酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

ロッキング・オン最新号に青春時代が甦る

2022-06-23 22:56:34 | 音楽
 グリーンズジャパン(緑の党)入会以来、集会やデモに参加し、時にイベント主催者の一員であったことはブログに記してきた。だが、コロナ禍に加え、昨夏の脳梗塞での入院が決定打になり、政治にコミットする機会は減った。そんな俺だが、杉並区長選の行方が気になっていた。参院選に向けて幸先良く野党統一候補の岸本聡子氏が接戦を制し、ホッとしている。

 欧州を拠点に市民運動に関わっていた岸本氏は2年前、グリーンズジャパン企画のオンラインセミナー<気候危機とコロナ危機 新しいシステムを求めて>の講師を務めた。<コモン>(全ての人にとっての共用財、公共財)の意味を説き、内容は水道、食料、教育、エネルギー問題に及んだ。〝世界標準の民主主義〟を知る岸本氏に期待したい。

 怠惰な日常でブログのテーマが見つからず、何となく近くの本屋に入ると、ロッキング・オンの表紙が飛び込んできた。「アンノウン・プレジャーズ」(1979年)のレコードジャケットで、<ニューウェイヴ/ポストパンク 1978-1987>の文字が躍っている。購入してパラパラめくっていると、青春時代の思い出が甦ってきた。

 現役ロックファンは引退したから、最近はCDを購入することもなく、ライブに足を運ぶ機会もない。だが、20代前半から30代半ばまで、パンクに浸ったというわけではないが、UKニューウェイヴに引き込まれる。1979年から87年までの愛聴盤を年ごとに以下に記したい。1アーティスト、1アルバムの縛りで、メランコリックで叙情的な俺の好みに沿って選んだ。

<1979年> パブリック・イメージ・リミテッド「メタルボックス」
<80年> ジョイ・ディヴィジョン「クローサー」、クラッシュ「サンディニスタ!」、エコー&ザ・バニーメン「クロコダイルズ」
<82年> スージー&ザ・バンシーズ「キス・イン・ザ・ドリームハウス」、エルビス・コステロ&ジ・アトラクションズ「インペリアル・ベットルーム」、デペッシュ・モード「ア・ブロークン・フレイム」、スクリッティ・ポリッティ「ソングス・トゥ・リメンバー」、XTC「イングリッシュ・セツルメント」、ダイアー・ストレイツ「ラヴ・オーバー・ゴールド」、ティアーズ・フォー・フィアーズ「ハーティング」
<83年> ザ・ザ「ソウル・マイニング」、ファン・ボーイ・スリー「WAITING」
<84年> スタイル・カウンシル「カフェ・ブリュ」、スミス「ザ・スミス」、コクトー・ツインズ「トレジャー」、ペイル・ファウンテンズ「パシフィック・ストリート」、アズテック・カメラ「ハイ・ランド、ハード・レイン」、ディス・コータル・モイル「涙の終結」、レインコーツ「ム―ヴィング」、ジュリアン・コープ「フライド」
<85年> プリファブ・スプラウト「スティーヴ・マックイーン」。キュアー「ヘッド・オン・ザ・ドアー」、ジーザス&メリーチェイン「サイコキャンディ」
<86年> ニュー・オーダー「ブラザーフッド」、ストラングラーズ「夢現」、モーマス「サーカス・マキシマス」

 思い出せるのはこんなもの。クラッシュはパンクの代表バンドだが、「サンディニスタ!」は音楽的にもメッセージ的にも従来の方法掄を打ち破るポストパンクの魁というべき一枚だ。スージー&ザ・バンシーズとストラングラーズはパンクの括りかもしれないが、上記したアルバムは完全にニューウェイヴの音になっている。

 <UKニューウェイヴ/ポストパンク>の代表格はジョイ・ディヴィジョンとキュアーであることは、同誌が併せてインタビューを掲載していることからも明らかだ。内向の極致を示したジョイ・ディヴィジョンはフロントマンのイアン・カーティスの自殺で解散する。メンバーチェンジで再出発したニュー・オーダーは、エレクトリックとシンセサイザーを導入し、ロックの可能性を一気に拡大する。

 キュアーは1980年以降、最も影響力のあるバンドで、<UKニューウェイヴ>の枠にとどまらず、ナイン・インチ・ネイルズなどUSハードコアバンドに絶大な影響を与えている。まあ、キュアーの魅力については語りつくしているから割愛するが、最高傑作は「ディスインテグレーション」(89年)だ。

 UKに限定して記したが、アメリカにもポストパンクバンドは幾つも存在する。代表格はロック史上最も革新的なバンドといっていいトーキング・ヘッズで、11年で制作した8枚のアルバムはすべて愛聴盤だ。「マーマー」(83年)でデビューしたREM、そしてグランジへの道を開いたソニック・ユースは最も好きなバンドの一つだ。最高傑作は「デイドリーム・ネイション」(88年)だ。

 ロックは俺に何を与えてくれたのか。65歳の俺とどう繋がっているのだろう。それは救いであり、癒やしだった。あのバンドが新作を出すまで生きていよう……、そんな風に考えたこともある。ロックは俺を大人にせず、〝10代の荒野〟に閉じ込められたままだ。俺を一言でいえば、ガキ老人といったところか。

 最後に、枠順が確定した宝塚記念の予想を。エフフォーリア、オーソリティ、タイトルホルダー、ディープボンドの4強が上位を占めるだろう。だが、少額投資で中穴を狙う年金生活馬券師は、無理を承知で⑪パンサラッサを軸に据え、単勝と馬連を買うことにする。逃げてくれたらそれでいい。
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