いておくのであった。
母親によれば、祖父の一家が北海道にいた頃は、こういうものを買える生活ではなかったはずだという。
記憶力の良かった叔母から、子供の頃にこの時計を見た話を聞いたことがあるそうで、そこから判断して昭和10年頃に購入したのではないかという。

ネット上を見ると、19セイコーは沢山出回っており、新品のように綺麗なものでも二束三文で売られている。
したがってこれだけ状態の悪い個体には、ほぼ価値は無いであろう。(ただし今でもぜんまいを巻くとちゃんと動くが・・・)
しかし僕にとっては、写真でしか見たことの無い祖父が、唯一遺してくれたものでもある。
祖父には多くの逸話が残されており、この時計は、我が家の伝説を蘇らせる貴重なアイテムでもあるのだ。
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運用


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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普段ハミルトンの手巻き式時計であるカーキ・フィールド・メカを着けることが多い。
仕事に行くのに、あまり高級時計でもないだろう・・と考えてのことだ。
典型的な軍用時計のデザインなので、似たデザインでより安価なクオーツがいろいろ出ている。
そのためか、着けていてもこの時計が話題になることがまず無い(笑)

自分でもこの時計を着用する率が、こんなに高くなるとは思わなかった。
仕事の日、すなわちウィークディはほとんどこの時計である。
毎朝悩むことなく、この時計を腕に着ければいい。
軽くて薄いので負担にもならない。

もちろんそれだけではつまらないので、週末は別の時計を着ける。
カーキ・フィールド・メカのムーブメントのH-50は、パワーリザーブが80時間と長い。
金曜日に外して机の上に放置しても、ある程度ゼンマイを巻いてさえおけば、翌週の月曜日まで問題なく動いている。
まあ、月曜日の朝にリューズを回す量はけっこう多いのだが・・・

薄くて軽いのは、手巻きのムーブメントが小さいことも理由だ。
僕は手巻きの時計が好きで、いくつか愛用している。
確かに定期的にリューズを巻く・・という特別な習慣が必要ではある。
しかし振り子が入る分重量の増す自動巻きと比べて、軽い手巻きの方がメリットが大きいと感じている。

一方で週末は自動巻きの時計を着けることが多い。
ジン、チューダー、スタインハート、ユンハンス、ユリスナルダン・・・その日の気分に応じて使い分けている。
普段と雰囲気を変えて、厚みのあるごつい時計を着けることもある。
週末はまた違う自分を楽しもうという事だ。

自動巻きの機械式腕時計を着けていると、歩いている時に大きく腕を振る癖がつく。
その分振り子が動いてくれて、ゼンマイがどんどん巻かれていく・・・
実に合理的であるし、得をしたような気にもなる(笑)

ところがこの使い分けがなかなか難しい。
カーキ・フィールド・メカを着けている時に、つい腕を振ってしまう事があるのだ。
もちろん手巻きの時計をしている時に、腕を振っても意味はない。
今度は損をしたような気分になり、思わず腕を振るのを止めてしまう(笑)

ウィークディは手巻きで、週末が自動巻き・・という2種類の機械式腕時計を運用するのはけっこう難しいのだ。
定期的にリューズを巻く習慣と、歩く時に腕を振る習慣を、時計によって使い分けなければならない。
どちらも半ば無意識に行う動作なので、使い分けると言っても、なかなか上手くいかないのだ。
とか何とか、くだらない理屈をこねながら、時計ライフを楽しんでいるわけである(笑)
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あちらの時計


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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以前eBayでロシア製の腕時計を買うことがあった。
機械式の時計が、1、2万円程度とリーズナブルな価格で購入できるのだ。
いくつか持っており、過去に何度かここで紹介したこともある。
高級感こそ無いが、性能はそこそこよく、中には日差1秒ほどの優秀なものもある。

デザインとしては変わり種が多く、遊び心も感じられる。
ただこちらとはセンス面で少し違いがあるようで、本気なのかジョークなのか分からないところがある。
まあ、ゲテモノと呼んでいいであろう。
それゆえコレクションしたくなるような面白さもある。

eBayを開いたら、お勧めアイテムとしてロシア製の時計が表示された。
My eBayにいくつか登録したままだったので、今でも僕が興味があると思い表示してきたのだ。
見てみると発送元は何とウクライナとなっている。
それで思い出したが、ロシア製の時計の多くは、ウクライナやベラルーシの出品者から購入していた。

意外なところで両国と繋がりがあった。
現在出品されているものを見てみると、発送地はウクライナのキーウやハリコフなど、最近よく耳にする地名が出てくる。
戦闘の舞台となっている都市である。
もっぱら被害を受けた町の映像であるが、テレビやネットで映し出されることも多く、以前より地名が重くリアルに響く。

eBay上に載っているということは、取引としては機能しているのだろう。
でも向こうは大混乱であろうし、郵便などの事情も分からない。
出品者がそのままどこかに行ってしまった場合も考えられるだろう。
仮に落札したとしても、果たして無事届くのであろうか・・・
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選択


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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普段はもっぱら手巻きのハミルトン・カーキフィールドを腕に着けている。
高級感こそ無いが、意外にお洒落に見える時計である。
シンプルなデザインなので、黒系のナイロンベルトを付けると、仕事の時に着けてもそれほど違和感が無い。
こういう時計は貴重かもしれない。

しかし休みの日には違う時計を着ける。
仕事をしない日なら、思い切り崩して自由な時計を着けたいところだ。
ケースの中に、ごろごろと20個くらいの時計が入っている。
その中からその日に着ける時計を選ぶのだ。

服を身に着けて、最後に時計のケースの前に行く。
着ている服と合いそうなものを選び、腕に軽く巻いてみる。
意外な時計がピッタリくることもあって面白い。

そのケースに入っているのは、高級時計ばかりではない。
クオーツも何個か混ざっている。
ブランドにこだわらず、純粋に服装としっくりくる時計を選ぶのは、本当の意味での自由と言えるかもしれない。

青い服を着ている時は、まずはブルーのスタインハートあたりから合わせてみる。
ちょっと青に統一しすぎでおかしいと感じたら、グレー系で合わせやすいチュードルのヘリテージクロノグラフなどを付けてみる。
もう少しミリタリーっぽさが欲しいな・・と思ったら、ジンのパイロットクロノグラフなども面白い。
逆に無機質な感じが出したいと思ったら、ユンハンスのマックスビルもいい。

七宝焼きのブルーが鮮やかなユリスナルダンのサンマルコは、少し軟派気味に崩すのにいいのだと思うが、僕のキャラクターではうまく作用してくれない。
思い切りごつく行きたい時は、厚みのあるネタンスのスキューバ500もいいと思うが、そういう気分の日はまだ一度もない(笑)
ダイバー系ではむしろセイコーのプロスペックス辺りの方が合わせやすいかな・・・
なんて考えながら、一番しっくりくる時計を選ぶのだ。

先日は久しぶりにモスグリーンの麻のシャツを着てみた。
青ばかりある僕の服の中ではひときわ目立つ特殊な色で、お店で一目見て気に入って買った。
決して似合わないわけではない・・と思うのだが、僕のイメージとかけ離れているようで、着るとどうしたんですかと何人かから聞かれる(笑)

それに合わせる時計であるが、色々試しているうちに、ブラウンのベルトに金のフレームの組み合わせが合うことが分かった。
手持ちの時計の中で、パテックのカラトラバとバセロンのアンティークが候補に残った。
どちらも純金のフレームにワニ革のベルトで、普段使いにはどうかと思うのだが、服にはドンピシャリで実によく合っている。
何度か付け替えてみて、その日はパテックで行くことにした。

ちょっとした選択で雰囲気がどんどん変わる。
服装やその日の気分で時計を選ぶのって面白い。
今週は大勢の人と会うので、無難にまとめてグランドセイコーでいこうかな・・・
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TRIWA


FUJIFILM X100V

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TRIWAの「オーシャン・プラスチック」のオクトパス。
ケース径:37ミリ。
ベルト幅:20ミリ。
ムーブメント:クオーツ(ミヨタ2035)

スエーデンのトリワの海洋リサイクル・プラスチックを使用した時計。
文字盤には波を模した立体的な皴が刻まれており、数字も針も大きめで、海を想起させるデザインになっている。(ただし防水は10気圧)
ベルトまでリサイクル・プラスチックで作られており、裏面にはリサイクル・マークが印刷されている。
サイトのスペック表示には、カーボンフットプリント(CO2排出量)も記載されている。



トリワは都会的なデザインの製品を出しており、前から気になっていた。
好みのデザインの製品が多く、つい広告をクリックしてしまうので、Facebookでもしつこいくらいに宣伝が表示されていた。
今回は欧州お得意のエコロジーを前面に押し出した製品で、デザインもシンプルな3針式・・という事で、思わず購入してしまった。
まあ価格が安かったこともあるのだが・・・

色は5種類ほどあり、海らしいイメージのブルーと、どちらにするか悩んだが、服装と合わせやすそうなブラックを選んだ。
針は短針がアローの赤、秒針が黄色となかなか華やかで、背景がブラックの文字盤だとそれらが映える。
またケースが37mmと小さいのもいい。
全体が程よい大きさにまとまっており、黒いボディだときりりと引き締まって見える。
せっかくリサイクル素材で作られたベルトなので、いつものように交換するのは野暮であろう。



高級ブランドのこれでもかの時計には少々食傷気味であった。
その路線から外れて、次の段階に進めないかな・・と考えているところに、今回のこの時計が上手くはまったと言える。
自分の年齢を考えると、こういうものを上手く着こなせたらカッコいいだろうな・・とも思う。
エコロジーの精神も、ファッションの一部として取り込んでしまうわけだ。

トリワはなかなか面白いブランドで、違法銃器を溶かした金属で作った時計なども出している。
(銃器が好きでそれを買ったのでは意味が無いのだが・笑)
北欧にはデザインに注力しながらも価格を抑え、まるでアンチ高級ブランドを主張するかのような時計が多いが、魅力を感じながらも今まで購入には至らなかった。
そこにエコロジーや反暴力という新たな要素が加わる事で、より明確に価値を感じさせるようになった。
今後もこの会社の製品には注目していきたいと考えている。
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クロムエクセル


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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ハミルトンのH69439931「カーキ フィールド メカ」に、クロムエクセルのNATOタイプベルトのブラウンを付けた。



この時計が軍用タイプであることを強調するかのようなベルトだ。
軍がこういう革のアイテムを本当に使っているのかどうかは知らないが(笑)何だか男っぽい印象になるのは事実だ。
カーキは軍用時計とはいえ端整で大人しめのデザインだが、それをワイルドな方向に引っ張ってくれる。



すでに長く使用しているベルトであり、表面にはけっこう傷がついている。
裏側のホーウィン社のスタンプも消えかけている。
しかしその荒っぽさというか、使い込んだ感じがまたカッコいいのだ。

クロムエクセルのNATOベルトは、ブラックのバックルとの組み合わせになる。
フレームの色と合わせればシルバーのリングが欲しくなるが、この革の持つ質感とは合わないようにも感じる。
それにカーキの場合文字盤が黒いので、黒いリングと組み合わせてもそれほど違和感は無い。

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赤いベゼル


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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小学生の頃、父親から腕時計を買ってもらった事がある。
塾に通うために、ひとりで電車に乗って、都内のあちこちにでかけていた。
その際に必要になるだろう、ということで、腕時計を買ってくれたのだ。

実のところ、僕は時計にはまったく興味が無かった。
むしろ父親の方が、時計にはうるさかった。
クォーツショックの時に、セイコーが出した2代目のアストロン(かなり高かったはずだ)を、ちょっと時計屋に行ってくると言って出て行き、近所で買ってきたこともあった。

で、僕にも時計が必要だろう、と言うのだ。
半分は自分が買いたかったのだろう(笑)

僕の方は時計に興味が無いので、いらないと断った。
しかし父親が一方的に必要だろうと言って時計屋で買ってきた。
あるいは一緒に行って選んだのかもしれないが、そこの記憶がまったく欠落している。

それほど僕にとっては「どうでもいい」ことだったのだ。
僕は自分の興味の無いものには、記憶にも残さないほど関心を持たない癖がある。
だからこの辺りは、母親の証言を参考にしながら、想像も交えて書いている。

その買ってもらった時計であるが、時代から言っても機械式であったろうと思う。
リューズを年中巻いていた記憶は無いので、オートマチックだったのではないだろうか。
腕を振るとゼンマイが巻かれる・・ということを聞いて、意識して腕を振って歩いたのを覚えている。
それにしても、自分が子供の時に機械式の時計を使っていたかと思うと驚きである

メーカーも定かではないのだが、子供向けということで、たしかセイコーではなく、少しランクを落としたような記憶がある。
はっきり覚えてはいないのだが、シチズンではなかったかと思う。
何となくメーカー名がCで始まっていたような覚えもある。

はっきり記憶に残っているのは、ベゼルの付いたダイバー風の外観の時計で、そのベゼルの色が赤か濃いオレンジだった・・ということだ。
当時はベゼルが何に使うものであるかも知らなかったが、子供のしていたものだから、あくまでデザインだけで、本格的な防水性能があったわけではないだろう。
ただ僕にしてはかなり華やかな色の時計であった。
僕の母親にも、僕が赤い時計を持っていたでしょう、と聞いたら、急に記憶がよみがえったようだった。

多分ベルトは金属であった。
母親は革製だったのではと言う。
しかし僕には、手から外して金属のベルトをカクカクと折りたたんだ記憶が残っている。

だから今でも赤いベゼルの時計を見ると、つい目が行ってしまう。
服装と合わせるのが難しいのか、意外に種類は少ないのだが、雑誌やネットで赤いベゼルの時計をたまに見かける。
買うまではいかないが、はっとなるのは、子供の頃の記憶がよみがえるのであろう。

それにしても、あの赤いベゼルの時計はどこに行ってしまったのだろう。
大切にしていたわけでもないので、傷だらけになって捨てられてしまったのかもしれない。
特に価値があるわけでも無いだろうから、アンティークのお店でも、それらしきものを見かけたことはない。
多分同じものを見れば、記憶が一気によみがえって分かるのではないかと思うのだが・・・
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手巻き


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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ハミルトンのカーキ・フィールド・メカを買って以降、意外にこの時計を使用する機会が多いことに驚いている。
多くの腕時計を持っているが、すべてを使っているわけではない。
普段身に付けて歩く時計だけ選んで、大きめのケースに無造作に放り込んで部屋に置いてある。(まあそれでも十数個あるのだが)
毎朝その中から、その日に着ける時計を選ぶ。
その時に、最近はカーキを選ぶことが多いのだ。

この数年はチューダーのヘリテージ・クロノグラフやジンの103.B.AUTOを着けることが多かった。
そこに昨年暮れに新たにスタインハートのオーシャン・ワンが加わった。(3つとも自動巻きの時計である)
しばらくはそれらを着けていたが、カーキを買ったら、そちらを選ぶ事が多くなった。
時計のグレードとしてはかなり下であるにも関わらず・・・



結局カーキ・フィールド・メカには、手巻き時計ならではの「軽さ」があるのだ。
デザインも重量も軽快で負担にならない。
ナイロン・ベルトとの組み合わせなので、その印象がさらに増している。

手巻きだからゼンマイを定期的に巻かなければならない。
しかしそれはむしろ楽しいことだ。
リューズを回しながら、耳を澄ませると、カチカチとギアの噛み合う音が聞こえてきて、機械式時計を操作する喜びも感じられる。
重量が軽いことだけが、この時計を選ぶ理由ではないという事だ。

シンプルな外観のカーキは、他の時計に比べると品質感には欠ける。
正直少々安っぽい。
しかし端整な顔つきは、多くの服装にスムースに馴染んでくれる。
仕事の時に着けても嫌味にならず、普段遣いの時計として、なかなか魅力的である。
精度も悪くなく、僕の個体は安定して1日で2秒ほど遅れる感じだ。

ムーブメントのH-50は、パワーリザーブが80時間もあるが、そんなに長時間放っておくことはまずない。
日に数回、思い出すたびにリューズを巻いてしまう。(その度にけっこうワクワクする・笑)
仮に2、3日使わなくても、その間も正確に時を刻んでいるので、せいぜい数秒狂う程度である。
確かにこのリザーブ時間は、なかなか便利で使い勝手がいい。

最近は手巻きの機械式腕時計の製品自体が少ない。
安価な機械式時計でも、多くがオートマチック(自動巻き)である。
しかし振り子が入る自動巻きはどうしても厚みが出てしまうので、僕としては薄手の手巻きの方を好む。
愛用の時計も、カラトラバ、バセロン、オイスター、ジャガー・ルクルトなど手巻き時計の比率が高い。

やはり手巻き時計には独特の世界があると思う。
個人的にはどちらかひとつを選べと言われたら、迷うことなく手巻きの方を選ぶ。
恐らく同じカーキでも、自動巻きやクォーツのモデルであったなら、ここまで気に入らなかったであろう。
しばらくはこの時計を着けて歩くことが多くなりそうだ。
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比較


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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グレー・ストライプのナイロン・ベルトを2種類揃えて比較してみた。
そもそも色がけっこう違う(笑)
だいぶ以前に購入したものなので、同じ販売店から購入したかどうかは忘れてしまった。
仮に同じだとしても、布製品は糸を染めて作るので、色を完全に合わせるのは難しく、ロットによって少々の違いが出るのは仕方がない。


NATOベルトの裏側はこのように複雑な構造で時計の裏側が二重になっている。

ところで本来のNATOベルトは、上の画像のように、時計の裏側部分のベルトが二重になっている。
軍用としてヘビーデューティに使う際に、時計がベルト上で動いてしまうのを防ぐためだそうだが、それゆえに金属製のリングの数が増えて、見た目がごつくなってしまう。
特にこのベルトのように頑丈なZuluタイプのバックルやキーパーが付いていると、まるでアクセサリーをジャラジャラとぶら下げているかのようだ(笑)
またご存知の通りベルトが長めに作られており、余った分を折り込むところも何だか大仰に見えて、薄く作られたカーキのケースと合わない。


2リング・タイプのナイロンベルトは時計を通すだけのシンプルな構造だ。

実際には戦闘中に使うわけではないので(笑)、一般市場向けには二重になっていないシンプルな構造のナイロン・ベルトが販売されている。(上の画像)
シングル・タイプとか、2リング・タイプなどと呼ばれているようだ。
純正NATOのような本格派とは言えないが、個人的にはこちらの方が使いやすくて好きだ。
これだとZuluのバックルでも、外観が大袈裟にならない。

時計の位置が固定されてしまう二重式のNATOベルトに対し、2リング・タイプだと自由な位置に時計を持ってこられる。
そのためバックルの位置を腕の裏側に持っていき、目立たなくすることが可能である。
これなら時計がスッキリと腕に収まってくれてカッコいい。

ただし腕から外す際には注意が必要だ。
時計がするりとベルトから抜けて、床に落ちてしまう事があるのだ。
ベルトの生地に厚みがあり、時計のフレームとバネ棒の隙間にキッチリと挟まってくれれば、簡単には外れなくて具合がいい。
しかし隙間の広さも時計によって異なるので、こればかりは組み合わせてみないと分からない。



手巻きのカーキ・フィールド・メカは、ケースの厚みが抑えられているところがデザイン上の美点で、それを活かす為にもベルトはシンプルな方がいいだろう。
このグレー・ストライプの2リング・タイプのベルトは、モノトーン調でスッキリしており、色合いも厚みもカーキとのマッチングがいい。
カーキ用のベルトはこれで決まりかな・・と思っている。
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オリーブ


Z7 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

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今日の時計ベルト。
ハミルトンのH69439931「カーキ フィールド メカ」にHDT DESIGNのZuluナイロンベルトの2バックル・タイプのオリーブ(幅20ミリ)をつけた。
シルバー・バックル。



オリジナルと同じオリーブ色のベルトを取り寄せてつけてみた。
こちらの方が色が明るめで、同じグリーン系でもだいぶ印象が異なる。(2021年1月17日の日記
僕としてはこちらの組み合わせの方が好みだが、軍用としては鮮やかすぎるかもしれない(笑)

軍用時計を起源とした製品なので、やはりこの色のベルトとの組み合わせが正統と言えるだろう。
冷静に考えると、カーキ・フィールドのデザインとグリーンで合うのだろうか・・という疑問はある。
しかし軍用という言葉の説得力は大きく、実際見慣れているせいか違和感も無い。



久しぶりにいろいろなベルトを買って試している。
こんなにカーキとベルトの組み合わせを試すとは思わなかった。
20ミリ幅のナイロン・ベルトなので、入手しやすいこともある。
またポピュラーな時計なので、持っている方も多いのではないか・・という思いもある。

入手してみると不思議と愛着のわく時計で、このところ毎日着けている。
手巻きならではの楽しさがあり、ケース径も妥当で着けていて気持ちがいいのだ。
高価な時計ではないが、シンプルで軽快な感じが心地いい。
そこまで期待せずに購入したのだが、これは意外な収穫であった。

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黒とグレー


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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今日の時計ベルト。
ハミルトンのH69439931「カーキ フィールド メカ」にZuluナイロンベルトのNATOタイプのブラック/グレーのストライプ(幅20ミリ)をつけた。



NATOタイプのベルトは何本か持っているが、その中でも比較的使用することの多いのが、この黒とグレーの縞のベルトだ。
よくジェームズ・ボンドの時計ベルトとして売られているが、現在はグリーンのラインに赤ふちの付いたタイプの方が正しいとも言われている。
この黒とグレーの縞のタイプは、派手すぎず程ほどに華やかで使いやすい。

カーキフィールドとの相性はまずまずである。
まあ時計がグレーのケースにブラックの文字盤なので、合わない訳はないのだが・・・

実際に腕に付けてみても、なかなかカッコいい。
上手くミリタリー色を残しているので、時計のキャラクターが生きている。
カジュアルな服装との相性がよく、多少硬いイメージもあるので、崩し過ぎることもない。

ただNATOタイプはベルトが二重になっている分、厚みが出て少し大袈裟な外観になる。
手巻きのカーキフィールドは薄めでケース径も抑えられているので、少しベルトとのバランスが悪い感じもする。
次回同じ柄でシングルタイプのナイロンベルトも試してみようと考えている。

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青いベルト


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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久しぶりに今日の時計ベルト。
ハミルトンのH69439931「カーキ フィールド メカ」にZuluナイロンベルトのNATOタイプのネイビー(幅20ミリ)をつけた。
ネイビーという名称から受けるイメージより明るめの青だ。
バックルはサテン仕上げのシルバー。



カーキフィールドはシンプルなデザインなので、様々なベルトが合うだろうと予想していた。
NATOタイプなので交換も気楽に出来る。
しかし手持ちのものをいくつか取り付けてみて、意外に組み合わせが難しい時計かもしれないと感じた。
これなら合うだろうというベルトが、思ったほどしっくりこなかったりする。

オリジナルのオリーブのベルトは、米陸軍の軍用時計という成り立ちからも、組み合わせるにふさわしいものだ。
その強固な結びつきを破壊して、別のイメージを与えることが難しい。
手持ちのベルトをいろいろ試したが、何とか行けそうなものは数本程度であった。



その中でも、ネイビーのベルトとの組み合わせは、モダンで都会的な方向へ、この時計の印象を上手く変化させてくれる。
これならばミリタリー系の時計としてではなく、ごく自然に普段のファッションに取り入れることも出来る。
このベルトが1本あるだけで、カーキフィールドの活躍の場が増えるであろう。
ひとつ加えるのにふさわしいベルトと言える。
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カーキフィールド メカ


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Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

ハミルトンのH69439931「カーキ フィールド メカ」。
手巻き式。
ケースサイズは38mm。
カン幅は20mm。



ハミルトンのカーキは、今まで何となく買わなかった時計だ。
軍用タイプの時計から探すとなると、必ず候補に挙がってくる。
なのに最後の決め手に欠けて、いつも購入までいかない。

思うに価格が中途半端なのだ。
高級時計の価格帯ではないし、かといってすごく安いとも言えない。
買おうかな・・やっぱり止めておこうか・・・で何年か過ぎてしまった。

一昨年だったか新型が出て、仕様の魅力度が増し、買う理由が強化された。
僕は定期的に時計が欲しくなるのだが、今回その波に乗ってついに購入することになった。
特にこだわりはないので、最安値のお店で並行輸入のものを購入した(笑)
eBayで落札して送料をかけて個人輸入するより、国内で調達した方が安いし早い。



H-50という新開発の手巻きの機械式ムーブメントを搭載しているが、パワーリザーブが何と80時間になった。
ケース径は38ミリと妥当な大きさであるし、手巻きなので厚みも程々に抑えられている。
デザインは正統派で軍用タイプとして申し分ない。
仕上げの質感は価格相応のところもあるが、十分に魅力的な時計といえる。

まずはオリジナルのベルトで写真を撮っておく。
このベルトは外して、未使用のまま保存する予定。
NATOタイプのナイロンベルトなので、他のものに簡単に交換できる。
ベルト幅もスタンダードな20mmで、手持ちに合いそうなものがいくつかある。
いろいろなベルトを試してみようと考えている。

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カスタマイズ


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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W.MT WATCHでカスタマイズしたSEA DIVER。
W.MT WATCHは香港のロレックス・コレクターの作った会社だそうで、主にロレックスのヴィンテージ・モデルを再現して販売している。
カスタマイズのコーナーでは、自分の好きなデザインでヴィンテージ・ウォッチを作ることが可能である。

ネットならではの機能を使い、自分オリジナルの時計をデザインするサービスは、以前よりUNDONEなど数社が行なっていた。
このW.HT WATCHの場合は、ロレックスのヴィンテージ・モデルに特化しているところが特徴である。
しかもオプションでパーツごとにエージング加工まで出来るという凝りようである。
「古い時計を再現して楽しむ」という「新しい趣味」が定着してきたのを感じる。
香港はヴィンテージ時計の市場が盛んだそうで、そういう事情を背景として生まれた会社であろう。



今回は映画の007でショーン・コネリーが使っていた有名なサブマリーナーRef.6538を再現しようと試みた。
カスタマイズの画面(下の画像参照)から、ケース、文字盤、ベゼルなど、好きなパーツを選んで組み合わせていく。
当然のことながら、選んだパーツに応じて、左側の完成画像も変化していく。
これだけでも面白くて夢中になってしまう。

劇中で使われているジェームズ・ボンドの腕時計の再現を目指したが、残念なことに文字盤だけ同じものが無い。
これで12時のインデックスのみが三角形のものがあれば完璧だったのに・・・
この時計を意識したカスタマイズの注文は多いと思うのだが何故・・・?

他のケースとの組み合わせでは用意されているのに、このリューズガードなしのケースとの組み合わせでは、その文字盤が選択肢に入っていないのだ。
このNATOベルトには「ボンド」という名称が付いているくらいだから、分かっていて意図的にその文字盤を外したのだろうか。
まあ選択肢は随時変動するようなので、今回たまたま無かっただけかもしれないが・・・



今回のカスタム時計の仕様は以下のようになる。

モデル:シー・ダイバー
ケース:ステンレス・スチール
文字盤:「シー・ダイバー」のブラック
ベルト:「NATO」のボンド
ベゼルのインサート:「ダイバーⅡ」のブラック-シルバー
針(時分):「ダイバー」のシルバー
針(秒):「ブレゲ」のシルバー
クラウン:シルバー
風防:ミネラル・クリスタル
ムーブメント:セイコー NH35 自動巻き

完璧とはいかないまでも、雰囲気は十分に味わえる出来栄えとなった。
細部の仕上げまで見ると、さすがに価格が価格なので(この仕様で300ドル台)限界はあるのだが、決して品質が悪いわけではない。
ムーブメントに日本製のものを採用していることも謳い文句になっている。

文字盤のインデックスは最初から黄色みがかっており、アンティークっぽさがけっこう味わえる。
今は新品状態でピカピカだが、これでケースに使用感が加わっていけば、かなり「らしく」なるのではないか。
ケース径が38mmと小さめなのが効いているようで、妙なリアル感があり、袖口からのぞくたびにハッとなる。
見慣れない時計なので、とても目立つのだ(笑)



ネットの画面でのカスタマイズの操作はとてもやり易く、発注から納品までの時間もそれ程かからなかった。
仕組みとしてなかなか良く出来ている。
しかしロレックスのアンティークを自分でデザインするとなると、どうしてもその分野の知識が必要で、素人には敷居が高いのも事実だ。
適当に好きなパーツを選んで組み合わせて、ちぐはぐな物を作ってしまうと、専門家から笑われかねない。

実のところ僕にはまったくロレックスの知識は無く、007の時計の情報と画像がネット上にあったから、それに似せて作っただけなのだ(笑)
インターネットを使った時計のカスタマイズは、ネットならではの機能を存分に活用しており、一見DXの成功例のようにも見える。
しかし十分な知識を持ち、歴史的な観点で見てもおかしくない組み合わせを選んでカスタマイズできる人となると限られてくる。
とても魅力的な仕組みであるが、実際にこの機能を活用して発注する人がどのくらいいるのか興味がある。

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スタインハート


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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スタインハートのオーシャン・ワン・チタニウム・500・GMT・プレミアム・セラミック。
何年も前から欲しかった時計だ。
誕生日プレゼントに買ってもらった。



最近は腕時計は純粋にデザインが気に入ったものを買っている。
数年前からこのモデルが気になっていた。
ところがトランプ政権の時は、おかしな行動や発言のたびに為替レートが変動したため、注文する機会を逸していた。
今回は政権交代で比較的安定していたので購入に至った。

スタインハートはドイツのメーカーであるが、ロレックスのそっくりさん(オマージュと言うべきか)を作る会社として一部で(笑)有名である。
特にダイバー・ウォッチのオーシャン・シリーズは、ロレックスのサブマリーナーにそっくりに作られている。(もちろんムーブメントはETAであるが・・・)
中には文字盤に焼けたような黄色味を加えて、レアなアンティーク風に仕上げたものまである。
そ知らぬ顔をして着けていれば、ロレックス好きが本物と間違えてギョッとなるかもしれない。
まあ、今更ロレックスのコピー品を着けてどうするのか・・という思いはあるが・・・

スタインハートの製品は品質がいいので、世界的に人気が高いようで、eBayでも意外なほど高値で取引されている。
そっくりさんでもここまでやれば立派ということで、スタインハート社自体が評価されているのだ。
一流のコピー品・・とでも言うべきか、面白い現象である。

興味深いことに、本家のサブマリーナーのケース径が40~41ミリなのに対し、スタインハートのオーシャンの径は42ミリと39ミリが中心で、あえて本家と同じサイズを避けているように見える。
ここまで似せてサイズだけ変えるのは意図的としか思えないが、サイズまで合わせてしまうと、単なるコピー品になってしまうということだろうか。



そんなオーシャンのラインナップの中で、このチタン製のモデルは、同社のオリジナリティを感じさせてくれる。
ブルー系の都会的な色使い、頑丈な作り、軽量なチタン製のケースとブレスレット、500mの防水性能、GMT機能、セラミック・インレイの一方向回転式ベゼル、内側に二重反射防止コーティングを施したサファイヤドーム・・・という具合に、かなりハイスペックな仕様になっている。
価格も個人輸入で8万円代で購入でき、お買い得と言えるであろう。

クールでスタイリッシュなデザインである。
これなら腕に着けていても、 ロレックスとは思われないだろう。
紛うことなきスタインハートである。

ケースもベルトもチタンのため軽量である。
重量は公称146g。(僕の腕に合わせてコマを4つ外した状態で約132g)
実はケース径39mmのモデルはステンレス製で、どちらを買うか悩んだ。
42mmは僕の腕には大きすぎて、サイズとしては39mmの方が妥当だ。
しかしどうせならチタンのモデルを買わないと後悔すると考え、ここは42mmの方にした。

チタンなのだから当然ではあるが、非常に軽くて、どっしりとした重量感には乏しい。
愛用のチューダーのヘリテージ・クロノグラフと比べると、この時計が如何に軽いかが実感できる。
ラグ幅は22mmであるが、せっかくのチタン製のベルトを交換してしまっては意味が無いので、このままでいくつもりである。
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