梱包


SIGMA DP3 Merrill

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得意先のお店に配るポップを作った。
大型プリンターで印刷して、B1版のパネルに貼った。
それを何セットか作った。

全国の得意先にどうやって送ろうかと考えた。
作ってはみたものの、この大きさのものを傷つけずに輸送するのは容易ではない。
そのまま包んで送るのでは、途中で角を潰されて台無しになってしまうだろう。
かといって専用の箱を作って入れるとなると、手間とコストが馬鹿にならない。

ふとひらめいたのは、アマゾンで本やCDを購入した時の梱包だ。
ダンボールの板に乗せてラップしてあるやつ。
あれがいい・・と思った。

大きな平たいダンボールの板を、工場の奥で見つけて持ってきた。
それをパネルより一回り大きいサイズに切った。
得意先に送るパネル1セットをきれいに揃えて、ポリ袋で丁寧に包んだ。
それをダンボールの板の中央に乗せて、透明の粘着テープをグルグルと巻きつけて固定した。

ダンボールの板が上下左右とも数センチずつ大きいので、その余裕分が緩衝材になってくれる。
少々ぶつけてもパネルに傷が付く事は無い。
これでいいだろうと皆に見せたら、「ああ、アマゾンの・・」と誰もが同じ反応を示した(笑)

そこで出荷しようとY運輸を呼んだ。
ところが荷物をメジャーで測っていたドライバーが、送料は1700円だという。
た・・・高い・・・

宅急便として受けられるぎりぎりの大きさだという。
ダンボール板の余裕分が仇になったようだ。
これではコストを抑えた意味が無い。
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スイープ運針


SIGMA DP3 Merrill

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時計の秒針の動きに、スイープ運針とステップ運針というものがある。
ステップ運針というのは、主にクォーツ時計に見られる秒針が1秒毎にカチッカチッと動くもので、スイープ運針は機械式時計に代表される滑らかにスーッと動くものだ。
滑らかといっても、一般の機械式腕時計の場合、一見動きが連続的に見えるだけで、よく観察するとカクカクカク・・と細かいステップで動いている(何振動のムーブメントを積んでいるかで1秒間のステップの回数が決まる)のがわかり、本当の意味での連続運動ではない。

なぜクォーツ式腕時計の多くがステップ運針かというと、よく聞くのは電気消費量が大きくなるということで、秒針を連続的に動かそうとすると、バッテリーが長時間もたないのだという。
しかしかつてセイコーからスイープ運針のクォーツが出ており、連続的に動かすのは技術的には難しいものではないらしい。
そのモデルがあまり売れなかったために、メーカーはスイープ運針のクォーツ式腕時計の開発に積極的ではないと言う人もいる。
一方で壁掛け時計や目覚まし時計にはスイープ運針のものも多く、これは寝るときにステップの音がうるさいという理由で、スイープ運針の要望が多くあるのも理由だという。

個人的に、クォーツ式でありながらスイープ運針をする「腕時計」に強い興味がある。
というのも、もし自分が時計を設計するなら(そんなことはあり得ないが・笑)、アンティーク時計のクラシカルなデザイン法則に則ったものにしたいからだ。
かといって中途半端に機械式にしても、単なる昔の時計の再現になってしまい意味がない。
例えば最新のソーラー式電波時計でありながら、50年代頃のスモール・セコンドの時計と見分けがつかないデザインにして、それでいて時刻はまったく狂わない・・そんな時計が欲しい。
その場合、当然のことながら、ステップ運針で秒針に動かれると、せっかくの演出が台無しになってしまうのだ(笑)



少数ではあるが、クォーツ、又は駆動方式の一部にクォーツを使っていながら、秒針がスイープ運針で動く製品がある。
代表的なのはセイコーのスプリングドライブであり、もうひとつがブローバのプレシジョニストだ。
ブローバはシチズンにより2008年に買収されており、プレシジョニストのクォーツ・ムーブメントはシチズンが作っているという。
なのになぜかシチズンからは、このムーブを積む機種は発売されていない。

これが驚くべきクォーツで、秒針が秒間16ステップの滑らかな動きをして、精度は何と年差10秒だという。
自称世界最高精度のクォーツなのだ。
こんな凄いものを、シチズン・ブランドでなぜ出さないのか・・・
とても不思議な話である。
ソーラー電波でスイープ運針の時計を作れば、相当面白いものが出来ると思うのだが・・・

しかもスプリング・ドライブは高いが、ブローバはビックリするほど安い(笑)
eBayで展示品処分の新品のプレシジョニスト96B130を百数十ドルで落札した。
重量級のステンレス・ボディ、バックルは観音開きが付いており、見た目は十分に立派、十数万円と言っても通用するだろう。

世界最高精度のクォーツが、処分品とは言え1万円ちょっとというのも、拍子抜けするというか、いかにもクォーツらしい話だ。
考えてみたら、これを大量に出すとグランド・セイコーやザ・シチズンのクォーツモデルの存在理由が薄れてしまい、市場が混乱するのは確かである。

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停車


SIGMA DP3 Merrill

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J-WAVEを聞きながら、車を運転していたら、いきなり番組が中断してチャイムが鳴った。
この音はもしや・・と思っていると、一歩遅れてカバンの中の携帯も、ビュウ、ビュウと喚くように鳴り始めた。
緊急地震速報だ。

ラジオから、地震が発生しました・・というアナウンスが聞こえてくる。
強い揺れに備えてください・・という言葉に思わず身構えた。
海や河川のそばから離れるように・・とか、高いところに避難するように・・という言葉が次々に続く。
こういう事態になった時、何を話すかあらかじめ決めてあるのだろう。

車を減速させて、外の様子を確かめる。
電柱を見ても、はっきりそれとわかるほど揺れてはいない。
まだ揺れが到達していないのかと思い、携帯の表示を見ると、栃木県が震源だと出ている。

「車を運転している人は、ハンドルをしっかり握って運転してください。速度を落として、ハザードランプを点滅させて、速やかに車を道路の脇に寄せて停車してください」
という指示が出た。
どうしようかと迷ったが、とにかく指示に従うことにして、道端の停められそうなところに車を滑り込ませた。

皆同じように行動する・・と思っていた。
ところが、指示通りに動いたのは僕一人で、それ以外の車は何事もなかったかのように、ビュンビュンと走っている。
何を停めているの?という顔で、こちらのことを覗き込んでいく者までいる。
速報のことを知らないのだろうか?

携帯が鳴っているはずだから、どこかで地震が発生したことは、知らないわけはないだろう。
ラジオを聞いていた者も多いはずだ。
皆、大したことないからこのまま走ってしまおう・・と考えたのであろう。

こういう時に、どう行動するのか、自分も含めて準備が出来ていないことがわかった。
しばらくその場にひとり停まっていたが、どうやら何も起きないので、再度走り出した。



今日の時計ベルト。
ローマーのアンティーク・スモールセコンドに、時計屋ネット・オリジナルのカミーユ・フォルネ特注品ベルトをつけた。

ショップ・オリジナルの限定品として作られた、リザードの表面を削り落としたという特殊な外観のベルト。
その外観ゆえ、けっこう扱いに困るベルトで(笑)、なかなか合う時計がみつからなかった。
ゴールドの時計と相性がいい・・というか、それ以外とは合わないことが分ったので(笑)、金無垢のロンジンと組み合わせたりしていた。
ローマーとの組合せは悪くなく、今まででベストのマッチングかもしれない。

裏材はアンチスエットのカウチュで、実用性も備えている。
カウチュは通常のブラックではなく、ベージュ色のものが使われている。
かなりお洒落な仕様である。

しかし腕につけて歩くとなると、やはり考えてしまう。
次の段階として、どの服を着ようか・・という話になる。
時々着ているえび茶のジャンバー・・あれだったら合うかもしれない・・などと考える。

こういうベルトは、時計単体としてのマッチングより、服装とのトータルでのコーディネートが重要になるだろう。
くすんだ色をしており、それほど派手なベルトではないのだが、異質な外観ゆえ注目度は高い。
人が着けていたら、僕だってあれは何だろうと見てしまう(笑)

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マクロ


SIGMA DP3 Merrill

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今日はマクロ中心に撮影してみた。
その結果、動く被写体を撮るのは、かなり厳しいことがわかった(笑)

まあ、最初から分かってはいたのだが、動くものを相手にすると、もうどうしようもない。
AFの反応は鈍くて対応できず、かといってマニュアルも非常に使いにくい。
シャッターラグも大きく、1回シャッターを押すと一瞬気絶するので、その間のチャンスはすべて逃す。

現像ソフトも、接写のように連続して撮影し、後から大量の枚数のピントチェックをする作業への対応は厳しい。
とてつもない時間が必要になる。

昆虫の複眼を記録できる数少ないカメラのひとつと期待した(もっとも倍率1:3では難しいが)のだが、これではそもそもチャンスを捕らえること自体が難しい。
シグマが悪いというより、この形式のカメラで撮ることに無理があるのだ。

やはりこの手の撮影には、機動力のある一眼レフカメラが適していることが分かった。
ファインダーにかじりついて、ピントを微妙に調節しながら、瞬間を逃さずに撮る・・というのが、正しい昆虫の撮り方であろう。
もしかすると、ファインダー像をダイレクトに見ることが、一番必要とされる分野かもしれない。

だが静止している被写体の撮影には、このカメラは威力を発揮するだろう。
このセンサーならではの、他社にない質感表現を生かすことが出来る。
後は散歩の途中で、ちょっと道端の花を撮るとか・・・マクロ機能は、そういう使い方を想定しているのかもしれない。

昆虫を相手にした撮影は、よほど相手が物分りがよくて、撮影の間、動かないで待っていてくれる場合に限るだろう(笑)



SIGMA DP3 Merrill

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始動


SIGMA DP3 Merrill

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時計ばかり買っていたが、久々に写真の方に力を入れる気になってきた。
ご存知の通り、軽くて楽ちんなため、最近はもっぱらDPシリーズばかり使っている。
しかしさすがに3台となると、重量も馬鹿にならない。

DP1Mが360g、DP2Mが355g、そしてDP3Mが400gである。
それでも一眼レフ1台より軽いが、何しろそっくりなデザインの3台を持ち歩くわけである。
撮影の時に瞬間的に見分けるのは難しく、かなり手間がかかる。
3台すべてを持って歩くのは、あまり現実的ではないかもしれない。

DP3Mには50mmF2.8レンズ(35mm換算75mm相当)がつく。
ちなみにDP1Mは19mmF2.8(35mm換算28mm相当)、DP2Mは30mmF2.8(35mm換算45mm相当)なので、3台揃えばほぼ標準ズームの域はカバーする。
そうなるとやはり3台全部を揃えたくなる(笑)

DP3Mはゴロッとした大きなレンズが付き、その点では他の2機種とのの見分けはつき易い。
専用レンズフードを付けた状態で、レンズキャップが付けられるようになったのは進化といえるかも?(笑)
操作方法やバッテリーは共通しているので、他の機種のオーナーなら、初っ端から悩むことなく使い始めることが出来る。



SIGMA DP3 Merrill

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DP3Merrillの50mmF2.8レンズは、一応マクロ撮影も出来ることになっている。
といっても最大倍率1:3であるが・・・
下の写真は、目一杯手前にピントを合わせた状態で、カメラを前後させて被写体に合焦させて撮影したもの。
つまり最大でこの大きさに写すことが出来る・・という例だ。

時計はフレデリック・コンスタントのマキシム・ハートビート・ムーンフェイズ&デイトにJ.C.ペランのベルトをつけたもので、ケース・サイズは42mm(竜頭除く)
時計の撮影くらいには、問題なく使えるということだ。
ただカメラの動作やソフトの使い勝手などを考えると、ささっと終わらせたい時計の撮影を、このカメラで撮る気にはなれない。



SIGMA DP3 Merrill

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まあ、決して使いやすいカメラとはいえないだろう。
そもそもこの解像度であるから、コンパクトなボディで、手持ちで撮影すること自体に無理がある。
それが故、使っていて面白くて仕方のないカメラでもある。

前にも書いたかもしれないが、このシリーズは使いにくいのがむしろ身上といえる。
個人的な意見であるが、もっともっと使いにくくして、写真ビギナーにはとっつきにくくしてほしい(笑)
今時ユーザーに優しくない製品なんて貴重である。
いまだにDPシリーズを使っている人を街で見ることは少ないが、それはとてもいいことだと思う(笑)
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睡眠


SIGMA DP2 Merrill

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やはり出張は移動距離に応じて疲労が出るようで、今日は疲れを感じる一日であった。
帰宅して、BSでアラン・シルベスタインの自宅にホームステイするという、凄い企画の番組を見た。
10年前に撮られたものであるが、高校の時の同期の女性がプロデューサーをした番組で、放映を知らせるメールが届いていた。
アラン・シルベスタインは、今でも欲しい時計のひとつだ。

その後疲れが出てしまい、ベッドでひと寝入りして起きたら、真夜中になっていた。
それから風呂に入り、パソコンに向かっている。
最近は睡眠はトータルの時間で取るようになっているので、これからまた眠れば問題ないかとも思う。

今日は珍しいことに、時計をするのを忘れて会社に行ってしまった。
愛用のオイスター・デイトは、家の机の上に置きっぱなし・・・
仕方なく会社にあったトレーサーを一日つけていた。

やはりクオーツは、軽いのだがどこかしっくりこない。
電気を使った駆動方式が、関係しているような気がしてならない。



今日の時計ベルト。
オイスターデイト6694に、モレラートのアクションのダークブルーをつけた。

オイスターにはブルー系のベルトも合う。
しかしこの組み合わせは、実際に腕に着けてみると、意外にぱっとしない。
シワの付け方が大味なのと、表面のトーンを抑え気味にしてあるのが、時計の地味さを助長しているようだ。

モレラートのアクションは、数ヶ月前に出たモデルであるが、一部の販売店では廃盤が決定したという情報が流れている。
こんなに短い期間で廃盤というのも解せない話である。
ふたコブのゴドロン仕様のモデルであるが、同社の人気モデルであるスピードと似た形状であるため、発売当初からキャラクターが被るのではないかと思ってはいた。

アクションは裏面に人工皮革のロリカが使われており、軽い耐水性を持たせてある。
ロリカはよく出来た合皮ではあるが、触った時の感触に特有の人工的な温かみがあり、個人的には特に好きな素材ではない。
とはいえ、会社では僕もロリカ製のベルトを使うことがあり、気になるほどの問題ではない。
アクションは表面のカーフと裏面のロリカとで、大胆に変えた色の組み合わせになっており、そのセンスがなかなか面白い。

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もみ玉


SIGMA DP2 Merrill

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帰宅した。
空港で走るようにしてゲートを出たら、発車直前のリムジンバスに乗ることが出来た。
バスの時間を知っていたわけではなかったが、たまたま間に合ったのだ。
急いだ甲斐があった。
それでトントン拍子で家に着いてしまった。

最近はあちこちの空港で、電動のマッサージ・チェアーが設置されている。
飛行機の出発まで時間がある時に利用している。
だいたい10分で200円だ。
あまり利用する人はいないようだが、体が疲れきっている時には、なかなか効果的で重宝している。

フルオートで全身をマッサージするコースがあるので、最初のうちはそれを選んでいた。
しかし何度も利用するうちに、だんだん覚えてきて、もっと効果的な方法がわかってきた。

背もたれと足乗せを、まずその日の体調に一番合った角度まで傾ける。
次にもみ玉の間隔を、自分の体に合った幅に調整する。
後は揉むと叩くのコンビネーションの動きでもみ玉を動かしておいて、リモコンを使ってマニュアルで上下に細かく移動していく。
その日一番こっているところを、ピンポイントで狙うのだ。

思わずのけぞるような強烈なポイントがあって、そこだけを徹底的に攻める。
関係ないところを勝手に揉んでしまうコースとは違って、これだと限られた時間を極めて有効に使える。
終わった後もすっきりして、200円が安いくらいに感じる(笑)



今日の時計ベルト。
モバードのミュージアム・ウォッチにmutaのアイス・クロコのサンダロをつけた。

ミュージアム・ウォッチに黒以外でどのような色のベルトが合うのか、ずっと考えていた。
ワニ系やヘビ系の革をベースに、大胆に芸術的な着色をしたベルトが、最近都内のお店で売られている。
そういうものを意識して見てみたが、なかなかマッチするものはみつからない。

ミュージアム・ウォッチのデザインの完成度が高い為、崩した方向のベルトをつけるにしても、それに見合ったデザインセンスが要求されるのだ。
そう簡単には受け入れてくれない。
シンプルでありながら、なかなかプライドの高い時計である。

その中でmutaのアイスのシリーズ(エナメル系の光沢仕上げのシリーズ)は、比較的合わせやすいベルトであり、ミュージアム・ウォッチとの相性も悪くない。
苦しい時のmutaで、ここでも時折登場するベルトである。
表面にコーティングされた強い艶が、意外に上品に見えるため、様々なクラスの時計に受け入れられるのだ。

アイス・クロコは、クロコダイルをイメージした型押しの革をベースにしている。
しかし前にも書いたが、凹凸のある表面の質感は、クロコダイルというより何か別の人造物のように見える。
中でもこのブラウンのモデルは、保守的な色でありながら仕上げは革新的という、アンバランスな要素が不自然にならずに調和している。
カジュアルとフォーマルの両方の性格を併せ持つ特殊なベルトであり、やはり特殊な存在であるミュージアム・ウォッチと奇妙なマッチングを見せてくれる。



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空中戦


SIGMA DP2 Merrill

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安い時計であったが、あえてぎりぎりの金額だけ入札して、ハイビッダー(最高入札者)になった。
入札者は僕一人、その状態で、数時間前からオークションの成り行きを見守っていた。
取れなければ、取れなくてもいい品物である。
ただゲームとしてのオークションを、ちょっと楽しんでみたかった。

誰か、僕以外にも同じものに目を付けている奴がいる筈だ・・と思った。
それは多分、日本人ではないだろう・・と踏んでいた。
仮に対抗馬が出てきたら、一戦交えてやろうと構えていた。
深入りする気はないが、軽い空中戦くらいなら演じてやる。

品物を取る気はなくても、戦いに敗れるのはいやである。
つまり純粋にゲームを楽しむために入札するのだ。
入札する額は、いうなればゲームの参加料である。
あえて先に入札したのは、こちらから戦いに名乗りを上げたのである。

しかしそのまま何も起こらずにオークションは進行した。
誰かいるだろうと思っていたが、その誰かが出てこない。
数時間の間、入札者は僕一人である。

やがて終了1分前になった。
たいていの入札者はこの辺りで我慢できなくなる。
最後の大空中戦が始まる。

しかし今回は誰一人入札しない。
相変わらず僕がハイビッダーである。
誰かが入札したら、悩んでいる暇はなく、瞬間的に反撃に移らなくてはならない。
対抗する入札額を頭に決め、準備万端、臨戦態勢で残り時間を見つめる。

残り時間が30秒を切った。
パソコンのレスポンスを考えても、そろそろ入札しないと間に合わない。
仮に今から入札されても、時間的に反撃するのが厳しいことに気付いた。
ぎりぎりの額だから、入札されれば完全に逆転される。
再度入札し、額を少し上げようかという考えが頭をよぎる。
いや、ここはこのままでいこう。
じたばたするところを見せたくない。

残り10秒、他に誰もいないのだろうか。
この品物に目を付けたのは、僕一人だったのか?
カウントダウンされる数秒間に、頭の中がめまぐるしく回る。

あと3秒だ
もう大丈夫だ。
どうやらゲームは戦わずして終了である。
この品物を欲しいと思ったのは、世界で僕一人だったらしい。
すべてが、ひとり芝居だったようだ。

その時である。
あと1秒というところで、2件目の入札があり、ハイビッダーが入れ替わった。
あ・・・
やられた!
反撃も何も出来ない。
見事な一撃離脱法に、あえなく撃墜されてしまった。

完敗である。
油断をした。
相手の攻撃を認識した瞬間には、オークションは終了していた。

鮮やかな手法だ。
恐るべき手練れである。
ずっと潜んで、同じ時計を虎視眈々と狙っていたのだ。
最後の一瞬に勝負をかけたということは、相手もこちらの存在を意識していたのだろう。
いきなり雲の間から現れて、一撃を加えてそのまま消え去ってしまった。

相手が見えなくても、攻撃を受ける可能性を考慮して、最後にもう一撃加えておくべきだったのだ。
そうすれば、攻撃をかわせたかもしれない。
一瞬気を許して、何もしなかったのが敗因である。
負け戦から大きな教訓を得た。

それにしてもエキサイティングなゲームであった。
品物がどうのではなく、戦いの面白さに酔った。

やはり世界のどこかに、僕と同じものに目を付けた男がいたのだ。
姿を見ることは出来ないが、多分、男に間違いないだろう(笑)
どういう奴かはわからないが、いつか会ってみたいものだ。
こうして、大いなる満足とともにゲームは終了した。



今日の時計ベルト。
JALのデュアル・タイム・ウォッチに、マルマンのクロコダイルの金茶をつけた。

全身ゴールドに覆われた機内販売時計の再登場だ。
いわゆる金無垢ではなくメッキではあるが、それでもなかなか立派に見える。
それに金茶のベルトであるから、まさに金尽くしである(笑)
ベルトと時計のトーンが合っていて、自分に合うかどうかはともかく、見ていて気持ちがいい。

金というのは想像以上にアクが強くて、写真に撮る時はいつも悩まされる。
ケースに反射したストロボ光に濃厚に金色が乗ってしまい、辺りに強く影響を及ぼすのだ。
毒気と言っていいほど、ねっとりとした強烈な光である。
その影響が、周辺の反射光を浴びたところにだけ部分的に発生する。
そのため修正が非常に難しいのだ。
このアクの強さを見ると、さすがは高額の素材だと感じる(笑)

それにしても、なかなか面白いデザインの時計である。
本当に、JALのロゴがなければ、着けて歩きたいところだ。

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バッファロー


SIGMA DP2 Merrill

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今日は仕事の準備に一日追われた。
昼食を取りに建物を出たら、風が強くてけっこう寒かった。
雨が降ったり止んだりの一日であった。

今回の出張の時計は、ロレックスのオイスター・デイトのみを持ってきた。
これひとつあればいい・・と思わせるほど、日常の道具として優れている(ように感じる)からだ。
はっきりとした理由があるわけではないのだが、何となく信頼を置いてしまう時計である。
実際のところ、メカがそれほどタフなものなのかどうかは、わからないのだが・・・

実はこの時計に愛着を感じる理由のひとつは、たまたま付けたバッファローの革のベルトにあるのではないかと思っている。
以前J.C.ペランにオーダーしたベルトで、その時は期待した外観と違ったので、がっかりして放置してあった。
それをオイスター・デイトに付けてみたら、なかなかマッチングが良かったので、そのまま使いだした。

そのベルトの付け心地が、非常にいいのだ。
いいというより、付けているのを忘れてしまうほど、腕に違和感がない。
つまり体に対する負担が非常に少ないのである。
(ベルトの外観は昨年12月26日の記事を参照)

このベルトを見ていると、付け心地というものが、どういう要素で成り立っているのかがわかり、非常に勉強になる。
裏面はラバーなので、必ずしも感触がいいわけではない。
ではなぜこれほど付け心地がいいかというと、まずはバッファローの革自体のしなやかさに因るところが大きい。
非常に滑らかに腕のカーブに馴染む。
ダブルステッチにして表面をピンと張らせているのだが、そのためか柔らかさと硬さのバランスがよく取れている。

また皮肉なことに、裏面に出てしまっている2列のステッチも、少なからず付け心地に関係しているように思う。
これによりアンチスエット性能は落ちる筈だが、全面ラバーのべたっとくっつくような嫌らしい感触が無く、糸が肌にほどほどのざらつき感を与えてくれる。
同時にラバー面に起伏が出来て、肌との間に空間が空く。

もうひとつ、サイズを20-16として細めに仕上げたのも効いている。(それを19mmのオイスターに無理に付けている)
これにより肌への接触面積がかなり減った。
これは馬鹿にならない要素で、実際にベルトの幅が狭めに出来ている・・というのが、腕を通して伝わってくる。

つまり付け心地とは、ベルト裏面の材質だけでなく、ベルト全体のしなやかさ、肌への接触面積といったいくつかの要素が絡んで、総合的に作られるものなのだ。
しかし今回の結果は偶然によるところが大きい。
時折、せっかくだからオイスター・デイト専用にベルトをオーダーしようかと考えるのだが、恐らく今より悪くなる可能性の方が高いだろう。



今日の時計ベルト。
ラケタにブロスのToro Sportのブラックをつけた。

これもバッファローの革を使ったシボの入ったベルトである。
しかし残念なことに、このベルトはバッファローにしては少々硬い。
このベルトは、せっかくの革の特質を生かしていない。

しかしラケタには、比較的よく合うベルトではある。
ベルトの持つ無骨さというか、表面の質感の少々荒っぽいところが、時計の性格に合っているのだ。
目立たないが、黒いステッチが囲み縫いなのも隠し味になっている。
東側の国的な性格が強調されるような気がする。

写真はストロボを焚いたので表面が少し光って見えるが、実物はかなり強い艶消し仕上げである。
艶が無くてシボの入った表皮が、男っぽくて面白いのだが、写真に撮って拡大すると、質的限界も見えてしまう。
だがラケタ用としては悪くない一本だろう。
試合後の顔の腫れたボクサーを連想させるような、凄みのあるベルトである。

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傾向


SIGMA DP2 Merrill

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九州に来ている。
いつもの出張だ。
こちらは東京より暖かい。

特殊なシャンプーとコンディショナーを使うようになって1ヵ月以上経った。
出張の間、それが途絶えるのは惜しいので、こちらにも持ってきている。
旅行用の小さなボトルに一生懸命詰めて持ってきた(笑)

自宅では3種類のシャンプーを交互に試しているが、効果の違いはまだはっきりしない。
どれも一様に髪が硬めになり、ボリュームが増す感じである。
もう少しそれぞれの傾向がはっきりしたら、レポートしようかと思っている。



今日の時計ベルト。
ローマーのアンティーク・スモールセコンドに、mutaのアイステジューのイエローとピーチをつけた。

普段だったら買うことの無い色だ(笑)
今流行の特殊な趣味の人ならともかく、これを50歳の男が着けて歩くわけにもいくまい。
たまたまネット上で安く売っているのをみつけたのだ。
何と7割引であった。

といっても、みつけたのはもう半年も前のこと。
いつまでも売れ残るようなら、いつか実験用に買ってもいいかな・・と思って放っておいた。
ふと思いついて、今回購入してみたわけだ。



他にも何色か安く出ていたが、やはり着こなしの難しいこの2色だけが残っていた。
もっともこういう色で全身を固めた女の子を、原宿など歩くとよく見かける。
そういう人にとっては、申し分なく「カワイイ」色のはずだ。

彼女たちに、もっとネットに目を光らせるべきだと提言したい(笑)
こんな面白い色のベルトが、何ヶ月も前から売れ残っているのだ。
50歳のおじさんが、買っちゃったじゃないか。
・・・と思ったが、カン幅18mmといったら、男性用サイズであった。



ここで注目すべきは、ローマーとの相性であろう。
驚くべきことに、かなりよく合っている。
ほとんど違和感が無い。
お洒落・・とさえ言えるかもしれない。

この時計の意外な面を見たような気がした(笑)
予想外に受け入れの間口の広い時計であることがわかってきた。
硬派だとばかり思っていたが、実はかなりの軟派か?

アンティークの時計とこういうベルトの組み合わせは、まだ誰もやっていない新しいファッションかもしれない。
これをお店に置いたら、すぐに売れてしまうだろう。
僕としては、この世界に足を踏み入れる気は無いので、こここで留めておく(笑)
誰かこのまま突っ走ってくれる、勇気のある人はいないだろうか?

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紙の本


SIGMA DP2 Merrill

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よく晴れた休日であったが、ほとんど外に出なかった。
ガジェットに表示される気温がやけに低かったので、外に出る気になれなかったのだ。
今週は出張が控えているので、あまり無理をしたくなかったこともある。
せっかく週末が晴れたのに、撮影に行かないなんて、歳をとったと言われても仕方がない。

外が暗くなる頃、近所のデパートまで散歩がてら出かけてみた。
時折覘く大きめの書店があるのだ。
店内をふらふらと歩き、気になった本を数冊購入した。

佐々木譲氏の単行本、腕時計の雑誌、住んでいる地域のガイド本、黒澤映画の研究書・・の4冊である。
結構な出費になる。
最近は本を読む人が減っている・・というか、既に印刷された本は過去のメディアだという。
本屋にいると、まだ購入する人は大勢いるように見えるが、電車の中はスマートフォンをいじる人ばかりで、紙の本を読む人は少ない。
ここでも歳をとった過去の人になりつつあるようだ(笑)

スターバックスで一休みして、ホワイトモカを飲んだ。
隣に座った白人も、スマホをいじるのに夢中になっていた(笑)



今日の時計ベルト。
カラトラバ3923に、バンダ・ジャパンのテーラーメイドのカーフ加工(スエード調)のタンをつけた。

前にも紹介したが、バンダ・ジャパンでは非常に安い価格でオーダー品を作ってくれる。
このところの円安が響いて、年初に一気に値上げしてしまったのは残念だが、この1本はその前にオーダーしてあったため、非常に安く上がった。
製造には2ヶ月ほどを要したと思う。

サイトからは偶数サイズしか選べないのだが、コメント欄に17mmで作って欲しい由を書いたところ、問題なくOKになった。
表面の素材はカーフをスエード調に加工したもので、7色用意されている中から一番明るいブラウンである「タン」を選んだ。
ステッチは白、裏面の素材はアンチスエットのラバーにしてもらった。
厚みは用意されている中で一番薄い3mmであるが、いわゆるフラット・タイプではなく、中央部に僅かな膨らみを持つカレ仕様。

正直なところ、出来上がりを見て少し困惑したベルトである。
A.B.P.で作ってもらったベルトと比較しても遜色ない出来なのだ。

カラトラバのカジュアル路線用に、明るいブラウンのスエードっぽい材質のベルトが欲しくて、同時に数社にオーダーした。
ジャン・クロード・ペランの立ち上げた会社であるA.B.P.にも、これと近い仕様で注文したのだが、意外にもバンダ・ジャパンのオーダー品も出来がよく、決して負けていない。
少なくとも価格ほどの差はない。

実際に手に取ると、細部はやはり普及品の作りではあるのだが、ちょっと見た限りでは大きな差は感じられない。
品質に差のつきにくい素材を使ったこともあるのだろうが・・・
ベルトの仕様によっては、極めてコストパフォーマンスの高いものが作れる例といえるだろう。

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残り物


SIGMA DP2 Merrill

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いつも夜寝る前にオークションをチェックする。
その時に思うのだが、僕の知らないうちに出品されて、知らないうちに終わっているオークションが、かなりの数あるのではないか。

ヨーロッパの出品者だと、時差の関係から、こちらが寝る頃から明け方くらいまでに出品される場合が多いだろう。
アメリカなら、こちらが仕事をしている日中が中心だろうか。
その間こちらはオークションを見ることはほとんどない。

誰からも気付かれずに終わるオークションはまずない。
世界中の目が虎視眈々と狙っている。
僕がオークションにかかわれずにいる間にも、かなり活発に取引が行われているはずだ。

たとえば出品者が、自分の出品物の価値をわかっておらず、とんでもなく安い価格を付けて出品してしまったとする。
バイ・イット・ナウ設定で出した場合、最初に気付いた人がその場で落札して、即座にオークションは終了するだろう。

そういう出品物にほとんど巡り合わないのは、その残り物を見せられているからではないか・・・
寝ている間や仕事をしている間に、かなり損をしているのではないか・・・
まあどうしようもない事なのだけれど、そんな風に疑ってしまうのだ(笑)



今日の時計ベルト。
ローマーのアンティークに、松重商店のFC01cをつけた。

一番好きなベルトのひとつだ。
しかし18-16の幅でしかも厚みがあるために、この時計用としては少し無骨に見える。
ベルトの厚みと幅が、時計を圧してしまっている。

ローマーのような、ある意味正統派のデザインをしたアンティークには、やはりブラウンのベルトが一番合うように思う。
ダークブラウンなら無難にマッチするだろうが、ライトブラウン系で上手くまとめられれば、その方がお洒落な組合せになる。

このベルトは、色合いにおいてはベストに近い組合せだと思う。
淡いコントラストを保ちながら、時計本体と絶妙にマッチしている。
形状の上でバランスが悪いのは心得ていたが、色の相性を確かめたくて、組み合わせてみたのだ。

実は最初から、この時計と組み合わせるのにベストのベルトを頭に描いていた。
明るめのブラウンに囲み縫いステッチの薄手のベルト・・・である。

残念ながら、理想通りのベルトは市販品ではみつからない。
比較的近いものが松重商店製にあるが、色が少し濃くて厚みもありすぎる。

この理想のベルトを、先日ペランにオーダーしてみた。
18mm幅で作れば、ローマーに限らず様々なアンティークに使えるだろう。
出来上がってくるのは1ヶ月以上先であろうが、あまりに地味なデザインであるので、正直なところ失敗する確率も高いと思っている。

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災害


SIGMA DP2 Merrill

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隕石が落ちてきた映像を見ると、やはり現実にこういうことがあるのだなと、今更ながらに驚いた。
映画で見たのとそっくりだ(笑)

以前火球に遭遇したことがあるが、あの時は低い位置だったのか、もっと移動する速度が速かったような気がする。
ただ手も足も出ない自然現象が、目の前で勝手に起きている・・という点はまったく同じであった。
見ているしかない。

2012 DA14に伴って、今日の隕石のように、同じ軌道上を他にも破片が飛んでくる可能性はある。
それらが地球に衝突することもあり得ると、テレビで専門家が少しだけ触れていた。

過去にも同じ頻度で起きているのだが、映像が大量に残ることで、より現実味の増した事象となっている。
何年か前に比べると、地震や津波はかなり具体的に想像できる災害になっている。
それに隕石が加わり、この後は噴火なども控えている。
もちろん目の前で実際に起きれば、はるかに凄まじいのであるが・・・



今日の時計ベルト。
ジャガー・ルクルトのアンティークに、アラン・シルベスタインのグリーンのベルトをつけた。

詳細はまったく不明のベルト。
実は海外から取り寄せた時計に付いていたのだ。

アンティークや中古の時計を購入すると、ベルトだけ新品が付いてくることが多い。
革の場合、人の使ったものは気持ちが悪いからだ。
新品と言っても、大抵は現地で売られている安いベルトである。
そのため取り外して、そのまま放置してしまうことが多い。

先日ロンジンのクォーツを落札した時は、新品のアラン・シルベスタインのグリーンのベルトが付いきた。
たまたまお店で余っていたのだろう。
本来何という機種に付いているベルトなのかはわからない。

グリーンのベルトは比較的マーケットに少なく貴重なので、自分のベルト・コレクションのひとつとして加えることにした(笑)
実測4.5mm程度の厚みのボンベ仕様。
革と同色の糸を使ったダブルステッチが特徴的で、2列で押さえつけた分膨らみが目立つ。
遊革は幅広1個のタイプで、ここにもステッチが入っている。
ベルト先端部はラウンド型で、バックルもそれに合わせた形状のものが付いている。
さすがアラン・シルベスタインで、普通のベルトと比べると少し凝ったデザインである。

様々な時計とマッチするベルトといえる。
ルクルトと組み合わせても、予想以上にしっくりくる。
ベルトが必要以上に主張することが無く、モダンでお洒落にまとまっている。
クールなルクルトに、ちょっとだけ温かみを与えてくれるいい組み合わせだ。

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管理下


SIGMA DP2 Merrill

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チョコレートをいくつかいただいた。
ところが、Mrs.COLKIDに全部取り上げられてしまった。
「これは私が管理します」
そう言ってチョコレートの入った包みを、どこかにしまってしまった。
糖尿病に悪いからという名目である。
あなたがひとつ、私がひとつ・・と言って、食事の後に小分けして出してくる。



今日の時計ベルト。
オイスターデイトに、モレラートのスピードのブラックをつけた。

スピードはモレラートの傑作モデルで、夏になると同社の売り上げの上位に食い込む人気商品。
カーボン調の型押しラバーで、2列の山が外観に迫力を与えている。
非常にスポーティなデザインのベルトであるが、ブラックのモデルなら仕事の時でも使えるだろう。

日常生活防水仕様であるが、裏面は合皮が貼られており、長く使っているとそこが少し痛んでくる。
比較的安価なモデルでありながら、表皮の質感はなかなか高く、時計全体のグレードまで上がったように見える。
人気が高いわけである。

このベルトはオイスターデイトに合うだろうと思っていた。
カン幅19mmは用意されていないので、20mmのものを無理につけた。
マッチングは上々で、なかなかカッコいい。
主張の強いスピードのデザインがプラス方向に働き、地味なオイスターデイトのイメージがそうとう変わる。
オイスターは防水を意識したケースなので、相性の点でもピッタリといえる。

現在オイスターデイトにはJ.C.ペランのバッファローのベルトを付けているが、腕に着けた時の装着感はそちらの方がいい。
スピードも厚みがあるわりにはしなやかなのだが、バッファローの革の装着感は抜群で、ラバー+合皮ではちょっと敵わない。
夏の暑い時期だけ、スピードに交換するかもしれない。


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掘り出し物


SIGMA DP2 Merrill

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海外オークションでは、自分以外にも誰かが必ず同じものに目を付けていると書いた。
全世界を相手にしており、対象の人間は莫大な数に上る。
広く価値を認められている出品物で、競争が起きないことはまずない。
日本からの入札者だけ見ても、そこで買って日本のオークションや店舗で売ろうというプロがいて、常に目を光らせているのだから当然ではある。

以前は、出品者がスペルを書き違えてアップしてしまい、検索に引っかからず、ほとんど閲覧者がいない場合があった。
ずいぶん昔の話だが、米国の年配の女性が、テディベアの名前を打ち間違えて出品しているのをみつけたことがある。
一文字違うので、普通に検索をかけたのでは引っかかってこない。
しかも写真を撮ることができないらしく、映像なしのオークションであった。

文章からどういうものか想像し、これは・・と思った。
ある種の賭けではあったが、思い切って落札してみた。
その時は、僕以外にも数人の人が気付いていたようだが、入札合戦に参加した人はいなかった。
損得に厳しいが故、賭け事のようなやり方をする人は、逆に少ないのも特徴かもしれない。

出品者は米国郊外の不便な場所に住んでいるおばあさん(だと思う)で、荷物を郵便局に持っていくのに数日かかるがいいだろうかというメールがきた。
外は雪で歩くのが危ないという。
その時点で相手を疑う人もいるだろうが、無理をして怪我をしたら大変だから、雪が止んで安全になってからでいいと返事をした。
先にお金を払っているので、こんなお人好しな話も無いのだが、あえてじっと我慢した。

そして数週間後に届いた荷物は、予想していた通り極めて価値の高いものであった。
それを破格の値段で入手したことになる。
相手にしてみれば、そんなに価値があるとは思いもせず、長年家にあった「古びたぬいぐるみ」を売った程度のことだったのだろう。
僕にとっては、入手までの特別な経緯も上乗せされた、特別思い入れのあるベアになった。

しかしこういうことは、もう最近は無いだろうと思う。
あの頃に比べればオークションの規模が大きくなり、システムの完成度も高まり、検索から外れるような出品をすること自体が難しくなったからだ。
世代が交代し、パソコンに弱い人の比率が減ってきたのも理由である。

そうなると全世界を相手にするオークションは、対象人数が多いだけにかえって不利になるという矛盾が生じてくる。
価値のある出品物が見逃されることはまず無い。
全部が全部、妥当で正当な取引になってしまう。
骨董市に行ったって、掘り出し物がないほどつまらないものは無いのだが・・・
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