周防教会・牧会ジャーナル

教会週報の裏面の記事を掲載しています。

12月24—30日

2023年12月31日 | 日記・エッセイ・コラム

笠戸島から見た夕日。間に合わんと思ったが、なんとか日没の5分前に到着。きれいな夕日を眺めることができた。スマホではこんな風に映ったが、実際の夕日はもっと鮮やかで美しかった。似てるなあ。僕も人の目には変な印象に映るようやが、実際はもっとエエ男なんやがなあ。自分で言うかあ。

 

12/24(日) 朝10時半の礼拝から始まり、夜10時半に最後のお客が帰るまでクリスマス尽くし。ただ、いつもと大きく違っていた点は、妻が入院していて参加できなかったこと。そして、年中クリスマスのような元気で明るく楽しい角田啓子さんがここにいないこと。♪I `ll have a blue Christmas without you.

 

25(月) HCUに移った妻と1時間だけの聖夜。色んなクリスマスがあったなあ。妻の母が亡くなったのも13年前のクリスマスの雪の朝やった。牧師になった頃、何度かクリスマスが終わったと同時によく熱を出して年末の帰省をキャンセルした。あの頃は一生懸命やったなあ。今は情熱すら出ない手抜き牧師。

 

26(火) 高校の補習授業へ。「さて何して遊ぶ?かくれんぼでもするか?」なんて言いながら、ええ加減な雑談で時間をつぶす。今まで何度か行なってきたが全て「出席日数が足りなかった」生徒に対しての補習。今では補習する側の僕も高校時代は毎回受けた。理由は全て「試験点数が足りんかった」からやが。

 

27(水) 明日が今年最後のゴミ捨て日やが、どう頑張っても大掃除は終わりそうにない。そこで作戦変更。年内はあきらめることにした。今年中にしないと誰に叱られる訳でもなし。そう決めた途端に気持ちがパ~ッと明るくなった。人間、何事にも前向きに生きるべきや。無精を正当化する典型的な言い訳か。

 

28(木) 妻の見舞いの帰り、ふと思い立って焼き鳥つねに行くと、思わぬ人に出会った。植野さんである。初めてこの店に来られたそうな。何という奇遇。もう一つ椿事が起きた。店の電話が鳴り、つねさんが出たところ予約電話だという。こんな店を予約する人がいるとは!これを奇跡と言わずして何と言う。

 

29(金) 昨日届いたのは「決して買うことなど無い」食材。それには訳がある。妻の余命が宣告されて、最後に食べさせてやりたいとネット注文したのが秋のこと。しかしセカンドオピニオンを受けて、手術で治ることが判明した。顰蹙覚悟で言います。もうちょっと早く分かったら注文せんかったフグ鍋セット。

 

30(土) 日中の大混雑を避けて夜買い物に出かけた。目当ての一つは数の子。しかし選ぶのは難しい。安い数の子は歯ごたえが無くぶよぶよやからや。過去に何度も痛い目に遭った記憶がある。一度でいいからデパートあたりで何も考えずに高級数の子を購入してみたい。数の子に悩みつつ今年も暮れゆく牧師。


12月17—23日

2023年12月24日 | 日記・エッセイ・コラム

礼拝堂の講壇前に飾られたクリスマスオブジェ。左側が(注:頼んだ訳ではないのにいつの間にか飾られていた)教会の婆ちゃん作。努力は認めるが雑で落ち着かんし、鋭い杉の葉で何人かが痛い思いをした。しかし葉っぱが枯れてしまったので「これ幸い」と次女が作り直したのが右側。どちらも本当にありがとう!

 

12/17(日) 初雪を見て自然に口遊むのは♪雪やこんこ♪。学生時代に冬の北海道で酪農実習体験をしたことから神学校卒業時、北海道赴任を希望した。結婚前提だった雅子にそれを話したら「寒い所は嫌」と一言。結局希望は叶わず山口へ。もし北海道に決まっていたら初雪を愛でる余裕なんて無かったろうな。

 

18(月) 最終成績入力のため学校へ。昔クリスチャン裁判官が判決で「クリスマスプレゼントだと思って・・・」と温情判決を告げたことが問題になった。「今日はイースターなので検挙しませんでした」と言った白バイ隊員もいたなあ。僕も今日は生徒にクリスマスプレゼントで下駄でも履かせる(死語?)かのう。

 

19(火) 昨日の夕方から始めたクリスマスカード作りは昼過ぎに完成。この歳での完徹は身に応える。実は年末年始の挨拶カードは今年までとした。思えばプリントゴッコ時代から始めた手作りカード。それも今回で終了。浮足立って宙に浮かぶような感覚で郵便局へ。でもそれは頭が朦朧としていたせいやな。

 

20(水) 今日は長女がドナー術後の検診を受けるため僕一人で留守番。そんな矢先、雅子に内臓出血が見つかり緊急手術となる。また振り出し(ICU)に戻った妻。まるでハラハラドキドキの人生ゲームや!(余裕20%・強がり80%)。明日からの寒波襲来に備え、夜間寒さに凍えながらスタッドレスタイヤに交換。

 

21(木) ICUで再び複数のチューブにつながれている妻がいた。僕のことが分かるのかどうかは不明やが、また「あなたは誰?」とか「もう来ないで」なんて言わんとってね。中でも「敏さんはそんな優しいことを言わない」は今年の我が家の流行語大賞となったが、どうも皆は次の名言を期待しとるみたいや。

 

22(金) 高校職員の忘年会が催された。思えばコロナが始まって全ての会食が中止になったので、今回が初めて参加する宴会となる。参加は自由らしいが僕としては挨拶代わりにおそるおそる参加することにした。なんや。一杯入れば牧師連中の宴会と大差ないやん。いや、牧師よりも皆さんずっと節度はある。

 

23(土) 娘婿たちが明日のクリスマス準備の手伝いに集まってくれた。それも結婚相手が牧師の娘らやから仕方がないことか。え?「その牧師が役に立たないと聞いて見るに見かねて来た」って?まあ、牧師が何もせんクリスマスなんて他所の教会じゃありえん貴重な光景やから、しっかり心に留め置きたまえ。

 

 


12月10ー16日

2023年12月17日 | 日記・エッセイ・コラム

大島にある「春夏冬」というお店。秋という字が無いので「あきない(商い)」と読む。昔からあるシャレの一つや。ここのラーメン(煮干し出汁)はなかなか美味いし、チキンライスも昔ながらの味で僕は大好きや。海の家風の建物もええ。おばちゃんも気さくで優しい。玖珂にあったら週一は通うんやけどなあ。

 

12/10(日) 師走なのに秋のような陽気に誘われてツーリングのメッカ大島はライダーたちであふれている。その大半が僕のようなオッサンばかりやけど。それにしてもみんな高そうなバイクやな。すれ違いながら思う「この中で何人かは転んで泣いたんやろなあ」。うらやましさは時として悪い期待をもたげる。

 

11(月) 夜8時過ぎに妻の見舞いから帰ってまたすぐに出かけた。チャンスは今夜しか無い。行先は下松の映画館。目的は『ゴジラ-1.0』。観客は僕を入れて3人だけやった。なかなか面白い内容で満足。エンドロールの後でゴジラの足音が近づいて館内にとどろく大咆哮!これやから最後まで席を立つべからず。

 

12(火) 後悔先に立たずとはよく言ったもんや。ゴジラのおかげで採点作業に追われ泣きそうになる。実は溜まっている鑑賞ポイントを今月中に使わないと失効するから昨夜は半分無理して観に行ったわけ。この時期、やるべきことは山ほどあるのに欲に負けた。このままじゃ間に合わん。夜中に一人で大咆哮。

 

13(水) ミカン収穫作業2回目。今日は友佳と帆波母子だけ。だが赤子が泣くたびに戦力が一人分減るので実質二人半で作業。でも青空の下で働くのは気持ちがええなあ。ところでゴジラの影響は今日も続いていて、真夜中過ぎても採点作業が終わらない。人が寝静まる中で働くのは決して気持ち良くはないな。

 

14(木) めちゃ寝不足で今年最後の授業へ。気が付かんかったが帰路につこうと校舎を出たら大雨やん!予報じゃ雨は夜からのはず。生徒に心配される中、レインコートを着てバイクにまたがった。でも雨のおかげで寝不足なのに緊張で眠くならずに帰ることができた。災い転じて福となすとはこういうことやな。

 

15(金) 最終授業を終えた後、パソコンに成績を打ち込む。この作業が一番大変。5分打つと睡魔が襲う。そして間違える。やり直す。そんなことを繰り返しながら終了したのは7時。しかし災難やったのは何人かの教師。パソコンで分からなくなっては指導してもらったからや。では僕はお先に失礼しま~す!

 

16(土) 雨は大丈夫そうやな。ヘルメットに取り付けたBコムでクリスマスソングを聴きながら広島へ。昨日一般病棟に移った妻は少しずつリハビリを開始している。病院の次は弁護士会館へ。国が出した中途半端な被害者特例法のせいで相談を受けるのも歯がゆい。牧師やから言うが「ほんまに宗教は怖いで!」


12月3—9日

2023年12月10日 | 日記・エッセイ・コラム

今年もミカンの収穫作業の時が来た。今回はなかなか時間がとれなくて、何回収穫に来られるか分からないが、やはり体を動かす労働は気持ちがいい。みんなでお昼を食べている時、たまたま見上げた空に妙な虹が見えた。これは吉兆か?凶事か?なんて考えるのはよそう。「ええもんが見られたわい」。それで充分や。

 

12/3(日) 友佳のいない日曜。毎週友佳が礼拝出席者たちの送迎をしてくれている。昼の弁当の買出しにも行ってくれている。今日は牧師自らが送迎を担当した。しかし一つだけ心配ごとがある。それは出席者たちが牧師さまにそんなことをさせてしまい、心が痛んで苦しみ悩むのではないかと思うからである。

 

4(月) ようやく雅子の幻覚が去り、正気が戻って来だした。その幻覚というのを聞いて驚いた。自分はもうすでに死んでいたと思っていたそうな。そこに僕や子供たちが見舞いに来たのは、言葉たくみに地獄か黄泉の国に誘いに来たのだと思って「嫌だ」とか「もう来ないで」とか言いながら必死に抵抗していた

 

5(火) のだという。しかし一つだけ疑問が残る。その疑問とは、子供らの方が早く雅子に受け入れられたのに、なぜ、僕に対しては「来ないで」とか「あなたは誰?」とか言い続けたんやろ。僕はラスボスなんか?これではまるで悪魔の親分やん。誰や!「雅子さんの気持ちがよく分かる」なんて言うやつは!

 

6(水) 帆波が「また外食」と嘆く。確かに外食には飽きたし、金もかかるし、何よりも栄養が偏って不健康な気がしてならない。でもしゃあないやろ。家で飯を作っている暇なんて無いんやから。それにしても不思議なのは外食をして一度も「美味い」と思ったことがない。早くみんなで楽しい外食をしたいな。

 

7(木) 今日は友佳が退院。迎えに行く僕らを待っている間に映画を観に行って来たそうな。子供が観るような映画だったらしく帆波に呆れられていた。よほどシャバの空気が恋しかったんやろ。実は僕も観に行きたい映画がある。それは大人が夢中になる映画(でも一人じゃ少し恥ずかしいような)『ゴジラ‐1.0』

 

8(金) 学期末試験が始まった。聖書の試験を一日目にしてくださっているのは僕がゆっくり採点できるようにとのご配慮。ありがたい。午後から代理でお願いされた葬儀。あかん!その前に自分の葬儀になってしまうぞ。睡眠不足に襲われて、式場に到着するまで5回ほどセンターラインをはみ出してしまった。

 

9(土) みかん収穫の第1回目。柔道青年昇平が来られなくなった分、娘たちが来てくれた。むしろ重量級の昇平がみかんの木に登って折るような心配が無くなって良かった。二日前退院したばかりの友佳も術後の痛みをこらえて参戦。僕は無理せず適当に作業。僕も術後やし。なんせほんの二年半前のことやし。


11月26日—12月2日

2023年12月03日 | 日記・エッセイ・コラム

教会のお婆ちゃんから頂いた柿。東北の御友人から送られてきたものだとのこと。切って驚いた。種が無い!種無しブドウというのは知っているが、種無し柿は初めてや。5つもらったので日曜に皆で頂こう!と思ったが、堅い柿が好みな僕としては熟してしまうのは忍びない。そこで心を鬼にして毎晩一つずつ剥いては結局全部食べた。

 

 

11/26(日) 予告通り、帆波母子が岡山から舞い戻った。ここでクリスマスを迎え、年まで越そうという気満々。もはや何も言うまい。理解ある夫に出会えて良かったのう。しかし岡山⇔山口、山口⇔広島を何度も往復させられている孫のことはどうか。旅好きに育つ?放浪癖がつく?とにかく、わしゃ知らんぞ。

 

27(月) いよいよ明日は手術日。折しも今日は母の米寿の誕生日。本来は今日から大阪に帰って家族旅行に行く予定やった。僕の妹が言うには、母は妻の病気を知ってから落ち込んでいて、食欲も減退しているらしい。実の娘のように思っているとのこと。実の息子の僕が倒れてもここまでは落ち込まんそうな。

 

28(火) 朝8時過ぎ手術室に向かう妻を見送った。これから総勢20名の医師による国内4例目の肝移植が行なわれる。「そんな時に何しているんですか!」とある人に叱られた。今日からの教区牧師研修会で、僕はカルト問題について発題していたからや。すんません。手術室の前でひざまずいて祈るべきでした。

 

29(水) ドナーの娘と息子が戻ったのは昨夜7時過ぎ。二人の顔を見ると涙があふれた。妻が戻ったのは23時間後の今朝7時過ぎ。麻酔から目覚めた妻が混乱しているので「電話ごしに話しかけてあげて」との連絡が病院から入った。その時の妻の言葉にへこんだ。「誰?敏さんはそんな優しい話し方をしない」

 

30(木) 授業を終えてから病院へ。妻の幻覚はまだしばらく続くらしい。今日は僕を見て「夫に似ているけど違う」と言われた。「また明日来るからね」と言ったら「もう来ないで」とも。ドクター!ほんまにこの幻覚は治まるんでしょうね?それからこれは幻覚ではなく本音っていうことはないでしょうね?

 

1(金) 僕も2年半前、急性心筋梗塞の緊急手術を受けた後、色んな幻覚に襲われた。病室が猛吹雪だったり、トンボが飛んでいたり、まるで映画に出演しているような感じやったが妻はどんな思いでいるのやら。「一番会いたいのは?」と聞くと「敏さん」(やったぁ!)。「明日連れて来るね」。「嫌」。どないやねん。

 

2(土) 今日は先に妻と面会をした娘たちが「普段のお母さんに戻りつつある」と言う。良かった。幻覚から覚め出したのか。次に僕が面会をして「敏さんを連れて来たよ」と言うと首を横に振られてしまった。妻が会いたい「敏さん」とは一体どんな理想の夫なんや?そんな敏さんに嫉妬を抱いてすごすごと退室。