つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

歌集 「着地点」

2011-08-17 | 短歌
 友人のご主人、後藤進氏が、歌集「着地点」を出版されました。彼女とは大学時代サークルで一緒でしたが、その後45年間会うことはなかったのです。ところがひょんなことから歌集の話を知り、お互いに交換をすることにしました。
 何気なくmixiを始め、学校名を登録。しばらくしたら同じ大学の同学年の人からコメントがあり、交換を続けているうちに、共通の知人がある事が分かりました。それが歌集の著者の奥さん。砂子屋書房。174ページ。

 どの結社にも入らず、ご自分だけで作歌され、各方面に投稿し、活躍されています。まえがきを見ると、飛騨に住まわれていたお母上様も歌人で、昭和50年ころからアララギに投稿されていたらしく、これもまた奇遇です。私もその頃からアララギに出していたのです。兵庫県にいたのですが・・・アララギは、その後分裂したので、高嶺に籍をおいています。
 どの作品も素晴らしいですが、中でも好きな歌を挙げて見ます。

揚げひばり光を浴びてまばゆけれ着地点なき父の病状

大きなる花束貰ひ帰り来ぬ重荷を下ろす場所捜しつつ

緩急のショパンは梅雨の部屋に満つ深く沈むを書きて残さむ

厳冬に妻掻き混ぜる蕪漬け氷しやりしやり紅増しゆきぬ


 お母上様の作品も一首挙げたいです。谷汲山華厳寺に行くと、私も鬱蒼とした樹木の下に立つこの歌碑の前に立ちます。

谷汲の茂吉の歌碑を思い出づ香に立つ梅を庭に干しつつ       後藤久枝さん

コメント (4)
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