この夏も熱中症の報道が途切れない。節電とも相まってその発生が早くから心配されていた。6月下旬ころからの最高気温はそれまでの記録を更新していた。気象庁発表の観測する気温は一定条件下でのそれであり、実際はそれより数度は高いというから、体感気温は体温を越えている。
屋外はどこにいても暑さを避けれないが、公園などの大きな木の下では涼を感じる。そこで、向こうの日ざしを眩しく感じながらも、少し風が吹いてくれて天然クーラーの贅沢を味わう。
眺望や休憩などのために公園に設けられた簡素な建物の東屋、目の前のそれは、日の中にあり、ときおり風が通り抜けているだけで、人影は見えない。そう、こちらの木陰の方が凌ぎやすいから。セミの鳴き声は日ざしに比例してふりそそぐ。
いっときの涼を得て再び歩く。木陰を縫うように進むが途中までのこと。ソフトクリーム屋前の行列が長い。並んで待つのはその後の冷たさと味を楽しむためだろう。軒下の陰にそって行儀よく並んでいる。
(写真:人影の見えない夏日の公園)