要警戒


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数日前から、大きな地震の宏観現象が、あちこちで観測されたという報告が入っていた。
御嶽山の噴火で、それが収まるのか、あるいはもっと大きい何かの前兆なのか、まだはっきりしない状況のようだ。
いずれにしても要警戒であろう。



オールデンのプレーントゥ・ブルチャー・9432S。
サイズは7.5D。
クロムエクセル製の外羽根式プレーントゥである。

実は2足目の9432Sになる。
以前購入した時は、初めて転送サービスを利用して輸入し、ここに顛末のレポートを載せたので、記憶にある方もおられるだろう。
今回はリジェクト品ではあるが、サイズが合いそうなものがeBayに安く出たので、即行で落札してしまった。
こんなチャンスは数年に一度だろう。

いくつも靴を買ったが、一番履き易いのがこの靴である。
以前入手した物は、サイズが大きめで緩いのだが、それでもお気に入りで、日常的に使っている。
オールデンってこんなにいいのか・・と教えてくれた靴でもある。
機会があれば、より自分の足に合った物が、もうひとつ欲しいと思っていた。

バリーラストなので、僕に合うのは7.5D、あるいは8Dくらいかな・・と思っていたが、今回入手したのは7.5Dである。
実際に足を入れてみると、幅方向は少し締め付けられ、タイトフィット気味である。
うーん、これだとベストは8Dか、或いは7Eかな・・なんて考えた。
まあ、安く入手できたのであるから、贅沢は言えない。
しなやかなクロムエクセルだから、少し履けばほどよく形が変化してくれるだろう。



底面はラバーで雨にも強く、実に使いやすい靴である。
それゆえ数日間の出張などには、今までも9432Sをお供に選ぶことが多かった。
もっとも内部にごつい金属製シャンクが入っているのか、空港の検査に引っかかる事もがあるのだが・・・(笑)

素材のクロムエクセルは、少々傷がついても上からこすると消えてしまうので、気楽に扱うことが出来る。
つい先日も3Eの9432Sを、コンクリートの壁を乗り越える際にガガガ・・と擦って、盛大に傷つけてしまった。
ところが手で表面をこすったら、傷がほとんど見えなくなった。
カーフの革靴であったら、完全にお釈迦であったろう。

その上エージングした後の外観は、下手なカーフよりクロムエクセルのほうがカッコいい。
鈍く光るアッパーの質感が渋く、見るからにアメリカ靴っぽいオーラが漂うのだ。

同じクロムエクセルの靴でも、他社のものはこれほどの雰囲気を持ってはいないように思う。
オールデンとホーウィンの関係を考えると、何か特別な素材を分けてもらっているのではないかと想像してしまう。
この履き心地はコードバンでは味わえない。
ある意味、もっともオールデンらしい靴と言えるだろう。


ともにオールデンの9432S。上が今回入手した7-1/2 D、下が以前購入した7-1/2 3E。大分形状が違うのがわかる。
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靴磨き4


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昨日の続き。

5.ワックス(その2)

ワックスを指に巻いた綿に少量取り、革の表面に円を描くように塗り込んでいく。
ここで重要になるのは、ワックスの粘度だ。
固形の硬い状態のままで塗ると、かさついてゴソゴソする。

缶の中のワックスの状態を見て、乾燥しているようなら、先にワックスに水を僅かに(1、2滴程度)垂らし、少しゆるめてやる。
しかし垂らし過ぎるとクチャクチャし始める。
ネチッとした粘度を程よく保った状態にするために、水の量を加減してやる必要がある。
(乾燥した状態の方が好きな人もいて、缶の蓋を開けておいて乾かしてから使う場合もあるようだ)

表面に鱗状の模様が描かれていくが、そこに程よい粘りと輝きがあり、ヌルリとした粘着性の感触が残るのがいい。
途中粘度が変化してきたら、また水をわずかに与えて調整する。
プロの場合、革の種類や磨く工程に応じて、硬さをきめ細かく調整している。
普通の水でもいいが、僕はブートブラックのポリッシュ・ウォーターを使っている。
また綿の布は、ここではあまり交換せず、ひとつの面をある程度使い続けたほうがいいようだ。

一通り表面を塗り終えたら、今度は指にポリッシュクロスを巻き、それを水で湿らせる。
数滴たらす程度でよく、使う前に必ず一度表面を布などにこすりつけ、余分な水分は落としておく。
巻きつけは例によって慎重に行い、ネルの表面が平らになるようにする。
これで塗り込んだワックスの上から擦るように磨くと、ワックス表面が硬化し、次第に独特の艶が出てくる。

ネルではなく、靴の表面に塗りこんだワックスの上に、直接水滴を垂らす人もいる。
それぞれのやり方があるようだ。
僕の場合は、革に直接水を垂らすのはためらいがあり、もっぱらネルの表面を湿らせる方式をとっている。
水のやり方は注意が必要で、多くやりすぎると革の表面に染みが出来て取れなくなるので、慎重に行って欲しい。
磨いている時に表面に水が残るようでは、濡らし過ぎだと思う。

全体を磨き終えたら、せっかく艶が出始めたところであるが、もう一度上からワックスを塗り込む。
そして再度ネルで仕上げる。
これを何度か繰り返して、コーティングの層の厚みを増していくのだ。
塗っては仕上げ、塗っては仕上げを4、5回行う。

コーティングが厚めになったところで、一度強めに表面を磨くと、艶がもう一段滑らかになる。
ここで重要になるのは、靴がしっかり固定され、動かないことだ。
地面や机の上に靴を置き、上から強めに磨くと、急激に「鏡面」が出来上がっていく。
磨くネルの方も、磨かれる靴の方も、とにかくしっかり固定されることが重要だ。

磨き方を段々とソフトにしていき、最終的な仕上げは、湿らせたネルで軽く表面に触れる程度の弱さで行う。
硬い金属を研磨する時の仕上げと同じ要領だ。
この頃になると、手で触れただけで曇ってしまうほどデリケートな仕上がりになっている。

プロにお願いすると、最後に柔らかいブラシを部分的に使い、微調整することがある。
一部分だけが極端に輝くのはおかしいので、本体部分とワックスした部分が違和感無くつながるように、光沢にグラデーションをつけるのだ。
革の質によって、このグラデーションが上手く出る場合とそうでない場合があるようだ。

こうして鏡面仕上げが出来上がる。
僕がやると、時間にして30分くらいかかるが、専門家や上手い人なら、もっと短時間で完成させてしまうだろう。

靴磨きは、それぞれの人に独自のやり方がある。
ここに書いたことは、僕が勝手に開発した方法で、もっと上手いやり方もあるはずだ。
また僕の靴磨き法自体も、今後どんどん変化していくだろう。
あくまでひとつの例として、参考にしていただければと思う。

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靴磨き3


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昨日の続き。

5.ワックス(その1)

一番問題になるワックスの塗り込みだ。
乳化性クリームを全体に塗り、ブラッシングで一通り艶が出た状態の靴に対し、部分的に固形ワックスを塗り、強い光沢を出す。
しかしワックスで艶を出すのには、少々コツが必要である。

よく女性の化粧品に例えられるのだが、乳化性クリームは乳液などの基礎化粧品で、ワックスは口紅などメイクアップ化粧品に相当するという。
顔全体に口紅やマスカラを塗る人はいないのと同じで、ワックスはあくまで部分的に使い、その部分を際立たせると同時に、表面をコートしてして防水性を高める。
クリームは革に染み込んでいくが、ワックスは表面に乗せていく様に使う。
ワックスを塗った部分は革が呼吸出来なくなるので、全体に塗ってはいけないのだ。

もちろんどこにワックスを塗るかはその人の自由ではあるが、一般的には靴の先端部を中心に、両サイドの下の方を通り、後方の踵の膨らんだ辺りまで、塗ることが多い。
ロングウイングチップの靴で言えば、いくつかに分割された革のパーツのうち、ちょうど一番下のウイングチップの部分だけを塗る感じである。
地面に近い部分がコートされるので、防水の面でも有利になる。

ただし、どこまで厚化粧するかは好みの問題だ。
僕の場合は、靴のつま先を軽く光らせる程度の使い方をして、それ以外の部分には塗らない。
光りすぎるのが好きではないからだが、あまり靴がピカピカしていても、履きこなす自信がないともいえる。
また、靴が折れ曲がる部分にワックスを塗ると、表面にヒビが入ることもある。

ワックスは各社から出ているが、ごく普通のkiwiの平たい円形の缶のものを使っている。
同じkiwiでも、メイド・イン・USAのシリコンの入ったものが艶が出やすいというが、現在はなかなか手に入らない。
まあ、普通に売られているkiwiでも十分だ。

ワックスを塗る布は、タオルでは駄目だ。
下着に使われる綿のような、きめ細かくて柔らかい布を使う。
僕は再生品の綿100%のウエスを買ってきて、ワックスの塗り込みに使っているが、最後の仕上げの段階では、ハイシャイン ポリッシュクロスという、専用に売られているコットンフランネルを使っている。
これは指に巻きつけて使うように、最初から帯状になっている。

重要なのは、塗り込む際の綿の布地の、指への巻きつけ方だ。
プロは念入りにギュウギュウに巻きつけるが、これは極めて大切な儀式といえる。
指の上に被せた綿の表面がピーンと張り、皺や緩みがあってはいけない。
靴の表面に押し付けて動かした時に、緩みで指の動きとは別に布部分だけが動いてしまうと、たちまち仕上げが上手くいかなくなる。

・・・続きは次回

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靴磨き2


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昨日の続きである。

4.クリーム

乳化性クリームを、アッパーに塗る。
クリームは、栄養を与えたい時はコロニルの1909、濃厚な艶が欲しい時はサフィールノワールのクレム1925を使っている。
革の状態や種類で使い分けたりもする。
ガラスレザーやトリッカーズのCシェードゴースのような特殊加工の革の場合は、浸透性の高いブートブラックを使うこともある。
逆に艶を抑えたい場合は、デリケートクリームを使ったりする。

クリームの色は、靴が新しいうちは無色、使用感が出てきたら色つきを使うと言われているが、個人的には最初から色つきを使うのが好き。
ただし靴の色に合った色のクリームを選ぶのは重要で、理想は靴の実物を持ってお店に行き、一番近い色のクリームを選ぶことだ。

クリームを塗る時は、こだわって指先にクリームをつけて直に塗るプロもいる。
しかしそれでは爪の間にクリームが入り込んで黒くなってしまう。
通常は、クリーム塗布専用に売られている小さいブラシを使う。

その場合は、ウエルトとアッパーの境界くらいのところに、一周クリームを乗せていく様に塗るようだ。(次の工程で豚毛ブラシでのばす)
僕はこの専用ブラシは硬いので好きではなく、ホームセンターで1パック数十枚入りで売られている徳用タオルを買ってきて、2枚重ねて使用している。

クリームはウエルト部分にもしっかり塗りこむことが重要だ。
専門家も意外にウエルトにクリームを塗ることにこだわるので、時が経つとここの処理で差がつくのかもしれない。
この部分は、防水の意味でもしっかり塗りこむ必要がある。
僕は安売りの歯ブラシをいくつか買っておいて、それでウエルトにクリームを塗りこんでいる。
ただしアッパーとウエルトの色が違う場合は、それに合わせてクリームやブラシも変えなくてはならない。
外羽根式の場合は、羽根の表側はもちろん、その下に隠れたタンの部分にも塗るが、その時に羽根の裏側をクリームで汚さないよう注意する。

クリームを塗ったら、豚毛などの硬めのブラシで靴全体を磨く。
これは、クリームを全体に満遍なく延ばすのと同時に、余分なクリームを落とすのが目的だ。
ブローグの入った靴の場合は、ブラッシングで穴の中に溜まったクリームも除去してやる。
ここではこしの強い豚毛のブラシを使うのがいいとされるが、個人的にはハンズなどで売っている業務用の安価な化繊ブラシが気に入って使っている。

少しブラシをかけてやるだけで、靴はみるみる輝きだす。
ここで時間をかけて、汗をかきながらブラッシングすると、靴の表面の艶がさらに違ってくる。
時間の制約の無い場合は、やってみる価値がある。
ブラッシング後、グローブ型の柔らかい布で表面を仕上げる場合もあるが、僕はブラッシングだけで、次のワックスの工程にいく場合が多い。

・・・続きは次回
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靴磨き1


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最近は靴磨きのテクニックも、それなりに身についてきた。
道具も一通り揃い、道具箱に入れて管理している。
靴の色ごとにクリームやブラシを揃えて、足りなくなったら補充している。

さすがに以前のように、一度履いたらまたすぐに磨く・・ということはしなくなった。
普段はブラッシング程度にしておき、数回履いて、靴が程々に疲れてきたら、本格的に磨いてピカピカにする。
靴の数も多くなってきたし、毎日磨いたら疲れてしまうのだ。

幾人かの靴磨きのプロに依頼して、目の前で磨いてもらい、その技術をじっくりと観察した。
それが功を奏したのか、鏡面仕上げも安定して出来るようになった。
やはりコツのようなものがある。
また、自分独自の「磨き方」というのも、確立されてきたようだ。
まだ発展途上であり、ベテランから見たら幼稚なレベルであるが、現時点での僕なりの靴磨きの方法を書いてみよう。

1.準備

まずは靴紐を外す。
シューツリーを入れて、形を整える。

アウトソールのコバが痛んでいるときは、専用補修液で色を塗って補修する。
その場合は、液体がたれて革を汚さないように十分に注意し、塗布後はしばらく放置して乾かす。
靴磨きのプロに頼むと、紙やすりでコバの傷んだ部分を整形してから塗ってくれる。

靴が新品の場合、靴の内側に軽くクリームを塗り、柔らかくすることもある。
その場合、クリームはコロニルの1909シュプリーム・クリーム・デラックスの無色を使っている。
ただし靴が履く前からしなやかになるので、逆に嫌がる人もいるようだ。

2.埃を落とす

柔らかい馬毛のブラシで、アッパーの埃を落とす。
アウトソールは、玄関の外で、堅めのブラシや棒などで土や埃、挟まった石ころなどを取る。
ラバーソールの場合は、よく絞った雑巾で靴底を拭く。
ウエルト上面の縫い目の辺りは、埃が残りやすいので、特に入念に馬毛ブラシで落とす。
新品でも展示してあった靴の場合、ここに埃が溜まっている場合が多い。

アッパーの革にブラッシングすると、それだけでかなり艶が甦る。
特にクリームを延ばす時に使う豚毛ブラシで磨くと、毛にクリームが少量残っており、しっかり磨いたのに近い結果を得られる。
前回磨いてから時間が経っていないなら、それで作業を終わりにしてもいい。
時間が無いときや、気が乗らないときは、僕も軽いブラッシングだけで終了する。

3.クリーニング

専用の液体クリーナーを布に染み込ませ、軽く靴のアッパーやウエルトを拭き、古いクリームや汚れを落とす。
クリーナーは強く擦ると革を痛めるので、M.モゥブレィのステインリムーバーなど水性のものが無難だが、あまり効果が無いという人もいる。
シミなど本格的に落とすときは、サフィールのレノマットリムーバーのような、より効果の強いものが必要になるが、かなり強烈なので、使い方は注意が必要になる。
プロのやり方を見ていると、強めのクリーナーらしきものを使い、本当にごく軽くササッと掃う程度で終わらせることが多い。

しかし、この工程をするかしないかで、クリームを塗った時の浸透の具合が変わってくるという。
サフィールノワールのレザーバームローションのように、クリーナー機能を備えた栄養クリームもあるので、僕などは下処理としてクリーナーの代わりにそちらを使う場合が多い。
革に栄養が入り元気が出てくる。
なおクリーニング時の布は汚れていくので、どんどん新しいところを使う。

・・・続きは次回。
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手続き中


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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円安になった時に限って、eBayでものを買ってしまうのはどうしてだろうね。
しばらく円高だったのに、その間はあまり利用しなかったような気がする。
それとも得している時って、印象に残らないものなのだろうか。

現在もひとつ、オールデンが日本で通関手続き中だ。
荷物を追跡すると、そう表示される。
さて、一体いくら関税がかかるか・・・
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天気のいい休日


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秋分の日。
すがすがしい休日であった。
昨晩、突然雨が強く降り、今日の天気が危ぶまれたが、かえってそのお陰か、からりと乾燥した好天の一日となった。

こういう休日はそう多くない。
雨が降ることはまず無いだろうと思い、コードバンの靴を持ち出した。
それに、赤いストライプの麻のシャツと、腕にはバセロンのオーヴァーシーズ。
お気に入りのものばかりをに着けて、散歩に出かけた。

あなたのは、浮世離れしているというか、浮世離れしたい人の格好だわ・・
と、家を出るときに、Mrs.COLKIDから言われた。
ひとりで、上野から根津の辺りを散策した。

カメラは、ニコンのD810にAF-S35mmf1.4を付けて持って行った。
D810との組み合わせが、意外に面白いことがわかってきたレンズである。
不思議なことに、D800Eの時よりいいような気がする。

ツァイスのOtusだと、三脚でかしこまって撮らなければならないので、重装備になる。
一方ニコンの35mmf1.4は、そんなにシビアにならず、手持ちでラフに撮るのに適したレンズだ。
画角も、スナップにはピッタリである。
特に今日のような軽やかな休日には、こちらのほうが断然いい。
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ヘッドレスト


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免許を取って30年以上になるというのに、最近になって運転方法を少し変えてみた。
シートの背もたれをかなり立てて、ヘッドレストが頭の後ろ側に触れるくらいにした。
もともと背もたれを立てて運転するほうであったが、今回さらに強く立ててみたのだ。
今まではヘッドレストは頭に接触していなかった。

シートは立てたほうがいい・・というのは、昔からよく言われることだった。
レーシング・ドライバーは、驚くほど立てて、ハンドルを自分の身体に近い位置に置く。
限界に近い走行でハンドル操作するには、当然必要なことで、要は上手い人ほどシートを立てるということだ。
僕もけっこう立て気味で使っていたが、専門家はそれよりもっと立てていて、肘を折り曲げて運転している。

背もたれをグッと立てることで、ヘッドレストが後頭部に大分近づく。
それでもシートの調整だけでは不十分で、上体を起こして胸を張らないと、頭がヘッドレストと接触するまではいかない。
意識してそういう姿勢を維持しながら運転してみた。

先日、日光にドライブした頃から、その状態で運転している。
最初は非常に違和感があった。
しかし、段々と慣れてきて、今はそれほど苦労しなくても、頭が接触する状態になっている。
長距離ドライバーは、この姿勢で運転することで疲労を軽減しているという。

以前は、正しい運転姿勢として、ヘッドレストが頭に触れるように・・と、よく言われていた。
しかし、常識的なシート位置では、なかなかヘッドレストが接触する状態にはならない。
無理に接触させようとすると、上を向いたような姿勢になり、非常に運転しづらかった。

調べてみると、最近はヘッドレストが接触するようにとは、あまり言わなくなったようだ。
耳の位置に、ヘッドレストの中心部の高さを合わせる・・・とだけ、マニュアルには書かれている。
それよりも、深く腰掛けて、背中全体がシート面と接触するようにと強調されている。
理想的な着座位置を示すイラストや写真でも、ヘッドレストと頭の間に隙間がある。

どうやら無理に頭を接触させる必要はないようだ。
実際頭部を休めるのではなく、無理に押し付けるような状態では、かえって疲れてしまうだろう。
だが、胸を張る姿勢は悪いことはないようで、何だかその方が疲れなくて調子がいいように感じている。
もうしばらく、この姿勢での運転を試してみる。
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お墓参り


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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少し早いがお墓参りに行った。
趣味のお墓参りだ(笑)
皆さんもお彼岸にはちゃんとお墓参りに行きましょうね。



その後、銀座に出た。
昨日紹介したオールデンのカーフを履いていった。
あるデパートに入ったところ、靴磨きで有名なM氏がお店を開いていた。
自分で磨いたばかりの靴であったが、M氏の技術を久々に拝見したくて、靴磨きをお願いした。

靴をじっと見て、
「これ・・・カーフですか?」
と最初に聞かれた。
「この形でカーフは珍しいですね」

さすが、わかってらっしゃる。
オールデンのブルーチャーは、昨日書いたように、純然たるカーフがないのだ。
恐らく同じ形のコードバン(990)のお客が多いのだろう。

やっと手に入ったことを説明した。
「へえ・・何だかカーフだと新鮮ですねえ」
そう言いながら、磨いてくれた。

その後、カメラの話などで盛り上がった。
昔はローライフレックスを使い、自分で現像までされていたそうだ。
実に楽しいひと時であった。
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履く機会


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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コードバンの靴を、一足持っている。
しかしご存知の通り、雨の日には履けない。
一回でも濡らしてしまったらアウトだ。

いつも天気予報を見て、今日はどうだろうかと考える。
しかし、絶対に雨は降らない・・という日は、日本では滅多にない。
特に夏にかけては、一日も無いと言っていいほどだ。

コードバンの靴を、もう一足くらい欲しいなと思う。
だが、一足でも履く機会が持てないのに、二足あったら、ほとんど履くことは無くなってしまうだろう。
そう考えて、いつも購入を諦めている。



オールデン製造の、Jクルー・ブランドの外羽根式プレーントゥ。
材質はダークブラウンのカーフ。
サイズは8-1/2Dで、靴底はレザー。

eBayで個人が所有していた未使用のものを落札した。
ラストは不明なのだが、アウトソールの形を見る限りバリーラストっぽい。
僕の足に合うバリーラストのサイズは、ワイズDの場合、7.5か8である。
ところがこの靴は、8.5と表記されているにもかかわらず、僕の足にほぼピッタリで、羽根の開き具合も理想的である。

元の所有者も、靴には8-1/2と書かれているが、実際には7-1/2くらいの大きさだと言っていた。
それを信じて落札したのだが、確かにちょうどいいサイズである。
なぜ表示に差が出ているのか、理由は良くわからないが、バリーラストは通常のラストよりハーフサイズほど大きめと言われており、OEM品はをその分を補正して表示したのかもしれない。
或いはJクルー向けの専用ラストなのか・・・
確かに、これがバリーラストではないとしたら、8-1/2くらいの大きさである。

現在のオールデンのラインナップを見ると、ダークブラウンの牛皮の外羽根式プレーントゥのモデルが、意外なほどみつからない。
ソールだけナチュラル色のツートン調のもの、クロムエクセル、コードバン、グレインレザーなどはあるのだが、定番ともいえるダークブラウン一色のカーフが抜けていいるのだ。
ずっと欲しかったのだが、今回Jクルー・ブランドの旧製品でみつけた訳だ。

いろいろな意味で、到着が楽しみな靴であった。
実際に足を入れてみるまで、サイズが本当に自分に合うのかわからない。
一か八かの賭けで落札した。
届いた靴に、恐る々々足を入れてみると、スポッと空気の抜ける音がして、はまるように納まった。
これは、サイズがフィットした時に特有の音だ(笑)

指先の捨て寸は、確かに少し大きめだ。
しかし土踏まずで程々に締めてくれるので、足は固定され、踵も程よく付いてくる。
靴の形状が足の形とよくマッチしており、悪くないフィッティングといえる。
先端部の丸みが大きいため、指回りの空間に余裕があり、親指や小指への負担が少ない。

ワイズがDということもあり、靴全体のシェイプがカッコいい。
バリーラストの靴は、幅広でボテッとしたワイズEより、ワイズDで合わせた方がスマートに見える。
シンプルな外観であるが、オールデンのブルーチャーには、独特のアメリカンな佇まいがある。

使い出して表面に皺が寄れば、さらにカッコよくなるだろう。
オールデンならではの快適な履き心地は、高級版のコードバンではなく、カーフやクロムエクセルのモデルを選んだ方が味わうことが出来る。
これは相当お気に入りの一足となりそうである。


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範疇


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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ご存知の通り、僕はよく海外から個人輸入をする。
個人輸入そのものが、趣味とも言える。
ネットが広まるかなり前から、面白くて毎月のように輸入していた。

もちろん輸入したものはすべて僕個人の所有物となっており、転売したことはない。
しかし、最初から販売することが目的で、輸入している人もいるだろう。
円安の進行やネットの普及により、以前よりかなり不利になったが、小遣い稼ぎで輸入をしていた人は多いのではないか。

そこで問題になるのは、関税のかかり方である。
一般に個人での使用が目的の場合は、商品価格の60%に対し課税される。
一方、商売が目的で輸入する場合は、商品価格全額(つまり100%)に関税がかかる。

一度に大量に輸入したり、同じものを何度も輸入したりすると、個人での使用が目的ではなく、商売をしているのではないか・・と疑われることになる。
税関から通達があり、運送業者を通じて、転送会社などに確かめるよう連絡が来ることがあるという。
つまり「こいつは本当に個人の使用が目的なのか?」という疑いが生じるのだ。

運送会社に聞いてみたところ、最近はそれが厳しくなってきたようで、通関中の荷物が調査の対象になる場合が増えているという。
荷受人の電話番号の登録が会社名になっていないか、同じ住所に過去に何度も送っていないか、など調べられるようだ。
仮に転送会社や運送会社を変えたとしても、税関は住所で過去の輸入データを管理しているので、すべてお見通しだという。

僕などは、疑われる可能性が高い。
時計の時は、そもそもほとんど無税なので、問題は起きなかった。
しかし靴を輸入するようになり、税率が高いこともあり、関税の問題が発生するようになった。

そんなこと言ったって、本当に個人で使っているのだから、文句はないだろう・・と言いたくなる。
「個人使用の範疇を逸脱していると判断された場合」・・という言葉を、どう捉えるかである。
僕のように、ひとつの分野のものを、短期間に集める習性のある人間は、いかに自分用とはいえ、常識を「逸脱」していると判断される事もあるかもしれない。

転送会社とその事で話している時、個人で使用していることを証明するために、今まで輸入したものすべてを一箇所に集めて、写真を撮って提出できる・・・と言ってみた。
すると、たしかにそれなら有力な証拠になりうる、と言われた。
それが正しければ、個人で使用していることが証明されれば問題はない・・ということになるが・・・

今の時代、欲しいものをたくさん買う人なんて、いくらでもいるだろう。
それを制限しようというのだろうか・・・
まあ、あくまで個人輸入の特例に入れてもらえないということで、まともに全額税金を払うなら、税関も文句は無いのだろう。
しかしこの円安でそれをやったら、もう個人輸入のメリットなど吹っ飛んでしまう。
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パニック


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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露天のコーヒー屋さんで、アイスコーヒーを飲みながら立ち話していた。
ふと見ると、自分の顔の周りを、蚊が飛んでいるのが見えた。
全員が、ウワッと悲鳴を上げて飛び上がり、パニック状態になった。
蚊は今一番恐れられている生き物だ。



NUNN BUSH社のロングウイングチップ。
80年代のデッドストック、色はバーガンディだ。
サイズは7-1/2の3E。

1912年創業で、今も続いているブランドであるが、例によって現在のものは品質が低下している。
このサンプルは80年代の製造で、クラスとしては中級程度だと思うが、それでも現代の靴よりしっかり作られている。
もう少し時代が古ければ、さらに出来がいいのだろう。

ただし、もともとNUNN BUSH社自体が、それほど高級な靴メーカーというわけではない。
それゆえ、このデッドストックも販売価格は安めであった。
当時の普及価格帯の製品である。

バーガンディのロング・ウイングチップは、アメリカン・ジェントルマンのものをすでに持っていて、非常に気に入っている。
チノパンなどと組み合わせると抜群にいい。
バーガンディは一番好きな色なのだが、今回あえてもう一足買ったのは、交互に履くことができるからだ。

アッパーはガラス加工と思われるレザーで、最初からやんわりとした光沢を放っている。
この時代からガラスレザーの製品はけっこうある。
水に強い素材と言われているが、製造後時間が経っていることもあり、表面のコーティングが硬化している可能性もあり、使い初めは注意が必要だ。

手に持ってみると、普通の靴より重量が軽い。
同社は靴を軽量化する技術を誇っていたようなので、それが生かされているのかもしれない。
サイズは7-1/2のEEEということになっている。
見た目はそれほど幅広には感じないが、履いてみると確かに幅には余裕がある。
外観からわからないのは、ラストの設計が優秀なのだろう。

靴のサイズ感は、微妙でありながら、ラフな面もある。
特にこの当時の靴は、しっかりコルクが沈み込んで、半日も履いていると、靴のほうで足に合わせてくれる。
そのため、かなり広い範囲のサイズの靴が、実際に履いてみると「何とかなってしまう」のだ。
日本でのサイズが25.5の僕の足でも、お店にあるストックのうち、7から9くらいまでは試着してみる価値があり、意外なほど守備範囲は広い。

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地震の巣


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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昨日、久しぶりに大き目の地震があった。
と言っても、僕のいた場所では、揺れは驚くほどではなかった。
食事中であったが、大きいな・・と手を止めて様子を見て、座ったまま態勢を整えたが、椅子から立ち上がることは無かった。
もう少し大きかったら、何らかの行動を取っただろう。

揺れ方からして、ああ、またいつものところだな・・と思った。
茨城県南部だ。
地震の巣・・とニュースで言っていたが、この辺りを震源とする地震が、年数回発生する。
比較的近い場所が震源なので、揺れ方に特徴があり、すぐにそれとわかる。
細かい縦揺れで、カタカタと鋭角的に揺れる。
当然P-S時間も短い。

今までの経験では、ここが震源の場合、震度は3から4程度で、大きくても今回程度である。
しかし東北沖の地震の後は、この断層の活動が活発化しているそうで、今後はどうなるかわからない。
油断ならない地域ではある。
今回は、地盤の問題なのか、埼玉、栃木、群馬の県境に沿って、大きい揺れが迂回するように伝わっていった。

10数年前、よく親戚の子供を連れて、夜中にこの辺りにカブトムシを採りに行った。
何も無いところで、畑などの広がる平野の中に、中規模のモッコリとした林が点在している。
自然が多いので、公園の外灯の下などを探すと、逆さになったカブトムシを見つけることができた。
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アウトレット


D810 + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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休日に日光に行く時、佐野のアウトレットに寄った。
当然靴関係のお店を見て回ろうと思った。
しかしお店といっても、本格的な靴店はリーガルとスコッチグレインくらいしかない。

どちらのメーカーのものも、今となっては買うものがない。
仮に安いからと買ってみたところで、恐らく履くことはないだろう。
何しろ2年ほど前に佐野に来た時に買った靴が、まだ未使用で箱に入っているのだ。
一回履いて、それきりになっている靴もある。
沢山持つようになると、これは必要なかったなあ・・という靴が増えてくる。

海外の靴と古靴を買うようになって、日本の靴への興味はほとんど無くなってしまった。
価格の割りに質がいいのはわかるのだが、なぜか履きたいという気持ちが起きない。
時計もそうだし、車もそうだし、どの分野でも同じ傾向がある。

リーガルはセールの真っ最中で、開店前から店の前にお客さんが大勢並んでいた。
そういえば家にもセールの葉書が来ていた。
しばらく他の店を見て時間を潰し、混雑が一段落するのを見計らい、お店に入ってみた。

シェットランドフォックスなど、リーガルの高級ブランドのものが安く出ていれば、少しは欲しいという気にもなるか・・と思った。
しかし今回はセール品がメインで、1足数千円から1万数千円、2足買えばさらに値引き・・というものばかりだった。
徳用ビジネスシューズのオンパレードである。
一方スコッチグレインは、そういう期間は大人しくしている主義なのか、代わり映えのしないラインナップであった。

結局靴に関しては何も買うことなく、アウトレットをあとにした。
そうそう、シャツの安売りしているものを、Mrs.COLKIDに買って貰った。
ラルフ・ローレンの1万数千円のシャツが、値札の価格が2回塗りつぶされて、千数百円・・・
そちらにはこだわりは無いのだ(笑)
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連休最終日


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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今日は床屋に行ってきた。
連休最終日の日中ということで空いていた。
本当は撮影に行きたかったが、空は厚い雲で覆われていてがっかりした。
昨日はあんなに天気が良かったのに・・・



USネービーのサービスシューズ。
CRADDOCK-TERRY社の80年代のデッドストック。
サイズは9-1/2のナローだ。

サービスシューズというのは、軍によって支給された正装用のドレスシューズのことだという。
基本的には外羽根式のプレーントゥである場合が多い。
軍の官給品なので、シンプルではあるが、ミルスペックに基づいてカッチリと作られている。
ヒール部分には、型崩れしないように、金属らしき硬いカップが入っている。

この靴の特徴は、非常に安価なことにある。
古着屋でもよく見かけ、デッドストックでも驚くほど安く売られている。
この靴も高円寺で1万円ちょっとで購入した。
さすがに最近は、デッドストックは貴重になりつつあるようだが、中古の場合は在庫の弾数も多い。

製造元のCRADDOCK-TERRY社は、サービスシューズのメーカーとしては、もっともポピュラーな会社のひとつらしい。
靴の内側に印刷されたスペックは、民間に下ろす時に消されたのか、上から塗りつぶされていて判読が難しい。
文字を写真に撮って画像処理してみたら、どうも1982年に納入されたものらしいことがわかった。。
80年代のサービスシューズの特徴は、5アイレットでラバーソールと言われているが、その仕様にもぴったり合う。



大好きな外羽根式プレーントゥであるが、その中でも軍のサービスシューズは特別である。
ごく普通のプレーントゥに見えて、どことなく佇まいに違いを感じさせるのだ。
普通のドレスシューズと並べてみるとよくわかる。
先がニュッと伸びていて、妙に細長くて、どこか劇画調である。

今回お店に在庫していたサービスシューズは、どれも幅が狭かったため、僕の足に簡単にはフィットしなかった。
いつものサイズのつもりで足を入れようとしても、途中でつかえて入らないものもあった。
いくつかのサイズを試着させてもらったが、9-1/2という、今までにない大きなサイズになってしまった。

幅は足にピッタリで、羽根の開き具合もいい。
ただ足先の捨て寸は、さすがにかなり大きい。
それでも紐を締めて靴を固定すると、とりあえず歩くことは出来た。

素材はガラスレザーで、磨くと比較的簡単に光る。
手入れが簡単に出来る・・というのも、軍がこの素材を選んだ理由だという。
軍の官給品とはいえ、式典などに使うドレスシューズである。
磨き上げて悪い事は無く、早速先端部を鏡面仕上げにしてみた。

履いてみると、やはり民間の靴とは雰囲気が違う。
ジーンズの裾を上げて、靴下を見せるのがカッコいい。
華やかさとは無縁のシンプルな靴であるが、妙に気に入ってしまった。
ただ足に完全にフィットしているわけではないので、しばらくは靴擦れに悩まされそうだ。


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