あの、ぎらぎらと眩しかった川面の反射は、朝夕の涼しさに合わせるかのようにやわらかな輝きに変わった。留めた川舟に釣り人が見える。この時期だと落ちアユを狙っているのか。しばらく見ていた。アユがいないのか、いても釣り糸を避けているのか、釣り上げたときの大きな動きは見られなかった。
落ちアユ釣りのブログも多い。それには友釣りとある。方法は「オトリのアユを付けた仕掛けを投入し、狙うポイントまで泳がせます。アユが縄張りを守る習性を使い、オトリのアユに体当たりしてくるアユをイカリ針に掛けて釣りあげる」とある。子どもころから聞いていた方法が今も続いている。どの方も釣果が思わしくない、と綴っている。水量は少ない。
市内の北部に宇佐川という錦川の支流がある。ここで獲れた「宇佐川のアユ」が「全国清流めぐり利き鮎会」で、全国50河川の中から最終選考で2度目のグランプリに輝いたという。審査は焼き姿、香り、わたなど5項目をチェックされる。参加したのは宇佐川で育ったアユ20数センチの40匹。さて、日本一のアユはどんな味がするのか知りたい。
宇佐川には清流に住むオオサンショウウオもいる。清流・錦川とひと言で呼ぶが、流域皆さんの日ごろの気遣いが日本一のアユやオオサンショウウオに繋がっているのだろう。こうした恩恵を受ける下流地域の一人として感謝しなければと思う。