日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

閉 所

2009年10月02日 | 回想
               

会社の近場で家族や職場の仲間と「ゆっくり出来る施設」として保養所が瀬戸内海の島に完成した。夏は海水浴、秋はミカン狩り、冬は忘年会そして春は桜と年間を通していろいろな形ちで訪れる人を迎えてくれた。社内研修の合宿でも使った。

完成した頃はフェリーで渡った。そのご有料橋が完成したがその通行料金の高さに愚痴を言いながらも訪れた。それほど魅力があった。周辺が自治体によって整備されホテルも営業を始めるなど、リゾート地へと変化した。

そんな保養所が閉鎖されることになりその閉所式が工場幹部出席のもと行なわれた。運営に関与したOBのひとりととして案内をいただき出席した。定年後も1年に数回は仲間と遊んだ施設だが、改めて内部を見て回るといろいろ思い出す。

式には開所以来の従業員の方々も出席された。ここに至った説明を聞き時代の趨勢と分かりつつも寂しさを隠せない様子だった。夏の水不足、台風の猛威に立ち向かったこと、新鮮な野菜を食べてもらおうと自主的にはじめた畑作業など思い出ではつきず、全員お泊りをされた。

歴代の管理人は島の皆さんと退職後も親交があり、地域に深く根ざした施設だったが、39年の歴史をおろすことになった。近くにあった他社の保養施設は早くに撤退した。そのあとの荒地を見るにつけ、思い出の保養所もやがてそうなるのか、寂しい気持ちを飲み込み、一礼して車のドアを閉めた。

(写真:少し潤んでいるかのような露に濡れた庭と保養施設)
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
惜しい (ロードスター)
2009-10-02 21:37:57
こんなご時世になったのですね。書いてある通り、フェリーで行ったころのことを思い出しています。閉館した後はどうなるのでしょうか。建物としてはつぶすにはもったいない気がします。
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またひとつ……。 (yattaro-)
2009-10-02 23:05:26
時代の流れとはいえまた一つ従業員への福利厚生施設が幕を閉じるのですね。
逆にこんな殺伐とした時代だからこそ、従業員サービスが活発になるべきときのような気がしますが…。
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ロードスターさん (tatu_no_ko)
2009-10-03 19:58:36
閉館となるともったいない気がします。爾後の詳細は検討中との話でした。
つぶすのはもったいない、には同感です。
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yattaro-さん (tatu_no_ko)
2009-10-03 20:03:07
現実と理想の差を改めて認識する会食でした。それでも元従業員の方から感謝の言葉が聞かれホットしたとところもありました。
スッテップのない終わりは寂しいものです。
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