みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

誰のことばに

2021年04月14日 | テサロニケ第二

テサロニケ人への手紙第二 2章

 2章を読むと、この時テサロニケの信徒たちが揺さぶられていたことが分かります。テーマは「主の日」について。主の日が来る、つまりキリストが再びこの世界に来ることについては、キリストご自身も神の使いもすでに明らかにしたことです。

 けれども、その日がいつ来るのかについて具体的な言及はありません。そうなると、「主の日」が訪れることについていろいろな思いが出てきます。もうすぐ来るという人もいましたし、まだ先のことだと言う人もいました。

 テサロニケの信徒たちは、主の日に対する大きな期待のゆえに、間違ったことを語る人々のことばに惑わされていました。

 ここから思うのは、ことばを信じるあるいは疑うということです。ことばには人を動かす力があります。身近な例ですと、電車で次の停車駅の案内があれば、乗っている人はそのことばに信頼して疑うことはありません。でも、その案内が間違っていたら…と考えたらゾッとします。

 人は誰かのことば、あるいは自分自身で紡ぎ出したことばによって、良くも悪くも動くのです。厄介なのは、私たちを悪の世界に引きずり込む力を持つことばこそ巧みだということです。

 誰のことばを信じるのかについて、クリスチャンは明確な答えを持っています。キリストの教えに…です。しかし注意すべきは、キリストの名を用いて偽りを語る存在です。最も信頼するのは誰のことばなのでしょうか。


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