使用感


LEICA X1

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使い勝手は悪くない。
ライカといえばフィルム時代に買ったM4-Pを持っているが、AFのコンデジとはいえX1も雰囲気をよく伝えており、手にずっしりときて内部が詰まっている感じがする。
実際にはそれほど重量があるわけではないのだが、ソリッド感があり、やけに軽くて中身が空洞のように感じるシグマとは対照的だ。

他のカメラをよく知らないのだが、各動作の反応もシグマより断然いい。
価格が価格なので、ついおっかなびっくり扱ってしまうが、本来気軽にスナップ写真を撮るカメラであろう。
慣れてくれば、鞄からさっと出してさっと撮る・・という使い方が出来るようになるかもしれない。

シャッター速度と絞りが専用のダイヤルになっているのはやはり便利で、直感的に扱いやすいし、何よりマニュアル露出を多用するようになる。
その場で結果を確かめられるデジタルカメラでこそ、本領を発揮するレイアウトなのかもしれない。
多少露出不足でもいいから、ぶれずに撮りたい時など実に便利。
絞りは1/3段ずつ変えることが出来る。

ダイヤル類はクリックが軽くて、指が触れてずれてしまう事があった。
液晶画面の左側に縦に並んだ細かいボタン類も、構えた時に左手が触れると作動してしまう。
何となく構えにくいが、慣れの問題だろうか?
またSDカードの書き込みに一度失敗して、しばらくロックして動かなくなったが、ほどなく復帰した。

画質は今のところごく「普通」のように感じている。
シグマのような強い個性は感じられない。
現像ソフトも含めて、もう少しいろいろ使ってみないとわからないが、大きく拡大して見るような写真ではなく、軽くスナップを撮るのが正しい使い方であろう。
それもモノクロの方が合うような気がする。
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調整中


LEICA X1

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非常に穏やかな画質だ。
コントラストも弱目に出るようだ。
それを好きなように調整してしまうのは簡単だが、少々気が引ける。
どうしたものか悩むところ。

とりあえずPhotoshopで現像しているが、コツがつかめなくて困っている。
案外モノクロ化のベースにするのにいいかもしれない。
ニコンのくっきり傾向の画質に慣れてしまったのだろうか?
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X1入荷


D3X + PC-E Micro NIKKOR 85mm F2.8D

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お店から入荷したという電話があった。
昨年からずいぶんと待った(笑)

何週間か前にほんの数台入荷したようで、わざわざお店から、少しだけ入荷しましたが今回はあなたの分まで回りません・・という知らせの電話があった(笑)
ずいぶんと親切というか、訳のわからない電話だと思っていたが、それきりまったく入荷が途絶えてしまった。

あまりに音沙汰が無くなったので、もしかして順番が抜かされてしまったのではないかと心配になってきた。
お店に確認の電話を入れてみたら、X1の名前を言うなり、あれは一度入ったきりメーカーからまったく連絡が無くて困っているのだと、多少ヒステリックな反応をしめした。
予約者に何度も同じ弁解を繰り返している・・という感じであった。

今日お店に受け取りに行き、様子を聞いてみたら、今回はかなり入荷したとの事であった。
まだ入荷待ちの人もけっこういるとは言うが、これで市場に一気に出回り、ネット上に作例がアップされるであろう。

お店に来ていた団塊の世代のお客さんが、何かトラブルがあったらしく、眼をむいて店員さんを怒鳴っていた。
お客さんを見回すと、その世代の人だらけで、皆ひとことありそうな雰囲気・・・
僕が一番若いようだった。

確か前回来た時も同じような場面に出くわした。
店員さんは柔らかく接してくれるが、客層を見ると、この商売も大変なのではないかと感じた。
それで電話であんなに神経質になっていたのかと思った。

朝受け取りに行き、一度帰宅して充電を開始した。
何時間か充電して、再度外出した時には、すでに暗くなり始めていた。
寒くて天気も良くなかった。
本格的に撮るのは少し先になりそうだ。
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お食事


D3X + Carl Zeiss Distagon T* 21mm F2.8 ZF

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Mrs.COLKIDは派遣であちこちの会社に勤めた経験があるので、過去に知り合った様々な年代の友人がいる。
30歳代から40歳代の独身女性が多く、時折会って食事などを楽しんでいる。
昨日も女性数人と銀座で食事をしてきたようだ。

久しぶりに会ったAさんが「今度、私名前が変わります」と言うので、「まあ、結婚するの?」と聞いたところ

「いえ、離婚したんです」

と答えた。

一瞬慌てたが、これは話を続けてはまずいと思い、「あら、そうなの」と軽く受け流して話題を変えた。
逆のパターンがあることを学習したという。
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送金


D3X + AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G (IF)

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仕事でお金を振り込む必要が生じ、郵便局に行った。
普段なら銀行から送金するところであるが、先方から郵便局の振込用紙が送られてきたのだ。
銀行で現金を下ろし、郵便局の窓口で用紙とお金を出したところ、10万円を超えているので、身元を証明するものがないと送金できないという。
確かにわずか数百円ではあるが、10万円を超える額であった。

「会社の謄本は持っていませんか?」
「と・・謄本!? そんなもの普段持ち歩いていませんよ」
「それなら会社の印鑑証明でもいいです」
「・・・」

会社としての送金なので、事は厄介になるようだ。
個人名の送金なら、免許証などを見せれば済むようだが、法人の場合、会社の存在自体を証明するものと、社員証など会社と自分との結びつきを証明するものが必要になるらしい。
ただし名刺ではだめです、と言われた。

ただ送金するだけで、それも現金を持ってきているのに、謄本を取ってこなければいけないのですか?と思わず聞いてしまったが、先方も困ったような顔で、そうなんです・・と答えた。
実は顔見知りの局員で、僕のことを知っている人だけに、先方も困っているようであった。

「たとえば分割して10万円以下にして、2回に分けて送ればいいのですか?」
「まあ、それはそうなのですが・・・」

無理に送金するならそういう手もあるのだろうが、請求書と金額が合わなくなると経理上面倒であるし、何よりあまりにナンセンスなので、諦めて出直すことにした。
調べてみると、これは「マネー・ローンダリング対策やテロ資金対策のための国際的な政府間機関である金融活動作業部会からの勧告」によるもので、数年前から実施されていることであった。
要は得体の知れないお金の動きを止めようと、国際的にそうするよう決められたことなのだ。
ATMで10万円以上送ることが出来ないのは知っていたが・・・

会社に帰り、先方に電話で伝えたところ、あちらでもそんな事があるのかと驚いていた。
では銀行に振り込んでくださいと、口座番号を連絡してきた。
即座に事務所のパソコンから、銀行オンラインを通じて送金した。

郵便局に会社の口座でもあれば、それで身元が保証されているので、送金できるらしい。
しかし一般的に企業は銀行と取引しているはずだから、郵便局の送金用紙を送ってくる事自体が非常識なのかもしれない。
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年度末


D3X + AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G (IF)

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年度末ということもあり、多忙な日が続いている。
昨日も遅かったが、今日も帰宅は遅くなりそう・・・
まあ、仕事が忙しいのはいいことだ。
ここで売上を伸ばしておかないと・・・
というわけで今日はこの程度で・・・
(会社にて更新・笑)
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桜咲く


D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

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先日の大風で、力尽きた桜の木があったようだ。
その翌日靖国神社に行ったら、桜の木が根元から折れ、停まっていたワゴン車の上に覆いかぶさっていた。
可哀想にかなり立派な木で、つぼみが膨らみ、咲く直前の状態であった。

帰りにその前を通ると、業者の人たちが来て、倒れた木を解体処分しているところだった。
チェーンソーで刻み、小さな断片にして、トラックの荷台に積み込んでいる。
下敷きになっていた車は、脇にどかされていた。
大勢の通行人たちが、黄色いテープの外側から作業を見物している。

Mrs.COLKIDが見えなくなったと思ったら、いつの間にか、折れて地面に散らばっていた小枝を数本拾って戻ってきた。
ころころとしたつぼみがいくつも付いている。
可哀想だから、僕の父親の仏壇に活けてやるのだという。

それはいい。
何といっても靖国の桜だ。
きっと父親が喜ぶだろう(笑)

早速枝を持って母親の家に向かった。
花瓶に入れて、仏前に供えた。
小枝の桜の花が何輪か開いたのは、開花宣言が出された次の日の出来事であった。
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桜の花


D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

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桜の花の咲く季節となったが、航空機の世界では、「桜花」の名は悲しみとともに語られる。
桜花は、1200kg爆弾にロケット推進装置を付け、人間が操縦して敵の艦船に突っ込むという、生還の可能性ゼロの、太平洋戦争中の日本の兵器である。
まさに人間爆弾以外の何ものでもない。
一式陸上攻撃機の腹に吊るして敵艦隊のそばまで運び、そこで切り離して突っ込ませるという構想であった。

実際には母機の一式陸攻自体が、米軍からワンショットライターと渾名されるほどもろい機体であり、その上重い桜花を背負うことで速度も極端に遅くなり、目的地に到達する前にほとんど撃墜されてしまった。
またたとえ桜花が発射されたとしても、ロケット点火による数秒間の強烈な推進力が途切れると、後は滑空での飛行となり、航続距離も37kmと非常に短かった。
データ上では急降下突入時に1000キロ近い速度が出たとされているが、滑空状態で高速を維持するのは困難であったろうし、敵艦にまで無事に到達する可能性は低かったと思われる。

桜花ばかりではなく母機の一式陸攻の搭乗員も含めて多くの犠牲者を出したが、それに対し判明している戦果は極めて少ない。
唯一はっきりしているものとして、沖縄戦で米国海軍の駆逐艦の中央部に命中し、爆発とともに艦体が真っ二つに折れ、一瞬で沈めたという記録がある。
しかし本来の目標である空母に対する戦果は皆無であったといわれている。
また桜花の発案者とされる某特務少尉は、終戦直後に行方不明になり亡くなったものと思われていたが、実は戸籍上別人となり1994年まで生きていたという話もある。

常識では考えられないこの桜花という兵器に、連合軍ではBAKA BOMBという半分日本語のコードネームを付けた。
搭乗員の中には、あまりに成功の可能性の低い攻撃方法に、犬死ではないかとの疑問を胸に持ちながら出撃していった者もいたという。

異様な兵器と映る人も多いだろうが、現代の日本人も本質的には変わりなく、追い詰められた時に同じ事を繰り返すのではないか・・と思うことがある。
過去の過ちを人命尊重という見地から批判することはたやすいが、自らが持つ深い部分までを冷静に分析する目を持たないと、次に迫る危険を回避することは出来ないのではないか・・そういう恐れを感じている。
国や家族を守るために犠牲になった多くの人たちも、この悲劇を繰り返すことを決して望んではいないはずだ。

靖国神社に展示されている桜花は、実物大の模型である。
まるで一式陸攻から切り離された直後のような角度で展示されており、見た瞬間はっとさせられる。
実物から再生した機体も現存しており、中学生の時に航空ショーで入間基地に行った時に、当時は屋外の小さな小屋に展示されていたのを見た記憶がある。
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基準木


D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

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これは機を逸すると載せられなくなると思い、慌てて載せる(笑)
靖国神社に東京の桜の基準木というのがあるのだそうで、各社が取材に来ていた。
これは3月21日の日曜日の写真。
見たところまだ咲いていない。

・・・と思ったら、3月22日には開花の基準となる5~6輪が咲いたそうで、開花宣言が出されてしまった。
今更載せても遅い?
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AF-Sマイクロニッコール105mmF2.8G


D3X + AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G (IF)

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えっ、持っていなかったの?・・と言われそうだが、今になってAF-Sマイクロニッコール105mmF2.8Gを購入してみた。
それ以前の105mmマイクロニッコールは、AFもマニュアルも持っているのだが、現在のAF-Sモデルは、登場の時にルールスレット評が悪かったこともあり、あえて購入しないで様子をみていた。

実際シャープさでは旧型の方が優れているという評価が定説化しているようで、雑誌のテストでも、何かと解像度の比較になりがちなこともあり、他社の100mmクラスマクロレンズに軍配が上がることもあったようだ。
そのせいか、発売間もない頃に、早くもこのレンズの中古が何本も並んでいるのを、店頭で見かけたこともある。

旧型のAFモデルを時折使用するのだが、解像度はそれなりに高くても、ボケ方がどうしても今風ではなく、個人的にはあまり好きではなかった。
一方現行のAF-Sモデルは、ボケの点では評価が高い。
撮影サンプルを見ても、ふわりとしたボケ味が非常に魅力的に見える。

希望の200mmマクロはすぐには出そうに無いことがわかってきたので、先に105mmの方を購入することにしたわけだ。
マクロの季節は目前に迫っており、武器となる現代的な性能の100mmクラスのマクロが(本当は200mmならもっといいのだが)どうしても欲しかったのだ。
登場してからしばらく経っており、市場での使用感がフィードバックされ、多少の改良がなされている可能性もあるので、あえて新品を購入した。

早速テストということで、この季節でも昆虫撮影ができるいつもの生物園に持っていった。
ボディはD3Xを選び、3型一脚を使用した。

表現のタッチが強く発色も良好、もちろんボケは素晴らしく、なかなかいい感じだ。
手放した人は早まったのではないか?(笑)
本格的なシーズン到来が楽しみである。、
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五二型



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靖国神社の奥の方に遊就館という展示施設がある。
戦争にまつわる遺品、日本の歴史に関してのパネルなどが展示されている。
その施設の一階入り口に、零式艦上戦闘機五二型が展示されている。

そこでお金を払って奥の展示室に入場すれば、彗星、桜花といった様々な展示物があるのだが、何とそちらは撮影禁止・・・がっくりきたが、遺品を撮影するのは失礼という意味かもしれない。
あるいは何か写るのか・・・
いずれにしても入り口の零戦は撮影自由なのでバチバチ撮らせてもらった(笑)

子供の頃から零戦は描きなれている。
自分の描いていた漫画に何度となく登場させたからだ。
あらゆるアングルで描いてきたが、半分はプラモデルや写真、あるいは想像によるものなので、実機でどのように映るのか見たい・・という強い願望を持っている。
だから様々な角度から撮影した。
たとえば下の写真は、斜め上方から襲う敵機の照準器に映る零戦の姿である。

あまり写真をたくさん撮るので、施設の人から不審に思われたかもしれない(笑)
数えてみたら百数十枚撮影していた。
それを毎日一枚ずつここに載せれば、半年分の写真がまかなえてしまう(笑)
まあ戦争ブログではないので、そんなことはしないが・・・

五二型は後期に登場した零戦の改良型の代表的なもので、この型でよく採用された上面が濃緑色、下面明灰白色の色分けが零戦のイメージにぴったりなこともあり、一般に人気が高い。
しかし防弾性能を上げる等の改良で重量が増し、運動性能が悪くなったことが一部ベテランパイロットの悪評を招いている。
古い二一型で出て行ったパイロットは皆帰ってきたのに、五二型で飛んだものはやられて帰って来れなかった・・と回想する人もいる。

D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED



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お中日


D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

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強風が列島を吹き荒れ、大荒れの一日になると思いきや、昼前には太陽が覗き、午後にはほぼ快晴になってしまった。
予想していなかったので、今日は最初から写真は諦めており、まずは順当に墓参りに行った。

それからアフタヌーンティーでゆっくり昼食をとり、母親と別れて靖国神社に行った。
零戦や他の飛行機があると聞いていたので、一度見たいと思っていたのだ。
しかし靖国神社はなぜか昔から足の向かない場所であった。
そういう力が働いているのかもしれない。

一通り見学し、その後銀座に出て床屋に行った。(記録のため書いておかなくちゃ・笑)
それからヨドバシアキバで買い物をして帰宅した。

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酔っている


SIGMA DP2

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風が吹いているね。

今日は酔っぱらっているのであまり書けない。
最近日本酒が好きになってしまい、毎晩のように冷蔵庫から瓶を出しては、寝る前に1、2杯飲んでいる。
もともと酒が飲める方ではないので、通ではないし、味もよくわからない。
癖のあるものより、さらさらと抵抗なくのどに入っていく、滑らかなものの方が好きだ。
Mrs.COKIDが大吟醸を買ってきて、冷蔵庫に入れておいてくれるが、安い普通のお酒の方が美味しく感じる時もある。

今日はいつものお寿司屋に行ってきた。
甥が遊びに来たので、いっしょに連れて行った。
好きなものを頼むように言ったが、カウンターだと遠慮してなかなか頼もうとしない。
仕方が無いので、Mrs.COLKIDが何が好きなのか聞き出し、勝手におじさんに注文していた。

今まで何度か同じようなことがあり、人をもてなすのにカウンターは不向きなことがわかってきた。
確かに自分がもてなしを受ける立場だったら、大トロ、赤貝、うに、いくら・・と、好きとはいえ高いものばかり注文するのはためらうだろう(笑)

お寿司屋では様々なお酒を用意しているが、そのお店が独自に出している純米酒が美味しいので、それを1本売ってもらった。
僕は酒の味はわからないので、案外安酒なのかもしれない。
おみやげに買っていくと言われ、お店でも驚いたかもしれない(笑)
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オープンカー


SIGMA DP2

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知人の車に乗せてもらい近所に食事に行った。
プジョーのオープンカーであった。
知人はヨット競技に出場するようなアウトドア派の人だから、オープンカーが良く似合う。

クローズドの状態であったが、ボディの剛性が低いのか、段差を超えるたびにきしむような音がする。
知人はこの音にはもう慣れたという。
ミシミシと音を立てながら車は進んだ。

以前徳大寺氏が、オープンカーというものは、大好きになるか嫌いになるか、はっきり分かれる・・というようなことを書かれていた。
実は僕もかつてオープンカーを所有したことがある。
英国のMGFというスポーツカーである。
ボルケイノという濃いメタリックオレンジの、かっこいいミッドシップであった。

結婚すると決まった時に、Miss.COLKIDを連れてMGのディーラーに見に行った。
気持ちが浮き立っていたこともあり、車を見るなり、彼女の方がすっかり気に入ってしまい、購入することになった。

当時は3シリーズに乗っていたので、セカンドカーとしてオープンのスポーツカーを買ったわけである。
今思うと、何という贅沢な話だろう(笑)
ほぼ完璧な自動車生活である。
結婚する時というのは、おめでたい上に何かと大金が動くので、感覚が少々麻痺するものなのだ。

しかし元来アウトドア派とは言い難い僕は、どうもオープンカーを好きでは無い方の部類に属していたようだ。
オープンカーに乗っていながら屋根を閉めて走るなんて軟弱だと思っていた僕は、積極的にオープンの状態で走った。
しかし、オープンカーを所有したことのある人ならわかると思うのだが、オープンというのは要するに「外」のことなのだ。

MGFがどちらかというと原始的な車だったこともあるが、風にびゅうびゅうとさらされ、髪はゴワゴワになり肌もボロボロに痛んだ。
まるで飛行機を操縦しているような気分で、長距離を走って帰宅すると、顔が火照って熱っぽくなった。
大抵の女性はそれだけで嫌がるだろう(笑)
その上室内は埃を被るので、ハンドルを握る手は黒く汚れた。

屋根を閉めていても、音が幌を通してダイレクトに室内に入ってくる。
故障しやすい車だったので、音には特に敏感になっており、背中のエンジン音とボディの発する異音を常に意識して走らなければならず、非常に疲れた。
神経を尖らせているところに、隣の車の音が大きな音で入ってくるので、年中びっくりさせられた。

実際何度か出先でエンジンがかからなくなったこともあり、派手な車であっただけに余計に情けない思いをした。
走っているうちにサスペンションのオイルが抜けてしまい、傾いたまま帰ってきたこともある。
樹脂製のリアウインドウはすぐに割れてしまうので、仕方なくヒビの上にセロテープを貼っておいた(笑)

雨が降ると、サイドウインドウと屋根のパッキンの隙間から雨が漏れてきた。
運転中に、ハンドルを握る右腕の上に、水滴がポタポタと落ちてくるのだ。
染みが広がり服がビショビショになり、最後はパンツまでぬれてしまった。
それでもマニュアルシフトなので、ハンドルから右手を外すわけにはいかず、我慢して運転するしかないのだ。

オープンカーに乗っているのだから、そんなことは我慢して、そ知らぬ顔で華麗に運転しなければならない。
おしゃれな人ならそう言うかもしれない。

しかし致命的だったのは、性能的にほぼすべての点で3シリーズに負けている・・ということだった。
スポーティさという面でも、ミッドシップのMGFより、ATのセダンである3シリーズの方がかなり上であった。
人からどう見えるかよりも、ビュンビュンと走ること自体を好んだ僕には、これは我慢ならないことであった。

結局僕は車の「閉鎖された空間」が好きだったのかもしれない。
オープンカーは、ある瞬間最高の気分を味わえるものであるが、いろいろ我慢しなければならないことを考え合わせると、もう欲しいという気持ちにはならない。

それよりも、今後はオープンはちょっと厳しいのではないか・・と思うのは、花粉症である。
幸い僕の場合、髪の毛は今のところふさふさで、風になびかせて走ることが出来る。
しかし今年は花粉症の症状が強く出ており、目がかゆくてしかたがない。
あの当時は、風に向かって走っても平気であったが、今だったら目や鼻が直撃を食らい、死んでしまうのではないか・・と思う。
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後継


SIGMA DP2

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BMWの営業の方と話をした。
そろそろフリッツも車検であるが、1シリーズの新型が出る様子は無い。
一体どうなっているのか聞いたが、今のところ噂さえ出ていないという。

7シリーズのハイブリッドというのは出たが、通常のエンジンを搭載した車種には付いている後輪操舵の機能が付かないため、小回りが利かないらしい。
しかも理由がよく分からないが、技術的に左ハンドルしか出せないのだという。

動力部分の技術的な問題だけ解決すればいいものと思っていたが、バッテリーのスペースなど様々な難題があり、そう簡単にはいかないらしい。
ハイブリッドというのは、想像以上に大変な技術なのだという。
事実上トヨタ以外に成功しているメーカーがほとんど無いのも頷ける。
世界中から脅威に思われ、標的にされるわけである。

本来なら小型の1シリーズにこそ搭載すべきであろうが、未だに出せないのは、スペースの問題が大きいのかもしれない。
BMWの場合、重量バランスを何よりも重視するはずだから、なお困難が伴うだろう。
いつまでも後継車の噂が出ないということは、案外最初からハイブリッドまたは電気化を前提としたレイアウトの、まったく新しい車種を考えているのかもしれない。

おりしも電気自動車の急速充電方式の国際標準規格を目指し、東電や自動車メーカーが参加しCHAdeMO(チャデモ)協議会が発足した。
ChargeとMoveを会わせた造語で、お茶でも飲んでいるうちに急速充電・・という意味だそうだ。
日本の開発した充電方式は、充電器と自動車の間でデータ通信が行われ、受け側に応じて最適の充電を行うという進んだもの。
対抗馬の中では、ドイツが提唱している車側に充電器を搭載し、一般家庭で充電できる方式が有力視されているという。

数年後には電気自動車になる・・そう言って随分と経つ。
次こそは電気自動車にしたいと、車を買うたびに書いてきた。
しかし世界的に見ても、唯一日本で実用化されつつあるくらい・・というのが実情だ。

意外に世の中の進展というものは遅い。
本当に次こそ・・・と願う。
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