もろこ 1


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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休みの日に会社に出ていると、得意先のお店のオーナーが、ひょっこりと顔を出した。
お土産だといって、大きなビニール袋をふたつ渡された。
水が入っている。
手に取るとバシャバシャと中で何かが激しく動いた。

驚いて覗き込むと、中に小さい魚がいっぱい入っている。
酸素が注入されていて、袋はパンパンに膨らんでいる。
水は半分くらい入っていて、その中で大量の魚が泳いでいる。
熱帯魚屋で魚を買ったときのような包み方だ。

これは・・・?!
「ホンモロコだよ。美味しいよ」
と、オーナー。
ホンモロコ・・・
昔、川でよく釣ったあのモロコだろうか。
「そう、今は高級魚だからね」

茨城だか埼玉だかの友達のところで買ってきたようだ。
調理の仕方が書かれた紙も入っている。
とにかくお礼を言って受け取ったが・・・
さあ困った。

オーナーが帰ると、とりあえず事務所の足元に二つの袋を置いた。
横を通ると、驚いたホンモロコがバシャバシャと飛び跳ねる。
その度に、こちらもビックリして飛び上がった。

出社していた数人の社員のところに行き、ホンモロコはいらないかと聞いてみた。
親父が好きでしたが私は・・・
とか、
ウチの女房は調理はちょっと無理です・・・
とか言って、みな辞退する。

このまま水槽に入れてエアを与えれば、飼う事も出来るほど新鮮である。
しかし今日、それも数時間のうちに何とかしないと、皆死んでしまうだろう。
時間的に待った無しなので非常に困った。

自分で料理を作るのが趣味のS君が来ていたので、モロコを貰って欲しいと頼んでみた。
モンモロコは嫌いではないそうだが、これだけいると調理が大変だという。
あまり嬉しそうではなかったが、無理を言って一袋持たせた。
S君はいやいや持って帰っていった。

つづく。
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スーパームーン


D810 +Ai AF-S Nikkor ED 400mm F2.8D(lF)

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文字通り月並みであるが、月の写真でお茶を濁す。
今日はあちこちでアップされているだろうな・・・
毎回同じことをやっているので、これ以上書く気にもならない(笑)
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お経


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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親戚の法事があり、池上のお寺に行った。
以前も書いたが、ここのお経が凄いのだ。
声と楽器の音がホールに響き渡り、たっぷりとした残響音の混ざった天国的な音に、うっとりと聞き惚れてしまう。
一種のショーと言ってもいいだろう。
実際、コンサートに行ったような満足感が得られる。
それで、このお寺で法事などある場合は、必ず参加するようにしている。

会食の時、734年前にここで日蓮聖人が亡くなられて、建てられたお寺であると聞いた。
また幕末には討幕軍がこのお寺に本営を置き、勝海舟と西郷隆盛の会談がここで行われ、庭にはその跡地があるという。
昔、田町の駅の壁に、二人の会合をタイルで描いた作品があったが、てっきり駅前にあった薩摩藩邸で行われたと思っていた。
調べたら、何度か行われた会合のうち、池上のお寺で行われたものがあったようだ。
いずれにしても、歴史的な場所である。
会食時の講話は、そういう歴史の中で、何らかの縁で今自分がここにいることを、感じて欲しいというお話であった。
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国勢調査


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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まったく忘れていた。
国勢調査の回答をである。
忙しかったり、旅行に行っていたり(理由にならないか・笑)で失念していた。

配布された封筒を出してくると、インターネットを通じての回答は9月20日までだと書かれている。
もう期限が過ぎているぞ。
でもまだ大丈夫なんじゃないかな・・と思って、アクセスしてみると、やはり受け付けてくれるようだ。
早速回答した。

なかなか良く出来た画面だ。
非常にわかりやすいし、エンターを押した後のレスポンスもいい。
洗練されていて、入力しやすかった。
最後にアンケートがあったので、そう褒めておいた(笑)

どこかで、国勢調査なんていい加減に書いておいた・・という書き込みを読んだ。
そういう心構えの人が、案外いるような気がする。
また、正直に書けない人もいるだろう。
あくまで自己申告である。
そう考えてみると、この結果ってあまり信頼できないような気がするのだが・・・
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ルート


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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出張から戻る途中、人身事故で電車が停まってしまった。
今さっき通過したばかりの駅で、事故が発生したとアナウンスしている。
恐らくひとつうしろの電車に誰か飛び込んだのだろう。

事故発生地点より東京に近いから、何とかなるかと思ったら甘かった。
前に電車が詰まっているため全線停止となり、動く気配がまったく無い。
そのまま車内で待とうかと思ったが、振り替え輸送の話が出だしたので、これは無理そうだと思い電車を降りた。

それからが大変だった。
タクシー乗り場は長蛇の列で無理。
駅の周りを歩き回り、少しでも目指す方向に進んでくれるバスをみつけて乗った。
それでいくつか先の駅まで辿りついて、そこでまた待って・・・

とにかく語るのも疲れるほど、不思議なルートで帰ってきた。
多分2時間くらい多くかかったと思う。
滅茶苦茶なルートだと思ったが、後で調べてみると、結果的に一番早い方法だったかもしれない。

こういう時は大抵そうなのだが、外は雨が強く降っている(笑)
体中ビショビショである。
というわけで、疲れているので今日はこれで・・・
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女優


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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買い物から戻ってきた女性陣が、さっきそこで女優の○○を見た・・・と言う。
京都の駅での話である。
大きな荷物を引っ張って歩いていたという。

最近はあまり見ないが、一時は日本のトップクラスの女優だった人である。
恐らくロケ地の移動の途中なのだろう。
そういえば、先日テレビドラマに出ているのを見たような気もする。

ところが、その女優さんが、驚くほど太っていたという。
お尻がこんなに大きくて、太ももから脚にかけても皺が寄っていたとか、手振りを交えて話す。
イメージとは大分違っていたらしい。

本当に○○だったの?
そんなに太っているなんて、似ているだけの別人ではないの?
と聞くと、顔を正面から見たから間違いないという。

最近の写真を確かめようと、ひとりがスマホでその女優さんの名前を検索した。
すると・・・
「女優の○○、劇太り!」
という題字が出てきた。

ほうら、やっぱりそうでしょう。
太ったことは、すでに全国的に有名になっているらしい。
きっと更年期で仕方が無いのよ・・などと女性陣も話している。

しかし有名人というのは可哀想である。
街を歩いている最中も、周りからは常に監視するように見られている。
自分のことは棚にあげて、皆好き勝手なことを言うのだろう。
まあ、外観で売っている人たちなのだから、仕方が無いのだろうが・・・
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一日早い出社


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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一日早く仕事を開始した。
いつもより一時間ほど遅れての出社であったが、早速溜まっていた仕事に着手した。
大量にファックスとメールが入っている。

みなより早く仕事を始めているから、明日の出社は憂鬱ではない。
しかもこの一日分で、明日の仕事が大分軽減される。
これはなかなかいい方法だ。

と思ったが、考えてみたら肝心のお墓参りに行くのを忘れていた。
あとで時間を作って行って来ないと・・・
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食事


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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京都から帰宅している。
今回の旅行は、途中仕事をしたこともあり、写真はほとんど撮れなかった。
家族や親戚が一緒で、そもそもが撮影のための旅行ではなかった、ということもある。
最初からそうなると考えて、カメラも35mmの単焦点をつけたものを1台、スナップ用に持って行っただけである。

しかし食事には全般に恵まれた。
初日の昼食は、奥明日香の民家で出す田舎料理で、猪の肉など、ちょっと変わったものであった。
ディナーはホテルのイタリアン・レストランで、これはそれほど期待していなかったが、味はなかなか良く、家族には好評であった。

二日目は室町和久傳で、これは本当に素晴らしかった。
特に蒸したマツタケを鱧で巻いて炭火で焙った料理は絶品であった。

今日のお昼は五条大橋の半兵衛麩で、これまた相当に美味しかった。
300年以上続くお麩のお店で、伝統を生かした絶妙な味付けであった。

すべてMrs.COLKIDがネットでみつけて予約を入れておいたものだ。
家族や同行者には大好評で、満足度の高い旅行であった。

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訪問


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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日中、京都から大阪まで出て、朝から得意先を数件回った。
このあたりは、電車で30分から小一時間で、主だった場所に行くことが出来る。
そのため一日で多くの得意先を回ることが出来るのだが、それだけに疲れてしまった。
電車に乗って最初の得意先、そこからまたちょっと電車に乗って次の得意先・・と休む間もなく移動が出来てしまうのだ。

土踏まずを押し上げるホワイツのブーツを履いてきた。
荒療治で違和感のある履き心地に慣れてしまおうと思ったのだが、なかなかそうもいかない。
歩きすぎて足が浮腫んでくると、何処かに痛みが出て、歩くのが嫌になってくる。
とはいえ歩かざるを得ない状況だったので、結果的にかなりの距離を歩いた。

夕刻京都に戻り、ホテルで一休みした。
それから夕食は家族で会食。
予約しておいた室町和久傳に行ったが、ここは本当に素晴らしく、今回最高の料理であった。

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花束


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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京都のホテルにいる。
家族と旅行に来た。
今日はレンタカーを借りて僕が運転して回った。
しかし昨日書いたように、仕事が忙しくてゆっくり休んではいられない。
明日は僕だけ別行動で、得意先を回る予定。

ホテルのレストランで夕食を取っていた。
少し先の窓際のテーブルに若いカップル。
赤いバラの花束を、ボーイさんがそっと持ってきた。
女性にわからないように、テーブルの下から男性に手渡したのが見えた。

周りの数人がそれに気付いた。
ひそひそ話をしながら、カップルの様子をチラチラと見ている。
男性が花束を出すと、喜んだ女性の歓声が聞こえた。
「すごーい、きれい!」

続いて、男性が小さい四角い箱を出した。
中には指輪が入っているに違いない。
男性はふたを開けて、何かを言いながら、女性の前に出した。
それまではしゃいでいた女性が、驚いて目を見開いた。
僕の前に座っていたお客の女性の口が、「やったー!」と動いたのが見えた。

どうなるだろう・・・と食事をしながらも、皆の意識はカップルに集中している。
男性は周りの様子など気にせず、真っ直ぐに女性を見ながら、真剣に何かを話している。
会話の内容は聞こえないが、女性はうつむき加減に、頬を紅潮させながら頷いていた。
食事を終えた二人が立ち、僕の座るテーブルの横をすり抜けて行った時、感極まった女性の目に涙が光っているのが見えた。
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連休


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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今日は朝からぎっしり仕事。
休む暇もなく動き回り、さすがに疲れた。
帰りに古靴のお店に顔を出し雑談をする。
途中の電車の中で寝たので、少し元気になる。

ところが、そこにまた仕事の電話・・・
休み明けにすぐ出張が控えていて、その準備で大忙しなのだ。
しかも今回は出張先で4つの会社と別々の仕事をしなければならない。
そのため異常な忙しさになっている。
そんな中で連休なんて・・・

祝日法で、国民の祝日が一日おいて続いた場合、はさまれた日も休日になるのだそうだ。
敬老の日と秋分の日にはさまれた3連休に、さらに土日も繋がったため、今年は5連休になってしまった。
毎年のことではなく、次に5連休になるのは2026年だという。

休みが連続すると、正直なところ迷惑である。
製造業は生産が出来なければ、当然売上げが落ちる。
長い連休になると、旅行などに出かける人も多く、レジャー以外の消費は減る。
いいことはひとつもないのだ。
日本はもっと休日を減らして欲しい・・といっても賛同は得られないだろうな・・・(笑)
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電話


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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帰社直前にお客さんの女性より電話。
長々と世間話を聞かされた。

質問に対する答えを明確に答えても、それで終わりにならない。
自分の身の上とか、関係ない話に持って行きたがる。
もしかして話し相手を探しているだけ??

疲れ果ててしまった。
電話恐怖症というのがあるが、あれになりそうだ。

遅くなったので、帰宅途中に夕食をとったら、ビールで酔っ払ってしまった。
酔っているので今日はこれで・・・
明日もいっぱい仕事がある。
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マンション


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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何度かここでマンションという住宅の優位性を説いてきた。
たとえば2011年2月3日の記事である。
東北の震災の一ヶ月ほど前に書いている。

今まではマンションはいいと言っても、あまり賛同は得られなかったように思う。
しかし、最近各地で多発する竜巻や、今回の大雨による川の決壊などの自然災害を見ると、好きとか嫌いとか言っていられなくなってきたように感じる。
地域によっては、一軒家は危険で住めなくなる可能性もある。

竜巻は突発的、かつ暴力的に発生し、有無を言わさず地上を破壊しながら進む。
誰かが目を瞑って投げた石が、たまたま頭を直撃してしまった・・・竜巻の被害とは、そういうものである。
運が良いか悪いかで、生活が大きく左右される。
木造はもちろん、頑丈に作られたコンクリート製の家屋でも、竜巻の通り道に当たってしまったら、屋根は剥がされ窓は割れ、何らかの被害を蒙るだろう。
そのたびに数百万円の修理費がかかるが、直してもまた来年被害を受けるかもしれない。

洪水も極めて暴力的である。
今回の氾濫で、木造の家などは、土台から持って行かれてしまうことがわかった。
あれだけ大規模な自然災害となると、対抗のしようが無い。
水が来る前に、自分の家を捨てて、コンクリート製の建物の3階、4階に何とか避難する・・それしかないのだ。

風(竜巻)に対しては頑丈な鉄筋の建物。
洪水、津波に対しては、水が届かないだけ高さのある建物。
地震に対しては、免震構造の建物。
震災後の生活に対しては、一番復旧が早いであろう電気、すなわちオール電化の建物。

こうして条件を挙げてみると、どのような住居が必要であるか、自ずと決まってくる。
温暖化が原因かどうかはわからないが、今後は竜巻と水害は、日本中で発生するのではなかろうか。
今までも無かったわけではないのだが、発生件数が急増し、一気に現実的な問題になってきたのだ。

当然、住宅のあるべき姿も変わってくるだろう。
現在のマンションでも到底完璧とは言えず、たとえば窓やベランダを強固な網で覆うような対策も必要になるだろう。
平たい板状の建物では風には弱いということも考えられるし、基礎のあり方も考え直す必要がある。

テレビの災害番組では、水没した一戸建てから避難してきた人たちを、近隣のマンションやビルなどの建物が、何人受け入れられるか・・という話まで出ていた。
電気や水道がストップした状態で、水が引くまで、あるいは助けが来るまでの間、生活していかなければならないのだ。
地域によっては、今後は鉄筋の高い建物しか建ててはいけない、という法律が出来るかもしれない。
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数値


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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いつもの糖尿の先生のところに行き血糖値を計った。
なぜか、数値がいい。
普通の人と変わらない数値が出る。
それもこの数回連続していい数値が出ている。
(6週間に一度通って測定している)

しかし理由がわからない。
それでかえって不信感を抱いている。
数値が間違っているとは言わないが、何かかえって悪いことが起きているのではないか・・という心配である。

何しろ血糖値が下がる理由が無いのだ。
特別気をつけて生活をしているわけではない。
むしろ最近少し太って、ダイエットしなければと思っていた。
いろいろ考えても、以前と比べて特別改善された項目は見当たらないのだ。

家族に言うと、あなたの知らないところでも改善の努力をしていると怒られた。
皆が僕の体のことを考えて、協力して食生活を変えてくれているのだ。
自分では気付かなかったが、以前と比べて、次のような改善がなされているという。

・調理に砂糖をほとんど使わず、甘みはラカントやパルスイートなどで味付けしている。
・調理の油に、ココナッツオイルを使うことが多い。
・昼食は野菜の煮物などが多く、肉類を大幅に減らした。
・夕食でご飯などの炭水化物を取ることが少なくなり、ほとんどおかずだけになった

また僕の方も歳とともに小食になり、毎朝2個食べていた朝食のパンを1個しか取らなくなった。
確かにそういう変化はあるだろうが、それほど顕著に血糖値に現れるだろうか?
上記の中には、随分前から続けていることもあり、今になって急に効果が出るのが納得できない。

時折間食もするし、少し太ったような気もする。
特別禁欲的な生活をしているわけではないので、数値がいいと褒められても、何となく罪悪感がある。
何しろ自分の体であるから、本人しか認識できないこともあり、その本人が「よくなるわけがない」と感じているのだ。

先生に疑問に感じていることを告げた。
血糖値が何故よくなったのか、先生も理由はわからないという。
「でも悪いことではないよ」
と先生から言われた。
まあ、確かにそうだが・・・
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異端


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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お店で「この靴をどんな服装と合わせますか?」と聞かた。
聞かれてギョッとなってしまった。
組み合わせる服装のことなど、まるで考えていなかったのだ。

ところがお店では、靴を買う以上服装を考えるのは当然のことでしょう・・という顔で聞いてくる。
そうか、それが当たり前なのか・・・
今更ながら、そのことに気付いた。

一般の人の場合、革靴はファッション・アイテムであり、それを履く自分を想像して買う。
どう使いこなすかイメージしてから、購入にいたるのだろう・・多分。
ところが僕の場合、「革製品」として純粋に欲しくて買う。
この季節に、次々とブーツを買ってしまうのは、短靴より革の面積が大きいくて嬉しい・・というのが理由である。

正直なところ、履かなくてもいいくらいなのだ。
ガンベルトや時計のベルトと一緒で、たまに出してきて眺めることが出来ればいい。
普通の人たちは違うのか・・・
時折、まるで違う星に迷い込んでしまったように、自分が異端であることを意識させられる。



ホワイツのセミドレス。
スタイルNo.2332W。
アッパーの革はウォーター・バッファローの黒。
ソールはビブラム269。
サイズは7-1/2E。

キング・オブ・ワークブーツと言われるホワイツのブーツである。
その中のセミドレスという、5インチ高の比較的「日常的」なモデル(笑)である。
迫力ある外観を持つホワイツの製品群の中では、もっとも大人しい形と言える。

ホワイツは、各パーツを自由に組み合わせたオリジナル仕様でのオーダーも受け付けてくれる。
ハンドメイドならではの良さであろう。
今回はまず最初ということで、お店が在庫していた既製モデルを購入してみた。
欲しかったウォーターバッファローの革を使用したモデルが、アメ横のお店にあったのだ。
僕はシボの入った革が大好きで、常々黒のシボ革のブーツが欲しいと思っていた。

価格的には、レッドウィングなどより上のクラスになる。
日本ではレッドウィングの倍以上の価格で売られている。
しかし米国ではそこまでの価格差は無く、暴利ではないかと掲示板などでよく話題になっている。

昨年、ABCマートがホワイツを買収したというショッキングなニュースが伝わってきた。
なぜショッキングかというと、キングとあがめられていた手作りの老舗メーカーを、量販店がお金で買い取ってしまったからだ。
品質を落としたものを中国で作らせて、歴史あるメーカーの名前を、結果的に高校生むきの安物ブランドにまで貶めてしまった・・という、ブランディング失敗の前歴があるのだ。

もうホワイツもおしまいだと、親会社が乗り込む前にと慌てて注文する人と、他の製品に乗り換える人が大量に出たという。
お店でもホワイツはダメになると見て、それに代わるブランド力を持つメーカーを探して、そちらに切り替えはじめた。
しかし、とりあえず今まで通りの作り方で、同じように供給するという事になり、今のところ落ち着いているようだ。



入手してみて、これは相当面白い製品だと感じた。
レッドウィングに欠けていたものがホワイツにはある。
満足度がかなり高い。
えらく気に入ってしまい、少々価格差があっても、買うならこちらだと感じた。

迫力のある荒っぽい作り・・・しかし悪い意味ではない。
量産品には真似のできない手作り感があるのだ。
靴としては珍しいほどの、強烈なエネルギーを発している。

履き心地は独特である。
まず土踏まずがアーチイーズに押し上げられ、同時に足の中央部分がガッチリと挟み込まれる。
それでいて指の辺りの空間はたっぷり余裕があり、親指から小指まで自由に動かすことが出来る。
踵のホールドも緩いが、靴紐で甲と足首を押さえ込むので、動くことは無い。

最初は強い違和感を覚え、もうひとつ上のサイズも試してみた。
それだと中央部の押さえ込みが楽になるが、土踏まずの位置が意図するポジションからずれるようで、何だか落ち着かない履き心地になる。
時間をたっぷりかけて、お店で7-1/2と8を履き比べてみたが、そのうちだんだんとこの履き心地に慣れてきた。
結局最初に履いた7-1/2(25.5に相当)を選んだ。

矯正靴のように足に圧迫感があり、身体の姿勢までもが影響を受けるようだ。
試着の時、しばらく履いて立っていたら、足の付け根部分が痛くなってきた。
足ではなく身体が痛くなるなんて、大丈夫だろうかと心配になったが、店員さんの話では、しばらく履くとそれが気持ちよさに変わるのだという。
今は踏み竹の上に乗っているようなものだから・・・と言われた。

ウォーターバッファロー、すなわち水牛の革は、非常にしなやかで柔らかく、最初からスムースに足を入れることが出来る。
少し艶のある細かいシボ入りの革で、水牛だから、多分水にも強いはずだ(笑)
経年変化には弱いという話も聞くが、僕はそれほど荒っぽく履くほうではないので、大して問題にはならないだろう。
ミンクオイルで手入れする革ではないと思い、通常の乳化性クリームを与え、ブラシで磨いて艶を出してやった。

羽根は一番上まで程よく開いてくれ、やはりこのサイズを選んでよかったと感じる。
使い始めると少し形状変化があり、段々とフィッティングがよくなってきた。
しっかり固定するために紐は一番上のフックまで留める必要があるが、革が柔らかいために痛みは少ない。

ホワイツは、好きになるとはまる靴だという。
惚れ込んでしまい、もうひとつ、色違いで同じものが欲しくなる。
確かに、ホワイツが何足かあれば、他の多くのワークブーツは要らなくなってしまうのだ。
性能、品質、存在感・・・多くの項目で他を圧倒している。

この靴を買ったことで、自分はワークブーツが好きなのだと、再認識させられた。
恐ろしい靴である(笑)

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