昨日(10日)は夕方から新潟ベネフィットに参加した。初見のアーティストが多かったが、それぞれの感想を以下に。
トップは無戒秀徳。フォークゲリラのような装いでステージに現れ、エレキギターをかきむしり、毒のある詩を撒き散らかす。アジテーションに聞こえながら、激しく自分を撃つ言葉でもあった。
続くはKEN YOKOYAMA。両脇に屈強な白人を従えたガチガチのパンクだが、客席との掛け合いに時間を割いていた。みんなで楽しもうという旺盛なサービス精神が窺えた。
3番目はハナレグミ。アコギ一本で身近な出来事をテーマに、伸びのある声でしっとりと歌い上げる。叙情的な癒しの音で、「21世紀のさだまさし」って感じがした。
そして、清志郎がエレキギター一本で現れる。「雨あがりの夜空」で会場を盛り上げたかと思えば、反戦メッセージを込め、「花はどこへいった」をしっとり歌い上げる。「イマジン」で締めたが、硬軟自在の稀有なパフォーマーであることを再認識させられた。
5番目はイースタンユース。僧衣が似合いそうなボーカルが、呟き、ぼやきをカマしてから演奏に入っていく。孤独、挫折を糧に奏でられた「希望の歌」で、文学の薫りもする日本語ロックだった。
トリはJUDE。新作を中心に、翳りある沈んだ感じのステージで、濃淡のアクセントがくっきりした演奏はバンドとしての実力を示していた。俺には心地よかったが、ブランキー時代からの「暴れ系」ファンは少し困ったのではなかろうか。
全体として、自然体でリラックスしたステージが続いた。これまで「瞬」と「旬」ばかり追求してロックと付き合ってきたが、音楽とは字にある如く「楽しむ」ことであり、和むことでもあると実感した一日だった。