縦縞


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縦に縞の入った靴下を探している。
靴の雑誌で紹介された人が履いていたのだ。
太めでくっきりとした白と黒のラインが縦に入っている。
先端部とかかとに、鮮やかな赤のワンポイントが入り、それが実によく映えて、カッコよかった。

自分がその靴下を履いたところで、カッコよくなる訳ではないのは承知しているが、それでもちょっと欲しくなった。
靴を集めると、どうしても組み合わせる靴下は重要になる。
靴下にも興味がいくのは、当然のことなのだ。

横に縞の入った靴下は一杯あるのだ。
ところが縦縞の靴下というのが、なかなかみつからない。
探してみて驚いたのだが、お店に行ってもほとんどない。
デパートに行くたびに、靴下売場を覘くのだが、ごく少数しか扱っていない。

お店の人に聞くと、靴下ばかりが載ったカタログを持ってきて、一緒に探してくれた。
それでも欲しい縦縞の靴下はみつからなかった。
ネットで探すと、女性用のエロチックなタイツには、白黒の縦縞のものがある。
だが男性用の靴下は、やはりほとんどみつからない。
まさか女性用のものを切って使うわけにもいくまい(笑)

淡い縦縞や、縦横の格子柄などはある。
編み方で立体的に縦のラインが見えるものもある。
白黒の細い線・・というのもみつけた。
しかし縦にはっきりとした太い縞の入った靴下はない。

それほど特殊なデザインとは思えないのだが、なぜ縦縞は無いのか・・・
製法が難しいのだろうか、それとも流行に反しているのか。
あるいは模様が太ももの形状を強調して、履く人の体型によってはカッコ悪くなるのか。
その場合は、ふくらはぎが常人より大きい僕には向いていないのだが・・・
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浦島太郎


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長年働いているパートの女性が数人いる。
技術的にベテランになっており、ちょっと指示しただけで、意味を理解してくれるので、会社にとって重要な存在である。
大型の機械の操作など、特殊な技能は男の専門分野だが、比較的単純な作業を長時間続けるのは、女性の方が向いている場合が多い。
そのため実際の現場は、女性に頼る部署が多い。

ただし年齢的な限界というものがある。
最近は、作業の合理化と効率化を徹底的にを進めないと会社の存続が難しく、どうしても個人への負担が大きくなり、一定時間内をビシッと働く必要がある。
そのため年齢が高いと、いくらベテランとはいえ、体力的についていくのが難しくなる。

家には孫がいて、面倒もみなければならない。
息子夫婦からは、もう仕事をやめてのんびりしては・・・と言われる。
さすがに、そろそろ引退しようか・・と考える事はあるだろう。
しかし、すぐに考え直し、出来るところまでは働かせて欲しい、と申し出る人が多い。

もちろん、長年務めてから退職していった人は、過去に何人もいる。
街中を歩いていて、かつて会社で働いていた人と遭遇することがある。
お久しぶりですと、声をかけられる。

その度にビックリするのは、その女性が、まるで別人になってしまっていることだ。
どこかで見た顔だな・・と、しばらく考えないとわからないほど、変容しているのだ。
髪の毛は真っ白になり、顔の皺は大幅に増えて、どこのおばあさんだろう・・と思う。
一気に50年も、時間が進んでしまったようだ。

仕事場という社会集団では、自分のポジションを維持しなければならない。
集団の一員になるには、それなりに自分を着飾って参加する必要がある。
恐らくほとんどの人は、髪の毛を染めているのだろう。
化粧にもかなり時間をかけているはずだ。

引退してそこから解放されることで、自然の姿に戻る・・というのは理解できる。
何もしなければ、本当の姿はこうなのだ・・ということだ。
しかし実際には、まるで杖をついて歩くような姿にまで、一気に老けてしまうことが多い。
精神的な緊張が解けることで、生きるエネルギーまでも、失ってしまうかのようだ。

同僚のその姿を、会社で働く多くの女性も、見て知っている筈だ。
町にはまた別の社会集団があるし、引退した後も接触があるだろう。
そして、当然そうなることを恐れているはずだ。
仕事をやめるなら、相当の覚悟が必要だ・・という思いがあるに違いない。

最近ベテランの女性がひとり、やめることになった。
間接的に聞いて知っていたが、その女性と廊下ですれ違う時、向こうから挨拶された。
僕が「仕事をやめても、浦島太郎にならないように・・」と一言話しただけで、その女性は意味を理解した。
「私もそれだけが心配で、本当に気をつけようと思っています」
と真剣な顔で女性は答えた。
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ズボンベルト


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クロムエクセル製のズボンベルトが欲しくなり、ネットで調べてみた。
いくつか引っかかったが、気に入ったものは、なかなかみつからなかった。
最低限ライニング(裏革の縫い合わせ)のあるもの・・という条件で探したが、出てくるものは一枚革の切りっ放しのものが多い。
オイルレザーを使った商品は、ワイルドさを強調する為に、どうしても荒っぽいデザインのものが中心になる。

かといって、フォーマル系の細いベルトが欲しいわけではない。
ジーンズと組み合わせるのに適した幅で、安っぽくないしっかりとしたもの・・というのがこちらの要求である。
米国のホルスター・メーカーが出している牛革のベルトに、そういうものが多い。
重い金属の塊を吊し、しかもそこから引き抜かなければならないので、相当丈夫に作る必要があるためだ。

価格に関しても、ベルトは決して安くは無い。
これは仕方の無いところだろう。
幅こそ狭いが、長くつながった1枚の革が必要になるため、材料を贅沢に使わなければならない。
靴のように、パーツごとに分けて、原皮のあちこちから効率よく裁断できるものではない。
また革の種類によっては、最初からそんなに広い面積を取れない場合もある。
そのため、よく見ると飾りなどで上手く隠して、中央部分でつなぎ合わせたベルトもある。

実はズボンベルトは比較的単純で作り易いレザーグッズなので、以前は自分でよく作った。
その際も、表と裏とで種類や厚みの違う2枚の革を合わせて、手縫いで縫い合わせた。
コントゥアード・ベルトと呼ばれる、体の輪郭に合わせて大きくカーブしたベルトなども作った。
もっともそれは革屋さんに頼んで、牛の半身単位で革を輸入してもらったから出来たことではある。




クロムエクセルのベルトであるが、米国のランコート社のものを取り寄せてみた。
フェデックスで比較的短時間で届いたが、後から税金がけっこう請求されて驚いた。
手で触れた時の感触は、この革特有のしなやかなもので、イメージしていた通りであった。

ところが、色の指定でNo.8のバーガンディを選んだのが失敗だった。
No.8といえば、オールデンのコードバンの靴で有名である。
あの透明感のある赤茶色を想像していたのだが、クロムエクセルの場合は、表皮が艶消しの単調なもので、それとは質感が大分異なる。
その結果、ピンクがかった茶色・・という、少々扱いにくい色のベルトが届いた(笑)

これが靴なら、もっと立体的な構造なので、案外悪くない色なのだろうが、ベルトは平面的なので、ベタッとした印象が強調されてしまう。
同じ革でも、出来上がった製品によって、受ける印象が大分変わるものであるとわかった。
まあ慣れてくれば決して悪い色ではないのだが、普通にダークブラウンかナチュラルを選んだ方がよかったような気がしている。
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スリッパ


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L.L.Beanのウィケッド・グッド・スリッパ。
ここに載せるにはちょっと変り種だ(笑)
実はMrs.COLKIDが、豊洲のららぽーとに行ったお土産に、L.L.Beanで買ってきてくれた。

室内用の履物である。
表面はスエード、内側には天然の羊毛が使われている。
とにかくソフトで暖かい。
機能面では申し分なく、数年毎に買い換えるという、熱狂的なリピーターもいるようだ。

寒い朝など、かなり重宝している。
マンションは暖かいとはいえ、さすがに朝早くなど暖房器具が効き出すまでは辛い事がある。
ところが足を保温しただけで、体全体の温まり方に、かなりの効果がある事がわかってきた。
寒さを凌ぐために、体を慌しく動かす必要がなくなり、精神的にもゆっくり出来る。
のんびりと歯を磨いたり、髭を剃ったり出来るのは、これを履いているお陰だ。

ちょっと温まりすぎるくらいで、靴下を脱いで素足に履くくらいでちょうどいい。
足がすっぽりと包まれるので、人によっては鬱陶しく感じるかもしれないが、感触が柔らかいので履くとほっとする。
底面もスエードなので、滑る事がなく安定しているのも、安心感につながっている。
ベストセラーだけあり、物としての完成度が高い。

季節は暖かくなりつつあり、紹介のタイミングを逸した感はある。
しかし足が冷える人には、かなりお勧めのスリッパである。
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下町コース


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2週間ぶりの休日だ。
まだ忙しい日々は続くので、今日は無理をせずに行こうと考えた。
午前中は天気がいまひとつで、家でのんびりと過ごした。

午後になって軽い散歩のつもりで外出した。
寒いと聞いていたので、真冬の格好で出たが、思ったほどではなかった。
これから気候が過ごしやすくなれば、もう少し自由なものを着て出られるようになる。

漠然と、アメ横を覘いて、それから表参道あたりに出てみようかと考えていた。
しかし上野界隈が面白くて、結局そこだけで一日終わってしまった。

まずは御徒町で下りて、アメ横で靴屋を覘く。
特に買い物をするわけではないが、靴を見ているだけで楽しい。
それから上野公園をふらふらと散歩し、神社などを見て回った。
谷中の墓地を散策し、日暮里で橋を渡って羽二重団子をお土産に買い、そのまま電車で帰宅した。
下町中心のコースだが、見所が十分にあって、なかなか楽しかった。

もうひとつ、トリッカーズのカントリーブーツであるモールトンの調子を確かめるのも、今日の散歩の目的であった。
ある程度の距離を歩いて、靴擦れが起きないか試してみたかったのだ。
実際に長時間連続して歩いてみないと、このサイズで適当だったのかどうかわからない。

前回は厚みのある靴下を履いたが、今日はあえて薄手の靴下を選んだ。
足首で紐を締めてブーツを固定するが、その先の足の部分はかなりゆるめだ。
もうハーフサイズ小さくてもいいかもしれない。

歩くと踵が摺れるので、これは危ないかな・・と思った。
しかし丸半日歩いても、結局靴擦れになる事はなかった。
ゆるいにはゆるいが、けっこう快適である。

今回のように、ゆるくても問題の無い場合があるので、どういう時に靴擦れが発症するのか、まだ解明できていない。
とにかくモールトンは、このサイズでも特に支障無く使えることがわかった。
夏の暑い時期に薄手の靴下を履いた時のために、ハーフサイズ下のものを、もう一足欲しくなるが・・・(笑)
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クラッシュ


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会社で古いパソコンのスイッチを入れたら、いきなり壊れた。
ブルースクリーンが出て、それきり何をやっても立ち上がらなくなった。
これはハードが逝ったか・・・

何がどうなっているのか、昨年暮れから漏水とパソコンクラッシュの嵐だ。
この前動かなくなったのは、10年も前のXPのワークステーションだが、今回も同型のXPの機械・・・
申し合わせたように、一斉に壊れだした。
中にタイマーでも入っているのではないだろうか。

XPはサポートが終わるから、危険なのでネットに繋げないように・・と、出入りのパソコン業者の担当から忠告されていた。
ハッカーたちが、これ幸いとXPを狙って攻撃を仕掛けてくるのだそうだ。
それに対しマイクロソフトがどう動くかも見たいらしい。
はた迷惑な話である。

もっとも今回壊れたのはハードディスクで、ネットと直接関係は無い。
使用年数からいえば、壊れて当たり前ではある。
しかしこう順番に壊れていくのを見ると、最初から自爆する機能を備えていたのではないかと疑いたくなる。

今日は仕事が一杯あったのに、故障への対処で予定が大幅に狂ってしまった。
とりあえず比較的新しいウィンドウズ7のワークステーションに、緊急の仕事だけ移行した。
それだけで半日かかってしまった。

それから、休日ではあったが、パソコン業者の携帯に電話した。
実はこうなる可能性を考えて、古い機種を入れ替える話を進めていたのだ。
XPのマシンがまだ数台ある。
もう待ったなしなので、急いで入れ替えて欲しいと告げなければならない。

すると、同じようにXPがおかしくなる事象があちこちで出ており、それへの対応で手一杯の状態だという。
社会的な問題になるほどの規模で、ハッカーの攻撃が始っているそうだ。
あまりに連続して壊れるので、お前が何か仕組んだのではないか、とまで言われたという。
とにかく即納できる機種で、何とか早急に対応して欲しいと頼んで、電話を切った。

それにしても・・である。
サポートが終わるのを見計らうかのように、次々に壊れていく・・・
弱り果てて、何とかお願いして新型に入れ替えてもらう・・・
何だか話が上手すぎるような気もするのだが。
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モールトン


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トリッカーズのM2508 MALTON・・・マルトンとかモールトンとか呼ばれるブーツである。
同社の代表的な製品である。
カントリーブーツというジャンルを代表すると言ってもいいほど、ポピュラーな製品である。

トリッカーズといえば、まず何と言ってもこのモデルなのだが、ブーツが苦手な僕なので、今まで手を出さずにいた。
短靴のバートンが自分の足によく合っている・・ということもあった。
バートン(M5633)はラスト4444だが、モールトン(M2508)はラスト4497Sという違う木型が使われているのだ。
4444より一回り小さい木型なので、ハーフサイズほど上を選ぶと、ちょうど同じくらいになると言われている。
というより、4444という木型が、通常よりハーフサイズ大きく作られているのだ。

木型が違うと、まるで別の履物になってしまう。
同社のモンキーブーツ(M6077)を購入したところ、強烈な靴擦れに見舞われたことは、以前書いた。
10円玉くらいの大きさの水ぶくれが踵に出来て、あまりの痛さに、歩行も困難な状態に陥ったのだ(笑)
それでブーツには恐れをなしてしまい、ずっと敬遠していた。

しかしウルヴァリンの1000マイル・ブーツを買って、時折履くようになり、ブーツも悪くないものだな・・と思うようになった。
痛い思いをしたトリッカーズのモンキーブーツは、5402Rというまったく別のラストを使っていて、同社の他のブーツとは路線の違うものだという。
モールトンなら案外いけるかもしれない・・・

試しに銀座の靴店で、モールトンを試着させてもらったところ、US8サイズが僕の足にピタッときた。
おお、予想以上にしっくりくる(笑)
それで欲しくなってしまい、UK7ハーフ(US8に相当)を通販で取り寄せたのだ。



ネットショップT-SUPPLYの別注仕様のM2508モールトンである。
ノーマル品との違いは、金色のハトメを表側に出して、ウェルトをナチュラル仕上げにしたところ。
さらに靴底はコマンドソールを採用している。
ダイナイトソールのモデルもあるのだが、雪の日の性能はイマイチなことが判ったので、コマンドソールの方を選んだ。
今年は雪がよく降るし、悪路でも「使えるブーツ」にしたかったのだ。

アッパーはブラックのボックスカーフで、磨くと光るなかなかいい革である。
悪天候の実用性という点では、同社のブラックMCやCシェードゴースと呼ばれる、より耐水性に特化した革もある。
だいぶ悩んだのだが、防水加工革特有のノッペリとした質感が好きになれなくて、今回はボックスカーフを選んだ。
実用性を重視した割には、少々ちぐはぐな選択ではあるが、色が黒いので、仮に水の染みが出来たとしても目立ちにくいだろう。

早速デビュー・・という日に、いきなり大雪になった。
窓の外を見て、やっぱり今日はやめておこうか・・と躊躇したが、思い切ってそのまま履いて出た。
逆に短靴で歩くのは厳しいほどの天候で、カントリーブーツのデビューにはうってつけの日ともいえる。

雪がブーツの上端近くの高さまで積もっており、しかも横殴りの雨、足元は深い水溜りになっている。
くるぶしより下が完全に水没してしまった。
真新しいフルブローグの模様が、水中にあるのを見た時は、さすがにしまったかな・・と思った。
新品のブーツでいきなり川の中を歩いているのと同じだ。

少し経つと、靴の内部が、ひんやりとした感触になってきた。
さすがに内部に水が染みてきたのだろう。
それでも舌革のサイド部分が、水が浸入しないように途中まで塞がっているのが、けっこう効いているようだ。
靴の内部に直接水が流れ込むことは無く、革を通してじんわりと染みてきており、靴下が濡れた感じはほとんどしない。
完全に水没させてしまったので、どうなるかと心配したが、それなりにタフに作られている。

黒は染みが目立たなくていいかと思ったが、全体が水浸しでは染みどころではない(笑)
上の写真は新品の時に撮ったものだが、初日から雪と暴風雨の洗礼を受けて、たった一日で皺が入り、年季の入った外観になった。
その後、完全に乾かすのに2日ほどかかった。(下の写真は、外から帰って、まだ全体が濡れている状態の時に撮った・笑)
まあ、トリッカーズは少々くたびれた姿の方がカッコいい。


水攻めに遭い、たった一日で一気にエージングの進んだM2508モールトン

サイズであるが、ラスト4497Sは、やはり4444とは少し形状が違う感じがする。
大きさだけではなく、履き味に違いがあるのだ。
UK7ハーフを選んだが、厚手の靴下を履いても、前後に少し余裕がある。
以前試着したUS8と、本当に同じ大きさなのだろうか?と思ったが、その時々の足の健康状態も関係しているので、何とも言えない。
幅も広めなので、もうハーフサイズ下(というと4444と同じサイズになってしまうが)でも大丈夫かもしれないと思った。

足首の部分を靴紐できっちり留めると、靴の中で足の方はけっこう余裕があり自由に動く。
ブーツならではの履き味・・と言っていいのだろうか。
しかし不快な感じはなく、靴擦れも今のところ起きる気配は無い。
このサイズでも、実用上の問題はなさそうである。

履き心地はなかなか快適で、実のところ、かなり気に入っている。
さすがに熱心なファンが多いブーツ・・というだけの事はある。
初っ端からヘビーに使ったが、そのせいもあり、早くも足に馴染んできた。
お気に入りの一足の仲間入りをしそうである。
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大変な一日 6


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こうして大変な一日となった土曜日が過ぎていった。
かなり疲れたが、仕事が軌道に乗ると案外スムースに流れ出し、生産もほぼ予定通りに進んだ。
まずはほっとした。

家の人が迎えに来るから、帰りは自分で帰れます・・と話していたパートの女性が、やはり送って欲しいと言ってきた。
ご主人は工務店勤務で、会社から急に呼び出しがあり、出勤せざるを得なくなったと電話があったという。
雪の被害があちこちで発生し、街中が混乱しているようだ。
建築関係、警察、消防、警備保障会社など、この日の大混乱に巻き込まれた人は多いだろう。
カーポートの製造メーカーや自動車修理工場なども、当分の間特需が続くに違いない(笑)

この日の活躍で、その必要性を認めざるを得なくなったのはスタッドレスタイヤだ。
結局、装着している僕の車だけが、唯一の移動手段であった。
社員を迎えに行く時に、深く雪の降り積もった、誰も通った形跡の無い細い裏道を進み、時にスタックしそうになったが、何とか切り抜けた。
装着していない車の多くは、何の役にも立たず、ただの鉄の塊でしかなかった。
機動力の違いを見せつける形となった。

僕の住む地域では、通常、年に1、2回しか雪は降らない。
そのため、スタッドレスタイヤの装着率は低い。
特に不況になってからは、スタッドレスタイヤを買う人が激減したように思う。
買っても使う機会がほとんどないのだから、高いお金を出す意味が無いのだ。

BS製の性能のいいものは非常に高く、しかも僕の車場合ランフラットタイヤなので、専用ホイールも購入する必要があり、4本で20数万円も払った。
それでもスタッドレスタイヤ装着車の活躍ぶりは、それなりに衝撃を与えたようだ。
目の当たりにした社員には、やはり買わなければ駄目なのではないか・・と考え出した者が多い。

今後こういう気候が続くとしたら、生活もそれに合わせて変える必要が生じるだろう。
タイヤやカーポートといった身近なものもそうだが、建物の構造も改装を余儀なくされる。
道路や交通網の不備は、実際に人命を危険にさらした。
気象の変化は、国家レベルでの問題なのだ。
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大変な一日 5


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ホームセンターから帰ると、工場内では相変わらず水との戦いが続いていた。
水の勢いは一向に収まる気配は無い。
しかし、その下に置いてあった資材の片付けは進み、機械類にはシートがかけられつつあった。
まさに人海戦術である。
週末だからとのんびり休んでいたら、大変なことになるところだった。
足元にはまだかなりの水が溜まっており、早速買ってきたポンプを試したが、大して役には立たなかった。

ここまでは全員一丸で事に当たったが、ここで漏水対応の人員を減らし、残りは生産に回る事にした。
漏水の方は相変わらず惨憺たる状態ではあるが、だからといって生産を止めてまで対処していては、実際の損失が出てしまう。
それではさらに被害を広げるのに等しい。
今日のノルマは、何としても果たさなければならない。

直後に、また別の騒ぎがあった。
突然工場内に火災報知器の警報が鳴り響いた。
警備保障会社からも、すぐに確認の電話が入った。

この水なので漏電かと思ったが、火災報知器のセンサーに水が入ったのが原因ではないかという。
警備保障会社の人が、電話口で即座にそう答えた。
街中が同じ現象で大騒ぎになっており、電話の向こうはてんやわんやの状況のようだ。
とりあえず応急処置として、該当箇所のセンサーを外してみてくれと言われた。

電動の台で高いところまで上り、天井に設置されているセンサーを手で回して外すと、樹脂製のドームの内側に水が溜まっている。
我家の漏水の時の、蛍光灯の笠と似ている。
センサー内に水が溜まったことで、ショートして誤作動したらしい。
センサーを外したら、コントロールボックスの異常のライトが消えた。
漏水しているエリアに、他にもいくつかセンサーがあるので、またショートする前に、それらを端から外していった。
放っておくと、また警報が鳴る事になる。

ここまででやっと一段落ついた感じだ。
何人かが残って排水作業を続け、残りはいつも通りの生産を開始した。
機械の動く音が工場内に響き始めた。
工場の人間は、自分で状況を判断しててきぱきと動くことに慣れているので、災害などのトラブルには比較的強いのだ。
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大変な一日 4


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さすがにこんな日にホームセンターに買い物に来るお客は少ない。
広い駐車場はガラガラであった。
本当は、逆にいろいろな道具を揃える必要がある筈なのだが、多くの人は、ここまで来る事が出来ないのだろう。

お店に入ってみて驚いた。
天井のあちこちから、水が滴り落ちている。
それを受けるバケツが、何十個も置かれていて、その間を店員さんが右往左往している。

ウチの工場と同じ現象だ。
いや、こちらの方が深刻かもしれない。
商品が濡れてしまい、かなりの被害が出ている。

駄目になった商品を台車に乗せ、漏水箇所の下にある陳列棚を移動し・・・
店内はてんやわんやの状態である。
何人もの人が、ひとつひとつの漏水箇所に張り付いて、水が広がらないように監視している。
本当ならお客で賑わう休日だというのに、お店はガラガラで、しかも商品は水浸し・・・踏んだり蹴ったりの状態だ。

恐らく建物の作りが同じなのだ。
見ているうちに、その事に気が付いた。
ウチの工場と同じように、凹凸のある鉄板で屋根が作られているのだろう。
雪国であれば、最初からこういう事態を想定していて、屋根を尖らせて作る。
しかし普段軽い降雪しかないこの地域では、水平な屋根の建物がほとんどである。

20数年前だが、工場を建てた時、屋根を張る作業を横で見学していた。
1本の長さが50メートルもあるような巨大な屋根材を、どこかから運んでくる訳にはいかない。
ロール状になった長尺の鉄板を持ってきて、その場で機械に通し、凹凸のある長い板に加工するのだ。
凸部分の高さは20cmほどであろうか、長さは屋根の奥行きに合わせて切断する。
それらをクレーンで建物の上の桟に乗せた後、横に何本もつなぎ合わせて、一枚の大きな屋根を作るわけだ。

実際に屋根に上がった訳ではないので、以下はあくまで想像である。
大量の雪が降り、その後に大量の雨が降った。
通常の雪であるなら、深く積ったとしても、晴れると順次溶けて消えていく。
また雨の場合は、鉄板の凹部分を通った水が、建物の端まで流れていき、雨樋を伝って落ちていく。
今まではそれで済んでいた。

ところが今回は、降り積もった雪が溝を埋めてしまったところに、激しく雨が降り注いだため、一気にオーバーフローしてしまった。
恐らく屋根の上はプールの様に、雪と水で一杯になっているはずだ。
屋根材の凸部分にあるつなぎ目にまで、水位が上がってしまい、水が内部に流れ込んだのではないか。

一見水平に見える建物の屋根も、水が一方に流れていくように、緩やかな傾斜がつけられ、片側が低くなっている。
溜まった水がその低い方に流れたため、今回は建物の隅の方でまとまって漏水が見られた。
ホームセンターでも、建物の一辺に漏水箇所が集中して、天井が染みだらけになっていた。
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大変な一日 3


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雪が大量に降り、溶ける間もなく、さらに雨が大量に降る。
するとどういうことになるか・・・
あちこちで氷水の洪水が発生していた。

まずはパートを迎えに行き、何とか無事会社まで届けた。
次に工場内の漏水に対処すべく、ブルーシートやバケツなどを買うために、ホームセンターに行くことにした。
ついでに排水用の電動ポンプも買ってきて欲しいと、社員に頼まれた。
いずれにしても、行くことが出来るのは、僕の車だけなのだ。

夏に台風が来ると、必ず冠水する場所がある。
土地が低い場所だ。
そこを避けていこうと思った。

裏道に曲がろうとしたら、角に老人の乗った軽トラックが停まり、道を塞いでいる。
何を考えているのか、そのまま硬直したように、そこから動こうとしない。
どうしていいかわからず、思考停止してしまったようだ。
何もこんな日に出てこなくてもいいのに・・・

その車のせいで、角を曲がることが出来ず、やむなくそのまま直進した。
一番通りたくなかった道に、進入する羽目になった。
問題の場所が近付いてくると、道路の上に海が見えた(笑)
表面に波が立っている。

かなり深い。
30cm近くあるだろうか。
対向車を見ると、水を掻き分けて一気に突っ切っている。
ぎりぎりであるが、何とか通過できるようだ。

気になるのは前を走る車だ。
先ほどから見ていると、この車のドライバーもかなり下手糞だ。
どうしていいかわからなくなると、よろよろと減速して、ストップしてしまうのだ。
非常に嫌な予感がした。

ふと気が付き、エンジンのアイドリングストップの機能を解除するスイッチを押した。
水の中で停止した時に、エンジンまで止まってしまったら、マフラーから水が逆流して一巻の終わりであろう。
こういうシチュエーションで、この機能をオフにするとは思わなかった。

えーい、ままよで、水の中に飛び込んでいくと、一瞬車が浮いたような気がした。
無視してどんどん前進する。
対向車の立てた波を受けて、車が左右に揺れた。
それで怖くなった前の車が、ブレーキを踏み、水溜りの中央付近で停止してしまった。

馬鹿野郎と言いたくなったが、こちらも止まったら巻き添えを食う。
右に避けて、水しぶきを盛大に上げながら、その車を追い越した。
そのまま一気に走り抜けて、水溜りを脱出し、ホームセンターへの道を急いだ。
停止した車がどうなったかは知らない(笑)
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大変な一日 2


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工場内に天井から水が漏れ出したとしても、納期が迫っている大きな仕事を抱えていることに違いは無い。
仕事の手を止める訳には行かない。
今日やらなくてはならない仕事が山のようにあるのだ。

大雪で出社できないパートが数名いるので、車で迎えに行くから出て欲しいと頼んだ。
排水作業は任せて、僕は車を停めた駐車場に向かった。
激しい風が吹いており、車に辿り着くまでに、横殴りの雨で体がビショビショになった。
寒さを別とすれば、まるで真夏に台風の中を歩いているようだ。

かなりの量の雪が積もった後に、激しい雨が降り、その上に大量の水が被さる。
今までに体験したことの無い、不思議な状況だ。
冷たいコップの水のように、砕いた氷の浮かんだ水溜りが足元に広がっている。
その中を車のドアの前まで行こうとすると、靴がくるぶしの辺りまで完全に水没した。
バシャバシャと、水の中を進んでいく。
ブーツでなければ、靴の中に水が流れ込んでいたろう。

走り出すと、道路は異様な状態であった。
雪は道の両端に追いやられ、中央部分は冠水している。
冠水?

対向車が水を跳ね上げ、フロントガラスに大量に降りかかった。
ドーンという衝撃とともに、しばらく何も見えなくなる。
ガラスが割れたかと思った。
ただの水ではない。
水と氷の混ざったものが、激しく車にぶつかってきたのだ。

道路に積っていた雪が、道路の両側に押しのけられ、それが固まって土手を形成している。
その内側に、プールのように雨水が溜まっているのだ。
しかも部分的に凍結し、氷の塊を含んだ水である。
その中を進んでいかなければならない。

道路の外側を見ると、一段下がったところに、普通に雪が積もっている。
洪水の場合は、水位が同じ高さになるはずなのに、道路上の水はずっと高い位置にある。
押しのけられた雪で作られた氷の土手が、そこで水を遮断しているのだ。
さらに激しい雨がどんどん水を補給している。

途中知人の家の前を通過した。
庭先の車庫の庇がV字型にひしゃげ、車が下敷きになっている。
知人が立ちすくんでいるのが一瞬見えた。
そのまま進んでいくと、その並びにさらに数件、同じように車庫が倒壊した家があった。
ここまできて、町中でかなりの被害が出ているのがわかった。
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大変な一日 1


D800E + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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先週末に引き続き、記録的な大雪となった。
慣れない雪が降る事で、普通にいっても大変な日になるところだが、予想外のトラブルが次々に起きた。
朝から雪で電車が遅れて、予定より30分ほど遅れて会社に到着した。
駐車場に車を入れていると、社員が何やら慌てて出入りしている。

工場に入ると、えらい事が起きていた。
広い工場の隅の天井から、水がシャワーのように、何条もボタボタと落ちてきている。
その下にある機械や資材は、それをまともに受けてビショビショになっている。
床には水溜りが出来、そこから流れ出した水の筋が、今度は隣の機械の下に入り込んでいる。

何が何だかわからないが、とにかく大切なものが水浸しになるのを、少しでも防がなければならない。
皆がモップや箒で水を掻き出し、バケツで外に運んでいく。
ありったけのブルーシートを集めて、両側から脚立に乗って引っ張って、機械の上に被せた。
足元には、酷いところでは水深5cmほど水が溜まってしまっている。

落ちてくる水の勢いはまったく衰える様子は無い。
とにかく水への対処を続けなくてはならない。
原因を突き止め、元を断ちたいところであるが、工場の天井は非常に高く、簡単に上に登ることは出来ない。
上で何が起きているのか。

そうこうしている内に、今度は隣接する工作室で水漏れが発生した。
急に天井からドボドボと水が流れ落ち始めたのだ。
慌てて旋盤やミーリングマシンにブルーシートをかけた。
それ以外の細かい資材はもう諦めた。
水を止めるのは不可能なので、とにかく重要な機械を守ることにした。

水難の相が出ているのか、このところ何かと水漏れに遭遇する。
逆に慣れているとも言えて(笑)、まずは他に同じことが起きている箇所は無いか、水汲みは彼らに任せて、僕は会社の中をあちこち見て回った。
その結果、事務所付近でもう一箇所、さらには倉庫でも壁から水が染み出している箇所を発見した。
急いでバケツを持ってきて、落ちてくる水を受け、危険な場所にある置いてある荷物をどかした。

大変な一日の始まりであった。
とても一回では書ききれないので、何回かに分けて報告することにする。
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困った雪


D800E + AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED

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外は雪・・であるが、正直なところ困っている。
雪だからと、のんびり休んでいられないのだ。
山のように受注が入り、土曜も日曜も生産の予定がビッシリだ。
雪により計画通り仕事が進まないことの実害が出ている。

今日はパートが何人か帰宅できなくなり、スタッドレスタイヤを履いている僕の車で家まで送った。
普段はそれほど雪の降らない地域なので、こういう時の移動の手段を持つ人が非常に少ない。
こんな気象が続くなら、皆が雪用のタイヤを買わなくてはならない。
まあ来年は逆に暖かかったりするのだろうが・・・



オールデンのプレーントゥ・ブルチャー・バリーラスト・#9432S。
個人輸入で海外から取り寄せたものだ。
アッパーにクロムエクセルを使用した外羽根式プレーントゥ。
ある意味もっともオールデンらしい靴ともいえる。

幅広サイズが日本には輸入されておらず、仕方なく米国より取り寄せた。
ところがオールデンは日本への直接販売を許しておらず、転送サービス会社を利用して送ってもらう形になった。
少々苦労したのだが、その経緯は以前ここで詳しく書いたのでご存知かと思う。

7ハーフの3Eを選んだが、しばらく履いてみると、僕の足には少々大きいことがわかってきた。
この緩さから判断すると、7の3Eか2Eくらいでちょうどいいかもしれない。
薄い靴下で履くと、踵に指が一本入ってしまう。
ところが、同じバリーラストを使ったオールデンのコードバンのモデルは、8Eなのに何とかなっている。
前後は多少緩めでも、靴の幅が狭いので足に固定されるようだ。

サイズに関しては、どうにも訳が分らない、というのが、正直なところだ。
7.5で大きかったり、8で問題なかったり・・・
硬めのコードヴァンと比べると、クロムエクセルは柔らかいので、素材が伸びるのだろうか。
あるいは製造上の個体差が激しいのか・・・(実はそっちを疑っているのだが・笑)

バリーラストの靴をもうひとつくらい欲しいのだが、これではどのサイズを買うべきか判断がつかない。
試着せずに買うのはある種の賭けである。
通販向きの靴ではない、ということだ。

それでももうひとつ欲しいのは、この靴の履き心地が傑出しているからだ。
多少緩くても、他の靴より快適なのだから凄い。
しなやかで歩き易く、ストレスが非常に少ない。

現在一番のお気に入りで、コレクションの中では使用頻度がもっとも高い。
空港の金属検査に引っかかったことから、内部の見えないところにも、独自のノウハウが詰め込まれているらしいと気付いた。
伊達に高い訳ではないだろう。

クロムエクセルの特質で、表面に少々傷がついても、手で擦るとある程度消えてしまう。
そのため、比較的ラフに履くことが出来る。
仕上げには、現在はサフィール・ノワールのコードヴァンクリームを使用することが多い。
時折艶を抑えたくなって、デリケートクリームやワークブーツ用のクリームを使うこともある。

独特の、このくたびれた外観が、なかなかいいな・・と思う(笑)
一見大雑把に見えるのに、細部を見ると意外に作りが繊細である。
存在感がたっぷりとあり、これぞアメリカンと呼びたくなる。

他の国の靴では、この雰囲気はちょっと出ないだろう。
ある靴店の店頭で、僕が脱いだこの靴を見た店員さんが、さすがオールデンだなあ・・と感心していた。
どこか野暮臭いにもかかわらず、強い愛着を持たずにはいられない靴である。
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漏水 7


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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漏水事故の関係者が集まって話し合いをした時、知り合いの内装業者の人を紹介してもらうことになった。
その会社の男性が家にやってきて、一緒に問題の箇所をチェックした。

まずはトイレ、ここは水滴が落下する音に、最初に気付いた場所だ。
天井裏で上の階から水が落ちてくるのだが、室内には特に変化がなかったので、最初は何が起きているのかわからなかった。
隣接する浴室の天井にある点検口に頭を突っ込んだところ、トイレの上辺りで水が滴り落ちているのが見えて、初めて漏水箇所が判明した。
その状況を間近で見るために、ビル管理会社の人がトイレの天井に大きな穴を開けたのだ。
今でもトイレ内で頭上を見上げると、上の階の床下が見える状態だ(笑)
ここは天井を一から作り直して、修繕しなければならない。

次に寝室。
壁際の天井から水が染み出しており、壁を伝って流れ落ち、タンスとその上にあった羽毛布団が被害を受けた。
水の多くは羽毛布団が吸い込んだため、かえって気が付くのが遅れた。
壁と天井には水が流れた痕が黄色く残り、タンスの上に水溜りができた。
隣にある本棚も濡れて、高校生の頃に買った漫画の本が濡れてしまった。
個人的には貴重な本という認識であったが、ネットで調べたところ、金銭的価値はあまり認められていないようだ。

寝室は壁と天井を直す必要があると、内装業者の人が言った。
壁の濡れた面だけかと思ったら、一部屋すべて、壁紙を貼りなおし、天井も再塗装するという。
大掛かりな工事になるので、部屋の中のものをすべて出さなければならない。
その作業とタイミングが大変である。

居間の照明のドーム状の笠に、水が大量に溜まっていたのにも驚かされた。
意識して被害箇所を探し始めて、上を見上げた時に、初めて気付いたのだ。
木材のヤニの混じった黄色い水が、溢れるほど一杯になっていたので、そっと外してベランダに捨てた。
もちろん照明器具は交換になる。

それよりも、居間の中央近くにある照明器具に、こんなに水が溜まるということは、他にも漏水箇所があるのではないかと疑った。
我家の居間は、結婚した時に2部屋をつなげて広くする工事をしているが、上の階の家では、その場所は6畳の和室になっている。
その和室の畳がすべてビショビショになっているのだから、その下に水が落ちてきても不思議では無い。

内装業者の人に聞いたが、今までの例から言うと、照明器具の場合は配線を伝ってきた水が溜まるので、まず大丈夫だという。
本当にそうだろうか・・という疑問はあったが、点検口が無いので確かめようが無い。
とりあえずそこまでチェックして、補修工事の見積りを出してもらう事になった。

上の階の住民が普通に居住していれば、もっと早く気付き、我家まで被害は広がらなかったろう。
その点は運が悪かった。
まあ、考え方である。
自分は被害者だとネガティブな気分になるよりは、部屋を片付けるいい機会を、神様から与えられたと考えた方がいい(笑)
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