値上げ


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個人で靴を輸入しても、まったく割に合わない事は書いた。
税金や送料といった、余分にかかる金額はもちろんだが、それどころか、本体価格だけで比較しても、日本で買った方が安いのだから驚く。
少し前には、個人輸入すると「激安で買える」ような事が言われていたのだから、ちょっとの間に状況が変わったのだろう。

円安の影響を受けて、海外ブランドがまた値上げするような噂を聞いた。
為替レートがこれだけ変化したのだから、まっとうな商売をしているところ(笑)なら、値上げせずにはいられないだろう。
だとしたら、靴を買おうという人には、今こそ重要な時である。

正規ルートで売られている製品の、小売価格が一斉に変われば、それにつられて、並行輸入品や、以前の在庫品の価格までもがつり上がる可能性がある。
次に円高になるのがいつかは分らないから、この機会を逃すと、当分安く買うことが出来なくなるのではないか。

というのも、ネットで探してみると、まだ安く売られている国内の在庫品が、けっこうみつかるのだ。
しかし正規品の小売価格が変わると、在庫品の販売価格も、それに合わせて変わるだろう。
仮に良心的な販売店が、以前の価格を維持しようとしても、値上げが始れば、たちまち売れてしまうに違いない。

たとえばトリッカーズのバートンは、正規ルートで入ったものは、現在6万数千円で売られている。
それに対し海外から個人輸入すると、本体は5万数千円だが、税金を入れると6万数千円になり、正規品とほとんど差が出ないか、むしろ高くなる。

ところがネットで調べてみると、日本のショップで並行輸入品が4万数千円、安いものでは3万円台で売られているのだ。
もっと円高の頃に、いくらで売られていたのかは知らないが、この価格は安いと思う。
今のうちに、日本のショップから買っておくのが賢明なのではないか・・と誰でも考える。

それにしても、ネット検索で見ると、非常に多くのショップでトリッカーズの靴を扱っているのがわかる。
国内にこんなに沢山あったのか・・と正直驚かされた。
弾数は多いわけだ(笑)

小売価格が値上りするのかどうかは知らないが、もしそうなった場合、これらの安く売られている並行輸入品が売切れるのに、どのくらい時間がかかるだろう。
あるショップが限定数量を特価で出しているのをみつけて、毎日チェックしているが、在庫を示す表の数字が、どんどん減っていくのがわかる。
これはうかうかしていられない(笑)
もっとも小売価格が値上りして、水準そのものが変わってしまった場合、個人輸入の相対的なメリットがまた出てくるのだが・・・
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野歩き


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野歩き・・・って何だろう?
トリッカーズのカントリー・コレクションは、英国紳士がハンティングや野歩きに使う靴なのだそうだ。
だからヘビーデューティに作られていてカッコいい。
見ると絶対に欲しくなる。
でも野歩きって何?

文字の雰囲気から、何となく分かるけれど、普段あまり使わない言葉だ。
調べても、意外にヒットしない。
多分、散歩の少しワイルドなやつだろう。
自然の中を歩く散歩のことを、野歩きというのではなかろうか。

野歩きは、何となくひとりで行くもののような気がする。
犬くらいなら、連れて行ってもいいかもしれない。
でもハンティングではないのだから、そういう物々しい装備を持ってはいけない。
あくまで自然を楽しむのだ。
小さいカメラくらいなら、持って行ってもいいかな・・・

よく考えてみると、僕の父親は、野歩きが得意だった。
犬を連れて、田園の中を散歩していた。
橋の上を通過する時は、必ず立ち止まって、無言で川を観察していた。
犬まで、一緒に自然を楽しんでいるようだった。

普通の人の散歩と違うのは、自然の何たるかを心得て歩いているところだ。
季節とともに何が生まれ、何が失われたかを、驚くほど分かっていた。
やはりあれは野歩きだろう。

目的無く行動するのが苦手な僕には、野歩きは出来ないかもしれない。
たまに散歩しても、もっぱらビル街である。
休日の東京散歩も、僕にとっては野歩きの一種といえるのだが・・・

今年の目標は、野歩きをすることにしよう。
野歩きの出来る人になる・・といった方がいいかもしれない。
今年はもうすぐ終わるから、やっぱり来年の目標にしよう。
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色変え


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先日紹介したマロン・アンティークのバートンだが、早速履いて外出してみたが、どうも考えていたのと違う結果になった。
鮮やかなブラウンがいいな・・と思って選んだが、その色が浮いてしまって、どうにも違和感がある。
靴だけが切り離されたように目立ってしまうのだ。

表面の質感も、どこかベタッとしていて立体感が無い。
真新しくて傷ひとつ無いこともあり、ペンキで塗ったような、単調な色になってしまっている。
トリッカーズは新品状態が一番カッコ悪いというが、まさにその通りで、ほどほどにシワや傷がつかないと、服装にうまく溶け込んでくれないようだ。

自分でも足元を見て「ちょっとなあ・・」と感じていたが、僕の足元を見た母親なども、無言ながらそういう表情をしている。
ただでさえカントリー調のボテッとしたデザインで、強い存在感を放つ靴である。
多くの人の目が、最初にそこに惹き付けられる。
磨き上げて光らせてあるから、それが余計に目立ってしまい、まるで新品のランドセルを背負った一年生のようである。

家に帰って、どうしたものかと考えたが、少し思い切った処置に踏み切ることにした。
靴の色を変えてしまおう・・と決意したのだ。
もう少し暗いブラウンにして、服装に溶け込むようにしたい。

思い切って、表面の革の色より濃い色のクリームを塗ってみた。
マロン・アンティークのブラウンよりかなり暗い、マホガニーのクリームを選び、靴の表面に塗り込んでみる。
クリームを塗っても、革がすぐにその色に染まってしまうわけではない。
布でよく擦り込むと、表面の色に僅かに変化があるのがわかる。

しばらく放置して、きれいな布で磨いて表面に残ったクリームを除去してみると、ちょっとだけ変わったかな・・という程度、色が濃くなっている。
数値にすると3%くらいだろうか。
彩度を抑えるのは難しいが、暗くなっただけで大分落ち着いた色になった。

そこで今度は、ダークブラウンのクリームを塗ってみた。
また少し変化したが、先ほどのマホガニーほどではなかった。
これはなかなか面白い。
ベースになる革の色とクリームの色との組合せで、様々な色が作り出せる。

いろいろなクリームを塗っているうちに、最後は黒いクリームまで使うようになった。
真っ黒なクリームを塗って、少しおいて布でふき取る。
しかし革が一気に黒くなってしまうわけではなく、全体が少しくすんで濃い色になる程度である。

段々と分かってきたのは、クリームの種類によって染まる度合いが異なるということだ。
何種類かのクリームを使ってみたが、中には予想以上に色が変わってしまい、慌てたものもあった。
また、表面に作られた薄い皮膜によって色が変化し、クリーナーでふき取ると、元に戻ってしまうこともあった。

こういった作業を10回程度繰り返したところ、なかなかいい色になってきた。
もともとが、飾りの穴の多いウイングチップである。
その穴に濃い色のクリームが入り込み、革の重なった部分の段差にも拭き切れなかったクリームが残る為、全体に立体感が出てきた。
プラモデルの「汚し」のテクニックに近い(笑)

本当なら長い年月使い続けることで、年季の入った靴を作り上げていくべきなのだろう。
しかしこの年齢だと、そんな面倒な事をする気にはなれないし、時間的な余裕も無い。
強制的に色を変えてしまうことで、まだ一回しか履いた事の無い靴に、強引に貫禄を与えた(笑)

その状態のバートンを履いて、街に出てみた。
早速母親にも見せて、感想を聞いてみた。
さすがに新品の靴に黒いクリームを塗ってしまった話には驚いていたが、その結果には興味津々のようだった。
この前と違ってジーンズに良く合っていると、感心して見ていた。


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自動運転


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自動ブレーキシステムが上手く働かず、未来のクルマ技術の発展に水を差したと、マツダの試乗会での事故が批判されていた。
しかしいずれにしても、将来的には運転はすべて機械がやる・・という方向にいくのだろう。
最近よく聞く自動車メーカーの「一部自動」の仕組みは、未来の交通システムへの移行の、ほんの序章に過ぎない。
今はまさに過渡期であり、後からみたら、こんな原始的な時代があったのか、という段階なのだと思う。

そもそも、車を自分で運転すること自体が、何とも原始的な行為である。
あれだけ高速で移動する物体を、人間の手でコントロールするなんて、常識で考えても、ずいぶんと危なっかしい話である。
時速100キロで移動中に、ちょっと気紛れを起こして、何気なく腕をくるっと回してみるだけで、あっさり数人の命が失われるのである。
疲れて眠ってしまったり、よそに気をとられたりしたら、それこそ大変な事故につながるし、現実に毎日大勢の犠牲者が出ているのだ。
そんな環境が許されているなんて、とても現代的とは言えない。

話はそれるが、前から気になっていたものに、駅のホームの安全性がある。
あれも相当原始的だ。
ポイと飛び込めば、簡単にあの世行きなのだから、自殺の場所をわざわざ提供しているようなものだ。
人間の精神というのは、非常に不安定なものであるから、追いつめられたり、ストレスが加わった時など、何をしでかすかわからない。
残業に次ぐ残業で、疲労の蓄積がピークになった時など、ホームに入ってくる電車に吸い寄せられる・・という話は、バブル時代には多くの人が経験した事だ。
ホームと電車の間に柵を作って、人身事故が減ったそうだが、あれはあって当然のものだろう。

ところで自動車であるが、グーグルが作った自動運転装置が話題になった。
様々なセンサーから得た情報を元に、3次元的に周りの状況を捉え、その場での急な環境変化にも対応できる自動運転装置である。
既にこの装置を搭載した自動車が、数十万キロを無事故で走行しており、人間の運転より安全である事が確かめられているという。
あの仕組みが今後どのように発展し、自動車メーカーに供給されるのかわからないが、いずれにしても時代はそちらの方向に急速に動いている。

理想の交通環境を実現させる為には、すべての車を自動運転化させる必要がある。
人間という不安定な生き物がコントロールする車が、1台でも混ざってしまうと、事故も渋滞も完全に消し去る事は出来ない。
恐らく公道を人間が運転する事は、最終的には許されなくなるだろう。
人間による自動車の運転は、純粋な趣味となり、閉鎖されたコース内でのみ走行が許される、「スポーツ」になると思われる。

同時に多くの職業が、これで失われることになる。
何と言っても、ドライバーが必要なくなるのだ。
車を呼んで、目的地をインプットすれば、中でお茶を飲んでいるうちに連れて行ってくれる。
帰りは車が勝手に帰ってくれるので、その場に乗り捨ててしまえばいい。

何だか、幸せになるのか、不幸になるのか、わからない話だ。
ものの輸送自体は、当分必要だろうが、人手は必要なくなる。
ドライバーはもちろん、荷物の積み降ろしだって、当然無人で出来るようになるだろう。
車も共有化されるだろうし、そうなると需要が減り、大きな自動車メーカーも必要なくなる。

その次に進展があるとしたら、空中を移動する乗り物の出現だろう。
さらに瞬間物質移動装置が出来れば、乗り物がまったく必要なくなる。
でも、そこまで発達した世界で、そうまでして、人間はどこかに行きたがるものなのだろうか?
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黄色い靴


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靴は、身に付ける革製品の中で、一番の影響力を持つグッズと言っていいだろう。
革の面積が大きい事もあるが、体の末端部の、一番目立つ場所にあることも関係しているように思う。
同じ革製品でも、時計のベルトやズボンベルトとは、存在感が全然違う。

先日表参道の歩道橋から下を眺めていたら、道端に停まった大型の輸入車から男性が下りてきた。
白いセーターを着て、柄物のマフラーをしたお洒落な人であったが、靴だけが真っ黄色という大胆な組合せであった。
統一された服装の中で、靴だけが浮かび上がって見える。
歩いていく男性を追う目は、上下する黄色い靴の動きに、釘付けになった(笑)

高級な車とお金持ちそうな雰囲気が背景にあったから、最終的には「許される組合せ」と判定したが、それでも一瞬、はて・・と悩む時間が必要だった。
本人は自信たっぷりに歩いていくし、自分と違う世界の人だから、まあ、こういうのもありなのかな・・と考えた。
もしかすると、僕が疎いだけで、巷で今、流行っている靴なのかもしれない。
しかしあの強烈な色では、見るたびにぎょっとなるだろう。

何年も前のことだが、アルバイトで雇った中年の男性が、ある日突然、真っ黄色のスニーカーを履いてきたことがある。
靴だけ単体で見た場合、もしかするとお洒落な色なのかもしれない。
しかし履く当人や、服装とのバランスというものがある。
足元だけ蛍光ペンで色を塗った、未完成の塗り絵のようだった。

強烈な違和感に、最初は何かトラブルが起きて、靴に色がついてしまったのではないか・・・と思った。
真面目にアルバイトの男性に聞いてしまった。
「カレーの鍋に足を突っ込んだのですか?」
どこかの食品工場とかけ持ちで働いているのではないか・・・本当にそう思ったのだ。

まあ、人のことを言えたものではない。
僕は本来お洒落な人間ではなく、単に革製品が好きで、時計ベルトや革靴を買ってきた。
しかしそれらを使いこなすのは、まったくの不得手である。
ちぐはぐな組合せに、Mrs.COLKIDから、まだまだ無理ね・・と笑われてばかりいる。
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お経


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叔母の納骨式に参加してきた。
池上にある大きなお寺で行った。
朝早くから出かけて、ほぼ一日かかった。

叔母の家族の菩提寺なので、今まで法事などもここで行っているが、お経のクオリティが高くて驚いたことがある。
400人収容できるという広いホールで、複数の僧侶が、楽器を叩きながらお経を読む。
建物の音響効果が効いていて、打楽器の低音がリズミカルに響き、ホール全体にお経の声がうねりながら滞留する。
強い高周波を放つ鉦の音は、不思議なほど近くに聞こる。
そこに線香の煙が渦巻くのであるから、宗教的なパワーをかなり強烈に感じさせる。
そのうっとりするような体験を、今日もしてきた。

僕が産まれた頃亡くなった有名なプロレスラーのお墓がすぐそばにあり、今日も名所案内を手にした見物客が来ていた。
お寺というのは、多くが坂の上にあるが、あれは昔から安全な場所ということだろうか。
東京は坂が多いが、この辺りもその代表といえる。
勾配のある階段や坂道を、何度となく上り下りした。
母親が高齢なので、Mrs.COLKIDが寄り添って移動した。

靴は、先日結婚式にも使用した、スコッチグレインのインペリアルⅡのストレートチップ。
以前専門家にお願いして、磨いてもらった靴である。
ヨーロッパ製のエクストラボックスカーフが素晴らしく、極めてしなやかな履き心地で、表面はピカピカに輝いている。
こういう集まりに、あまり輝く靴もどうかと思ったが、何しろ磨いてない靴というものを持っていないのだから仕方が無い(笑)
勿体無いが、表面をタオルで拭い、少し光を鈍らせてから履いた。

つくづく思ったのだが、礼服用の靴というのも、やはり2種類用意する必要があるのではないだろうか。
形こそ同じストレートチップでも、結婚式と葬式では、靴の仕上げ方を正反対にする必要がある。
そもそも結婚式と葬式で同じ靴を履いていくというのも、相手に失礼なのではないか・・・
何て、もうひとつ欲しいので言い訳を考えただけなのだが(笑)
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勤労感謝の日


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今日は天気が良かった。
祭日で会社もお休みにした。
久しぶりにゆっくりして、朝起きてからもう一度寝てしまい、次に起きたのは10時過ぎであった。
睡眠をたっぷり取ったためか、ぐずついていた風邪も、治りつつあるようだ。

あまりに天気がいいので、じっとしたまま一日過ごすのはもったいない。
昼前くらいにカメラを持って散歩に出た。
行き先は決めておらず、電車に乗ってから考えた。

結局、表参道に行くことにした。
明治通りの方まで歩き、もう一度表参道の交差点に戻った。
それから宮益坂上まで行ってまた戻り、次は外苑前まで歩いた。
行ったり来たりだが、けっこうな距離を歩いた。
さらに銀座線で銀座まで出て、また歩く。

意味の無い移動に見えるが、実はトリッカーズの茶色い方のバートンを、足に慣らすためのウォーキングである。
硬い靴であるが、どういうわけか足は痛くならない。
吸い付くような履き心地で、歩いているうちに、段々としなやかさも出てくる。
案外僕の足にピッタリと合っているのかもしれない。

いつもより厚手の靴下を履いたのが効いているようだ。
冬になると、当然靴下の厚さも変わってくる。
靴も冬用と夏用が必要だということだ。
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オイルレザー


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ワークブーツなどに使われる素材で、オイルレザーという革がある。
オイルドレザーと呼ばれることもある。
登山靴などによく見られる艶消しの革である。
艶が全く無いわけではないが、独特の鈍い輝きを放つ。

一般にワイルドな印象が強い革なので、好き嫌いが分かれるかもしれない。
僕はけっこう好きな方で、今現在オイルレザーの靴を3足持っている。
先日転送サービスで輸入したオールデンにも、ホーウィン社のクロムエクセルというオイルレザーが使われている。

なめしの段階でオイルを大量に与えて作られた革だそうで、通常のキップなどの牛革とは質感がかなり違う。
余計な表面加工がされておらず、革本来の風合いが生きているのだ。
クロムエクセルのようないいオイルレザーは、驚くほどしなやかで、表面にしっとりと濡れたような感触がある。
使っているとオイルが浮き出てくるらしく、少々の傷がついても磨くと目立たなくなるし、雨にも強い。

ただ革の製造自体は難しいようで、製品ごとにムラがあるように見える。
宮城興業で誂え靴をオーダーすると、品質面で納得出来る革が無い場合、先方から断れらることもあるそうだが、それはオイルレザーの場合が多いという。
製法からいって仕方がないのだろうが、製造結果が不安定で、その時によって出来不出来があるのだろう。

磨きという観点から見ると、あまり面白くない革である。
オイルレザーの手入れについて調べてみると、大抵ミンクオイルを使う方法が紹介されている。
指などでオイルを暖めて軟化させ、直接塗り込んでいくのだ。
ミンクオイルを与え過ぎると革が柔らかくなってしまうので、その欠点を改善したオイルレザー専用クリームなども売られている。

なぜ面白くないかというと、これらのケア用品を使っても、革に光沢が出ることがほとんど無いからだ。
多少はきれいになったように見えるが、乾くと表面の質感は元に戻ってしまう。
革自体が最初から独特の風合いを持っており、仕上げといっても、その状態を維持するだけ・・という感じである。

いくつかオイルレザー用のケア用品を買ってみたが、どれも同じような結果になる。
いくら塗り込んでも、その成果が現れないのだ。
目に見える変化が少ないので、労力が空回りしているようで、少々がっかりさせられる。

ところで、それならば通常の乳化性クリームを、オイルレザーに使えないのだろうか・・と考えた。
乳化性クリームなら、それなりに艶が出るはずだ。
調べてみると、同じ事を考える人がいるようで、ネット上のQ&Aにもいくつか同じ質問が載っていた。
回答としては、たまにミンクオイルなどで油分を補給する必要はあるが、普段は乳化性クリームで何ら問題ない、という事であった。

早速オールデンに何種類かの乳化性クリームを塗ってみた。
結果は上々で、イメージしていたものより、むしろいいくらいの仕上がりになった。
クロムエクセルは、特殊なオイルに長時間漬け込んで製造する手間のかかった革で、オイルレザーとしては最上級のものだ。
赤みのあるブラウンに、何とも言えぬ艶が乗り、程よいくたびれ方も加わって、なかなか魅力的な靴に化けた。
足元を見て、にんまりしながら歩いている(笑)

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再挑戦


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先日の靴磨きのお店にもう一度入ってみた。
今回は黒いカーフのトリッカーズのバートンを履いていった。
最初に買った方のバートンだ。
磨くと素晴らしい光沢が出る、非常にいい革を使った靴である。

それをサフィールノワールのシアバター入りのクリーム(角ビン)で磨いたものを履いていった。
いろいろ試したが、このクリームはちょっと特殊で、一種独特の濃厚な艶が出る。
粘着性の高いクリームで、仕上げの際、布やブラシにくっつくので、このクリーム専用のものを用意する必要がある。
先にレザーローションでたっぷり栄養を与えて、そらからクリームを塗ることで、さらに深みのあるねっとりとした光沢になる。

あまりにピカピカでもどうかと思い、数回履いて艶がこなれた状態まで落とした。
お店で使うクリームで磨くと、かえって艶が落ちてしまうとは思ったが、研究の意味もあるので、まあいいだろう。
今日はプロのお手並み拝見である。
お店の椅子に座ると、靴を見たおじさんの顔が少しぎょっとなった(笑)

前回と同じく、まずは紐靴を畳んで、濡れた布で靴を拭うところから始まった。
次に歯ブラシでクリームを周囲に塗りつけて、大きいブラシで全体に均す。
それから指に布を巻きつけ、水分を含ませて、クリームを少量付けながら磨き上げていく。

前回と違い本格的な靴のためか、磨き方が丁寧で念が入っている。
やはり革に応じて、磨く工程が変わってくるようだ。
恐らく気合も違っている(笑)
前回の5割増しくらい、時間を長くかけた。
最初の状態より、艶を落としてなるものか・・という感じである。
指で細部を磨いた後は、大きな布を出して、映画の中の靴磨きと同じように、キュッキュッと強く乾拭きし、最後の仕上げをした。

実はその間、隣の席で別の人の靴を磨いていたもう一人のおじさんが、チラッチラッと僕の靴を見ていた。
そちらのおじさんの方がベテランのようで、見るからに職人という感じの人だ。
相当気になるらしく、何回も何回も魅入ったように靴を見つめる。
僕にはまったく目を向けず、靴にだけ目が行くのが、いかにもこの道の専門家らしくて可笑しかった。

靴磨きが終わり、お金を払っていると、先ほどの隣のおじさんが手を止めて声をかけてきた。

「その靴、初磨きじゃあないでしょう?」
「ええ、自分で磨いたんです」
「へえ、その光り方は尋常じゃないからね。ちょっと驚いたよ」
「磨くのが好きで、いろいろ研究しているんです。実は今日もプロの磨き方を見せてもらいにきたんです」
「いやあ、あんた、なかなか上手いよ。また来てくれよ」

ベテランからそう言われて、思わず嬉しくなった(笑)
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バートン


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トリッカーズのバートンが届いた。
当初は英国のショップより取り寄せようかと考えていたが、日本国内のほうがずっと安く買えることが分かり、日本の通販サイトに注文した。
お店が在庫を持っていて、オーダーを入れたらすぐ翌日に届いた(笑)



トリッカーズのカントリー・コレクションは、本来野歩きやハンティング用に作られた靴で、悪路に踏み込んでも大丈夫なように頑丈に作られている。
雨にも強く、実用性は非常に高い。
英国のお金持ちの階層のライフスタイルに合わせてあるのだろう。
英国王室御用達の称号(ロイヤルワラント)も授かっている。

カントリー・コレクションの中で、ウイングチップの短靴のシリーズがバートンである。
無骨なデザインであるが、そこがかえって都会にマッチし、カッコいいし目立つ。
荒々しい面もあるが、物量投入型でがっちりと作られており、存在感もたっぷりある。
この靴の信仰者が多いのがよくわかる。

かなり硬い靴であるが、痛いのを我慢してしばらく履けば、やがてしなやかに足にフィットするようになる。
そうなるともう離せなくなる。
何足も買ってしまうマニアがいるところは、米国のオールデンと似ている。
足を包み込むような履き心地のオールデンと比べて、コツコツと音を立てて歩くタイプのトリッカーズは、また別の硬質な魅力を持つ。

僕にとっては2足目のバートンである。
最初に買ったものは、日本のセレクトショップ・オリジナル仕様の黒いカーフで、磨くとよく光る素晴らしい革が使われている。
かなり足に馴染んできており、現在一番のお気に入りになっている。
雨にも強く万能なので、出張の行き帰りなどは、より足に慣らせるためにも、なるべくバートンを履くようにしている。

今回購入したのは、マロン・アンティーク・カーフと呼ばれる赤みの強い濃厚なブラウンのアッパーのもの。
何種類かある革の中でも、仕上剤で経年変化を楽しめる色だという。
靴底はコマンド・ソールと呼ばれる、ブロックの大きい、ごついラバー製のものを選んだ。
かなり厚みがあるため、靴が空中に浮いたように見え、履くと身長が高くなったように感じる。
(それ以外にもダブル・レザー・ソールやダイナイト・ソールも用意されている)

正直なところ、この靴を足に慣らすのはけっこうな労力なので、次々と買ってコレクションを増やすのは、ちょっと考えてしまう。
使い古した方がカッコいい靴であるし、あまり沢山あっても履ききれない・・という感じだ。
丈夫で長く使える靴なので、とりあえずローテーション分があれば十分だろう。
しかし革製品としての迫力は相当なもので、革フェチにも強く訴えるものを持っている。
やはり最低2、3足は欲しい・・かな?(笑)

今回のバートンは2足目で、木型も1足目と同じなので、当然同じサイズを買えばいいわけだが、そこは注意が必要になる。
英国及びその周辺諸国で売られている同社の靴は、サイズがUK(英国)表示になっているのに対し、主に米国向けに作られたものはUS(米国)表示になっている。
UKとUSでは数値が0.5違うので、話がややこしいのだ。

たとえば僕が最初に買ったバートンは、青山にある日本の正規販売店で、現物に足を入れて選んだのだが、サイズは7.5であった。
ネットで調べてみると、日本向けに正規ルートで輸出されている製品は、米国向けと一緒で「輸出用」という扱いらしく、多くはUS表示になっているという。
ところが、本体にも箱にも7 1/2と書かれているだけで、それがUSなのかUKなのか、判別不能なのである。

結局インソールの接着部分を強引に剥がして、半ば破壊に近い行為までして探ったところ、靴底に「7 4444」と判が押されているのが見えた。
それが英国の工房で製造時に使われた目印で、4444という型番のラスト(木型)を使用し、サイズはUKの7である・・という意味である。
つまり7 1/2というのはUS表記の場合で、UK表記ならば7になる、ということが、これで判明したのだ。
その方法でしかサイズは判別できないと、ネットに書かれていたのだ。

今回購入した2足目は並行輸入品で、ショップのサイトにもUK表示であることが明記されていたため、ちょっと心配ではあったが、7.5ではなく7を注文した。
結果的には正解で、1足目のバートンとまったく同じ大きさのものが届いた。
なぜこんな危なっかしい表示方法を取るのだろうと思う。
販売時に分からなくなって、混乱しないのだろうか・・・

ところで価格であるが、とある有名な英国の通販サイトでは、バートンは送料込みで312.5スターリングポンドで売られている。
現在の円安の状態では、円に換算すると5万円以上になる。
さらに関税がかかることを考えると、個人輸入した場合、トータルでは6万円以上かかるだろう。

ところが日本の通販サイトで購入したら、送料込みで43,880円であった。
本体そのものが、本国より安く売られている(笑)
何でこうなるの・・という感じだ。
よほど円高の時に仕入れたものなのであろうか・・・
いずれにしても、靴を個人輸入するメリットは、現在のところほとんど無いようだ。
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カウント


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考え事をしながら、同時に何かの作業をやる。
そういうのが、僕は苦手だ。
考え事を始めると、今やっている作業が手につかなくなる。
考え事といっても、どちらかといえば雑念の部類だ。
余計な事を考えると、ひとつに集中することが、なかなか出来なくなる。

本当に身に付いた事というのは、他のことを考えていても出来てしまうものだ。
たとえば車の運転がそうだ。
シフトダウンは難しくても、シフトアップは大抵何も考えずにやっている。
運転中、考え事に没頭するのは無理だが、軽く何かを考えながら運転する事はよくある。
いつも走るコースなら、いつの間にか目的地に到着している事もある。

僕の場合、苦手なわりに、不思議なほど完璧にこなせるのは、紙にナンバーを振る作業だ。
仕事に使う資料の右上に、ペンで番号を書く。
月末になると、26枚に渡るワークシートに、番号を振る作業を行っている。
紙をめくりながら、用紙の右上に1から26までの数字を書いていくのだ。

確かに単純な作業ではある。
しかしその間、いろいろな事を考える。
数字を書き込む作業とは、何の関係も無い内容である。
考え事をしながも、頭の中では1、2、3・・・と数を数え、その数字を書き込んでいる。

気付くと、いつの間にか作業が終了しており、一番最後のページは、ちゃんと26になっている。
ひとつも間違えずに、完璧にやり終えているのだ。
まるで、もうひとりの自分が、やってくれているようだ。
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不思議な気分


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姪の結婚式で、少し不思議な気分になった。
集合写真を撮る時に、躊躇して立ち止まると、こっちこっちと引っ張られて、比較的目立つ場所に立たされる。
陰でサポートする役のつもりだったので、これでいいのだろうかと、何とも落ち着かない。

確かに僕は、新婦の義理の叔父に当たる。
しかし、その一族と直接血がつながっているわけではない。
それどころか、今日初めて会う人までいるのだ。
それが、何かと前に立たされるので、戸惑ってしまったのだ。

テーブルは、新婦の親である義理の兄夫婦と一緒で、義父と義母の席、つまり一番末席についた。
あと二人いる義兄を差し置いてである。
義母が目が悪いので、面倒をみる人が必要で、それが実の娘であるMrs.COLKIDの役目なので、夫である僕も、その隣に一緒に座る事になったのだ。
思わず「僕もこの席でいいのでしょうか?」と聞いてしまった。

自分の一族の集まりの時は、大きな顔をしていても、今日は知らない人ばかりだ。
その中で、上のほうに座らされるので恐縮してしまう。
そもそも僕は兄弟がいないので、こういう経験がない。
姪が結婚すると報告を受けた時も、僕も式に出るの?と聞いて、当たり前でしょう!と怒られたのだ(笑)

那須の実家の裏山に、ひとりで撮影に入る時も、山道ですれ違った近所の人から、どこから来たか問われる。
Mrs.COLKIDの夫であることを告げると、すぐに相手は納得して、表情が緩み、家に遊びに来るようにとまで言われる。
最初は「怪しいやつ」と思われたのだろうが(笑)、本家に属する人物とわかると、一気に位が上がる。
知らないうちに、東京から来た少し変わった夫として、リストに登録されているようだ(笑)
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ひと汗


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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姪の結婚式から帰って来た。
風邪の症状の方はまあまあ・・・
薬が効いたのか、だんだんと回復しつつある。
そんな中、結婚式に参列してきた。

やはり抗生物質の効果は絶大で、飲んでから大分よくなっている。
結婚式の疲労でぶり返すかと思ったが、今のところその気配は無い。
体調が万全とはとても言えないので、今日はカメラを持たず、大人しくしていた。

写真を撮らない結婚式というのも、たまにはいいだろうと考えた。
あれはかなりの重労働なのだ。
しかし、新婦の父親である義兄から、なんだ、カメラ持ってきてくれるのかと思った・・と言われた。
プロのカメラマンを頼んでいるし、まあ今日はいいでしょう、と応えたが・・・

ところが今の結婚式らしく、新郎新婦の父親が、両方ともデジタル一眼レフを持ってきてバチバチ撮る。
二人ともデジカメ好きのようだ。
ここぞとばかり撮りまくっている。
何だか可笑しくなってしまった。
静かにしていようと思ったが、それを見ていると何だか落ち着かない。

さすがに当事者の父親ということで、義兄も写真ばかり撮っていられない。
立ち上がってスポットライトを浴びたり、挨拶をしたりしなければならない。
そんな時に、僕がカメラを受け取って、義兄の代わりに何枚か写真を撮った。
もうこうなると止まらない(笑)
会場を移動しながらバシバシと撮影を開始してしまった。

パパッと料理を食べてしまい、次のタイミングに備える。
おっと忘れたと思い、風邪の薬もしっかり飲む。
義兄も撮りたいだろうから、なるべく譲って、どうしても出来ない時に僕が出て行く。
義兄も分かっていて、自由に使ってくれとニコンを置いていく。
結局、ひと汗かいた(笑)

結婚式が終わった時、両家の父親同士が、では続きはフェイスブックで話しましょうと言っていた。
やはり今の結婚式だ(笑)
帰りの電車の中で、疲れが出てぐっすり寝てしまった。
風邪の方が、これで治ってくれるといいのだが・・・
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発熱


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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調子は少しずつ改善しているようだ。
まだ咳と鼻水が少し残っているが、病院でもらった薬で大分抑えられている。
夕方になると出る熱っぽさが、今日は今のところ出ていない。
現在様子を見ているところだ。

子供の頃、扁桃腺の手術をして、以来高熱を発することがなくなった。
それどころか、滅多に熱の出ない体になってしまった。
実は最近になって、やはりこれは問題があるのではないか・・と感じている。

50歳になって今更何を・・と言われそうだ(笑)
確かに、扁桃腺を切ったのは、もう40年以上も前のことだ。
これだけの期間、とりあえず問題なく生きてこられたのだから、それで良しとすべきなのだろうが・・・

実は体が熱っぽくなることは、けっこう頻繁にあるのだ。
昨晩もそうで、顔がほてり、寒気がして、ガンガンと頭痛もした。
どう見ても熱のある症状であるが、測るとほとんど平熱である。

逆に本当に熱が出た時、つまり体温計の数値が37度以上になった時は、既に相当酷い状態になっている。
世界がぐるぐる回り、思考能力が無くなり、立っているのも辛い状態になる。
稀にそういう状態になることもあるが、普段の風邪くらいでは滅多にそこまで行かない。

でも、明らかに熱があるとしか思えない症状なのだ。
体が熱くて重くなり、気持ちが悪くなり、動くのが億劫になる。
ところが、病院で先生がおでこにセンサーを当てると「熱は無いね・・・」で終わってしまう。
表皮温度は平熱なのだ。
いつもそう言われて、拍子抜けしてしまう。

熱が無くても、症状は熱がある時のものなのだから、むしろ話は厄介である。
一番の問題は、処方箋の中に解熱剤を入れてもらえないことなのだ。
熱が無いのだから、当たり前といえばそうなのだが、咳止めと痰の切れやすくなる薬くらいでは、風邪の症状はほとんどよくならない。
咳が収まっても、ぐったりしていては何も出来ない。

そんな時、やむなく市販の鎮痛剤を飲むことがある。
すると、すっと楽になる。
急に体が軽くなり、かなりのところまで回復する。
やっぱりこちらの薬の方が効いた・・・というパターンである。

それで、体の表皮温度には表れないが、別のどこかが腫れるなどして、熱があるのと同じ状態になるのではないか・・と最近になって疑い始めたのだ。
素人の考えたことだから、非科学的な話かもしれないが、扁桃腺を失ったことが原因で、そういうメカニズムが働いているのではないだろうか。
今度先生に診てもらう時に、聞いてみようと思う。
何しろこの40年間というもの、いくら熱っぽくて辛いと訴えても、測ると平熱のため、誰からも信じてもらえなかったのだ。
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風邪悪化


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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昨日に引き続き風邪が酷い状態。
今日は医者に行って薬をもらってきた。
明日はゆっくり休むこととする。
明後日までに治さないと・・・
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