海鞘(ホヤ)マボヤ・アカホヤ
【語源】
ホヤの古名は宿り木を意味します。「ほよ」
海の岩に密着する様子が他の木の宿る木の根に似ているからと
言われています。
また、ホヤの形がランプの「火屋(ほや)」に似ているから・・・と
言う説もあります。
現在、漢字で書くと「海鞘」ですが、昔は「老海鼠、保夜、石勃卒」
などと記していました。文献に残されているのは平安初期の延喜式が
最古。かなり昔から食べられていたんですね~
見た目から、「海のパイナップル」などとも呼ばれています。
アカホヤ
【旬】
ホヤは食用としては2種類あります。「マホヤ」と「アカホヤ」。
多く流通しているのは、「マホヤ」の方です。
マホヤは三陸産の養殖中心ですが、アカホヤは、北海道産の天然物
です。
アカホヤは漁獲量も少なく貴重品。北海道内で、ほぼ消費されているよう
です。
味は好みになりますが、アカホヤの方が癖が少なく、食べやすい。
マグロ君はアカホヤの方が好きです~
マボヤ
市場に流通してるホヤは宮城や岩手で養殖されたものが多いです。
ホヤの養殖は6月から・・・牡蠣の殻にホヤの種を付着させ、いかだ
から水深40メートルにぶら下げます。
そして・・・4年後、4~8月にかけて収穫します。
ホヤの旬は、文句なく夏です。
マボヤの酢の物
【うんちく】
ホヤの姿を初めて見た人は到底、動物だとは思わないでしょう。
根っこが生えていますし、目も口もなく、動かずへばりついて
いるので・・・!しかし~生まれたての頃は・・泳ぎ回るんですよ。
マボヤの生殖腺は中央に卵巣があり、その周縁に精巣があります。
つまり雌雄同体なのです。
11月から3月の産卵期には出水孔から精子と卵子を何度も噴出し、
体外受精を行います。受精卵は2日後にふ化します。
ふ化したホヤはオアタマジャクシのように泳ぎ回るのです。
一生の内で、このように動ける期間はわずか半日から3日間。
終生の住みかを見つけると、頭部にある突起で岩などに固着し、
定住生活にはいるんですよ~。
マボヤ
【ブランド・産地】
ブランド化は残念ながらされてないようです。
マホヤの主な産地は宮城県、次いで岩手県、青森県と続き、この3県
で全流通の95%以上を占めます。
特に、宮城県は養殖が盛んで、宮城一県で75%のシェアを持ってい
ます。
アカホヤは北海道~流通的には北海道内で地場消費されているに
すぎませんが、味は格別。癖も少なく、「ホヤが苦手」と言う方でも
このアカホヤは食べれるかも・・・。
アカホヤの刺身
【産地ならではの漁師料理】
三陸地方では昔から「ホヤはキュウリと食え」とか「藤の花が咲く頃
が旬」と言われています。
産卵後、体力が回復して最も太る時期が6~7月。
藤の花が咲き、キュウリの美味い夏。
この事からも夏が旬と言えます。
アカホヤの塩辛
マホヤの塩辛
食べ方は、酢の物、塩辛、天ぷら、刺身など。
漁師さんの食べ方はこれに従い・・キュウリの薄切りと酢の物に
します。隠し味にホヤの殻の中に含まれる汁を少量、酢に加えるの
だとか。「こうするとホヤ独特の香りを更に楽しめるのじゃ」・・と
ホヤは臭いと言う方がいらっしゃいますが、鮮度の良い物は臭みは
まったくありませんよ~
焼アカホヤ
【栄養と効果・健康】
夏のホヤは冬に比べてグリコーゲンの含有量が8倍になり、甘味と
旨味の増す旬となります。
冬のカキは「海のミルク」と呼ばれるほど栄養価が高い事で知られて
いますが、夏のホヤも決して引けを取りません。
ホヤは様々な病気の原因となる活性酸素の生成を防ぐ最強のミネラル
「セレン・セレニウム」を含む数少ない食品の一つです。
セレン・セレニウムの抗酸化作用はビタミンEの約500倍と言われ
ており、ガン予防、心筋梗塞や脳卒中の予防、血行障害や更年期障害
の改善などの効果が期待できます。
他にもタウリンや鉄分などの有用成分を豊富に含むスーパー食材なの
です~。
アカホヤ
アカホヤの刺身
マホヤの刺身
アカホヤの塩辛ルイベ風
コノワタとホヤの和えもの
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