日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

氷の思い出

2024年07月10日 | 回想

 暑い季節になると冷たい物の購入が増える。スーパーには商品を家まで持ち帰りのための氷が準備されている。その氷ボックスに掲示が出ている。内容は「お買い上げいただいた商品に見合った量の氷をお持ち帰りください」。その昔は見かけなかったように記憶する。レジャーという言葉が一般的になったころから様子が変わってきたように感じる。

 購入商品の持ち帰りとは思えない氷の盗り方を時々見かける。最も驚いたのはレジャー着姿の男性がクーラーボックスに氷を入れている。順番待ちで眺めていると、罰悪そうにクーラー半分ほどで立ち去った。よくない事とは分かってやっているとしか思えない。スーパーの店員から注意されるのも見たことがる。

 私の高校時代、当時もっとも高額なアルバイトの日給は350円だった。仕事は暑い夏休み、1貫目の大きさの氷の塊を自転車に積んで配達する。当時は今のような冷蔵庫ではなく、厚目の木の板で作った箱に銅板を張ったもので、箱の最上段に氷を置いて箱の内側を冷やしていた。今は想像すらしにくいだろうが、氷は昔から夏の生活に欠かせない貴重品だった。

 そんな氷の塊を買いに行ったことがある。父の葬儀の日は残暑の厳しい日だった。家庭葬の時代、お世話いただいた近所の人に飲んでもらおうと風呂に水を張り、氷の塊を2個入れてビールやサイダー、ジュースなどを冷やした。葬儀の手伝いを仕切られた人が「ええ考えじゃった」とひと言発し、グラスに注いだビールを一気に飲まれる喉の動きは今も目に焼き付いている。
 
 (今日の575) 氷塊に頼りしころの懐かしく
コメント (2)
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