裏山


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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Mrs.COLKIDの実家の裏に小高い山がある。
そこに入っていく道は、地図にも載っておらず、地元の人にしか知られていない。
途中何ヶ所か斜面が崩れて、道に石がごろごろしている場所があり、夏は植物がせり出して道の半分を覆っている。
道は狭く車がすれ違える箇所は限られる。
公道と呼ぶには少々危険なので、一般の車が入ってきたら問題が起こるであろう。

実家に行ったら、天気が悪くなければ、なるべく山の頂上まで行ってみる。
(雨風の強い日は怖くて行けない)
地元の人が時折通る程度で、それ以外には滅多に人の行かない天国のような場所である。
頂上近くに開けた場所があり、朝早くか夕刻には遠くに富士山が見えると義父が言うので、日が沈む前にちょっと行ってみた。

高台に2、3台車が停められる場所がある。
そこに着くと小さい車が1台停まっており、その横にテントがひとつ張ってあった。
隣に車を停めると、テントから男性が出てきた。
ちょっと写真を撮らせてくださいと挨拶した。
僕と同年代の男性で、車は福島ナンバーであったが、言葉には訛りは無く、どちらかというと都会派のように見えた。
聞くとこの場所が好きで、時々泊まりに来るのだという。

僕の車のナンバーを見て、なぜこの場所を知っているのかと、いぶかしげな顔をする。
すぐ下に妻の実家があり、時々ここまで来るのだと言った。
実家のある地名まで伝えると、やっと納得した様子であった。
どうやらここは、皆が秘密にしている、とっておきの場所のようだ。

「こんなところは他にないですよ」
と男性は言った。
あちこちをキャンプして回ったが、キャンプ場はファミリー向けになってしまい、騒がしくてどうしようもないという。
ひとりで孤独を楽しむ本当のアウトドア派には、人の大勢集まるキャンプ場なんて到底納得できないらしい。

動物が出ないか聞いてみると、イノシシは多いという。
寝る前に線香花火を2、3本焚けば、火薬の臭いを恐れて寄ってこないという。
イノシシの本能に、銃に対する恐怖心が刷り込まれているらしい。
またイノシシとクマは食物が近いせいか縄張りが重ならず、イノシシがいるとクマはいないという話も聞く。
いずれにしてもこの山系にはクマはいないから安全だと男性が言った。

「ここは木を切ってしまったから、こんなに見晴らしがいいんですよ。あと10年もすれば、この景色はもう拝めなくなります」
男性はそう言いながら、夕食の支度を始めた。
朝には雲海を見られることもあるという。
たしかにこの景色をたったひとりで楽しみながら過ごすなんて贅沢な時間である。
残念ながら今日は霞がかかっていて、富士山は見えなかった。
僕は数枚写真を撮って、男性に挨拶をしてその場を去った。
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那須にて


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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那須のMrs.COLKIDの実家にいる。
午前中は会社で仕事をして、午後になってから向かったが、どういうわけか道が凄く空いていた。
一回も渋滞に遭わずに高速道をスイスイ走ってきた。
自動車の数自体が少なかった。
連休でここまで道が空いているのは初めてだ。

山間の集落にある実家の2階でブログを更新している。
ネットの接続がイマイチで四苦八苦している。
昼は暑かったが、夜はさすがに少し寒いくらいだ。

外はカエルの合唱だ。
田んぼに水が入っているので、アカガエルやアマガエルが中心だろうが、時々変わった声が混じるのはシュレーゲルアオガエルだろうか。
例によって一斉に鳴き止むタイミングがあるのが面白い。
今晩はこれを子守唄に眠ることになるかな・・・
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CDI


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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オールデンのフットバランスラインの345。
外羽根式プレーントゥ。
CDIラスト。
アッパーはブラウンのカーフ。
サイズはUS7E。



オールデンのCDIラストの靴は2足目である。
最初に購入したのは黒のグレインレザーの305プレーントゥで、サイズはUS6.5EEであった。
そちらは現在も愛用しており、昨年海外出張に行く際にも相棒に選んだ。
2017年4月19日の日記を参照
特に傑出した履き心地ではないのだが、履いていてすごく楽な靴である。

今回はほぼ同じサイズ感でひとサイズ上になるUS7Eのモデルを買ってみた。
といっても簡単に入手できる靴ではないので、たまたまデッドストックと巡り合ったというべきであろう。
色もブラウンであるし、CDIの靴をもうひとつ持っていてもいいだろう。



以前も説明したようにCDIという特殊な仕組みを持つ靴である。
ラストの一種と考えていいのだろうか?
最初から専用のインソールが入っており、その分通常の靴より深めに作られているようだ。
オールデンの矯正靴の系統であるフットバランスのラインに属している。

CDIの場合、モディファイド・ラストのように熱狂的なファンがいるわけではなく、恐らく一般向けのラインでは採用されていない。
日本には正規に輸入されたことはないと思うが、並行輸入でそれなりの数が入っているようで、時折中古品などで見かける。
あくまで矯正靴なので機能優先の設計ではある。
しかし一般向けとして使っても、それなりの魅力を持っているのが、オールデンのフットバランス・ラインの特長だ。



なぜインソールと組み合わせた設計になっているのか?
インソールを取り外すことで、当然靴の大きさが変わる。
定かではないが、インソール抜きだと、幅だけが1~2サイズ大きくなるようだ。

つまりインソールの有り無しで、一足で2通りのサイズに対応できることになる。
足の大きさが左右で極端に違う人、足を矯正するための器具をつけている人などへの対応のためだという。
矯正器具を外したら、インソールを入れれば元のサイズに戻すこともできる・・というわけだ。
今回の7Eはインソールありで僕の足に程よくフィットするサイズだ。



アッパーのブラウンのカーフは非常にしなやかで、ちょっとオイルレザー的な感触のもの。
2000年代の製品のようだが、革は今のものより質がいいような気がする。
この靴の性格によく合っており、恐らく雨の中でもそれほど気にせず履くことが出来るだろう。

6.5EEの305と比べてみると、7Eの345は確かに幅が少し縮まり面長になっている。
だがデザイン全体から受ける印象は似通っており、いい意味でのっそりとした、いかにもアメリカンなものだ。
305はヒールカップが少し緩かったが、この345もやはりヒールの喰いつきは弱い。

何というか、大らかでのんびりとした履き心地である。
オール80点主義とでも言うか・・・
モディファイド・ラストのような遊びの少ない几帳面さはなく、すべてがほどほどのフィッティングで、リラックスして履くことが出来る。
やはりこういう履き味の靴も何足かは必要なのだと感じる。
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D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

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忙しくしているうちに、桜は生き生きとした緑のピークを迎えていた。
いや、もうピークは少し過ぎたのかもしれない。
ふと頭上を見上げた時に気付いた。

実は桜はこの季節が一番好きだ。
グリーンが目に優しいこともある。
どこかに撮影に行きたい気分だ。
もうすぐゴールデンウィークが始まることさえ忘れていたよ。
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足元


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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表参道の地下街で食事を取っていた。
軽食のお店が集合したスペースがあり、中央のホールにテーブルが並んでいる。
好きな食べ物を買って、その場で食べられるようになっている。

そこでベトナム料理を食べていた。
すると、食堂内を回っている給仕の男性が、何となく慌ただしく動くのが見えた。
小走りで奥の扉に駆け込み、ほうきとボックス式のちり取りを持って出てきた。
動きが普段と違うので、気になってそちらの方を見た。

僕から少し離れたテーブルの一群の辺りで、何かが起きているようだ。
数人のお客が椅子から立ち上がっている。
給仕が近付くと、ほうきを机の下に入れた。
もう一人の給仕が手伝い、ちり取りを持って横で構える。

最初は食品を床にこぼしたのかと思った。
皆の目が足元の床に注がれている。
しかし二人の給仕の動きから、何か動くものを追いかけていることがわかった。

見ると一匹のネズミが、彼らの足元を走り回っていた。
それほど大きくは無く、ピョンピョンとカンガルーのように跳んで走るネズミだ。
椅子に座るお客たちの足元を、右へ左へと逃げ回っている。

給仕たちは慣れているのか、上手い連係プレイで、案外簡単にネズミを捕らえた。
もっと手間取るかと思ったが、一発でちり取りに追い込んだ。
そして「失礼しました」と頭を下げ、ネズミの入ったちり取りを持って、さっと奥に引っ込んでしまった。
その辺もよく心得ている(笑)

その場にはお客だけが残った。
奥のテーブルの数人の女性たちは、ネズミの出現に驚いて立ち上がり、そのままの状態であった。
しかし騒ぐでもなく、苦笑いしながら顔を見合わせている。
手前に座っている男性は、まったく動じる様子は無く、平然と食事を続けている。
程なく奥の女性たちも、座って食事を再開した。

案外皆平気な顔をしている。
ネズミが足元を走り回っても、騒ぎ立てるものは誰もいなかった。
ディズニーの漫画などで、ネズミはかわいいものとでも思っているのか・・・

驚きはしたのだろうが、恐らくその場の雰囲気から、騒ぐべきではないと判断したのだろう。
人間というものは、驚いて声をあげるにしても、一瞬状況を考慮するものらしい。
数秒後には、いつもと同じ平穏なひと時に戻っていた。
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没頭


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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ネットのプログラム作成と期末の書類作成が重なり、大変な仕事量になっている。
今晩は帰宅が遅くなりそうだ。
プログラムを作成する作業は好きなのだが、それだけについ没頭してしまい、多少恐怖も感じる。
こんなに根を詰めては身体に悪いのではないかという恐怖だ。

朝から晩まで何時間も画面を睨んでいる。
確かに疲れるが、何しろ好きな作業なのであまりそれを感じない。
自分の年齢を考えると、暴走気味なのではないかと心配してしまう。
とは言え止められないんだよな、これが・・・
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再発


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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花粉症の薬を飲み切った。
飲み始めた頃からほとんど症状は出なくなり、今ではマスクをする必要もなくなっていた。
散歩に行くにもマスク無しで全然平気だ。
恐らく薬だけでなく、飛んでいる花粉の種類も変わり、僕には関係の無いものになったのだろう。

そう思っていた。
ところが薬を飲まなくなったら、いきなり症状が再発した。
今朝起きたら、鼻の中が何やらズルズルとしており、鼻をかんだら鼻血が出てきた。
けっこう大量である。
かめば鼻血がさらに出るし、かまなければ鼻が垂れてくる。
どうしようもなくて、あれこれしている内に、家を出るのが遅れてしまった。

仕方なく鼻にチリ紙を詰めて、その上からマスクを着けた。
その状態で駅のホームまで走った。
ところが息が上がってしまい、ハアハアと苦しくて立っていられない。
鼻にも口にも蓋をしてしまったので、酸欠状態に陥ってしまったのだ。

電車に乗り席に座ったが、空気が足りなくて息が苦しい。
かと言って鼻にはクリネックスが詰まっているので、みっともなくてマスクを下げられない。
仕方なくマスクの下の方を持ち上げて、不自然な格好で息をした。

どうやらこの一ヶ月ほど平気な顔をしていられたのは、薬のお陰だったようだ。
飲まなくなったらすぐにこれだ。
すぐにでも耳鼻咽喉科に薬を貰いにいきたいが、その時間が無いのが辛いところである。
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早速


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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先日米国より取り寄せたモディファイドラストのキャップトゥであるが、早速何度か履いている。
サイズは6EEEであるが、同サイズで以前より愛用していたVチップと比べると、少し履いた感触が違う。
先日も書いたが、Vチップの方が全般に当たりがソフトである。
キャップトゥの方が自己主張が強く感じられる。
ラストは同じであるが、靴のデザインからくる違いであろうか。

ただ履き心地は、いずれにしても申し分が無い。
さすがの「幅広モディファイド」である。
履いてきて実に気持ちがいい。
足の形をトレースするように吸い付く一種独特の履き心地である。

土踏まずへの程よい刺激は、時に履いている方が楽なほどである。
皺もキャップのつなぎ目の後ろ側にきれいに入る。
足の形にピッタリ合った、本来の正しいサイズ、ということであろう。

仕事用の靴として、ついに決定版を手に入れることが出来た。
今後もモディファイドを購入する時は、このサイズにしたいところだが、6EEEがある機種は限られる。
実際にはこのサイズの前後を試していくことになるだろう。

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靴下


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暖かくなってきたので、靴下を少し薄手のものにした。
クローゼットに入っている靴下を夏用に入れ替えた。
そうしたら、当然のことながら靴のフィッティングが変化してしまった。

きつめに感じていた靴が程よくなった。
その一方で、丁度よかったものは緩めになる。
どこかが当たって痛かった靴が、当たらなくなったりもした。
靴下のせいで靴の印象がガラリと変わってしまう。

まあ仕方がない。
ちょうど靴の方も夏用に入れ替える時期だ。
ブーツをしまって短靴を箱から出した。

要は靴下の厚みに合わせて、夏用はきつめ、冬用は緩めの靴を買えばいいのだ。
夏にスーツと組み合わせるものは、靴下がかなり薄いので、さらに小さめにする必要がある。
春とか秋に履く靴はどうするか・・・難しいところではある。

季節、天気、TPOという具合に、靴を使い分けなければならない要素ってすごく多い。
その上、同じ靴を連続しては履けないから、それぞれの系統の靴を複数持たなければならない。
4シーズン、晴れの日と雨の日、カジュアルとビジネスとフォーマル、それに3日に1回のローテーション・・・
単純に計算しても、やっぱり男は靴を70~100足くらい持つ必要があることになるのだ(笑)
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タマゴ


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パートの女性からタマゴをいただいた。
生で食べることの出来るタマゴだという。
実家の近くに人気の養鶏場があり、なかなか手に入らないらしい。
何と予約しても2ヶ月待ちなのだそうだ。
今回も2月に予約してやっと購入できたという。

生で食べられる・・・
欧米ではタマゴは生で食べるものではなく、必ず熱を加えるという。
日本人の生で食べるという習慣は、嫌がられてもいるようだ。

しかし僕にとっては、本来タマゴは生で食べるものだ。
昔は日常的に、売っているタマゴはすべて生で食べていた。
今更、生で食べても大丈夫なタマゴです、と言われても・・・

僕は小学校の6年間、ほぼ毎日、生卵を食べていた。
実際には幼稚園の途中からなので、もっと長い期間だと思う。
毎朝必ず、温かいご飯に生卵をかけて食べていた。
我ながらよく飽きなかったものだと思う。

容器にタマゴを割り、醤油と味の素をかけて、よくかき混ぜる。
それを熱いご飯にかけるのだ。
毎朝その一杯を食べてから学校に行くのが日課であった。

Mrs.COLKIDは、昔サルモネラ菌かなにかに当たったことがあるようで、今でも生卵を食べない。
しかしそれほど丈夫ではなかった僕が、6年間まったく大丈夫だったというのは、どういう事なのだろう。
かえってあれで抵抗性が強まり、身体が丈夫になったのではなかろうか。

・・などと考えながら、いただいたタマゴをお椀に割った。
ぷっくりと膨らんだ濃厚な色の黄身・・・
久しぶりに食べるタマゴかけご飯は、ちょっと懐かしい味であった。
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文字


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パソコンやスマートフォンの普及で、明らかに退化した部分もある。
文字を書くことに関しては、だいぶ能力が落ちたような気がする。
人と打ち合わせなどしていて、ちょっと記録しておこうとメモを出しても、手が滑らかに動かないのだ。
字がきれいに書けないし、漢字を思い出すのにも時間がかかる。

これならパソコンにキーボードから打ち込んだ方が早い。
考えてみれば、毎日朝から晩までパソコン相手に打ち込んでいるのだから、当然身体もその環境に順応していく。
文字が書けなくなるのは、必然的なものであろう。

近い将来現金が無くなると言われているが、案外手で文字を書くことも無くなるかもしれない。
キーボードは音声入力に変わるであろうが、文字を読むことはあっても、手で書く機会はさらに少なくなるだろう。
とは言え、そうなってしまう事には、何となく罪悪感や恐怖感がある。
引退したら、また昔のように紙と鉛筆を使う生活に戻りたい・・などと、ちょっとだけ考えている。
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観察


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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駅の改札口で待ち合わせをして立っていた。
目の前を大勢の人が通過していく。
それをぼんやり眺めていた。

そういえば何か事件があると、この位置に警察官が立ち、鋭い目つきで通行人を観察していることがある。
台を置いて一段高いところから見ている。
恐らく容疑者が通るかもしれないという情報が入って、その人物の特徴に合致する人を探しているのだろう。

交番の前に貼ってある手配書を見ると、指名手配の犯人の容貌についていろいろ書かれている。
テレビドラマでも、警察が目撃者に様々な情報を聞き出すシーンが出てくる。
その人物の身長、年齢、顔の特徴などを細かく聞き出し、時には似顔絵も作成する。

しかし僕のようにボーッと立っている人間では、とてもあのような記憶は残らない。
人が前を横切ったな・・という程度の記憶しか残っていない。
それがどんな人物であったかなんて聞かれても、せいぜい性別程度で、それ以外はまったく答えられない。
そういう細かいことを観察して覚えている人もいるが、僕はまったく駄目なタイプだ。

これでは役に立たないな・・と思い、試しにあちらから歩いてきた男性をじっくりと観察してみた。
年齢は多分50歳代。
身長は・・・170センチから175センチくらいであろうか。
離れているので意外に身長の判断が難しい。
恐らくここに立つ警察官は、周囲の例えば駅の券売機や壁のポスターなどの高さを覚えていて、それと比べているのだろう。

ヘアは七三に分けているが、分け目の辺りが少し薄くなっている。
額が大きめで黒縁のメガネ、顔つきは特徴が少ないので表現のしようがない。
それにこの距離では細かいところまでは見えない。
この程度の情報では、似顔絵を作るのはちょっと無理だな・・・

服装は明るめのグレーのセーターに濃紺のジャケット。
下もライトグレーのスラックスだ。
しかも驚いたことに靴までもが、ライトグレーの革のモックトゥタイプのものであった。
ちょっと変わった色の靴である。
これだとジャケットを脱ぐと、グレー一色になってしまう。
よほどグレーが好きなのだろう(笑)

特徴を文章化することで、多少は記憶を強化できるようだ。
特に靴に関しては、興味があるから鮮明に頭に残る。
僕の場合、通行人の特徴をすべて覚えるのは無理だから、靴で記憶するというのもひとつの手である。
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親戚の一周忌に呼ばれたが、どのような格好で行くべきか迷った。
仕事がありお寺でのお経には参列できない。
その後の会食からの参加なので、スーツもネクタイも真っ黒ではおかしいと家族から言われた。
ダークスーツに地味なネクタイの組み合わせくらいがいいという。
故人である伯父とは親しかったし、高齢で亡くなったということもある。

しかし世間一般では一周忌までは喪服と言われている。
それにその家族に関する法事は、比較的硬めの格好で行く人が多く、会場は真っ黒になることが多い。
僕一人が違う格好というのはまずい。
やはり黒い上下を着ていくことにした。
一応黒以外のネクタイも持っていき、その場の様子を見てどちらにするか決めることにした。

白金台にある会場に着いてみると、全員が真っ黒というわけではなかった。
もちろん無難に黒という人が多いが、何人かはダークスーツに模様のあるタイをつけている。
確かに都心の会場で黒一色の集団というのも異質である。
そこでトイレに行き、黒に白い水玉のネクタイをつけた。
ネクタイだけ型から外すくらいが、その場の雰囲気に合っていると思ったのだ。

こういう会にはこういう格好・・という明確な定義の表でもあればいいのだが、意外にそういうものはない。
諸説あるようだし、地域によっても違うだろう。
故人やその家族と自分との関係も絡んでくる。
あらかじめその場の雰囲気がわかればいいが、実際には会場に大勢の人が集まることで、ひとつの形が作られる。
それを先に読まなければならないのが難しい。

靴に関しては、無難に黒のストレートチップを履いていった。
そういう意味では、万能タイプのある靴の方が楽だ(笑)
しかし周りを見ていると、ストレートチップの人なんて本当に数えるほどであった。
多くはゴム底の革靴で、変なスワールトゥみたいなのを履いている人が多かった。
正しいのはこちらだと言ってみても、多勢に無勢であるし、人数の多いほうがやがては標準となる可能性だってある。

驚いたのは、献花すべく祭壇の前に並んだ時だ。
前に立った30代の男性が、ダークスーツなのに足元はネイビースエードのウイングチップ、それもウエルトが明るいブラウンのものを履いていた。
ギョッとなって思わずじっと見てしまった(笑)
恐らく故人の経営していた会社の現場の人で、それしか持っていなかったのだろう。

まあこれは気持ちの問題だし、故人もそういう事をとやかく言う人ではなかった。
かといって僕がそれでは許されないので、それなりのマナーは守らなければならない。
本当は一捻りしたいところなのだが、結局は無難な方向でまとめるしかないのが少し残念である。
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車酔い


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母親や叔母など高齢の人を乗せて車を運転する時は、意識してジェントルな走り方をする。
具体的には急発進や急ブレーキを避け、なるべく強いGがかからないような滑らかな運転になる。
同乗者が高齢だと、Gが強くかかると身体が壊れてしまいそうな心配を感じるからだ。
それこそコップの水をこぼさないような静かな運転になる。

しかし自分ひとりだと運転が少し荒っぽくなるようだ。
もちろん自分では荒く操作しているつもりは無い。
感性に基づいた自由な運転をしているだけだ。

ブレーキは強めに踏むし、アクセルも、あのエンジンの吹け上がり音を楽しみたくて、どうしても強く踏みがちになる。
静かでこそないが、ドライブのリズムに合ったメリハリの効いた運転である。
グンと加速して、グンと減速して、コーナーでは一定のGがかかるように運転する。
実に気持ちがいいではないか!

Mrs.COLKIDを乗せていると、どうも後者の自分ひとりの時の運転に近くなるようだ。
この人は頑丈だから大丈夫・・という判断を、無意識のうちに下しているのかもしれない(笑)
滅茶苦茶な運転こそしないが、何も考えずに、自分の感性に合わせた自由な運転になっている。

先日Mrs.COLKIDからクレームがついた。
僕の隣に座っていたら、酔ってしまったという。
急な減速が多くて、気持ちが悪くなるというのだ。
母親が一緒に乗っている時の運転とは大違いだという。

実は、言われてみて初めて気が付いた。
知らず知らずのうちに、運転が荒くなっていたのかと反省した。
自分の運転で酔うと言われたのは初めてだったので、少しショックだった。

同乗者に合わせて運転を変えるのは意外に面倒なことで、それが全然できない人もいる。
ドライバーにとっては、自分のリズムで走れないのは苦痛なことでもあるのだ。
しかし僕の場合は、昔から結構器用に使い分けていた。
歳をとって大雑把になり、細やかな気遣いが出来なくなったのだろうか・・・
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到着


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オールデンの558。
モディファイド・ラスト。
外羽根式ストレートチップ。
アッパーはカーフの黒。
サイズはUS6-3E。



ついに米国から届いた。
モディファイドラストのキャップトゥである。
先日書いたEEEという幅広のモデルである。

まずは外羽根のキャップトゥを選んでみた。
仕事にはもちろん、フォーマルにもある程度使える汎用性の高い靴である。
果たしてフィッティングはどうであろう?



ニューヨークにある靴店より購入した。
モディファイド・ラストのオールデンを多く扱うことで有名なお店である。
もちろん直接日本には送ってくれないので、米国内の転送サービス会社を通した。

靴本体が495ドル、米国内の送料は無料、オレゴンにある転送サービス会社から日本までは37ドル。(送料28ドル+手数料9ドル)
また税金がけっこう高くて、全部で12,400円(関税9,300円+消費税等3,100円)取られた。
本体と転送サービスへの支払いはPaypalを使用したが、一般的な為替レートに手数料が数円加わったレートで計算される。
トータルでは7万円+αくらいであろうか。
国内でデッドストックが手に入れば、価格はほとんど変わらないかもしれない。



そのお店では非常に多くの種類のオールデンのモディファイド・ラストの靴が販売されている。
大半の製品の価格は595ドル(コードバンや一部ブーツは除く)であるが、黒のアルゴンキン(539)と、同じく黒の外羽根式キャップトゥ(558)の2機種のみが、495ドル(一部サイズは除く)で売られている。
現在オールデンでは、フットバランス・ラインとしては、もうこの3桁品番の2機種しか生産していないらしい。
それ以外のモデルはお店の別注品なので、価格も割高になっているようだ。

定番モデルということで在庫も豊富で、6EEEという特殊なサイズがあった。
もしかすると製造年度も古いものかもしれない。
常時在庫しているモデルのため、長くお店に積まれていたものである可能性もある。
(靴内側の年代表記は3Lなので〇〇〇3年12月製造ということがわかるが、2013年なのか2003年なのかは不明)

実際今回取り寄せた558は、少し古くなったフットバランスの茶色い箱に入って送られてきた。
古い事が悪いという事ではなく、むしろ現行のものより革の質などがいい場合もある(笑)
ただ靴の中敷きには、現行の製品に使われているニューイングランドと金文字で印刷されたものが貼られている。
その辺は製造工場の事情もあるのでよく分からない。



待ちきれずに、箱から出すや否や、まずは足を入れてみる。
・・・・・
素晴らしいフィッティングだ。
思わずため息が出る。

立体的な形状の靴の中に、シュッという音とともに足がスッポリと収まり、土踏まずはグッツと押し上げられる。
何と言うか、パズルの最後の一片をはめて、完成した時のような爽快感がある。
これが欲しかったのだ。
思わず笑みが浮かんだ。



同じ6EEEのアルゴンキン(90年代製)と並べてみる。
写真を見ても何となく分かるが、サイズ感は同一とみてよさそうだ。
現在売られているものも、90年前後のものと同じ基準で選んで、ほぼ大丈夫であるということが分かった。

面白い事に土踏まずへの押し上げ感は、今回のキャップトゥの方が強めに感じる。
アルゴンキンの方がソフトである。
少し使用してコルクが沈んだかとも思ったが、手持ちのパンチドキャップトゥの559(5.5-4E)を出してきて履き比べてみると、そちらには今回の558に近い押し上げ感がある。
ヒール内部の芯の硬さに違いがあるようで、靴のデザインが関係しているのかもしれない。

とりあえず現行品でも幅広のモディファイドが購入できることがわかった。
革の質も御覧の通りで決して悪くはない。
さすがに6EEEとなると種類は限られるが、Eの数を減らした6.5や7であればもう少し選択肢は広がってくる。
このフィッティングを一度知ってしまうと、モディファイド・ラストの魔力にとらわれて、他にも揃えたくなってくる(笑)
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