日々のことを徒然に

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失敗学2 怠るな

2011年07月08日 | 生活・ニュース
           

講演再録を読み始めてすぐ現役時代へ逆戻りした。建設から30年近く稼働していたあるプラントの休止が決まっていた。休止の理由について社内教育で工場長はこう説明した。

これまで安全安定運転に勤めてくれたプラント運転関係者の皆さんに休止することを、申し訳ないと誤らなければならない。休止の理由は「プラントの成就期に次へのスッテプに向けた検討を怠ったから迷惑をかけることになった。成就期の次の衰退期への対応が遅れた。経営の責任だ」

需要減や装置の老朽化などを休止の理由にすれば誰もが納得する。いつかは他社で競争品が生まれたりプラントは老朽化していく。それへの対応は常々するべきで、そこを怠っていた、という非常に分かりやすい説明だった。畑村教授は成就期の終わりは初めから30年位といわれる。

工場長は説明にあたり、横軸に時間(年)、縦軸に生産量をとり、時間の経過とともに生産量の増加を示した。30年目のころからその線が下降を始める。頂上にいたる前が成就期、下降線の側に衰退期と記入した。

一見すると安定して製品が生産でき、トラブルが起きなければ全てが上手くいっているように思える。そこに気付くには積み重ねた経験がいるのだろう。独占的な製品を生産しているとなおのこと疎くなっているだろう。

読み始めて、いきなり経験した事例と同じ説明に出会った。さらに読んでみようという気にさせた。

(写真:餌という目的を持って見逃さなように見つめるアオサギ)
コメント
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