周防教会・牧会ジャーナル

教会週報の裏面の記事を掲載しています。

1月24―30日

2016年01月31日 | 日記・エッセイ・コラム

真冬に載せるのもなんやが、去年の夏、吉祥寺にあるこんな店に行った。たしか『幽霊酒場』やったかな?手錠をかけられて牢屋に案内される監獄居酒屋にも行ったことがあるが、この店では棺桶に入って弔ってくれる体験ができる。僕もやりたかったが、女子大生らしき一行の葬儀が先約なのであきらめた。次の機会があったら弔ってもらいたい。

 

1/24(日) 記録的な大雪予報に反して玖珂の雪は少なかった。でも気温は-6℃まで下がり、道路は「走りごろ」に凍結したのでスタッドレスタイヤの感触を確かめるためイソイソと出かける。世界は僕だけになったのかと思うほど人っ子ひとりいない。それもそのはず。草木も眠る丑三つ時に雪道走って喜ぶ人間なんざ、そうざらにはおらんやろ。

 

25(月) 水は出るけれど温水器が凍ってしまいお湯が出ない。手が切れそうな冷たさ(水で手を切った人に僕は未だかつて会ったことはないが)。思えばまだ温水器など無かった時代、朝起きて顔を洗うのには勇気が要った。布団から出るにも勇気が要った。着替えるにも勇気が要った。昔の冬の朝は勇気無き者は起きれんかった!んなアホな。

 

26(火) 子供の頃に観た映画『野生のエルザ』はとても印象的やった。しかし今読んでいる『世界動物文学』でエルザの著者夫婦のイメージが一変。いくらハンティング全盛期とは言え、こいつらライオンも象も他の色んな野生動物までも撃ちまくっとるがな!夫婦してトンデモ人間やで!許せん奴らやが、僕もそんな時代に生きたかったかも。

 

27(水) 一体この教会には何個ほど時計があるねん。数えてみると、牧師室に4個。礼拝堂に3個。和室に2個。トイレに1個。屋外に2個。その中で正しい時刻を指しているであろう時計は牧師室の電波時計のみ。他は周防の連中みたいに好き勝手な時刻を表示しとる。今日、よりによって最も遅れた時計を見て出発し、危うく約束に遅れるとこやった。

 

28(木) 教団年鑑を調べていて気がついた。教師名簿の住所欄で四角印が付いている人は「本人の希望により不掲載」ということらしい。結構な数おるで。僕のよく知っている人までおる。なんでやろ?最初に思いつくのが「サラ金のがれ」。次に「渦巻く愛憎問題」。よもや「闇の仕事人なのか?」。単に「ほっといてくれ!」かな。僕も四角印にしよかな。

 

29(金) ついに部分入れ歯が入った。これで僕も爺の仲間入りか!でもさすがにこの歳でポリデントを買うのは恥ずかしい。店員に「父に部分入れ歯のケア用品を買ってくるよう頼まれて」と話し、より信憑性を持たせるため父に確認の電話をする(僕の親父はもう死んでるので)フリをする。でも電話のフリしている最中に着信があったらアワワワやで。

 

30(土) ん?待てよ。よく考えてみれば僕は100万円近くも得したということになる。これは莫大な臨時収入ではないか。本来ならばインプラントにした方が良いところを部分入れ歯にしたんやから、空前の節約を果たしたというわけや。ただ、ここでひとつだけ疑問が残る。どこを探しても、その「浮いた100万円」ちゅうのが見当たらんのやけど・・・。


1月17―23日

2016年01月24日 | 日記・エッセイ・コラム

広島の高層ホテル。矢沢永吉がデビューする前に「いつかは俺も」と憧れたのが東京の京王プラザ。そんな京王プラザに、まだ童顔が残っていて、当時は美少年やった保男と二人で泊まったことがある。フロントのスタッフが怪しげな目で僕を見ていた。しかしそれは、保男に持たせたコンビニ袋に入っている弁当のせいやったかもしれん。

 

1/17(日) 山口東分区交換講壇日。僕の担当は周陽教会。長年同じ分区に居るのでここに来るのは4度目。初めてこの教会を担当した日のことを今でもはっきりと覚えている。説教原稿を忘れてしまい頭ん中が真っ白になったからや。あれから30年。今は原稿すら無い。これを成長と呼びたいとこやが、手抜きと言われても弁明ができん。

 

18(月) 寒波襲来の報を知り、あわててスタッドレスタイヤに交換した。でも年に2~3度の雪しか降らぬ玖珂町でのスタッドレスは不用。いざ積雪があったところでどうせ国道に出れば大渋滞に巻き込まれるのが落ちやからな。外に出ない方が賢い。では何故冬タイヤか。それはスキー場に行かなければならない火急の用が起きた時のためです。

 

19(火) 天使ガブリエルが訪ねて来たかのように、礼拝堂が眩しいほどに明るく輝いている。礼拝堂だけではない。和室も、便所も、牧師室も全て眩しい。それもそのはず。今日、全ての蛍光灯をLEDに交換しました。これで聖書や讃美歌の文字もクッキリと読めますよ。だから便所でこぼした聖水も、ちゃんとていねいに拭き取っておいてくださいね。

 

20(水) ついに部分入れ歯を試すことになる。ドクターが「オエッとなりませんか?」と尋ね終わる前に実際「オエッ」となった。ドクターは「村田さんのことだからどうせ外してしまうんでしょうね」と疑い深い目で僕を見つめる。歯医者に行く度に僕は改造人間になっていくである。ところで、こういうのは「アンチエイジング」とは呼ばんのかな?

 

21(木) 西日本は明日から記録的な大雪になるかもしれないという予報を聞き、心の中には不安と期待が交互に渦巻いている(もちろん期待の方が大きい)。スリルなら味わいたいという思いが潜む。それは熊に咬まれたいという思いに近い。正常性バイアス(危機で自分は助かるという意識)と、希少性の法則に適った分かり易い性格やと思う。

 

22(金) 帆波がスマホを線路に落として壊したという。電車から降りる時にオッサンがぶつかってきたらしい。「降りる前に乗ってきたオッサンが悪い」と主張する帆波。それは確かにマナー違反やな。そんな帆波にせがまれて携帯ショップへ。あ!その姉ちゃんはあかん!よりによって僕の苦手な店員に声をかけよった。やっぱし・・・お前が悪い。

 

23(土) ある牧師から電話「大雪なら無理せず休んでください」と信徒に伝えたとのこと。ええ心がけや。悪天候や災害時は休むべきや。高校時代インフルで「後一人休めば学級閉鎖」と聞き、校門で待って、登校して来たクラスメイトを帰したことがあるが、教会も玄関に「本日休業」と書いておけばええねん。その際、横に献金箱を置くのを忘れずにね。


1月10―16日

2016年01月17日 | 日記・エッセイ・コラム

本当はもっと鮮やかなオレンジ色の落日やった。教会の玄関から撮ったが、あらためて見ると、まるで『三丁目の夕日』に出てくるような光景。僕の夢は人生の晩年(もう立派な晩年か)、玄関先に熊が出てくるような山奥の一軒家で暮らすことやが、できれば適度に襲われて、人に会うたびに「ここ噛まれましてん」と自慢する人生を送りたい。

 

1/10(日) 三週間ほど滞在した母が午後大阪に帰っていった。本当はもう少し居たかったそうやが、火曜日に友人と吉本新喜劇を観に行く約束をしているので帰るのだと言う。母の本音は「私な、吉本好きちゃうねん。でもな、仲ええ友達が誘ってくれるねんよ。会費も前払いしたしな」。義理と人情を秤に掛けりゃ義理が重たいおばはんの世界。

 

11(月) そう言えば母がこんな話をしてくれた。新春早々まさに初耳。祖父(父方)の実家は奈良の酒蔵やったそうで、芸者をしていた祖母と駆け落ちしたのだと言う。ほんまかいな!母方の実家が一時パチンコ屋をしていたことと肩を並べる大ニュースや。ニュースと言えば八十に近い叔父がバイクでパトを振り切ったとか。吉本よりおもろい家系や。

 

12(火) 歯医者の待合室での楽しみは本棚の『美味しんぼ』を読むこと。内容によっては思わず涙を誘われてしまう。まさにそんな場面を読んでいた時に名前を呼ばれ、涙目で診察室に入ったら助手さんに「痛みますか?」と聞かれて慌てた。そんなことよりも心配なのは、この連続コミックを読み終わる前に治療が終わったらどうすればええんや?

 

13(水) 外食に行った時、「そんな恰好で来たの!」と指摘されて気付いたが、たしかに近所の風呂屋にでも行くような出で立ちやった。ちょっと前まではコンビニに行く時にも着替えをしたが、最近は「まあええか。誰に迷惑をかける訳でなし」などと思ってしまい服装には無頓着。オヤジ道まっしぐら。それはそれで吉本みたいでおもろいけどね。

 

14(木) 牧師室での出来事。4時間ほどの間に、コップに入れてあったお茶を三回もこぼしてしまった。三度目に至っては書類を何枚もパーにしてしまう始末。しかしいつもパソコンにだけはかからぬよう注意している。その点はさすがやなと自負している。などと気を抜いた矢先、椅子にかけていた袢纏(ハンテン)の裾をストーブで燃やしてしまった。

 

15(金)『レズビアンという生き方』を完読した後、なかなか眠れなくて、続けて『世界動物文学』を読んだらこんな夢を見た。アフリカで雌ライオンをセクハラ目線で見たという疑いで裁判の被告にされてしまい、ムキになって「僕は単なる動物好きの日本人です」と弁明をしたが認められないという悪夢。幸いなことに有罪判決を受ける前に目が覚めた。

 

16(土) 広島で開かれている『魔女の秘密展』を観に行く。説明文を丁寧に読んでいくと、当時の神学者や聖職者と呼ばれる人間が深く関係していたことを改めて知る。今でも「現代の魔女狩り」という表現を耳にするが、形を変えて恐ろしい現実は(教団という聖域でも)繰り返されている。魔女狩りよりゃ破れ傘刀舟悪人狩りの方がええ。いつも一言多いねん。


1月3―9日

2016年01月10日 | 日記・エッセイ・コラム

今年のお節料理。9月に予約した激安重箱はあまり美味くなかった。右手前は僕が料理した有頭エビの芝煮。何年か前に板前の走野に「出汁、薄口しょうゆ、みりんを15:1:1で合わせて、スライスした生姜を加えてサッと煮る」と教えてもらった。味の調整が微妙に難しい。今年は上手くいったが、あくまで偶然。僕の持論。料理は実験科学。

 

1/3(日) 礼拝の説教中、後ろの方からヒソヒソと話す声が聞こえてきた。もちろん皆さまのご推測とご期待を裏切ることなく発信源は母です。こういうぶっ飛んだ人が実際に存在するので大阪のおばはんは「一般常識が通用しない」とか「厚かましい」とか「アニマル柄」とか「アメちゃんをバッグに常備している」というイメージが固まるのやな。

 

4(月) 車で約20分ほどでナベヅルの渡来地、八代盆地がある。今シーズンは4羽。ここ十年の渡来数はほとんど一桁台に留まっている。以前はマナヅルも混ざっていた。どうせツルなんぞには興味が無いやろなと思っていたが、案の定、そんな母が言う。「あの白い鳥も数に入れときゃええねん」。そんなことすりゃ文字通りサギになるで。

 

5(火) 最近教会に顔を出すようになった小学生の女の子らが遊びに来た。「スーパーに行くけど、お菓子買ってやるぞ!おいで」と言うと、思いもよらない返答。「名前を知らない人について行っちゃいけんのよ」。お前らまだ僕の名前を知らんかったのか?そりゃすまんのう。しかし子供にとっちゃ牧師とは言っても何の信用も無いわな。ええー!大人もか!

 

6(水) 北朝鮮の核実験で、臨時ニュースは流れるわ、号外が出るわ、上を下への大騒ぎ。マスコミも競って片棒を担ぐんやな。毎回思うがアメリカが核実験をした時もこれくらい大騒ぎしてみろや!おそらく安倍はカメラの前では「遺憾遺憾」と連呼しているが、憲法改悪を前に陰でガッツポーズでもしとるに違いない。騙されてはいけませんぜ。

 

7(木) 父親をなめるなよ。帆波が「絶対に開けるな」と書いた箱を食卓の上に置いている。これってダチョウ倶楽部の上島が熱湯風呂の側に立って「絶対に押すなよ」と期待している場面と同じや。期待通り開けてあげたら、期待通り手の込んだビックリ箱やった。ええこと教えたる。次回は何も書かず菓子箱に入れときなさい。絶対に開ける自信がある。

 

8(金) 牧師新年会に母を連れて行った。「あの奥さんインコみたいな髪の毛してたで」とか「前のおじいさん退屈そうや」とか「あっちのテーブルの人な、アホほどビール飲んではったで」とか、もし周囲に聞えたらヒヤッとしそうな発言を連発する。ここは牧師ワールド。見るもの全てが珍しいらしい。でもな、皆もおかんのことを珍しがっとったで。

 

9(土) 昨夜、寝小便の話題で盛り上がった後の今朝見た夢の話で恐縮ですが、便所の戸を開けたら便器を分解修理していた福ちゃんが「あ、ごめんなさい」と言いながら譲ってくれた。彼がこんなに熱心に修理してくれているんやから、まさか夢なんかではあるまいと用を足そうとしたが怪しい。何度も迷った末に目が覚めた。危なあ。ギリやったで。


12月27日―1月2日

2016年01月03日 | 日記・エッセイ・コラム

新年明けましておめでとうございます。

新年早々にお見せするような代物でもないのですが、僕の寝床の枕元に引いている延長コードです。よくあるものだし、わざわざ写メで紹介するものでもありません。しかし去年一年間で少なくとも十回以上、携帯電話と間違って手にしてしまったので、今回その功績を称えて載せました。寝起きの僕は騙されやすいので朝早よから電話してくるなよな。

 

12/27(日) 庄原の国営備北丘陵公園のイルミネーションが有名らしいので観に行く。チケットを買う時、母のシニア割り引きを申請したら、係り員から「生まれた年をお願いします」と尋ねられた。僕が言う前に「昭和10年11月27日生まれ!」と大声で叫ぶ母。ボケてはおらんが黙っていたら住所や氏名,電話番号まで言わんばかりの勢いが恐い。

 

28(月) 旬と二人、下松の映画館で『スターウォーズ』を観た。上映中、ひとつだけ心配ごとがある。画面では目まぐるしい戦闘シーンが繰り広げられていたが、旬よ、僕がそのシーンにも負けないくらい真剣な戦いをしていたのに気がついたか?予告編と本編で上映時間は約2時間半。苦しい戦いになるのは分かっていた。最近小便が近くて困っとる。

 

29(火) あれは日曜日の夜のことやった。真っ暗な部屋でかがんだ時、テレビの角っこに左目をぶつけてしまった。目から火が出るなどと言うが、ほんまやなあ。コンタクトレンズまでぶっ飛んでしまった。痛くて動けんかった間に考えたのは「ボクサーがダウンした時って・・・こんな感じなんやろか」と言うこと。たっぷり600カウントほどは倒れていた。

 

30(水) ボクシングで思い出したんやが。先日歯医者でマウスピースを渡された。まだ治療の途中なので今入れている歯が壊れたりすると実にマズイことになるらしい。すなわちテンプルやボディーはええけど、フックやストレート、特にアッパー攻撃には要注意ちゅうことやな。もしもまたテレビと対戦することがあったら気をつけることにしよう。

 

31(木) 子供らは笑ったらケツパンされる年末特番を観たがっているが、僕はボクシングが観たい。多数決じゃ負けていたが、今年は格闘技好きの母がいるおかげでチャンネル権が奪えた。まだ家にテレビが無かった子供の頃、隣家でボクシングを見せてもらった僕は座布団に小便して帰ったとか。記憶には無いがよほど興奮したんやろな。

 

1(金) 大晦日の深夜、僕は礼拝堂の掃除をしていた。東京DLかUSJあたりで若者に混ざって「3、2、1、ワ~イ!」なんてカウントダウンしながら新年を迎えたいところやが、年越しの除夜の鐘を聞きながらそんな煩悩を振り払う。掃除で年越しなんて、こんな謙虚な牧師さんを持つ周防教会の皆さんは、また幸せな一年を迎えることでしょう。

 

2(土) 神学生時代に年末年始を東京で過ごすことがあった。ガソリンスタンドのバイトに夢中で食料補給をしておくのを忘れていた。今から35年前は、町中の商店も三ケ日はお休み。むろんコンビニなどは無い。誰もいない寮に一人。校内の畑を掘り返し小さなジャガイモを食って過ごした。今から思うと、あの時の僕とイノシシと、どこが違うんやろ?