周防教会・牧会ジャーナル

教会週報の裏面の記事を掲載しています。

8月20—26日

2023年08月27日 | 日記・エッセイ・コラム

啓ちゃんとのお別れ会の前の夜、音楽が大好きだった彼女のために盛大に前夜式が行われた。それはまるで歌舞音曲の発表会さながらだった。「暗いのは嫌。派手にして」と言い残していた言葉を家族たちは叶えてあげていた。みんなに悲しみを残して去ることが一番辛かったに違いない。(エイサーを踊る僕の次男夫婦)

 

8/20(日) 炎天下での告別式は幼稚園の教室、礼拝堂、園庭の仮設テントまでが人で溢れた。参列者の服装もTシャツやアロハと賑やか。彼女の最期の言葉「カキ氷が食べたい」を叶えるかのように配ったカキ氷は最高のおもてなし。それで悲しみが減ったわけじゃないが間違いなく笑顔は増えたよ、啓ちゃん。

 

21(月) 久しぶりの里帰りで大阪の実家に到着したのは夜明け前。ひと眠りして旧友のお見舞いへ。彼は一時期、牧師を目指していたが最後は別な道を選んだ(僕もそうすべきやったな)。帰り際、職員さんに「こいつセクハラ親父でしょ?」と尋ねたら苦笑い。「その時は遠慮なくしばいたって」と告げて帰る。

 

22(火) 夜、竹馬の友と三人で飲み会。リピート山中の歌に『父さんの宝物』という曲があって♪息子よ娘よ、人生の勲章は金でも名誉でもない、本当の友達だ♪という歌詞がある。大阪には今でもそんな友がいる。別れ際、二人に言った「今度セミ採りに行こか」。彼らとなら、今でも小学生時代に戻れる。

 

23(水) 今日が誕生日の友人を招いて夕食。高校生時代、母教会には仲間が数十人いた。あの時のメンバーは霧のように掻き消えて今では彼一人だけとなり夫婦で教会を守ってくれている。今こそ教団は「ふるさと納税」ならぬ「ふるさと献金」を導入すべきや。それができりゃあ「本当の教会」に近づけるぞ。

 

24(木) 義娘が孫二人を連れて豊中から訪ねて来てくれた。スーパーのお菓子売り場で「何でも買いなさい」と孫に言う。母親が「分かってるね?」とプレッシャーをかける。爺さんは「何でも買え」、母親は目で圧力。孫たちはどちらに従うか戸惑いながらウロウロ。この試練が君たちの夏休み最後の課題や。

 

25(金) 母から出された宿題は、網戸の張り替え,壁に額をかける,洗濯干しの補強。それらを片付け、渋滞のない夜中の10時前に家を出た。老いた母に見送られるのは毎回気が引ける。「到着は明け方やから電話せんよ」と言うと「何時でも絶対に電話しといでや」との返答。いくつになっても母親は母親。

 

26(土) 教会到着は午前3時。僕の留守中に福祉課から保護依頼があって、亀の里の客室には年配の女性が入っていた。「自由に使って下さい」と伝えていたので勝手知ったる福祉課の方がお連れしたみたい。困った時の亀の里。お役に立てて何より。難点は、役に立たんクセに文句ばかり言う困った牧師だけなのよ。


8月13—19日

2023年08月20日 | 日記・エッセイ・コラム

天国に入るためにチケットが必要だとしたら、きっと彼女はそのチケットを持っていない。理由は簡単。持っていない誰かに自分のをあげてしまうから。角田啓子っていう女性はそんな人やった。また会おうぜ!啓ちゃん。

 

8/13(日) 16時頃、今日から名古屋に里帰りするという角田一家がうちに立ち寄られた。体がキツいだろうに、啓ちゃんがわざわざ車から降りてきて、礼拝堂で帆波の子を抱いてくれた。その日がこんなにも近づいているなんてその時は誰一人思わなかった。ペルセウス座流星群の夜。一つだけ流れる星を見た。

 

14(月) 義息子の進次郎(くどいようだが本名は康之)を連れて、焼き鳥「つね」に行く。ここへ最後に来たのはコロナ前のこと。ちなみにコロナ休業の時は交付金で逆に儲かったとか。吹けば飛ぶよな焼き鳥屋ゆえ、どうせ客はおるまいと思っていたのに意に反して今夜はほぼ満席。飲食業は味よりも人柄やねえ。

 

15(火) 台風7号が近畿方面を通過。5年前に関西を襲った台風21号の記憶が頭をよぎる。あの台風では吹けば飛ぶよな僕の実家も瓦や雨どいなどに被害を受けたからや。母親に電話をしたら「何ともない」という返事。安心はしたが先日送ったジグソーパズルが難しすぎる!という苦情をたっぷり聞かされた。

 

16(水) 昇平から啓ちゃんの容体が急変したので山口に帰るという連絡が入ったのは昨日のこと。台風余波で関西の大渋滞に巻き込まれて病院に到着したのは夕方。啓ちゃんは「かき氷が食べたい」と告げて病室に入ったという。それはできない旨を伝えたら口が「ばか」と動いたそうな。まことに彼女らしい。

 

17(木) 早朝、角ちゃんから電話「啓子が逝きました」と。混乱したまま柳井教会へ。起きない眠りについた啓ちゃんに僕の末娘が化粧をほどこしてあげると、その顔はますます本当にただ眠っているとしか思えなくなった。人のことしか考えずに生きた彼女の姿は百万人の牧師の説教なんかよりもずっと尊い。

 

18(金) 昨日の夕方、明石から遊びに来たベムベラ夫妻には啓ちゃんの訃報を伝えずにいた。「教えてくれていたら喪服を持ってきた」と戸惑うベムは黄色いTシャツと短パン姿。でも彼女の遺言は「みんな自分の好きな明るい普段着で来て」。それを知って喪服なんかで来たら化けて出てやるよな、啓ちゃん。

 

19(土) 牧師がこんなことを言っていいのかどうか分からんが、普通の牧師ではないと自覚しているから言う。二年前僕が生死の境をさ迷った時、お花畑を見た。心から救われた気分になった。啓ちゃん、だから君はきっとそこで待っている響平と17年ぶりに出会うはずや。二十歳になっているから驚くなよ!


8月6—12日

2023年08月13日 | 日記・エッセイ・コラム

夜、泊まらないのをキャンプと言えるかどうかは別として、台風には勝てず日帰りでの川遊び。一日目は天気も上々やったので、もしこの日がペルセウス座流星群と重なっていたりしたら間違いなく泊まったやろな。夜は礼拝堂の中にテントを張って気分だけ味わうことにした。しかし泊まらんキャンプって・・・何て楽なんや。もしかしたらクセになるかも。

 

8/6(日) 確かに5月からコロナは5類感染症になった。濃厚接触者が特定されることも外出自粛義務もなくなった。とは言うものの、三年間振り回された亡霊は簡単に拭えない。そんな矢先での風邪引き。簡易キット検査くらいじゃ信用してもらえん。「孫たちが帰って来るから」「病院に行け」四方から圧力。

 

7(月) 診療所で検査をしてもらうことにした。仕方がないことやが、車の中で全ての検査が終了するまで1時間40分。こんな時期に風邪を引いてしまうとは。やはり先週行った強冷房回転寿司屋が一番疑わしい。結果は陰性やったが風邪の諸症状に今週一杯苦しめられることに。呪わしきはあの回転寿司屋め!

 

8(火) 台風6号が接近する中、2泊3日の教会キャンプがスタート。幸いに今日だけは晴れそうなのでいつもの河原で泳ぐ。宿泊はしないので持ち込む道具も最小限。テントを張らないとなると荷物も格段と少なくなり楽ちん。天気の心配もないし来年からは日帰りにするか。という思いが65歳の僕を誘惑する。

 

9(水) 予報通り雨は降ったが若い頃の僕ならこの程度の雨じゃ間違いなくキャンプ決行や。しかし今では老いた僕に代わり、あの頃ガキだった息子や娘、その夫らが助けてくれる。一方で妻は昔と変わらずよく働く。これこれ!あまり働くと、まるで僕がサボってるように見えるがな。事実サボってるけどね。

 

10(木) キャンプ最終日は周防大島の『なぎさ水族館』へ。国道437号線が途切れるまでひたすら走り続けると、マツコの何たらとかいうTV番組でもマニアックな場所として紹介されたミニ水族館がある。ちなみにこの国道をなお走ると一度海に入り?四国の松山港あたりで再び出現する、俗に言う海上国道。

 

11(金) キャンプ期間は昨日で終わったはずやが、礼拝堂の中にテントまで張っているし、みんな雑魚寝やし、参加者のほとんどが身内だけなので、今夜は庭でバーベキュー。どこからどこまでがキャンプなのか分からんカオス状態となっている。気が付くと今年のキャンプは知らぬ間に4泊5日になっていた。

 

12(土) 牧師室のミニベンチで寝たせいか体の節々が痛い。夢の中に4年前に亡くなられた大島教会の辻健牧師までが現れて「村田君、大丈夫かね」などと声をかけてくださった。もしかしてハチャメチャな僕を心配して、お盆を前に現れてくださったのかも知れんな。有難いこと。時々現れて諭してください。


7月30日—8月5日

2023年08月06日 | 日記・エッセイ・コラム

ツバキ油と言えば、相撲取りが頭につける鬢(ビン)付け油などに用いられるみたいやが、子供の頃、このツバキの実の中の種を削って、中身をほじくり出した後、笛にして遊んだ。上手に身を取り出すことと、空ける穴の大きさや場所で音がだいぶ違ってくる。そして僕は、授業中に笛を吹いて先生に怒られるという、ろくでもない生徒やった。

 

7/30(日) 夕方、時に会いたいと角田一家が来会。あまり体調が良くない啓ちゃんが時を抱いて「元気が出た」と言っていた。人は色んな形で見えない元気を与えたり与えられたりできる。そんな啓ちゃんは近々緩和ケアを受ける。彼女から元気をもらった人は数知れないが、たまには私たちからも貰ってほしい。

 

31(月) 蝉が賑やかな季節になった。早朝と夕方にはクマゼミ。暑い日中はアブラゼミ。日の出前と夕方にはヒグラシ。一日中、時には深夜にも鳴くのはツクツクボウシとニイニイゼミ。「岩にしみる蝉の声」はニイニイゼミらしいが未だ推測の域で、ヒグラシを推す人もいる。芭蕉も種類を特定しておかにゃ。

 

1(火) リハビリへ。今日の看護師さんは初めての担当でマニュアルを見ながらの指導。すなわち僕ら患者の方が要領を得ているということである。最前列にいる僕の耳には後ろから「あら違うね」とか「ここは10回じゃがね」とか婆ちゃんたちの声が聞こえてくる。看護師さん!僕は何も言っておりませんよ。

 

2(水) お礼は回転寿司ということで、柳井の角田兄弟にある手伝いを依頼。まずは腹ごしらえと灼熱の駐車場を横切って涼しい店内に入った。しかし席に着いたと同時に気が付く。客まで寿司ネタ扱いするのか!と思えるほど店内は冷凍庫状態やった。外は灼熱。店内は冷え冷え。あぶりサーモンを思い出した。

 

3(木) のどの痛み&連発するクシャミ。風邪の初期症状や。昨日の寿司屋が原因ならば文句の一つでも言いたいとこやが確証は無い。それはそうと迷走する台風6号。このままだとキャンプ直撃。うちのキャンプは雨が名物やが、さすがに台風ともなると油断できない。風と風邪でピンチ!シャレにもならんな。

 

4(金) 教育委員会にテント借入の手続きをしに行く。担当者が替わったみたいで最初は要領を得なかったが昨年までの書類を見て気づかれた模様。どうやら「未だに家型テントを借りる市民が来ますよ」程度の引継ぎはなされていたみたいやな。夜、本格的に発熱。台風もいよいよ接近濃厚。キャンプの運命は?

 

5(土) コロナの検査キットで調べてみることにした。来週から長男親子も来るし念には念をや。案の定「陰性」と出たが、帆波が「検査キットはいいかげん。私の職場でも皆で検査したら陰性やったけど、後から半分陽性が出た」と、僕から子供を遠ざける。子連れのクマは危険というが帆波を見ていたら分かる。