周防教会・牧会ジャーナル

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8月13—19日

2023年08月20日 | 日記・エッセイ・コラム

天国に入るためにチケットが必要だとしたら、きっと彼女はそのチケットを持っていない。理由は簡単。持っていない誰かに自分のをあげてしまうから。角田啓子っていう女性はそんな人やった。また会おうぜ!啓ちゃん。

 

8/13(日) 16時頃、今日から名古屋に里帰りするという角田一家がうちに立ち寄られた。体がキツいだろうに、啓ちゃんがわざわざ車から降りてきて、礼拝堂で帆波の子を抱いてくれた。その日がこんなにも近づいているなんてその時は誰一人思わなかった。ペルセウス座流星群の夜。一つだけ流れる星を見た。

 

14(月) 義息子の進次郎(くどいようだが本名は康之)を連れて、焼き鳥「つね」に行く。ここへ最後に来たのはコロナ前のこと。ちなみにコロナ休業の時は交付金で逆に儲かったとか。吹けば飛ぶよな焼き鳥屋ゆえ、どうせ客はおるまいと思っていたのに意に反して今夜はほぼ満席。飲食業は味よりも人柄やねえ。

 

15(火) 台風7号が近畿方面を通過。5年前に関西を襲った台風21号の記憶が頭をよぎる。あの台風では吹けば飛ぶよな僕の実家も瓦や雨どいなどに被害を受けたからや。母親に電話をしたら「何ともない」という返事。安心はしたが先日送ったジグソーパズルが難しすぎる!という苦情をたっぷり聞かされた。

 

16(水) 昇平から啓ちゃんの容体が急変したので山口に帰るという連絡が入ったのは昨日のこと。台風余波で関西の大渋滞に巻き込まれて病院に到着したのは夕方。啓ちゃんは「かき氷が食べたい」と告げて病室に入ったという。それはできない旨を伝えたら口が「ばか」と動いたそうな。まことに彼女らしい。

 

17(木) 早朝、角ちゃんから電話「啓子が逝きました」と。混乱したまま柳井教会へ。起きない眠りについた啓ちゃんに僕の末娘が化粧をほどこしてあげると、その顔はますます本当にただ眠っているとしか思えなくなった。人のことしか考えずに生きた彼女の姿は百万人の牧師の説教なんかよりもずっと尊い。

 

18(金) 昨日の夕方、明石から遊びに来たベムベラ夫妻には啓ちゃんの訃報を伝えずにいた。「教えてくれていたら喪服を持ってきた」と戸惑うベムは黄色いTシャツと短パン姿。でも彼女の遺言は「みんな自分の好きな明るい普段着で来て」。それを知って喪服なんかで来たら化けて出てやるよな、啓ちゃん。

 

19(土) 牧師がこんなことを言っていいのかどうか分からんが、普通の牧師ではないと自覚しているから言う。二年前僕が生死の境をさ迷った時、お花畑を見た。心から救われた気分になった。啓ちゃん、だから君はきっとそこで待っている響平と17年ぶりに出会うはずや。二十歳になっているから驚くなよ!


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