市のある施設で会合の始まる前「変わったツバメの巣がある。何というツバメか分からない」と教えられた。もの好きも手伝って教えられた3階のベランダへ出た。
酒徳利の底の部分を切り落とし、それを半分にしたような巣が、コンクリートの天井と壁に上手く作られている。ツバメの巣に似ているが、よく見かける椀を半分にした形で子ツバメの姿が見えるそれとは違う。初めて見る形。
巣を見ていると餌をくわえたツバメが旋回を始めた。巣の下に私がいるので警戒しているようだ。数メートル離れると、徳利の口から頭を入れた。数える間もなく飛び立っていく。中には子ツバメがいると分かった。またすぐに餌を運んできた。
何というツバメ。巣の形からその種類を探した。コシアカツバメ(腰赤燕)と分かった。
夏季にヨーロッパ南部、中央アジア、ウスリーなどで繁殖し、冬季になると東南アジアやインド、中国南部へ南下し越冬する。日本では夏季に繁殖のため九州以北(主に本州中部以西)に飛来する夏鳥とある。日本国内の繁殖地は北へ拡大傾向り、四国や九州で越冬する個体もいる、とある。
図や写真で見ると燕尾羽が非常に長い。よく見かけるツバメは腹が真っ白だが何か縞があるように見える。名前の由来は、上面は光沢がある黒い羽毛で被われているが、腰は赤褐色やオレンジ色なとこからきているそうだ。
何度となく餌を運ぶツバメ、子ツバメのためとはいいながらこの暑さをものともしていない姿に感心する。
写真:徳利の口から餌を与えている親ツバメ)