日々のことを徒然に

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鯖とクジラ

2018年12月28日 | 回想

 子どもころにはリイヤカーに魚箱を積んでおばさんが行商に回っていた。売れた魚は魚箱の上で処理していた。現代のスーパーでも頼むと注文通り処理してくれるから、この部分については変わっていない。我が家の注文はたいてい青魚で、鯖か鰯か鯵、タコかイカくらいだった。母が留守の時は言われたものを処理してもらっていた。

 鯛やカレーなどは記憶にないが、新聞に包まれた赤黒い塊がクジラ肉を知ったのは高学年になってから、最近の国際捕鯨委員会(IWC)脱退のニュースを聞きながら思い出した。学校給食が給食らしくなったのは高学年になってから。給食は大家族の我が家では作れない献立が多く、そんな中でもクジラ肉の日は楽しみだった。

 鯖は骨が除きやすく、身もしっかりしていて贅沢な一品だった様に思う。今でも鯖は好きだ。青臭いからと嫌われる魚のひとつと聞いていたが、このところ鯖ブームという。そんな中、鯖缶の人気急騰で店頭の鯖が品薄という現象が起きている。鯖缶が美容と健康にいいという女性の需要増がブームを呼んでいる。鯖は貧乏人の食べる魚と行商のおばさんは話していたが、庶民の食卓を潤わせたいい魚ということになる。

 クジラ肉は何年いや何十年も食べていない。IWC脱退で商業捕鯨が開始されクジラ肉がどのように市場へ出回るのだろう。30年もの間調査捕鯨のクジラ肉で賄ってきた台所、どう変わるのだろう。日本の貴重な蛋白源としての歴史をどう復活するのだろうか。若い人らにどの程度指示が得られるのだろう。IWC脱退に伴い「関係国への裏切り。味方の国に丁寧に説明していく」という外務省の重い口調、鯨はどう思うだろうか。
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