教会二階のベランダから見下ろした光景。今年もすっかりイチョウが色づいて大量の葉っぱを落とし始めた。毎日掃除をしても数週間かかる。下に停めている車をうっかり出そうものなら、町中に葉っぱをまき散らしてしまうのでバツが悪い。いつやったか一晩でほぼ全部の葉が落ちたことがあった。理由は不明のままやが、たぶんトトロの仕業に違いない。
11/19(日) 東京から来た客が山賊を所望された。地元の人間は間違っても日曜の山賊には足を踏み入れない。なぜなら尋常な混雑ではないからや。だが社会館の連中に「山賊王」とまで呼ばれている僕の意地が闘争心を煽る。家族総出で山賊退治に攻め込んだ。駐車場と席さえ確保すりゃ勝利は目前。おかげで客人に喜んでもらった。ざっとこんなもんよ。
20(月) やっぱりね。昨夜の飲み会で、また宿の人に怒られたらしい。先月末には津和野の宿でも怒られたばかりや。36年牧師をしていると「この連中はたぶん夜中まで大騒ぎして怒られるやろなあ」という勘が働くゆえ、僕は夜の飲み会に出ても早々に退席するか、最初から出ないで難を逃れている。ただ仲間を見棄てたような気分が残る。ま、見棄てたんやが。
21(火) 春からたった半年で年少の子が僕の話しに反応してくれるようになった。人語を解するようになったわけか。目覚ましい成長やな。ところでその反応というのは「もっと面白い話しをしろよ」という類のもの。それって4年半も経っているのにぜんぜん成長していない僕に対する抗議か?こっちはまるで、高座に上がって熱演するのに全くウケない落語家の気分。
22(水) 夜遅く孫の希与を連れてスーパーへ。やばい!レジの横にあるキャラクターグッズに希与の目が止まった。でも買わんよ。レジのおばちゃんたちが注目する。買うわけない。視線が突き刺さる。絶対に買わんぞ。希与が品物を手に取って僕を見る。しつこいぞ!おばちゃんらの無言の圧力。負けるか!三歳児とおばちゃんの視線に屈した敗北感を背に帰宅。
23(木) 教会のトイレにデロンギヒーターを置く季節がやってきた。去年はあまりの暖かさにトイレで30分も寝てしまったが、この優しく包み込むような暖かさはたまらない。いっそここに布団を敷いて寝たらさぞかしええ気持ちやろなあ。待てよ。最近夜のトイレが近くなった僕にとって、ここで寝るというのは理にも適っているのではないか?試してみる価値はあるぞ。
24(金) 某会計の現金袋の裏に書いてある「7,000円借入」という文字を見て僕の心は折れた。しもた!ここからチョイ借りしてたんや。すっかり忘れとった。それと同時に別な某会計の現金袋の裏に書いてあった「25,000円借入」という文字が目に入り僕の心は砕け散った。有山じゅんじ&上田正樹の『俺の借金全部でなんぼや』を口ずさみながらその場で凹む。
25(土) 周陽教会にて分区信徒大会。テーマは葬儀。僕は家族に申し出ていることがある。僕の葬儀は一緒に暮らしている家族だけで行なうこと。教会員・友人・分区はもちろん、よそで暮らす家族にも火葬が終わるまで知らせないこと。死装束はステテコと腹巻。顔はバカボンのパパメイク。瞼に目を、額には「これでいいのだ」と書くこと。そして見る度に笑うこと。