賑やかな場所


SIGMA DP2Merrill

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那須から義父が泊まりに来ている。
銀座にある病院に通うためだ。

午前中は治療に行き、午後は家に戻る。
賑やかなところばかりなので、十分に楽しんでいるようだ。
都会に住む人は、静かな田舎を好むが、田舎に住む人は、賑やかな場所を好む。



今日の時計ベルト。
フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックFC-303AS4B26に、バンド-イット社のミグリアをつけた。

無骨な切りっぱなしのサドル・レザーに、白いステッチを入れたワイルドなベルト。
こういうレイアウトの製品はファンが多いようで、ヒルシュなどからも似たタイプの製品が出ている。
時計の種類によっては、効果的な演出となるのだろう。
僕も嫌いではない。

またサドル・レザーを使うという点で、僕の専門とするガンベルトにも通ずる部分がある。
サドル(馬具)の場合、激しい状況下での使用が想定される為、革の厚みをたっぷり取り、製品の強度を上げている。
頑丈、かつ、しなやかなのがいい革・・という価値観がある。
時計ベルトのように、薄くて柔らかい革を、表と裏で張り合わせて作る・・という方法とは少し違う。

通常サドルのステッチ部分の加工は、あらかじめ糸の走る部分にグルーバーで溝を切り、その溝の中に縫い糸を納めて、革の表面と面一にする。
そのため糸目が整って見え、表面が擦れた時にも糸が痛まないようになっている。
この製品はそこまではやっていないのだが、見ていると自分でも作れそうな無骨な構造で、創作意欲が湧いてくる。



欲しかったグリーンのベルトである。
色としては、確かに望んでいたものに近い。
しかし残念なことに、作りが少し繊細感に欠け、インデックス・オートマチックとベストマッチとはいえない。
ディテールの処理に、もう一工夫欲しいところだ。
どうやらグリーンのベルト探しの旅は、まだ続きそうだ(笑)

このところ出番の多いインデックス・オートマチックFC-303AS4B26だが、最近は実際に腕に着けて歩くことが多い。
あまりかしこまらないで済む時は、この時計がちょうどいいのだ。
この趣味を始めた最初の頃に買った時計であるが、今になって存在意義が出てきた感じがする。

より高級な時計群の中においても、それほど見劣りしないのは立派である。
文字盤の作りに手を抜いていないからであろう。
今回の組合せでも、明らかにベルトが文字盤の質に負けている。

性能的に特に見るべき部分はないのだが、シンプルでクリーンで大きさも程よい。
現代時計なので、日差10秒以内と精度も悪くなく、実用性は十分である。
無駄な機能が付いていないため、文字盤が非常に見やすく、時計をつけている人が知的に見える(笑)
自己主張しないところが、かえってこの時計ならではの個性になっているのが面白い。

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色彩


SIGMA DP2Merrill

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親戚に子供が生まれたので、デパートにお祝いの贈り物を買いに行った。
ベビー用品の売場を歩いてみる。
置いてあるものに、一様に「色」がないのが気になった。
白っぽい、淡い色のものばかりで、はっきりとした色のものがないのだ。

流行りなのだろうか・・・
それとも、子供に強い色を見せてはいけない、という学説でもあるのか・・・
しかし、これでは子供の色彩感覚が育たないのではないか・・と心配になった。

皆が皆、一様にボワーッとした色の中で育っては、将来どうなるかは目に見えている。
僕自身、日本の環境で育てられて、そのことを痛感している。
こういうものは、幼児期の環境が重要で、後から育てようとしても、もう遅い・・ということになりかねないのだ。

売り場を歩いているうちに、原色系のはっきりとした色を使ったモビールをみつけた。
赤や青、黄色といった豊かな色彩の動物が、糸で吊るされてゆっくりと動いている。
これがいい。

一目で気に入り、それを贈ることにした。
天井から吊るされたモビールが、下から見上げる子供の記憶のどこかに残り、大人になった時に、他人と違う才能を開花させるのに、一役買うのではないか・・・
そんなことを、得々と話していたら、母親から否定された。

僕の子供の頃には、随分と色彩に気を遣ったそうで、一生懸命高価な服を買って着せたのだそうだ。
ところが、結局色彩感覚は育たないし、お洒落感覚もさっぱりだった・・・と言って嘆いている。
そりゃあ自分で着ているものは、自分では見えないから・・・と、慌てて言い訳をした。



今日の時計ベルト。
フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックFC-303AS4B26に、モレラートのフリスビーのブラックをつけた。

先日ライトブルーのモデルを紹介した同社の新製品。
機能面で非常に優れている事がわかり、それならとブラックも仕入れてみた。
表面にバッファロー調のシボが入り、しかもアンチスエットという、考えてみれば、以前より探していた仕様そのものである。
さりげなく売り出されていたため、気付かなかった(笑)

このブラックの場合、ステッチにグレーの糸を使っているところがいい。
裏面に大胆な色を持ってきて(ブラックの場合はレッドのラバー)、それが時折ちらりと見えるのも面白い。
レバー付きバネ棒が標準で付いてくるので、交換は容易に出来る。
細かいところに一捻りを加えた、なかなか優れたベルトである。

色は若々しいものが揃っているが、懸案のグリーンもある。
残念ながら僕の欲しいダークグリーンではなく、比較的明るめの淡いグリーンである。
個人的には、アイビー・グリーンに生成りのステッチの組合せが揃っていれば、完璧であったのだが・・・



実用性を確かめるため、このベルトをフレデリック・コンスタントにつけて、実際に使用している。
インデックス・オートマチックは決して高級な時計ではないので、御三家のオーダー品のベルトでは、どこかアンバランスなイメージがある。
こういう価格帯の既製品と組み合わせた方が、大人の選択に思える。
外観上のマッチングもよく、この時計のブラックのベルトの定番として活躍しそうだ。

裏面は、密着させない為の工夫だろうが、表面がメッシュ状に加工されたラバーが張られている。
痛いというほどではないが、ザラザラとした硬めの感触。
着け心地はさっぱりとしており、好き嫌いはあるかもしれないが、ペタッと吸い付くものよりいい。
メッシュ状の格子部分の強度が高いのか、ベルト全体が少し硬めに仕上がっている。

使ってみて、ひとつ大きな問題点があることがわかった。
このベルト、長さが120/79あり、なぜか普通より大きめに作られているのだ。(通常は男性用で115/75が標準的サイズ)
同社の製品は、長めに作られているものが少なくないのだが、その中でもこの製品は長い。
それ以外の部分は、日本人の要求にピッタリなのに、なぜサイズだけ・・・?

僕は観音開きのDバックルで使用しているが、折りたたんだ金属製バックルの本体がベルトの内側に入り、かなりスペースをとっているのにもかかわらず、ベルトの穴は一番奥のもっとも短くなるところでギリギリ使える感じ。
全長が長くなってしまうバンビの三つ折れ式では、恐らく使用不可能であろう。
ベルトのコンセプトが申し分ないだけに、ちょっと惜しいな・・と思う。

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外出


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今日はついに靴を下ろした(笑)
心配していた天気は、外出している間は何とかもってくれた。

茶色い靴にどういうズボンがいいか考えたが、やはりジーンズよりチノパンだろうということになった。
それで昨晩、ユニクロで急遽チノパンを買ってきた(笑)

上はお気に入りのストライプの入ったシャツを着て、下は白いチノパンにする。
靴は下ろしたてのスコッチグレイン、ベルトはギャルコ、時計はカラトラバにジャン・ルソーのカーフ・・と革製品は見事にブラウンで統一した。
仕上げに先日購入した白いパナマ帽をかぶった。

価格的にはちぐはぐであるが、見た目には綺麗に揃っている。
鏡の前に立つと、ちょっと決めすぎではないかと不安になる。
お洒落に慣れていないので、加減がよく分からないのだ。
しかし例のお洒落の本によれば、とにかく本人が自信を持つことが重要だという。
それを信じて、颯爽と外に出た。

家の周辺では、やはり少し浮いている感じがする。
ガラスに写る自分の姿を見ると、自信がないためか、顔の表情が少し硬いのが良くないことに気付く。
胸を張って堂々と歩くことで、初めてお洒落が完成するのだ。

日本橋、銀座の辺りを歩くと、自分が決して浮いていないことがわかる。
この街は、多くの人が特別なお洒落をして歩いているので、これが普通になるのだ。
用があって、その後渋谷にも出たが、あそこは若者が多いので、少し自分の格好が異質に感じた(笑)
面白いものである。
いずれにしても都内では、誰もが自由な姿で歩いているので、特に自分だけ目立つということはない。

Mrs.COLKIDと日本橋のデパートを歩いたが、僕の格好は「風立ちぬ」の堀越二郎を連想させるという。
眼鏡をかけて、髪には気を遣わず、白っぽい服装でコツコツと歩く。
紳士服の売り場を覘いた時、店員さんから「今日は凄く決まっていますね」と言われて、素直に褒められていると思えなかったのは、まだ自分に自信が持てないことの表れか・・・(笑)
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変化


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日本橋で知人と会い、最近の動向について、喫茶店で話をした。
巷では涼感グッズが売れており、お店は様々な製品で溢れている。
しかし、異常に暑く感じる夏は、既に日常化しており、人々の生活は変化している。
温度を下げたり、涼しく感じさせたりする機能は、付いていて当たり前のものとなり、様々な分野の製品の標準仕様になるだろう・・・
というような予測を聞いた。

温暖化による環境変化が原因なのか、少しずつ・・いや、急速に我々の日常生活が変化している。
「暑い日」の基準が、明らかに子供の頃とは違ってきた。
僕自身も、服に冷感スプレーを吹きかけるのが、外出前の習慣になってしまった。

まあ、せめて今日は涼しげな写真(上)を選んでおく(笑)



家に帰ると、僕の新しい靴を、カエルがオモチャにして遊んでいた。

今日は時折陽射しも感じたが、何となくはっきりしない天気だったので、結局靴のデビューはまたお預けとなった。
毎夕のように、あちこちで大雨洪水警報が出るので、怖くて履いていけない。
夜になって映画を見に行ったが、案の定その間に大雨が降ったようで、映画館から出るとあちこちに水溜りが出来て、気温が大幅に下がっていた。




今日の時計ベルト。
グランドセイコーのクォーツに、ヒルシュのダッチェスのパープルをつけた。

先日ブラックを紹介したヒルシュの新製品ダッチェスの、こちらはより鮮やかなカラーである。
写真ではわかりにくいが、表面にはエナメル特有の強い艶がある。
色はこのパープル以外に、ブルーとピンクが用意されている。
表面の皮膜を通して、下地の鮮やかな色が透けて見えているような質感の素材である。

黒は黒でシックであったが、華やかなキャンディカラーが、この商品のコンセプトをより明確に表している。
彩度を維持しながら明るさを抑え気味にして、深みのある上品な色を再現している。
それにより、ターゲットとなる層を、大人の年代に上げている。
ただし基本的には女性向けのベルトであり、色の付いたモデルは男性が使うにはなかなか難しい。

時計ベルトを地味に目立たない存在として扱うか、あるいはワンポイントとして強い色を与えるか。
このベルトは、もちろん後者の使い方の提案である。
光沢のあるエナメル仕上げには強い存在感があり、人の目を惹きつけるパワーを持つ。
たしかにこれをつけている時は、自分でも腕のベルトを常に意識することになるだろう。



あえて対極にある、グランドセイコーと組み合わせてみた(笑)
どこまでも保守的な時計に対し、革新的なベルトが何を与えてくれるか。
実直な男性用時計と、艶やかな女性用ベルト・・・性格的には極端な組合せ例といえる。

しかし意外にも、そう悪くない結果となった。
予想に反し、時計としてのまとまりは、なかなかいい。
生真面目で融通の利かない時計を、華やかなベルトが上手くサポートしている。

問題はどういう人なら、この時計を実際に使えるのか・・ということだろう(笑)
週末はベルトを交換して、イメージチェンジしてお出掛け・・という使い方を想定していたが、実際に使いこなすとなると、センスが問われる組み合わせではなかろうか。
下手をすると、完全に外しかねない(笑)

グランドセイコーに鮮やかなエナメルのベルト・・・
ブランド、品質、ファッション性・・といった各項目はクリアしている。
自分で使うことを前提に考えていたが、これは案外、男性より女性向けの時計として、面白い組合せなのかもしれない。

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貫禄


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せっかく靴を買ったのに、天気が悪くて履くことが出来ない。
雨の日には履かないで欲しいと、お店の人から注意を受けた。
水滴が落ちて、一度染みが出来てしまうと、もう消すことは出来ないという。
その染みの色が溶け込むまで、全体を濃くするしかないというのだ。

ところが、それ以降天気のいい日はなく、履く機会が得られない。
この週末もあまり良くなさそうだ。
出先で雨に降られたらそれまでなので、怪しい日は最初から履くのを諦めるしかない。
まったく、お洒落になど興味無かった男が、今は毎日天気予報を調べて、靴を選ぶようになってしまった。

仕方ないので、毎日箱から出して、少しずつ磨いている。
けっこう重労働で、一汗かくので、風呂に入る前に靴磨きをする。
おかげで一度も履いたことの無い靴が、黒光りして貫禄がついてきた(笑)



今日の時計ベルト。
フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックFC-303AS4B26に、ブロス社のスタンパ・アリガトーレのブラックをつけた。

1年以上前から、何となく気になっていたベルトである。
時折海外の通販のサイトを開いては、このベルトを眺めていた。
それを今回、ついに購入してみた。

一見、何の変哲も無い型押しのベルト。
価格も安く高級品とはいえない。
だがこのスマートな三角形の形状が、一目で気に入ってしまった。
20-14という、6mm落差のレイアウトをとるベルトである。
市販品では比較的少ない形状といえるだろう。

流行の大型時計の場合、ベルトの面積を広く取って主張するデザインが主流だ。
幅20mmならバックル側18mm、あるいは16mmで作られる場合が多く、中には20-20の寸胴型のベルトもある。
ほとんどの場合、ベルトは平たい長方形に見える。
このような強いテーパーのかかったベルトは、アンティーク、あるいはエレガントなドレスウォッチを意識して作られているのだろう。

モレラートやヒルシュからも、パテック向けに20-14サイズの機種がいくつか出ている。
このブロス社の製品もそうなのだが、幅18mmも16mmもバックル側14mmで作られているため、6mm落差は幅20mmのみになる。
そもそもベースになるベルトの幅がある程度広くなければ、6mmもの落差は出せないのだが、一方でドレスウォッチでカン幅20mmというと機種が限られてしまう・・という矛盾もある。



ブロスというイタリアの会社は、けっこう面白いデザインのベルトを出している。
スタンパ・アリガトーレ(と発音するのだと思う)は、厚みは実測約1.8mmの薄手のベルトで、表面には半艶仕上げのアリゲータ型押し牛革が使われている。
品質はまあまあで、細部も程々に丁寧に作られている。

カラーは他にブラウン、ブルー、レッド、イエロー、ピンク・・と様々な種類が用意されている。
どれも欲しくなるが、まずは無難にブラックを取り寄せてみた。

ベルト幅は8mmという、かなり細いものから用意されているので、女性の使用を意識した製品なのは間違いない。
しかし幅が広めのものは、全長も長く作られており、男性用として考えて問題はないだろう。

フレデリック・コンスタント・インデックス・オートマチックとは、悪くないマッチングを示す。
厚みのあるアクアテラだと、少なからず違和感のある組合せとなるので、バランスとしてはぎりぎりのところかもしれない。
この程度の厚み、大きさのケースが、組み合わせる時計の限度だろうと思われる。


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白い帽子


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デパートの帽子売り場で、若い女性の店員さんに、いろいろな帽子を見せてもらった。
僕の頭のサイズに合うパナマ帽を、店員さんが奥に取りに行ってくれた。
売場で待っていると、見知らぬ年配の女性から声をかけられた。

「あの・・・この帽子どう思われます?」
棚の帽子を手に取り、いきなり僕に質問してきた。
「悪くないんじゃないですかね。どなたが、かぶられるんですか?」
「主人です。主人は帽子が嫌いなんですが、これならいいのではないかと思いまして・・・」

「ご主人は背の高い方ですか? 頭の大きさは?」
「けっこうすらりとしています。頭も小さい方かと思います。歳は80歳です」
「それならその帽子が似合われるかもしれませんね」
「そうでしょう? 私もそう思って・・・」

そこに店員さんが、帽子をいくつか持って戻ってきた。
あら、これもいいわね・・と、そっちの帽子に興味を示している。
「それは僕の頭に合わせたサイズなので、ご主人には大きいと思いますよ」
そう言いながら、店員さんの手から、茶色い帽子を受け取ってかぶってみせた。

「あら・・」と言って、女性は少し驚いたように、帽子をかぶった僕に見入っている。
「こっちはどうだろう?」
今度は白い帽子を受け取り、鏡の前に立った。

どちらにすべきか悩む僕の横で、店員さんと女性のふたりが、帽子をかぶった僕のことを、ひそひそと話している。
「この方はお若いから、白い帽子が似合うわね」
「そうですね」

女性は、僕の着ていた黒いチェックのポロシャツを指し、
「この黒い洋服に、白い帽子がよく似合いますよ。歳がお若いですからね。うちの主人なら茶色い方ですね」
「私はそんなに若いわけでもありませんよ」
「でもすごく若々しくていいですよ」
「そうですか。それではアドバイスに従い、僕はこちらの白いのを買うことにしましょう」
そう言って、店員さんにカードを渡した。

女性は茶色い方の帽子を手に取り、しばらく考えている。
「それはご主人には大きいと思いますよ。頭の形も関係するので、一度ご本人がかぶられた方がいいと思います」
「そうですか。主人は今駐車場にいるので、ここに呼んで、何とかかぶらせてみます」
「それがいいですね」
店員さんから受け取った白い帽子を、そのまま頭にかぶり、僕は売場を後にした。
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ものを作る


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「風立ちぬ」を、もう一回見に行こうと思っている。
母親も、もう一度見たいというので、一緒に行くことにした。

これは、ものを作る人の映画だ。
夢中になって考え、行動し、失敗し、そして創造する。
時代や境遇は違っても、会社で、あるいは家で、自分がやろうとしていることと、本質的に違いは無い。
狂気をはらんでいるにもかかわらず、見ていて心地よい作品である。

宮崎氏の仕事も、恐らくそういうものなのだろう。
だからごく自然に、今度の作品は心に入り込んできた。
あと何回か、見てみたい映画である。



今日の時計ベルト。
ユリス・ナルダンのアンティーク・スモールセコンドに、ヒルシュのダッチェスのブラックをつけた。

今年発売されたばかりのヒルシュの新作である。
同社サイトでも専用のページを設けているので、今季の自信作なのだろう。
型押しのパテント・レザー(エナメル)を薄手に仕上げたお洒落なベルト。
艶のある型押しベルトという製品はあまり無く、目新しい印象を受ける。

幅は20mmまで偶数サイズで揃っているが、長さは110mm+70mmなので、基本的には女性向けとして作られたベルトである。
ただし僕は腕が細いほうだし、バンビの三つ折れ式のように全長が10mmほど長くなるバックルもあるので、案外使えるのではないかと思い輸入してみた。
見た目が面白いので、出来れば使ってみたい・・という思いもあった。

まずは無難なブラックから紹介するが、このシリーズの売りは、むしろ黒以外の色にあると思う。
同社がキャンディ・カラーと呼ぶ、華やかなブルー、紫、ピンクが用意されている。
正直なところ、男性がつけるとなると、あまりきらびやかな色は難しい(笑)

表面にはエナメルならではの強い光沢がある。
同社のサイトでは、輝くカラーに自分自身を投影することで、日々の生活にスパイスを与えてくれる・・というようなことを謳っている。
(やはり女性向けのコメントではある・笑)



とりあえず、同じブラックのユリス・ナルダンのアンティークと組み合わせてみた。
共通したカラーであり、表面の光沢も似ており、相性は悪くない。
このままつけて歩いてもいい、エレガントな組み合わせといえる。

大袈裟に言えば、女性向けに作られたベルトを男性が使う・・という、新しいコンセプトの提案でもある(笑)
もともと女性向けのベルトの方が、鮮やかな色使いの製品が多く、うらやましく思っていたのだ。
あちらでは体の大きな女性も多いので、男性用と変わらないサイズも用意されている。

しかしかなり気をつけないと、特殊な趣味の持ち主と、誤解を生む可能性もある(笑)
逆の場合は許されるのに、不思議な話である。
もちろん僕にそういう趣味は無いことは、皆さんご存知の通りなのだが・・・

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木型


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会社の帰りに靴を受け取りに行った。
お店でフィッティングをしてもらう。

僕の足にピッタリの木型で作られている製品なのだが、わずかにかかと部分に違和感がある。
もちろん木型が同じでも、革の種類による硬さの違いなど、いくつか誤差の出る要因はある。
特に今回の靴は、いつものものより高級品なので、かかと部分の中敷のクッションが違うようで、それが違和感につながっているみたいだ。
足というのは意外に敏感で、僅かの違いも明確に感知してしまう。

靴の磨き方について質問したら、お店の方が丁寧に教えてくれた。
実は最近靴磨きに凝っている。
先日そのことは書いたが、あれからどんどん発展し、今は道具を箱に入れているほど・・・(笑)
スコッチグレインの靴に合った磨き方があるようで、本やネットに書かれているものと必ずしも一致しないので、今度ここでまとめてみようと思う。



今日の時計ベルト。
フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックFC-303AS4B26に、モレラートのドナテロのブラックをつけた。

硬めで艶のあるサドルレザーを使用した硬派のベルト。
モレラートの中では、スマートな形状が傑出しており、革の質もいい。
見方によっては、同社の製品の中でベストのベルトと言えるかもしれない。

革が硬質なところに、詰め物もキッチリ入っているので、少々曲がりにくい仕上がりになっている。
しかしベルトに曲がりの癖をつけると、ほどなく落ち着いてくるので、しばらく使用すれば問題はなくなるだろう。

ご覧の通り、フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックとの相性が抜群にいい。
程よく圧縮された密度感と、凛とした清潔感が、時計とベルトに共通しているのだ。
若々しくてスマートで知的・・・黒いベルトとの組合せは精悍にも見える。

材質にサドルレザーを使用しているためか、僕が普段使っているギャルコの黒いズボンベルトとよく合う。
兄弟かと思うほど、表面の仕上げと艶が近いのだ。
かなり気に入り、黒い靴を加えた組合せで、時々使用している。

残念ながらアンチスエット・タイプではないので、使用に応じてベルトの裏面は痛んでいく。
それが惜しくて仕方が無い。
しかし、これほどスマートなベルトを実際に腕につけないなんて、それこそ勿体無い。
(一部のカラーだけかもしれないが)生産中止の話も聞くので、今から予備分を買っておいた方がいいかもしれない。

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確保


SIGMA DP1Merrill

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何と今日になって、靴が入手できそうな話になってきた。
取り置き分のキャンセルが出たそうで、ひとつ確保できたという連絡が来た。
会社に送ってもらおうかと考えたが、お店でフィッティングをしたいので来て欲しいという。
明日にでも取りに行こうと考えている。
昨日は出鼻を挫かれたと思ったが、案外何とかなるものだ(笑)



今日の時計ベルト。
オメガ・シーマスター・アクアテラ・クロノメーターに、カワチヤ時計ベルト店がカミーユ・フォルネに別注したフレンチボックスカーフのブラウンをつけた。

光沢のあるカーフを使用した製品。
ボックスカーフは、同社へのオーダー品なら選択可能であるが、既製品のラインナップには無い。
そのためカミーユ・フォルネのベルトとしては、普段なかなか見ることの出来ない素材といえるだろう。
表面が滑らかな質のいいカーフである。

そのボックスカーフを素材に、カワチヤ時計ベルト店が、独自の仕様でカミーユ・フォルネに別注したオリジナル品である。
以前より同社のサイトで販売されており、ずっと気になっていた。
今回ライトブラウン系の20mm幅のベルトが必要になり、ちょうどいい機会だったので注文してみた。

3つ折れ式フォ-ルディング・バックルの使用が前提で、最適な位置にバックルが来るよう、ベルト長を12時側に10mmずらしている。
裏面には当然、カミーユ・フォルネ自慢のカウチュを配し、アンチスエット性能も万全である。

時計ケースの大きさや、フォールディング・バックルの種類にもよるが、手首のほぼ最適位置にバックルがくる。
厚み4mmのボンベ仕様であるが、比較的しなやかな仕上がりで、腕の挟まれ感は少ない。
時計側が幅20mmなのに対し、バックル側が幅16mmと、4mm落差で作られており、クラシカルな先細り形状になっている。
コバは断ち切りで、濃い色で塗られているため、エッジが立って見える。

色味は思ったより赤が強く、最初は少々戸惑った。
並べてみても、ギャルコのブラウンのズボンベルトより少し赤い。
面積が小さいため、色が強調されて見えるようだ。

いずれにしても、こういうスタンダードな素材は、新品の時より、使い込むにつれて味が出てくるものだ。
もう在庫は残り少ないようなので、必要ならば早めに注文した方がいいだろう。
オーダー品であるにもかかわらず、価格は既製品より安いくらいで、かなりお買い得な設定だと思う。

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出鼻


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昨日派手に動いたので、今日は少しゆっくりしようと考えていた。
平均すれば一緒になってしまうが、明日からの仕事のことを考えると、休息日も必要である。
・・とは思ったが、結局はけっこう忙しく動く一日となった。

朝早めに選挙に行き、そのまま電車で銀座に買い物に行く。
以前より懸案であったライトブラウンの靴を、思い切って購入しようと決めたのだ。
しかし、銀座のお店では僕のサイズの在庫が切れていることが判明。
パソコンで在庫を探してもらったが、近隣のお店には無いようだ。

無いことはわかっていたが、一応ソラマチのお店にも行ってみた。
しかしデータは正しく、やはり在庫は無し。
大阪のお店に一足だけあるのだが、そちらはすでに売約済みであることも判明。

結局今回は手に入らなかった。
せっかく決心したのに、出鼻を挫かれた感じだ・・・(笑)
次回いつ入荷するのか尋ねたが、原料の革自体の入る量が少ないようで、予約分で使い切ってしまうこともあるという。
現在、次の生産分に僕の分が入れられるかどうか、調べてくれている。

一度帰宅して、再度Mrs.COLKIDと日本橋に出かけた。
地下のイートインで食事をしてから別行動をとる。

靴がダメになったので、ちょっと拍子抜けしてしまった。
予定では、買ったおニューの靴に履き替えて、颯爽と出かけるつもりであった(笑)

仕方なく、帽子売り場で帽子をひとつ買い、東京駅まで歩き、虎屋で葛プリンをお土産に買った。
あとはベルト屋さんを覘いて、ほどほどで帰宅。
案外長距離を歩いたようで、足が痛くなった。
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充実の一日


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忙しく動いた一日であった。
午前中は会社に出て仕事をした。
昼頃、駅で待ち合わせをして、母親とMrs.COLKIDを拾う。
そのまま車で日光に向かった。

日光に行った訳は、金谷ホテルのかき氷が食べたいという、母親からのリクエストを受けてのこと。
日光の天然の氷を削って作ったかき氷で、他でも何箇所かで食べられるのだが、なかなか美味しいものに当たらない。
氷は同じでも、かけるシロップが市販品の普通のものだったりして、がっかりさせられるのだ。
金谷ホテルだと、さすがシェフの作ったものなのだろう、氷に負けておらずかなり美味しい。

で、それを食べるために、わざわざ日帰りで日光まで出かけたわけだ(笑)
まず最初に、昼食をとるために奥日光の中禅寺金谷ホテルに直行することになった。
ラストオーダーが2時だというので、上りのいろは坂を飛ばし、少し滑らせながらガンガン走ったら、何とか間に合った(笑)
そこで昼食にビーフシチューを食べた。

それから裏通りにあるゆばの製造元で買い物をし、そのままいろは坂を日光市内まで下りて金谷ホテルに入った。
目的のかき氷を楽しんだ後、どこにも寄らずに高速に乗って帰途についた。
駅で家族を拾ってから、家に帰り着くまで、7時間ほどの小旅行であった(笑)

帰宅したら、今度は予約しておいた映画館に三人で行った。
「風立ちぬ」の初日である。
賛否両論あるようだが、個人的には宮崎作品のナンバー1だろうと思った。
母親の意見も一緒で、最後の一瞬まで見入ったという。
これは僕の祖父や祖母が生きた、まさにその空間であり、子供の頃から自分が接してきた空気が、そこに再現されている。
やっと大人向きの宮崎作品を見ることが出来て嬉しかった。
本当に充実した一日であった。
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ぬいぐるみ


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米国製のカエルのぬいぐるみが気に入って、以前より見かける度に購入していた。
日本で扱っているお店は限られていて、都内に2、3店舗、あとは地方の大都市のデパートに数店舗しかない。
そのため出張で出かけた時などに、現地のお店でお土産に一体買ったりもしていた。

各デパートの売場の店員さんとも仲良くなって、いろいろ話を聞いた。
それによると、やはりこのカエルのぬいぐるみには特定のファンがいて、それも大人の男性が多いという。
家族全員が一体ずつ購入するパターンなどもあるそうだ。

ご存知の通り、僕はこの手の玩具には一家言あり、自分でぬいぐるみをデザインするのが夢だった・・というくらい好きである。
自分なりの基準がはっきりとしていて、それに見合うものしか買わない。
このカエルのぬいぐるみは、僕の眼鏡に適った貴重な製品なのだ。

ところが最近、急にこのカエルを見かけなくなった。
Mデパートで顔見知りの店員さんに聞いたところ、どうも廃盤になったようだという。
「ええっ!」と声をあげるほど驚いた。
本国では後継モデルも出ているようだが、出来がイマイチだという。

メーカーのサイトを調べてみたら、確かに製品一覧から外されている。
同じくカエルをデザインした新製品が出ているので、こちらが後継モデルなのだろう。
出来を確かめるために、すぐにeBayで新型を注文した。

そのカエルが先日届いた。
一見以前のお気に入りのモデルに似てはいるのだが、オーラが大幅に減少している。
幾人かに見せてみたが、一様に不評である。
残念ながら、これではごく普通の製品の枠を出ておらず、「特別なぬいぐるみ」の仲間には入れない。

細部をチェックすると、パーツ数が少なくなり、作りも平面的になり、製造工程の簡略化が図られているのがわかる。
以前のものは、凝った作りであるところが、特有の雰囲気を持つ理由になっていたのだ。
ご多分に漏れず中国製なので、人件費の上昇で設計変更せざるを得なくなったのだろう。

しかしコストダウンの結果、一番重要なものを失ってしまった。
少々高くしても、もとの品質を維持してくれた方が良かったのに・・と残念に思った。
だがこれはあくまで子供の玩具であり、愛好家のために作っているわけではない。
品質を落としてでも、価格を一定に抑えないと、販売数に影響するのだろう。

以前日本のメーカーのぬいぐるみでも同じ事があった。
長年気に入っていたベアのぬいぐるみが、日本製から中国製になり、やがては生産中止になってしまった。
その時も慌ててメーカーに問い合わせたが、やはりパーツ数が多くて製造が大変な製品なので、今後は再生産は困難だと言われた。
真面目な話、それを実際に製造していた日本の工場を教えてもらい、個人的に特注で作ってもらおうかと思った(笑)

今回も同じパターンになりそうなので、まずは世界のあちこちで旧型の流通在庫を調査した。
日本国内にはもう無いが、海外にはまだ少数残っている。
パーツ数の多さゆえ個体差の大きな製品で、顔の出来不出来が激しいのだが、今となっては選別する余裕などない。
とにかく在庫を確保するのが先だ(笑)
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割引


SIGMA DP1Merrill

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映画を見に行こうと、Mrs.COLKIDに券を予約してもらった。
母親も行きたいというので三人分だ。

母親はシニアに相当するので、割引があり1000円でいいという。
ところが我々夫婦も「夫婦の内どちらかが50歳以上」に相当し、ひとり1000円で見られることがわかった。
三人で3000円・・・

「あなたと行くと映画が1000円で見られるのね・・・」
とMrs.COLKIDが言った。
喜んでいいのか、悲しんでいいのか・・・



今日の時計ベルト。
フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックFC-303AS4B26に、モレラートのフリスビーのライトブルーをつけた。

スタンダードなカーフでありながら、比較的珍しいカジュアルな色も揃え、さらに裏材にメッシュタイプのラバーを配し、アンチスエット機能を持たせた製品。
イージークリックと呼ばれるワンタッチ式のバネ棒が最初から使われており、ベルトを気軽に付け替えて楽しむことが可能だ。
それでいて価格もほどほどに抑えられている。
あらためてこのベルトの仕様を見てみると、実用性と価格のバランスを考えた、戦略的なモデルであることがわかる。

インデックス・オートマチックとのマッチングは悪くなく、若々しさが強調された好ましいものに仕上がっている。
僕には少し突飛かもしれないが、時計のグレードも含めて、適合する世代の人には、なかなかの組合せといえるだろう。
さりげなくこういう時計をしている人はカッコいい。



かねがね、欧米の時計ベルトメーカーが、もう少しアンチスエットについて考えてくれれば・・と言っていた。
聞いた話では、そのことを伝えても、感触の良くないラバーなどより、しなやかな革の方がずっといいだろうに・・と不思議がっているという。
確かに、使い心地だけを考えるなら、その通りである。
アジアの国の気候・・というより、他国の事情にあまり興味は無いのだろう。
あるいは、製品の寿命を無理に延ばしても、売上の減少につながるだけ・・と考えているのか・・・

いずれにしても、時計ベルトの寿命は決して長く無く、使ったその時点から日々痛んでいく「消耗品」・・という見解なのだろう。
1年か2年使ったところで買い換えることが前提で、価格もそれで不満の出ないあたりに上手く設定している。
ユーザーにしても、そろそろ飽きたところでイメージチェンジ出来るので、案外文句は言わないのだろう。

しかしモレラートあたりが、すべての商品の裏材に、徹底的にアンチスエット材を用いれば、製品としては相当の力を持つことになる。
実際同社の製品がアンチスエットだったら、無理に御三家にオーダーする必要は無かった・・というものがけっこうある。
さらに大型家電店あたりにまで販路を広げれば、国産メーカーはかなり食われるだろう。
同社の製品の多くは決して高級品ではないが、それでもデザイン・センスの面で、国産のベルトにかなりのアドバンスを持つと感じている。

季節もの・・とでも呼ぶべきか、この夏を前に同社はアンチスエット仕様の製品をいくつか揃えてきた。
フリスビーもそのひとつだが、どれも人気が高く、売り切れたモデルも出ているという。
最近の戦略を見ると、案外日本の事情に合わせてきているな・・と思う。
ただ一回限りの生産でやめてしまうモデルも多いようなので、来年この製品が出るかどうかは、今期の売れ行き次第なのだろう(笑)

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MT


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2tトラックを運転して、得意先まで荷物を届けた。
先方の工場長さんと打ち合わせをして、空になったトラックで帰ってきた。

マニュアル・シフトなので、トラックの運転は結構楽しい。
なかなかスポーティなのだ。
それでいてスピードは出ないから、危険性も少ない。
シフトアップ、シフトダウンを繰り返しながら一生懸命走る。

自分の感覚がついていける安全な範囲で、スポーティな運転を楽しむのっていいな・・と思った。
ふと、マニュアルシフトの小さいオープンカーを、セカンドカーにどうだろう・・と考えた。

いや、やっぱり止めておこう。
どうせ途中でお荷物に感じ始める。
前にも一度経験あるから・・・



今日の時計ベルト。
オメガ・シーマスター・アクアテラ・クロノメーターに、ヒルシュのヘベアのグレーをつけた。

ヒルシュお得意の天然ゴムであるプレミアム・カウチュークを素材としたベルト。
以前紹介した同社の「アクセント」より、こちらの方が少し安く売られているが、いずれにしてもゴムのわりには高価なベルトである。
同社としては、このプレミアム・カウチュークを、時計ベルト用の理想の素材のひとつとしてとらえているようだ。

従来のゴムより耐久性を上げてあり、老化が早く長持ちしないというゴムの欠点を克服したという。
耐水性はゴムであるから十分で、汚れたら水で洗うことも出来る。
着け心地に関しても、合成ゴムよりはるかに優れていると同社では謳っている。
更には革のなめし加工の工程が無い為、おかしな薬品も使わないで済む。
スペックを挙げていくと、確かにこれは理想の素材といえるかもしれない。

そのわりにラバーベルトの採用例が少ないのは、やはり腕につけた時の感触に好き嫌いがあるからだろう。
何となく肌にくっつくような使用感を、鬱陶しいと感じる人も多いはずだ。
ヒルシュのこのモデルは、高価なだけあり、ベルトの内側が軽くR状に作られており、肌との間に空間が出来るという、凝った構造になっている。
それによって、この手の水分を通さない素材に特有の「蒸れやすい」という欠点を補おうとしている。



個人的には、真夏の大量に汗をかく時期にラバーのベルトをつけていると、吸い付くような感触が我慢できなくなる。
同じプレミアム・カウチュークのアクセントを試した時がそうで、しばらく調子よく使っていたのだが、暑くなってくると腕との隙間が蒸れるようになり、ある日嫌になって外してしまった。
もちろんこれは個人差があるだろうし、本当に激しく汗をかくような日には、現実の問題として、この手のラバー製ベルトしか使えないことも多いと思う。

水に強いヘベアは、当然のことながら、防水機能の高いスポーツ系の時計との組合せで力を発揮する。
シーマスター・アクアテラには、まさにうってつけのベルトといえるだろう。
もっともこの手の素材は表面の仕上げが無機質に見え、少々エレガントさに欠けるので、スポーティな演出に使うしかない・・とも言えるのだが・・・

ヘベアには5色が用意されている(店によっては白・黒の2色のみの場合もある)が、中でもこのグレーは、ラバー系の無機質さを逆手にとった感じで、モノトーン調でクールな外観にに仕上がっている。
アクアテラとの組合せも、都会的なイメージが強調されて、かなりカッコいい。
ラバーの感触は好きではないのだが、水に強い組合せであることは確かなので、夏の暑い季節には、ちょっと使ってみたくなる。

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窓のエアコン


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さすがに暑くて、部屋のエアコンをつけている。
何年かつけないで済んできたのだが、今年はそうはいかない感じだ。
温暖化が進んだのか、自分が歳をとったのかわからないが、部屋でじっとしているだけで熱中症になりかねない。

窓に取り付ける簡単なエアコンであるが、どうも冷房の効きが悪い。
これは寿命かと思ったが、窓をほんの数セン大きく開けたら、劇的に効くようになった。
その僅かな差が、機械の動きを妨げていたようだ。
最初は急いで買い替えないと体がもたないと慌てたが、もうしばらくこの状態で何とかなりそうだ。



今日の時計ベルト。
フレデリック・コンスタントのインデックス・オートマチックFC-303AS4B26に、カミーユ・フォルネのコノリーのブリティッシュグリーンをつけた。

インデックス・オートマチックFC-303AS4B26は、この趣味を始めたばかりの頃に買った日本限定モデルである。
日本人にもっともマッチすると言われる38mmのケース径、シンプルで虚飾の無い端正なデザイン、質は高いのにリーズナブルな価格・・・憎らしいほど日本人の好みを突いた時計である。
本当はこういう時計が欲しいんだよな・・という条件そのままの仕様である。

ここにきて、その時計が急浮上してきた。
靴、ズボンベルトとのコーディネートを意識して、普段使いの時計をいくつか選別していたが、その一角に割り込んできたのだ。
41.5mm径のアクアテラは、当然候補の最右翼にある機種であるが、時にその大きさが鼻につくことがある。
では34mm径のオイスターデイトもあるが、こちらは小ぶりとはいえロレックス特有のアクの強さを持っている。

その点、失礼ながらブランド力の弱いFCのインデックス・オートマチックは、他の時計には無い上品さを備えている。
後ろ盾が無いために、かえって清廉潔白で純粋な良さが際立っている。
ある意味で、ダークホース的存在の時計といえるだろう。

上品な白い文字盤は、アクアテラに準ずるほど、ベルトへの広い適応能力を持つ。
シックにまとめても、カジュアルに決めても、それなりに格好のついてしまう稀有な存在である。



オリジナルのベルトは、ワイン色の型押しカーフであった。
あれもなかなかの組合せで感心していたが、僕としてはこの時計には、グリーンかブルーのベルトをもってきたい。
グリーンでカジュアルさを出すか、寒色系のブルーでクールさを演出するか・・・
いずれにしても、靴とズボンベルトの色をマッチさせ、時計はあえて外す・・という組合せになるだろう。

今更ではあるが、カミーユ・フォルネのコノリーのブリティッシュグリーンのベルトと組み合わせてみた。
ベストとまでは言わないが、この時計ならではの清潔感を生かしたいい組合せである。
知性が勝っており、決してあるラインを崩さないところがいい。

グリーンのベルトの市販品は、非常に少ない。
ではメーカーにオーダーしては・・と思うが、用意されている革にも、思っているようなものはみつからない。
もう随分前から、白いステッチの入った、カジュアルな雰囲気のグリーンのベルトを探しているのだが・・・

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