那須の食事


D3X + LEICA APO-MACRO-ELMARIT-R 100mmF2.8

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土曜日に会社が終わってから那須に向かったのだが、仕事が予定より遅くなり出発が遅れた。
那須に着いてから食事をしようと目論んでいたが、道の状況によっては到着が夜遅くなってしまう。
どこかのレストランを予約できないかと思ったが、電話してみるとどこも8時半くらいがラストオーダーだという。

時間が読めないので、とにかく高速に乗った。
間に合いそうも無いなら、いつもの佐野のサービスエリアで食べようと考えていた。
ところが思いの外スイスイと行き、1時間半ほどで那須インターのそばまで来た。
そこで車の中から那須にある大きなホテルに電話して、フレンチのお店を予約してみた。

ホテルといっても観光地の温泉ホテルなので、どちらかというと飲めや歌えやの世界(笑)
まったく期待していなかったのだが、想像していたよりずっといい内容であった。
那須は野菜がいいので、野菜系の料理は美味しいことが多い。
そこも15種の野菜を茹でた料理が美味しく、お店の人を褒めたら、自信があったらしく喜んで色々説明してくれた。
やはり地元の契約農家に特別に作らせているそうだ。



お客さんは温泉に入ってビールを飲んで、騒ぐことを楽しむために来ているので、子供や酔った人が少々騒ぐのは仕方がない。
建物の上の方にあるので、多分見晴らしは良い筈なのだが、何しろ山の中なので夜景などまったくなく、窓の外は真っ黒である(笑)
しかし僕が糖尿だからと、カロリーを抑えた料理をお願いしたら、急な依頼なのにちゃんと対応してくれた。

那須にあるお店は玉石混合で、本当に美味しいところは(値段もいいのだが・笑)当日急に電話してもまず断られてしまう。
とりあえず時間内であれば、いつでも予約OKのお店がひとつ確保できたのは助かる。

翌日は、以前にも書いたウナギの美味しいお店に電話をして、いくつかお土産に包んでもらった。(ウナギはカロリーが物凄く高いのだが・・笑)
いつもの通り、実家の畑で採ってきた新鮮な野菜と、ピーちゃんの産んだ玉子を車に積んで、ショーゾーカフェで昼食をとってから帰路についた。

今回は比較的食事がよかった・・などと言いながら高速に乗ったが、往路とは違い大混雑、次々に渋滞にはまり、3時間以上もかかってしまった。
考えてみたら夏休み最後の日曜日なのだから、当然なのであった。
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帰宅しています。


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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帰宅した。
昨日の夜遅く那須に着いて、今日の午後には那須を出発するのだから、24時間もいないわけだ。
そう考えると忙しい話である。

昨晩は暑いと書いたが、明け方はそうでもなく、むしろ寒いくらいであった。
しかし日中になると、また気温は30度以上になり、しかもエアコンはない・・という状態。
もっとも帰途、東京が近付くにつれ気温がさらに上昇したので、東京はもっと暑かったのだろう。

那須はこのところ毎夕激しい雨が降っているそうで、山に行くと地面がぬかるんでいた。
靴は履き替えていったが、ズボンの裾がどろどろになった。
今日も帰る頃になると、空に大きな積乱雲が出ていた。

お土産にみそきんを買ってきて欲しいといわれ、那須街道の方までひとっ走りしてきた。
すると、姉妹品のみそきん二世というのも売られていたので、早速購入してみた(笑)
醤油味のみそきんなのだが、味が濃い目なので若者はこちらの方を好むかもしれない。
オリジナルの方が品がいい味・・というのがMrs.COLKIDの評価。
(右の赤いのがオリジナルの「みそきん」、左は「みそきん二世」)

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避暑地


D2X + Ai AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8

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那須に来ている。
激しい雨が降ったようで、地面が濡れている。
湿気が多く、じめじめと暑苦しい。
気温は東京より低いのだが、なにしろエアコンがない。
かえって過ごしにくく、ちょっと困っている。
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せんとくん


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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奈良はせんとくん一色であった。
最初は違和感を覚えたこのキャラクターであるが、慣れてくると相当出来のいいデザインであることが分かってくる。
秀逸と言っていいだろう。
時間とともに評価が高まるのは、本物である証拠である。

デザインが奇抜なことはともかく、絵として正統派で、古典的な技法を踏まえているのだ。
対抗馬がいくつか出たが、まんが調のものばかりで、並びうるものはなかったように思う。
実際お土産に、僕でさえせんとくんの描かれたものをいくつか購入したくらいだから、金銭的な面でも相当貢献しているはずだ。

ネット上で、現地の人が、せんとくんに批判的な事を書いているのを読んだ。
いい加減にして欲しいというのだ。
東京でもせんとくんと接する機会は多いが、好意を抱いて見ていた。
しかし奈良に行ってみて、なるほどその意見にもうなずける気持ちになった。

何から何までせんとくんなのだ。
毎日周りにせんとくんがうじゃうじゃいたら、確かにうんざりするかもしれない(笑)
その上、本物の鹿までうろうろしている。
無言で後をついてくるので、かわいいというより、暑苦しくて不気味な生き物に見えた。

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いつのまにか


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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BMWに乗っていながら、BMWの最新情報にあまり詳しくない。
それどころか、車というものに対して、ほとんど興味がわかない。
おかしな話だが、BMWを購入してから、そういう現象が起きている。
他社の車に興味がなくなるので、あれこれと悩む必要がなくなり、結果的に車に対する興味も薄れてくるのだ。

今回120iを車検に出すことになったが、そろそろ買い換えてはどうか・・という話も出た。
以前E46の3シリーズに乗っていた頃に経験したのだが、最初の車検を過ぎた頃から、急激に故障が多くなり、毎月のように入院し、維持費に悩まされるようになった。
今の機械はセンサーだらけで、それを中央のシーケンサーで制御する仕組みだと思うのだが、そのセンサーの寿命が3年程度のものが多いのか、次から次へと一斉に故障しはじめるのだ。
交換の作業料金もかかり、修理に1回5万円くらい取られる。
中古価格が激しく下落するのも、それが関係しているのかもしれない。

そこで、現状のBMWのラインナップがどうなっているのか調べてみた。
まず1シリーズであるが、直噴エンジンになり効率が大幅に上がり、パワーが上がったにもかかわらず、燃費が相当向上している。
同じ120でも、僕の車が街中でリッターあたり約8キロしか走らないのに、今の120は12、3キロも走るようだ。
このエンジンは実際に好評で、かなり売れているらしい。
しかし基本的には今の僕の車と同じモデルであり、外観はまったく変わらない。

一方で、どうやらこの1、2年で、BMWも一斉にハイブリッド化されるらしいことがわかった。
ディーラーの人からそれを聞いて、驚いて調べてみたら、5シリーズと次期3シリーズは来年から再来年にかけてハイブリッド・モデルが加わることが、既にメーカーから正式に発表されている。
1シリーズもハイブリッドの試作車の写真がスクープされており、フルモデルチェンジして登場するのは時間の問題のようだ。

どう考えても、それを待ったほうがいい。
しかし前述の通り、もうしばらく今の120に乗るとなると、そろそろ故障が出てくるのは目に見えている。

とりあえず2年間の保証期間延長に入ることを検討しているが、料金が14万円くらいかかるらしい。(消耗品は保証されない)
それでも絶対に入った方がいい・・と、いろいろな人から言われた。
まあ2年で14万なら仕方が無いかと考えている。
その程度では済まないくらい、維持費がかかる可能性があるということだ(笑)

近く行われるホンダのフィットのハイブリッド化で、通常のガソリンエンジン車のオーナーが一気にそちらに流れ、世の中の車が一斉にハイブリッドに移行するのではないか・・という記事を読んだ。
リッターあたり30キロが当たり前になるので、トヨタとホンダ以外の日本のメーカーは苦境に立たされるという。
BMWは、遅ればせながらも、何とか食らい付いていく体勢のようだ。
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そが の いるか


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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飛鳥に初めて行くMrs.COLKIDが、飛鳥時代の歴史について、本やネットで勉強していた。
会社で同僚の、千葉から通っている女の子に、蘇我入鹿を知っているかと聞いてみた。

すると真顔で
「千葉県の蘇我にいるイルカのこと?」
と言われたという。

蘇我馬子の孫にあたる時の権力者、蘇我入鹿は、645年、宮中において中大兄皇子、中臣鎌足らによって暗殺される。
乙巳の変と呼ばれるこのクーデターは、大化の改新の序章でもあった。
その首塚は、飛鳥寺のすぐ裏手にある。

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キット


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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カブトムシを飼っていて思いついたのだが・・・

カブトムシのメスをオスに変身させるキットというのはどうだろう。
前後のツノと接着剤をセットにして売るのだ。

コクワガタをオオクワガタに変身させるキットもいい。
サヤをツノにすっぽりかぶせて太くする。

モデラーに頼めばすぐに作ってくれるだろう。
でもきっと愛護団体から抗議を受けるだろうな・・・
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薬膳


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED(上)

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LEICA X1(以下)

今回の旅行で、思わぬ収穫は食事であった。
明日香村の隣、高取町にある薬膳料理のお店に行った。
ガイドブックに小さく出ているのを見て、突然電話してみたのだが、快く迎えてくれた。



飛鳥の駅から車で10分ほどの場所にある。
国道から狭い道を山の方に入り、曲がるのに難儀するほどの細い道を上っていくと、崖の上の道沿いにモダンで凝った作りのお店が見えてくる。



中に入ってびっくりするのは、窓の外に大きな池が広がっていることだ。
急な坂道を上がってきたはずなのに、それまでまったく見ることのなかった水面が、突然目の前に広がるので、何がどうしてこうなるのかわからず混乱する。
周りを家に囲まれた、秘密の園のような池である。



思わず、一体この池は何なのですか?と質問すると、お店の方も答えられずに困っておられたが、昔は高取城主がここで水遊びをしたという。
コイ漁が行わた時期もあり、今でも時折大きな魚が水面を跳ねる。
足場のようなものが設置されているが、水鳥が飛んで来るので、そのために置いてあるということであった。



高取は歴史のある町で、何と飛鳥より100年古いという。
山ひとつ隔てた向こうには高取城跡があり、昔は強風の時にお城の瓦が飛んでくることもあったそうだ。
歴史のある町ゆえの興味深い話に、不思議な池の存在も妙に納得できた。



料理は非常に見事なものであった。
僕は薬膳が好きなのだが、ここの料理は満足度がかなり高かった。
薬膳料理を食べると、しばらく体の調子が良くなる。



この辺りはシルクロードの終着点でもあったために、大陸より伝来されたであろう薬の産業が盛んで、高取町には現在でも製薬会社が多い。
以前は一般の家でも薬を練って作っていたというが、薬事法の改正で小規模の製造者は姿を消したという。
もしかするとそのノウハウも、薬膳料理に生かされているのかもしれない。
美味しい食事は、歴史なくして生まれるものではない。



薬膳料理は、すべての食材に渡り極度に配慮がなされている。
ここの料理も、ひとつひとつが凝りに凝っており、すべての説明を聞くには長い時間を要し、覚えきれないほどであった(笑)
器の入る木製の引き出しまで、特別に有名な方がこのお店用に作られたもので、今はここにある数個しか存在していないという。



料理の素材も十分に吟味されたものが集められる。
皮肉なことに、薬膳という食文化の元祖であるはずの中国が、水質汚染などで環境が悪化しており、素材としてのランクが落ちているのだそうだ。
そのため特別に作らせた日本の素材が中心となる。



驚いたのは東京の某デパートが、超上客を対象とした特別ツアーのひとつに、ここでの食事が組み込まれているという話であった。
あのツアーは、一般に知られていない特別なお店を見つけるので有名だ。
実際そういう層の方たちも、十分に満足できるお店だと感じた。
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レンタカー


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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飛鳥にはレンタサイクルがあるというので、それを借りて周る予定でいた。
30数年前、中学生の時は歩いて周ったのだから、自転車があればずっと楽だろうと思ったのだ。
しかし夜行バスで多少疲れていたのと、機材の重さと、それに何と言っても現地の蒸し暑さで、自転車を漕ぐ気力がなくなってしまった(笑)

到着してから、急遽レンタカーを借りようという話になったが、さすがに連休中でどこにも空いた車がない。
あちこちに電話してみたところ、電車でいくつか戻った駅にあるレンタカー業者で、やっと一台確保できた。
白いカローラであった。

運転してみると、例によってハンドリングという概念がこの車にはあるのか・・という気分にはなったが(笑)、今日はそんな贅沢は言っていられない。
車内で冷房にガンガン当たりながら、非常に快適にドライブすることが出来た。
カローラ様々である。
飛鳥には車を駐車場に停めてから、斜面をかなり歩く場所も多く、強烈な湿気と直射日光で熱中症になりかけたが、涼しい車の中に避難して何とか避けることが出来た。
これがなかったら、どうなっていたことか・・・

車中から、借りた自転車を漕いで周っている人たちを大勢見たが、あの暑さの中で大丈夫なのだろうか。
石舞台のように、急な坂道の上にある遺跡もある。
さすがにそういう所へは、自転車で来る人は少ないように見えたが・・・

車を借りる時に、ぶつけたり、ボディを擦ったりしたら、必ず警察を呼んで欲しいと何度も言われた。
それはわかるのだが、車を受け取る際の点検で、既にあちこちに擦った跡があるのがわかった。
既存の傷の記録が、点検票にもぎっしり書き込まれている。
いろいろな人が運転するから、そんなものかと思ったが、走り出して理由が分かった。

歴史のある古い街は道が細く、車がすれ違うだけの幅が無い事も多い。
大抵そういう道の先に遺跡があるのだ(笑)
しかも道の脇には、けっこうな広さの水路が走っている場合が多く、気をつけないと踏み外す。
何も飛鳥まで来て車を飛ばす必要も無いのだからと、気を遣いながら慎重に運転した。

その結果もあるが、返す時にガソリンを満タンにしたところ、かなり走ったにもかかわらず、500円程度で済んでしまった。
走行中、燃料計の針がまったく動かないので、故障しているのかと思っていた。
今更ながら、日本車の燃費性能の優秀さに驚かされた。

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飛鳥大仏


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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最初に飛鳥を訪れた時、もっとも感銘を受けたのが飛鳥寺にある飛鳥大仏であった。
つぎはぎだらけの顔が、一種独特の迫力を持つ大仏である。
初めての出会い以来、飛鳥大仏は僕のもっとも敬愛する仏像となった。
今回の旅も、飛鳥大仏と再会することが、最大の目的であった。

飛鳥寺の前身にあたる法興寺は、6世紀末から7世紀初頭にかけて蘇我馬子により作られた、日本最古の本格的仏教寺院といわれている。
当時は五重塔を中心とした壮大な寺院であった。
本尊であるこの飛鳥大仏(釈迦如来)は、鞍作鳥の作とされている。

平城遷都で、法興寺は奈良市に移転して元興寺となったが、飛鳥にある寺院は本元興寺と名を変えてその場に残された。
しかしその後2度の火災に遭い、寺院は時代とともに著しく衰退した。
激しく損傷を受けた飛鳥大仏は、一時は野ざらしにされていたという。
現在の本堂は江戸末期に再建されたもので、敷地も狭く、当初の壮大な寺院の面影は無い。
飛鳥大仏も相当の補修を受けており、オリジナルの部分は頭部の上半分、左耳、左手の指の一部のみとされている。

しかし現在飛鳥大仏の立つ位置は、蘇我馬子の建てた法興寺中金堂の跡地であることが判明しており、飛鳥時代と変わらない場所に安置されているという。
つまりこの大仏はほぼ1400年間、この場所で人間の歴史を見てきたことになる。
恐らくそのことが、この大仏が独特のパワーを発する理由になっている。
飛鳥大仏の細長い目は、まさにこの場所で、聖徳太子を初めとする多くの歴史的人物の姿を見てきたのである。

飛鳥大仏は暗い本堂の中で、30数年前に来た時と、まったく変わらない姿で鎮座していた。
その姿に接することが出来ただけで、今回の旅の目的は達せられたと思った。
1400年間、誰かがこの大仏様を守ってこられました。これからも誰かが守っていくのです・・とお寺の方が説明されたのが印象的であった。

飛鳥大仏は、素朴でごつごつしていて、得体の知れない力に溢れている。
Mrs.COLKIDもそれを感じ取ったのか、圧倒されたように、その姿を見つめていた。
これは僕の一番好きな大仏だ・・僕がそうつぶやくと、同じ思いを持つのか、側に立っていた年配の見知らぬ女性も頷いていた。

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F


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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最近複数の方からニコンFを見せていただいた。
日本が作り出した「機械」として、これほどのものは、そう無いのではないか・・という評価をよく聞く。
シャッターの感触が最高だという人もいる。
僕も中古を1台購入してみようかと思っていた。

ところが先日K師匠がみえられて、はい、お土産ですとニコンFを渡された。
もう使わないから差し上げます。
ええ!・・・い・・いいのですか?





うーむ、さすがはK師匠、思い切りがいい。
ニコンFは1959年の発売であるから、僕の生まれる3年ほど前の製品である。
K師匠は当時給料が1万数千円である時代に、7万円以上するFを購入された。
今なら、小さ目の自動車を1台買うようなものである。

リンホフの使い手であったK師匠のお父様もFを買われたため、K師匠の手元には2台のFがあった。
そのもう1台のFも、他の誰かにあげてしまったそうだ。

僕の許にやってきたFは、まだ部品の在庫がある頃に、メンテナンスに出し各部を整備されたものだという。
以前にも書いたが、30年間壊れることなく動き、ニコンにメンテナンスに出したところ、これであと30年大丈夫ですよ・・と言われて手渡されたという。
K師匠は機械のプロであるが、30年メンテなしで動く機械は、他にないのではないかと言われている。

少し手に痛いほどのゴツゴツしたボディ。
ファインダーを覗くと、今のカメラよりピントが合わせやすいのがわかる。
レバーを巻きシャッターに指をかけると、銀塩の時代がよみがえる。
横走行のチタン製シャッター幕の動きが心地よく、つい何度も試してしまう。
もうフィルムを使うことは無いと思っていたが、一度くらい撮ってみないと、カメラに申し訳ないような気がしてきた(笑)


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夜行バス


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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夜行バスに乗るのは、はじめての体験であった。
Mrs.COLKIDは経験していて、結婚して間もない頃、名古屋で限定発売されるテディベアを買う為に、夜行バスで行ってもらったことがある。
あの頃は私も若かったから・・と、夜行バスがどういうものか知っている当人は、初めから少々心配しているようだった。

夜12時少し前に、東京駅を出発するバスを選んだ。
翌朝6時半に京都駅に着く。
奈良に直行するバスは数が少なかったので、便数の多い京都行きにした。

バスは2階建てで、我々の座る椅子は2階にあった。
3列シートという、スペースに余裕のある金額の高いタイプを選んだが、椅子自体はそれほど広いわけではない。(写真参照)
一応1階にトイレがあるのだが、固形物が流せないので「小」のみに使って欲しいと言われた。

椅子に座った体勢では熟睡は出来ない。
夜中に何度も目が覚めた。
さらにはサービスエリアなどで停まると、車内に大きな音で休憩を告げるアナウンスが流れるので、ほとんど強制的に起こされた。

こんな状態ではほとんど眠れないのではないかと思ったが、実際には意外に寝ているようだ。
休憩の時にMrs.COLKIDが外に出たのも、後から言われるまで知らなかった。
途中走行が危なく感じるほどの大雨にも遭遇したと聞いたが、それさえ気付かずにぐっすり眠っていた(笑)
考えてみれば、飛行機の中ではもっと苦しい思いをしている。
アンカレッジ経由の頃は、ヨーロッパまでかなりの時間を要したし、エジプトに行った時など27時間もかかった。

むしろ酷い目に遭ったのは、Mrs.COLKIDの方らしい。
走り出してすぐに、僕の後ろの席の乗客が大きな音でいびきをかきはじめた。
はて、後ろは女性だったはずと思い見てみると、20歳代の若い女性がガーガーといびきをかいて寝ている。
その連れの男性はそんなことは気にもとめない様子で、靴下を履いた足を持ち上げて、もぞもぞと動かしている。
時折車の助手席でインパネに足を乗せている下品な男性を見るが、どうやらあの手の人物らしい。

気にもせず僕は寝てしまったが、そのうち僕自身が寝息を立て始めたそうで、隣のMrs.COLKIDは三方から攻撃を受ける形になった。
女性のうるさいいびきに悩まされて、やっと眠りかけると後ろの男性の足が椅子に当たって起こされ、そのうち隣の僕が寝息を立て始める。
いびき女と足男と寝息男・・・私は散々な目に遭ったと洩らしていた。

どうせ夜行なのだから、完全なベッド形式にして、車内で上下に何段か重ねる構造にした方がいいのではないかとも思ったが、誰もやらないところを見ると、安全上の問題などがあるのだろう。
布団やシーツのクリーニングのコストもかかるし、その車両は日中には使えなくなってしまう。

目的地に到着すると、疲れた状態で街中に降ろされる。
当たり前ではあるが、ベースとなる宿があるわけではないので、休むことも出来ずにとぼとぼと歩くしかない。
地上に降りるやバリバリ仕事を始めることの出来る、タフな人に向いた乗り物だと思った。

スペースの広い席を選んだものだから、金額的にも新幹線とそう変わらない。
帰りはグリーン車の新幹線だったが、速いし、電源は使えるし、無線LANも完備されている。
その上乗務員の女性が、何回もゴミを回収しに来てくれる。

夜行バスを使うとしたら、どうしても新幹線より1、2時間早く到着したいという事情がある時だろうか・・・
当然目的地に直行でないと意味が薄れる。
僕は意外に元気に行動できたが、Mrs.COLKIDは疲労が激しかったようで、もう二度と嫌だと言っている(笑)

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記憶の中の風景


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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30数年ぶりに飛鳥に行ってみて、かなり変わったという印象を受けた。
実際にその当時から比べると、道が整備されて広くなっているという。
田んぼの真ん中にあったと記憶していた遺跡が、今は周りをしっかり囲まれて、近所にはお土産屋も数軒できている。
町中には非常に立派で近代的な資料館もあり、きれいで涼しくて快適であった。

だがそれらは、僕の長年考えていた飛鳥のイメージとは、少し異なっていた。
自分はあの時一体何を見たのだろう、と考えた。
東京に住んでいた僕は、田んぼの中に忽然と現れる遺跡の威容に驚かされたのかもしれない。

平たい田んぼの中に、ボコボコと盛り上がった小山が点在する飛鳥ならではの風景が、強烈に印象に残っている。
そういう光景の中に、溶け込むように存在する、古代の人々の手による素朴な遺跡の数々・・・
それは中学生の僕に、日本の原点というより、むしろ異国情緒のようなものを感じさせた。

たとえ道が整備されたとしても、あの光景は変わらないだろうと思い、甘樫丘に登ってみた。
その小高い丘から、飛鳥が一望できるのだ。
しかし那須などに年中行っているせいか、そこからの景色も、当時のような感銘は与えてくれなかった。
変わってしまったのは自分自身かもしれない・・ということに、その時気付いた。




甘樫丘からの風景
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外国の人


D3X + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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奈良で撮影をしていたら、白人男性から声をかけられた。
見ると手にはキヤノンのカメラを持っている。
プロのカメラマンのようだ。
多分カメラのことを話したいのだろう。

ところが口から流れ出た言葉はフランス語。
何を言っているのかさっぱりわからない。

僕が答えられないでいると、僕のカメラに手を触れて、D3?と聞いた。
僕の指で隠れていたD3Xという文字が見えた。
オー、D3X!と歓声を上げ、しきりに感心している。
キヤノンユーザーなのに、D3系のカメラには特別な思いがあるらしい。

それはいいのだが、相手が白人であるというだけで、つい英語で答えている自分に気付いた。
先方は英語をほとんど理解していないようなので、日本語で答えても同じなのだが、こちらは懸命になって、拙い英語を使って話そうとしてしまう。
相手の外観が外国人そのものなので、とにかく日本語以外の言葉を話さないといけないという錯覚を起こすようだ。
カメラに対する思いには共通のものを感じたが、お互いが理解できない言語で話す不思議な時間であった。
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最終日


D3 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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お盆休みの最終日は、都内を軽く流した。
カメラはD3にAF-S24mmF1.4を付けたものを選択、三脚等は無しでいった。
このレンズはD3とも極めて相性がいいように感じている。

ところがお腹の調子が良くなく、写真を撮る余裕がない。
奈良の暑さの中、冷たい水を飲みっぱなしだったので、体調を崩したのかもしれない。
暑い中でも歩く気力はあるのだが、力が入らないのでどうしようもない。

仕方なく薬を飲み、撮影はほどほどで断念して、銀座の床屋に行った。
案の定、疲れが出てグーグーと寝てしまった。
それから早々に帰宅した。

今日は月曜日だったのだ。
午前中家でテレビを見ていたが、くだらないワイドショーが多い。
床屋でも、今日は平日にどうしたんですか?と問われた。
Mrs.COLKIDからは、今日休んでいるのは製造業のあなたくらいなものだ・・と言われた。

街は確かに動いていて、背広を着た男性やOLが汗をかいて歩いている。
その中を申し訳ないような、恥ずかしいような気分で、カメラを持って歩いた。
暑い暑いと騒いでいる人が多かったが、その点は奈良の湿度の方が酷かったので、それほど苦には思わなかった。
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