故障

D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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ライカのX1だが、今でも出張などに持っていく。
描写はすでに古い部類に入るのだが、本体があれだけカッコいいとちょっと手放せない。
すっとカバンに忍ばせるのには最高のカメラである。

ただこのカメラ、細かいところがけっこう壊れる。
まずはストラップの取り付け部分が外れてしまった。
内部からネジで留めたパーツなので、自分で直すことができない。
片側だけストラップをつけて、ぶらさげて使っていたら、貧乏臭いと家族から非難された。
仕方なく、両側とも外してストラップなしで使っていた。

今日は、バッテリーのカバーを開けた途端、何か小さい部品が飛び出した。
よく見ると、バッテリーを固定するプラスチックのパーツが内部で折れて、スプリングで飛んでいったのであった。
バッテリーが固定できないので、これで事実上カメラが使えなくなってしまった。

肝心の電子部品は意外に頑丈(といっても、誤動作は年中起こす)のだが、細かいパーツで何かと不具合が起きる。
修理に出さないわけにはいかないが、何せあの金額のカメラだから、修理代金はかなりかかりそうだ・・・




アレン・エドモンズのマックニール。
驚きのトリコロールカラーである(笑)
何かの記念モデルなのか、数年前に限定品として出て、一般向けに売られていたものだという。
最初はお店のオリジナル仕様かと思ったが、エドモンズは最低ロット数が大きくて、なかなか別注することは出来ないようだ。

普段なら絶対に買わない靴だろう(笑)
しかし、サマーセールの現品特価で、えらく安く売られていた。
しかも残っていた唯一のサイズが、どうも自分の足に合いそうな・・・

そうなると話は別だ。
とりあえずは試着してみた。
7.5Dであったが、足が余裕無くきっちりと収まった。

幅はまったく隙間が無いというのに、それでも踵は少し緩い。
まったくアメリカ人の足ときたら・・・
お店の人が、踵が緩いのはアレン・エドモンズの持ち味だから・・などと言う。
上手い言い方だ(笑)
そう言われると、これでいいのかな・・という気にもなる。

この手の靴は、欲しい人が限られていて、出ると同時にある数ははけてしまうという。
ところが、売れ残った分はいつまで経っても無くならない。
で、セールの時に、やっときれいに片付くのだという。
定価で買うには抵抗があるが、安ければ買ってみようか・・という人がいるのだろう。

どう見ても遊び靴である(笑)
休日に気分転換に履くのにいいですよ・・と言われたが、それはスマートでカッコいい人の話だ。
それも青山辺りのマンションに住むような・・・
僕のような体型の人間は、履いて鏡の前に立ってみても、想像していたほどコッコよく見えない。
靴が目立つ分、足が余計に短く見えるのだ。

手入れに関しては、無色のクリームを使うしかないだろう。
写真でわかる通り、ブローグの穴から下地の白いグレインレザーが見えるので、色つきだと穴に残留するクリームが目立つ。
また、白く浮き立つダブルステッチも維持したいので、やはり無色のクリームしか使えない。

非常に難しい靴である。
これはもう、履く人の気持ちの問題で、これでいいのだと、堂々と履くしかない。
少しでも不安を顔に表してはいけない。
自信満々で街を歩くのだ。
・・・それともやっぱり恥ずかしいから部屋に飾っておこうかな。

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D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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ある靴店で、エドモンズのマックニールを試着した。
正規輸入品なので、ワイズはDであったが、幅が少々きつめな程度で、フィッティングは悪くなかった。
むしろ3Eや2Eよりピッタリと合っている。
何より羽根の開き具合がちょうどいいのだ。
お店の人には、これで丁度いいくらいで、Eでは大きすぎるのではないかと言われた。

何だか混乱してきた。
米国製の古靴を買っても、CやDといったワイズの靴を、それほど無理なく履くことができる。
先日のデクスターのプレーントゥはワイズCだが、段々足に合ってきて、今は下手な靴よりしっくりくるようになった。
ライトのロングウイングチップも、ワイズはDであるが、右足の親指の付け根がちょっと当るくらいで、これも少し時間が経てば何とかなりそうだ。
幅が狭い分、外観は他の靴よりかなりカッコいい。

自分の足は偏平足だと思っていたが、2Eや3Eはおろか、Eでさえ大きいというのだ。
そんなことってあるのだろうか・・・
こうなると、サイズなんてものは、実はどうでもいいのではないか、とさえ思えてくる。
足が入りさえすれば、靴の方でも変形してくれるので、何とかなってしまう・・・
とまで言うと、言い過ぎかもしれないが、サイズの許容範囲というものは、実は相当広いのではないか。

トリッカーズのカントリーコレクションは、同じサイズの靴を沢山持っているのだが、全体的に何となく緩い。
踵が浮くし、羽根も閉じてしまう。
丁度いい機会だったので、お店でひとつ下のサイズを試着させてもらった。
羽根は相変わらず閉じ気味だが、足に吸い付くようにピッタリで、ほとんど遊びがない。

こっちが正解ではないかと思ったが、トリッカーズに関しては、革が硬いので、もう一つ大きい方がいいと、店員さんに言われた。
ここまで足にピッタリだと、使い出すと当るところが出るらしい。
羽根が閉じ気味なのは、この会社の特徴だから仕方が無いという。
まあモノは言いようで、こちらが正解だと言ってしまうと、以前そのお店で勧められて買った、最初のトリッカーズのサイズが合っていなかったことになってしまう。

それにしても靴のフィッティングというのは、訳のわからないものである。
もしかすると、自分の足の形そのものが、刻々と変化しているのではないかと、疑ってさえいるのだが・・・
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整理


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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身の回りにモノが多すぎて、整理する必要が出てきた。
気に入ったものは、手当たり次第買っていたが、いよいよ収納スペースがなくなってきた。
確かに貴重なものばかりではあるのだが、いらないもの・・と言ってしまえば、ほとんどいらないものでもある。

靴が意外に場所をとる。
積み重ねることが出来ないので、置く場所がどんどん広がっていってしまう。
箱に入れれば・・というが、箱に入れて積み重ねると、簡単には出すことができなくなる。
ローテーションに入っている靴は、見えるところに出しておく必要がある。

それでモノがあり過ぎて、限界に近付いている・・ということが、はっきりとした。
オーディオ機器、CD、ガンベルト、アンティーク、照準器、カメラ、ぬいぐるみ、モデルガン、ミニカー、山のような資料・・・
もう下のほうには、何があるのかわからない状態である。

そろそろ整理する時が近付いている。
これから数ヶ月かけて処分していくことになりそうだ。
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D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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せっかく晴れたのだし・・と思い、あまり気が進まなかったが、カメラと重い三脚を持って出た。
玄関の扉を開けると、青空が見えたが、むっとするような空気に包まれて、すぐに汗が噴出した。
ああ、嫌だなあと思いながら、強い日差しの中、三脚を抱えて歩き出した。

年齢とともに体力が落ちていることもあり、機材を持って出るのが辛くなってきた。
いや、恐らくそれだけではないだろう。
気温そのものが、以前と違ってきたように感じる。
この息苦しくなるような暑さが、これからは当たり前になっていくのだろう。

先に出ていたMrs.COLKIDと銀座で落ち合い、中華のお店で食事をした。
食べていると、どこかでドンドンと音がしている。
最初はビルの中で工事でもしているのかと思った。
ところが、やがてバリバリと激しい音が聞こえてきた。
まさかと思って、お店の人に聞いてみると、外は雷雨だという。
雨の粒が大きいから気をつけてくれと言われた。

1枚も撮らないうちに、激しい雨になってしまった。
ビルの出口には、足止めを食らった人たちが、大勢で空を見つめながら立っている。
こんなところで雨宿りしていては、時間が勿体無いので、Mrs.COLKIDと分かれて僕だけ表に出た。

カーボンの三脚を持っているので、雷が嫌だな・・と思いながら、折りたたみの小さい傘を差して歩いた。
稲光が走り、雷鳴が響くが、大した事はなさそうだ。
雨のお陰で気温が下がり、かえって楽になった。
びしょ濡れになりながら、どんどん進んだ。

それが悪かったのか、やはり疲れがどっと出た。
帰宅してシャワーを浴びたが、何だか体が異様に重い。
グッタリしながらテレビを見た。
やはり年齢には勝てないか・・・
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怪獣映画


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仕事から帰ってから、ふと思いつき、映画を観に行った。
「ゴジラ」である。
意外なほど面白かった(笑)

久しぶりに、かなり純粋な怪獣映画を見た・・という気分になった。
1954年の第一作というより、それ以降の「ゴジラ対○○」の方を思い出した。
怪獣同士が街で一大バトルを繰り広げ、建物を壊しまくり、放射能を撒き散らす。
日本を壊し、ハワイを壊し、米国本土も壊す。
多くの犠牲者が出るが、それでもゴジラは人間のために戦う。

という、まさにこれは正統派の怪獣映画である(笑)
変にだらだらと未練たっぷりに描いたりはせず、ドライにテンポよく進むところが良かった。
音楽も伊福部昭調で、怪獣映画用として傑出している。
身震いしながら唸りを上げるゴジラも、感動的なくらいカッコいい。
渡辺謙も存在感があってさすがである。

初めてゴジラを見る人では、何がいいたいのかわからないかもしれないが(笑)、怪獣映画で育った人には十分な出来の映画だった。
ゴジラがビルを壊すというアナログ的なシーンを、ハリウッドの最新のCG技術で作ってもらい、本当にいいのだろうかと恐縮するほどだった。
次回作には怪獣総進撃マーチとともにムーンライトSY-3を出して欲しいな・・でもミニラだけは出して欲しくないな・・なんて考えながら帰宅した。
帰りにMrs.COLKIDと近くのマンションを見に行ったが、今にもゴジラが出てきて破壊するのではないかという錯覚に囚われた。
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アルバイト


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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知人の息子さんが就職した。
その息子さんは大学の4年間、某コーヒーショップで働いていた。
グリーンの丸い看板のお店である。

それが就職活動に極めて有利に働いたという。
そこで4年間いたというだけで、高く評価されたのだ。
話を聞いて感心した。

まずそのコーヒーショップのアルバイトに応募する時点で、当然のことながら、最初のふるいにかけられる。
笑顔の時の表情などがチェックされるという。
言葉遣いなど、人間として基本的なことも、当然見られるだろう。

合格したアルバイトは、店内の様々な仕事を体験することになる。
接客、調理、室内の清掃・・・すべての部署を担当させられる。
何でもやってのける、手際よさが必要とされるのだ。
それが意外に大変な作業なのだろう。
2番目のふるいとなり、脱落者はやめていくという。

さらに3年目、4年目になると、今度は新人を指導する仕事も担当する。
教育係、つまり人の上に立つ立場になるのだ。
トラブルを次々に解決していかなければならない。
4年間で、そういった仕事を一通り経験させられる。

つまり企業が新人に行うべき教育を、先にコーヒーショップがやってくれるのだ。
4年間かけて、育て上げてくれるわけである。
しかも人とのコミュニケーションという、一番重要かつ大変な項目に関して、十分な訓練を積んでいるのだ。
これは企業としては大助かりであろう。

たしかに、このコーヒーショップの店員さんは、ずば抜けてお客への応対がいい。
こちらが戸惑うほど、にこやかに話しかけてきて、感心することも多い。
僕の母親などは、時折一人でコーヒーを飲みにいくようだが、高齢ということもあり、特別扱いといっていいほど、店員さんから親切にしてもらうようだ。
僕に子供でもいるなら、大学の4年間はそこでバイトをしてはどうかと言いたいところだが・・・(笑)
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洗礼


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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昨日に引き続き、今日は中古で買ったライトの靴を履いていった。
ところが、帰りは土砂降りに遭遇。
数十年ぶりに娑婆に出た靴だというのに、いきなり雨の洗礼を受けてしまった。

ライトの靴であるが、履いてみて驚いた。
カッコがいいのである。
何というか、形に品があってスマートに見える。
今まで買った靴の中で、一番カッコいいかもしれない。

サイズは8.5-D。
少し緩めである。
踵も大きいが、紐を締めると靴が固定されるので、歩くのに支障は無い。
古靴を買う時は、どうも僕の足はEEではないように思えてくる。

取っかえ引っかえ、ロングウイングチップを履いている。
その中で、エドモンズのマックニールは、デザインが一番田舎臭い。
羽根が大きいのだが、それが足の左右からベターッと迫ってくるのが、上から見ていて何ともカッコ悪い。
ジャランのものは、かなりいけてはいるが、少し寸詰まりに見える。
宮城興業のES-11も、なかなかいいのだが、こちらは羽根が短いために、フロントがドーンと強調される。

ライトは実にバランスがいい。
すっきりと都会的に見えるのだ。
同じロングウイングチップでも、デザインでこんなに印象が変わるとは・・・

いろいろ履いてみて、ロングウイングチップの形状には目が肥えてきた。
ロングウイングチップでさえあれば、何でもいいというわけではない。
次回から選ぶ時の基準が、かなり高くなりそうである。
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ジーンズに映える靴


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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今日はデクスターを履いていった。
古靴店で買った、恐らく35年ほど前のデッドストックだ。
しかもサイズは8.5-Cである。

朝、足を入れると、スポッと音を立てて収まった。
幅が狭めの分、足の中央の辺りで、左右から少し挟まれたような感触がある。
踵は少し緩い。
しかしその程度で、それほど大きな問題は感じない。

外に出てみると、日の光を浴びて、靴が鮮やかな茶色に輝く。
目に眩しいくらいの茶褐色だ。
ジーンズによく映える。

歩き出すと、最初の数分間は多少違和感を感じたが、程なくそれも消えてしまった。
作りがしっかりしているのか、安心感がある。
ソールも厚いのにしなやかで、なかなか歩きやすい。
やはり現代の靴より、物量が投入されているのを感じる。

しばらく経つと、足が挟まれている感触も薄らぎ始めた。
わざとしゃがんでみると、まっさらだった靴にその皺が付き、貫禄が付くと同時に、しなやかに曲がるようになった。
靴の方が僕の足に合わせて変形しているのか、さらに快適さが増してきた。
下手な新品の靴より、フィッティングがいいくらいだ。

不思議な気分になる。
35年近くも、この靴はこの日を待っていたのだろうか。
僕が高校生くらいの時だ。
その頃の情景が浮かんできた。
1980年頃の、学校までの道のりを、この靴を履いて歩いていくような気分になった。

それにしてもワイズCで、何の問題もなく履けてしまっている。
EEとかEEEとか言っていたのは、あれは何だったのだろう・・・
サイズなんて、実のところ何でもいいのではないか(笑)
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植木鉢


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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ヘビを見なくなったと思ったら、誰かが捕まえて、近所の川岸の草むらに放したらしい。
あまり出てこられても困るが、いなくなると少し寂しい。

その代わりというか、アマガエルが急に増えた。
小さいのがピョンピョンと跳ねている。
この増え方を見ると、やはり今までヘビに相当数やられていたのだろう。

玄関にいくつか並んでいる植木の鉢に、すでに数匹の子蛙が住みついたようだ。
水をかけるたびに、慌てて飛び出してくる。
少し考えて、隣の植木鉢に移ったりする。
まだ縄張りもはっきりしていないようだ。



久々に宮城興業にカスタムメイド靴をお願いした。
今回はロングウイングチップのES-11をベースとした。
このところの流れから言って当然であろう(笑)

まずデザイン・ナンバーだが、前述の通り、ロングウイングチップのES-11。
革にはシュリンクレザー(縮み皺の入った革)とエンボスレザー(型押しの革)の2種類を使い、パーツごとに使い分けた。
具体的には、つま先から踵にかけてのウイングチップと羽根部分にはシュリンクレザー、ヴァンプとクォーターにはエンボスレザーを配した。

大きな変更点として、アイレットの数を通常の5個から6個に変えてもらった。
個人的な好みからであるが、もしかするとこの手の靴の文法から外れたやり方かもしれない。
ただこの変更は効果が大きく、他とは一味違う・・という演出に一役買っているように思う。
羽根自体のサイズは変わらないので、増やすとしても6個が限界かもしれない。

サイズはいつも通り25.5の2Eをベースとしたが、夏になり靴下が薄手になると、羽根が閉じ気味になることがわかっていた。
当初はサイズ変更も考えたが、下手に大きさを変えて、足に合わなくなるのも嫌だ。
お店と相談した結果、とりあえずサイズはそのままで、甲革の内側にスポンジを入れることで、大きさを微妙に小さくすることにした。
履き口の周りとベロ部分の内側にスポンジが入り、その結果履いた時に羽根が程々に開くようになり、フィット感は向上した。

裏革はお気に入りのグリーンにした。
ソールはいつものダイナイト風の合成ゴムを選んだが、今回から「タフ・スタッド」という新しいソールに変わっている。
材質が見直され、曲がりやすさなどが改善されたという。
ウエルトは「ストーム」にして、マチ部分は「平」、出し縫い一周の「ダブル巻き」と、底が3mm厚くなる「W底」のオプションを選んだ。
外部から見える部分の色は、すべてブラックで統一した。

宮城興業でオーダー靴を作るのは4足目である。
その中でも、今回はなかなかの出来といえる。
価値観が定まってきて、こちらの指定する仕様も、今までのものよりしっかりしてきたのだろう。
出来上がった現物を、最初に見た瞬間に、いいな・・と感じた。

今回ES-11をオーダーしたのは、同社のロングウイングチップの形が見たかったこともある。
この写真だと少しずんぐりむっくりに見えるが、それはこちらの足の形の問題も絡んでいる(笑)
(25.5の2Eをベースに幅を少し広げてある)
他のESシリーズと同じ木型だと思うが、基本的にロングノーズでスッキリとしており、なかなかスマートな形の靴である
米国製の靴と並べてみても、品質面ではむしろ勝っている。
細部までカッチリと作られており、日本製ならではの丁寧さを感じさせる。

ロングウイングチップは、ヴァンプとクォーター(写真のエンボスレザーの部分)が1枚のパーツで作られる場合と、二つのパーツに分けて繋ぎ合わせる場合がある。
オールデンなどは1枚で作られているが、アレン・エドモンズのマックニールは羽根の終端がウイングチップまで延びて、わからないようにパーツを2分割している。
宮城興業製のロングウイングチップは、よく見ると羽根の下にパーツを繋ぎ合せた縫い目が少しだけ見え、ふたつのパーツを繋いでいるのがわかる。

原皮から切り出す際に、無駄を出さないためにパーツを小さくしたのだと思われるが、一方で繋ぎ合せる工程が増えるのも確かだ。
一概にどちらが効率がいいとは言えない。
手持ちのロングウイングチップを調べてみたら、リーガル、スコッチグレインは分割、トリッカーズ、ジャラン、それに古靴のライトは1枚ものであった。
前述のマックニールは2分割であるが、カスタム・オーダーの場合、ヴァンプとクォーターで材質に違うものを選ぶことも可能である。

今回のES-11だが、オーダー靴でこの価格で、しかもこれだけの品質なのだから、価値は抜群に高い。
メイド・イン・USAというブランド力を持たないのが、唯一の欠点といえるが、それは永久に手に入らないものだ。
実物の品質を見ると、米国靴のコレクターでも、ちょっと欲しくなるのではないか・・と思った。

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単純


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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都内を歩いたところ、少し熱中症気味になったのか、疲労でぐったりしてしまった。
やけに喉が渇き、水分ばかり補給してしまう。
汗もひっきりなしにかいた。
三脚無しで出たので、撮影の方は大変だったが、これで重い三脚を持っていたら、体がどうなっていたかわからない。

帰宅しても疲れが取れず、しばらく居間で横になった。
Mrs.COLKIDが体力回復用にと、黒にんにくというのを買ってきて、夕食の時に出してくれた。
ウーム・・僕はにんにくが苦手なのだが・・・

嫌だったら無理して食べないようにと言われたが、とにかく食べてみることにした。
皮をむくと、中から黒い実が出てくる。
強烈とは言わないまでも、やはりにんにく特有の臭いはする。

ご飯と一緒に、恐る恐る口に入れてみた。
甘みがあって、少しプルーンみたいな感じがする。
薄気味悪い食べ物である。

あれ・・・
何だか知らないが、急に元気が回復してきた。
倦怠感がなくなり、頭もスッキリしてきたぞ。
効いたのだろうか・・・
それにしても単純な体である。
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忘れ物


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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日曜であったが、朝早く新宿にある得意先の店舗に商品説明に行った。
てっきり雨だと思っていたら、日が射している。
昨晩リュックに書類をつめておいたが、晴天にこれではまずかろうと、急遽カバンに移し変えた。

それがいけなかった。
電車に乗ってから、携帯電話を忘れたことに気付いた。
これでは待ち合わせの時の、細かいやり取りが出来ない。
次の駅で降りて、公衆電話をみつけて家に電話し、Mrs.COLKIDに駅まで届けてもらうことにした。
それから逆方向の電車で戻った。

往復で30分ほどロスしてしまい、少々焦った。
結果的には意外にスイスイと新宿まで出ることができて、時間に遅れることはなかった。
しかし電話がないと、途中での連絡が出来なくなるので、業務に少なからず支障が生じる。
しかも、なぜか大変不安な気持ちになる。
昔はこんなもの無くても、全然問題なかったのにね・・・



アレン・エドモンズのロングウイングチップ、マックニールのウォールナット・グレイン。
ファクトリー・セカンドの未使用品を国内でみつけた。
ずっと欲しかったマックニールの、しかもサイズは7.5のEEである。

アレン・エドモンズの靴は、今までいつも7.5のEEEを買っていた。
ラストによって多少の違いはあるのだが、そのサイズが一番自分の足に合うと思っていた。
ところが夏になり靴下が薄手になると、羽根が閉じ気味になってしまう。

次回輸入する時は、もう少し小さいサイズにしてみようかと考えていた。
以前と違い最近は、靴を余裕無くピッチリと履くのが好きで、羽根が少し開いていないとカッコ悪いと感じるようになった。
そこで次回は7.5のEEを選んでみようと考えていたが、まさにその欲しかったサイズが都内の古靴店で売っていたのだ。
正規品はワイズDしか輸入されていないので、非常に稀なケースというか、滅多にないチャンスである。

ファクトリー・セカンド、つまり製造時のチェックではじかれたB級品である。
靴の裏側には、それを示す靴の形をした小さな焼印が押されている。
しかし同社の製品はもともと作りが荒っぽい(そこが魅力なのだが)こともあり、はじかれた原因が何なのか、よくわからない(笑)
僕は少々の傷やムラは気にしないので、仮にこれがA級品として売られていても、特に不満は持たないであろう。

国内で売られていた価格は、A級品の現地価格と同程度であったが、送料や関税の分を考えると十分に安い。
(実際にはセール中だったため、さらに安く入手した)
それに現在エドモンズのサイトでは、マックニールはブラックのカーフしかラインナップにない。
仮にカスタム・オーダーで頼むとしても、このウォールナットのグレイン・レザーは選べないようだ。
やはりこの1足は「買い」であったといえる。

そのグレイン・レザーだが、なかなかいい色である。
穏やかな茶色・・とでも表現すべき色で、頭の中にあった、ロングウイングチップの理想のアッパーレザー・・にかなり近い。
実際に手にした瞬間、これはいい!と感じた。
凄みのある黒や、鮮やかなバーガンディもいいが、艶を抑えたウォールナット・グレインも素晴らしい。

フローシャイムなどの高品質な時代の名品が消えた今、メイド・イン・USAの靴を代表するのは、オールデンとアレン・エドモンズだけになってしまった。
エドモンズはどこか洗練さに欠ける無骨なデザインであるが、そこがかえってアメリカ靴らしい魅力にもなっている。
7.5のEEというサイズに関しては、実際に履いてみると、羽根が程々に開いてくれ、まあまあのフィッティングだと思う。
踵もしっかりついてくる。

アレン・エドモンズの靴は、最初に足入れした時に多少の違和感があっても、実際に履くと感触が変化していき、足に吸い付くようになる。
このマックニールも、使い始めるとさらによくなっていくだろう。
いずれにしても、マックニールに関しては、この7.5のEEが僕にベストのサイズではないかと思われる。
マックニールのカスタム・オーダーに、いつか挑戦したいと思っていたが、サイズに関してはこれで決まりだろう。


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雨の花火


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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土砂降りになったので、花火大会は中止だろうと話していた。
そうしたら、外でドンドンと音がし始めた。
へえ・・やる気だよ・・・
窓の外で盛大に花火が上がっているのが見える。
やけになっているようにも見えるけど、凄い根性だねとMrs.COLKIDと話し、花火を見物しながら夕食を食べた。



報告が遅れたが、以前紹介したビューティ・アンド・ユースのジャラン・スリウァヤ製ロングウイングチップを履いて街に出てみた。
太陽の光を浴びると、アッパーの色が少し紫の入った茶褐色に変わる。
上から見た形も悪くなく、なかなかカッコいい靴である。
ピカピカに光りすぎても変なので、まずは無理にしゃがんで意図的に皺を入れてみたが、それでさらにカッコよくなった。



ところがあろうことか、しばらく歩いたところで、靴擦れが始まってしまった。
やはり、わざわざ幅を狭めて、ユナイテッド・アローズ専用ラストを使っているのがよくないようだ。
新宿周辺を歩いていたら、左右の足の踵の内側が摺れて痛くなってきた。
前回トリッカーズのモンキーブーツで靴擦れになった時と同じ箇所である。
そういえばあの時も新宿だった。
新宿は僕の足には鬼門だろうか・・・

ベンチで休んで、靴下をめくってみると、踵の内側に早くも水脹れが出来つつある。
実はこういう事もあろうかと、バッグに靴擦れ用の絆創膏を忍ばせてあった。
前回痛い目に遭ってから、常に持ち歩いているのだ。
それを摺れた箇所に貼ったところ、それでピタリと靴擦れは止んだ。
絆創膏を貼ってさえあれば、歩行にはまったく支障は無く、靴擦れなど忘れてしまうほど快適だ。
しかし、今後履くたびに毎回絆創膏を貼らなければならなくなる。

靴の内側を見てみると、革のラフアウトがむき出しの構造になっている。
少し前にも書いたが、同じく靴擦れの発生するモンキーブーツの時も、やはり内側がこの構造だった。
ヒールカップが大きめで、歩くたびに動くような靴の場合、内側がラフアウトだと、肌とこすれて靴擦れが発生するようだ。
このロングウイングチップは形がいいだけに惜しいことである。

ハンズで靴擦れ防止用のシールを買ってきて、靴の内側の靴擦れ発生箇所に貼ってみた。
ところが一回履いただけで、シールが丸まって剥がれてしまった。
もう少し大き目のシートで、広い面積を覆ってしまうしかなさそうだ。

同じジャランの靴でも、1663というラストを使っているプレーントゥは、足がピッタリと収まり、内側がラフアウトでも靴擦れがまったく起きない。
気持ちいいほど足によく合っている。
今後ジャランの靴に関しては、僕の足と相性のいい1663ラストを使ったモデルから選んだ方がよさそうだ。
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悲鳴


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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Mrs.COLKIDが、マンションの外にあるごみ置き場に、ごみの袋を持っていった。
鍵を開けて、鉄の扉を開くと、暗い室内に外光が差し込む。
見ると、正面の暗がりの中で、ふたつの小さな光が光っていた。

何だろうと思い、よく見ると、大きなネズミであった。
毛並みの艶やかなネズミが一匹、部屋の奥の壁際で、半分立ち上がってこちらを見ている。
一瞬、両者見合ってしまったという。

突然、ネズミがこちらに向かって突進してきた。
「キャアアア・・・」
街中に響き渡る盛大な悲鳴を上げて、Mrs.COLKIDは扉を閉めた。
離れたとところにある駅のホームでも、悲鳴に驚いた人が、何事かとこちらを見ていたという。

顔を真っ青にしたMrs.COLKIDが、部屋に逃げ帰ってきた。
掃除のおばさんが、日中ごみ置き場のドアを開けて掃除をしている。
恐らくその間に、ネズミは中に入り込んだのだろう。
ああいう動物は、隙間があると内部に入りたがる習性がある。

ところが、掃除を終えたおばさんがドアを閉めたため、外に出られなくなった。
大抵の建物は、どこかにネズミが出入りできるくらいの穴はあるものだが、ごみ置き場は意外にしっかり作られている。
逆にネズミなどが入らないように、意識して設計されているのだろう。

しかし、閉じ込められたとは言え、内部には食べ物はたっぷりある。
とりあえずひもじい思いをすることはないので、あわてる必要は無いのだ。
閉じ込められたネズミは、山のようにある生ごみを食い漁り、中でたっぷり太っていた。

今も誰か次の人が扉を開けるのを待っているに違いない。
一度学習しているから、足音が近づいたら、すぐに飛び出す態勢を取るだろう。
その瞬間は、また大きな悲鳴が上がるだろうから、ここにいてもすぐにわかる(笑)
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帰還


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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帰ってきている。
途中少し眠くなったが、パーキングエリアで小一時間寝たら、それ以降は快適にドライブできた。
120iは踏めば必要な加速が得られて、路面に食らいつくように安定して走るので、運転が実に楽しかった。
こういう出張にはベストの選択かもしれない。
夕方に会社に戻り、一仕事してから帰宅した。

東北からの帰り道、海沿いのコースを走ってみた。
仕事でいくつか電話する必要があったので、浜辺の誰もいない駐車場に車を停めた。
それから、ひとりで砂浜に降りてみた。

僕はもともと海が好きではなく、海に近付くと本能的な恐怖を感じる。
今日もひとりでそこにいる事に、強い不安を感じた。
外部からの情報が得られない状況であり、もしもこの瞬間に危険が迫っていたら・・・
そう思うと、その場所にいるのが無性に怖くなり、早足に車まで戻った。

数年前、震災前にこの辺りに来た時に、やはり海岸に強い恐怖を覚えた。
土地が太平洋に無防備にさらされているのが、どうにも嫌だったのだ。
もし津波が来たら、あの高台に逃げよう・・・
そう僕が言ったら、地元の人に苦笑されたのを覚えている。
今だったら笑う人はいないのだろうが・・・
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東北への出張


D800E + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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午後から東北に出張中。
車で高速を飛ばしてきた。
明日の朝から打ち合わせがあり、結局前日から泊まることにした。

海に近い被災した地域だ。
復興で家が建ち始め、ちょっとしたバブルになっている。
モノがよく売れるので、商品の説明に来てほしいと言われたのだ。

しかし特需は永遠に続くものではない。
終わった時の反動は大きい。
そのことはお店のオーナーも十分心得ていて、売れる期間は10年くらいと見ているようだ。
その後どう立ち回るかも、今から考えていると言っていた。



1970年代末から80年代の頃の米国DEXTER社の外羽根式プレーントゥ。
未使用のデッドストックである。
サイズは8-1/2Cという細身のもの。

正しくアメリカン・トラディショナル・・という雰囲気を持つプレーントゥである。
様々な服装に合わせやすく、一足は手元に置いておきたい靴だ。
明るめのブラウンは目に眩しく、僕などは少し気後れしてしまうほどだ。

しかしこの色は定番らしく、現在でもオールデンからオール・ウェザー・ウォーカーという、これにそっくりな外観の靴が出ている。
お店でも、ほぼ同じデザインと色の靴が数足並んでいたが、それぞれ違うメーカーが作ったものであった。
その中でデクスターは一番安価なものであった。

デクスター社の製品は、あちこちの古靴店で見かける。
普及クラスの製品を中心に出していたメーカーなので、数も出回っているようだ。
当時は日本でも、入門用として最初はこのクラスの靴から入るパターンが多かったという。
1957年設立のメーカーであるが、現在はドレスシューズからは手を引き、ボーリング用シューズのメーカーとして有名であるという。

しかし作りは決して悪くなく、正攻法でガッチリと作られている。
ソールも分厚く履き心地がいい。
これで安価なクラスの靴だと言うのだから、やはり靴のクオリティは、この頃から比べてだいぶ低下したのだとわかる。
当時のアメリカは、靴作りの頑固職人がまだ大勢いたのだろうな・・なんて想像をしている。

ワイズは米国らしい細身のCである。
お店を回ると、Cは当たり前で、AやBもよく見かける。
さすがにワイズAともなると、手にとってみても、いかにも細長い形状であるのがわかる。

偏平足の僕であるから、無理だろうとは思ったが、恐る恐る試着させてもらった。
ところが、スポッという音を立てて足があっさりと収まった。
お店のオーナーが、ああ、その感じで入れば大丈夫ですよ、と言った。
合わない人は、そもそも最初の足入れの時点でつかえてしまうという。
そしてまたも、あなたの足の形はそう悪くないですよ、と言われた。

いくつかあった似たデザインの靴の中で、一番安いものであったが、それ以前にその一足しか足に合わなかったのだ。
ワイズCと書かれていても、実際の幅はメーカー、ラストによってそれぞれ違う。
見た目の大きさで大体の当りをつけ、まずは実際に試着してみることだ。

古靴の場合、いくら気に入ったものがあっても、履くことが前提である以上、サイズが合わなければどうしようもない。
お店でも、最初にサイズの合いそうな靴を選別するところから始まる。
その中から、実際に試着していけそうなものを定め、気に入ったものを買う、というのがヴィンテージ・シューズの購入方法らしい。

僕も自分の足にまさかワイズCが合うとは思わなかった。
ヴィンテージ・シューズのお店を回ってわかってきたのだが、自分の足に合う・・というのは、一種の奇跡のような出来事なのだ。
米国の工場で製造されてから、数十年の時を経て、遥か東洋の国にまで運ばれてきた靴である。
しかもデッドストックの場合は、自分によって初めて履かれる靴なのだ。

足にしっくりきた時など、運命的な出会いさえ感じる(笑)
この機会を逃すわけにはいかない・・という気持ちになる。
それがヴィンテージ・シューズの魅力であり、収集家に共通した思いだという。
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