世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

飯蛸(イイダコ)

2020年03月22日 07時19分17秒 | Weblog



飯蛸(イイダコ)



【語源】
正徳2年に作られた「和漢三才図会」に、「味は蒸飯の如し、故に
飯蛸と名付く」とあります。
早春のイイダコは、胴に飯粒に似た卵がびっしりと入る事から、
この名が付いたと思われます。
地方によっては「一口蛸・子持蛸・石蛸」と呼ぶようです。


    イイダコの酢味噌和え



「蛸」と書く様になったのは平安時代で、は本来はクモを意味してい
たとの事。
「タコ」の語源は諸説あり、手のあるナマコの意味で「手海鼠(てま
なこ)」が変化したとか、また、手が多いという意味の「手許多
(てこら)」であるとか、股が多い「多股(たこ)」からきている
などの説があります。




【旬】
魚で卵を持ったものは「子持ち」と呼びますが、イイダコの場合は
「いい持ち」と呼びます。

イイダコは十数センチの前後の小型のタコです。
川柳に「飯蛸は 丸かぶりして 味が出る」とある様に、丸のまま食べ
るのが美味しいです。
頭の付け根に、包丁で切れ目を入れ、内臓と墨袋を取り出し、丸まま
調理します。

秋から食べごろになりますが、卵巣が発達し、頭(胴体)に、はち切れ
んばかりに卵が熟してくる初春が旬といえます。


【うんちく】
北海道以南の各地沿岸から、朝鮮半島西岸・東シナ海に分布する。
日本沿岸では瀬戸内海や東京湾に多い。水深10m前後の砂泥底に
生息する。

春先に産まれたイイダコはしばらく浮遊生活を送った後、水深が
5~10mぐらいの浅い泥砂の海底に居つき、夜間行動してアサリ・
バカガイなどの二枚貝を好んで食べます。寿命は約1年。

イイダコは白くてつるんとしたものが大好きなようで、それが目の前
にあると、思わず抱きつきたくなるようです~。
イイダコ釣りには、ラッキョウや豚肉の脂身、白い陶器などが使われ
るとか・・・・!お茶目な一面を持っています。




【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。
主な産地は、明治8年刊行の『日本地誌略物産弁』に「イイダコの
特産地として兵庫県の高砂市及び明石の二見町」と紹介されています。

マグロ君の生まれ故郷ですね~!

また、最近では岡山県でも、イイダコ漁が盛んです。

東京湾でも行われているようですが、関東で飯(卵)が入ったイイ
ダコを魚売場で見つけるのは至難の業です。


【産地ならではの漁師料理】
なんと言っても甘辛煮でしょう。

内臓と墨袋を取り除き、軽く塩もみし、ぬめりを取ります。
より柔らかく仕上げたい場合は、塩もみせず、ぬるま湯で丁寧に
ぬめりを取ると良いでしょう。

まず、軽く茹でてから醤油、砂糖、水の煮汁で甘辛く煮ていきます。
これが最高!ご飯もお酒もすすみます。
特に飯(卵)の食感がたまりません。

後は、ボイルしての酢味噌和え。天ぷらなんかも美味しいですよ~!


【栄養と効果・健康】
低カロリー、高たんぱく、ミネラル・ビタミンもバランスよく含んだ
食材です
特に、ビタミンB2が豊富で体内での解毒作用を促進してくれます。

タウリンも豊富で血中のコレステロールを下げる効果があり、肝臓
や心臓の働きを助け、糖尿病や胆石を予防する効果もあります。











        筍と飯蛸の旨煮






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