周防教会・牧会ジャーナル

教会週報の裏面の記事を掲載しています。

3月24―30日

2019年03月31日 | 日記・エッセイ・コラム

「この看板が目に入らぬか!」というほどの効力は無かったな。「これが欲しいのなら腕ずくで奪い取ってみるがよい!」というほどのものでもなかった。正直なところ、次の会長さんに回せてホッとしている。しかしなかなか年季が入っている看板で、歴史の重みのようなものを感じた。教会の玄関が寂しいから『元自治会長』とか書いた看板でも掲げておこうか。

 

3/24(日) 久しぶりに礼拝の最中に子供の声がする。うちの孫たちが出席(本人たちはそんな自覚は無いが)している。昔は子供も一緒に礼拝をした。騒ぐガキどもを叱りたくなったのも懐かしい思い出。もっとも、助けられたこともある。思うような説教が書けなかった時代、あたかも騒ぐ子らに話の腰を折られたフリをしてごまかした。今は子供が居なくてもごまかせる。

 

25(月) 自治会長交代手続きで役場に行く機会が増えた。37年前、この町に来た時、都会の役所とは違って、職員が親切丁寧なのに驚いた。以前、うちの教会で結婚式を挙げた東京在住のカップルが、こちらの役場に婚姻届を出しに行った時、みんなが拍手をしてくれたので感動しましたと話していた。公務とはこういうことやろな。余裕のない公務員にも教えたい。

 

26(火) 遊びに来た慶君を送りがてら、焼き鳥の『つね』で夕食。「飯ありますか?」「今から炊くけえ20分ほど待って」「じゃあ焼き鳥丼を二つね」。忘れていたわけではないが、ここの店は超スローフード。さほど混んでもいなかったが待つこと二時間半。「はいお待ち」「・・・」。作る方も作る方やが、待つ方も待つ方。五分ほどで食べ終えた。それでもええ店や。

 

27(水) 自治会長の任は解けても福祉員の任期は後2年残っている。『認知症に関する講座』を聴きに行った。え?これって認知症サポーターの養成講座なの?知らんかった。受講者にはオレンジの腕輪が配られた。そこには「一切の売買・譲渡を禁ずる」と書かれてある。こ、これは江戸時代の手鎖か?これを腕にはめたら任期が延長されるんじゃあるまいね?

 

28(木) 広島で開かれる委員会に行く途中、昼飯を食べに入ったラーメン屋でのこと。塩ラーメンを注文したんやが、出てきたのは見るからに豚骨ラーメン。味もまさに豚骨ラーメン。しかし店の人は自信をもって「はい、塩ラーメン」と言って出してきた。どうやらこれがこの店の塩ラーメンらしい。まあ考えてみりゃ教会によって色んなアーメンもあるからなあ。頂きます。

 

29(金) さあ今日が最後の晩餐ならぬ『最後の回覧』。これを以って全ての任から解放される。この一年多くのことを学んだ。ねぎらいの言葉もたくさん受けたし、苦情も受けてきた。何よりも色んな方々と親しくなったのは嬉しい限り。次に自治会長が回って来るのは百年ほど先。また引き受けてもええが、その頃にはもうこの町に居ない気が。え?この世にもおらん?

 

30(土) 郵便局のATMへ。婆ちゃんが戸惑いながら操作している。大丈夫かな?まさか振り込め詐欺とかに・・・?婆ちゃんがチラチラ僕を見ながら操作をする。助けを求めているのかなあ?僕も心配でチラチラと見る。婆ちゃんも僕を見る。声をかけるべきか?すると婆ちゃんはお金をカバンに入れ足早に去って行った。すなわち何かい?僕を警戒していただけかい。


3月17―23日

2019年03月24日 | 日記・エッセイ・コラム

2009年4月~2019年3月。まるで通常の牧師の任期期間のような10年。隠退されてから私財を投げ打って島の教会を牧してくださった。それが自らの務めの最終章となる。辻建牧師。享年86。全国の楽隠居されている隠退牧師さん。あなたの最終章を無牧の教会で綴りませんか?ただし謙虚な方に限りますが。

 

3/17(日) 主治医から「危ない」と告げられたとの連絡を大島教会の役員より受け、辻建牧師が入院されている病院へ急行した。聞き取りにくいお声ではあったが、ちゃんと会話も成立していたので、到底「危ない」なんて思えなかった。なのにまるでドラマか映画のワンシーンを観ているように、「大島をよろしく」との言葉を残し眠りにつかれた。かっこ良過ぎますよ。

 

18(月) 明日は「友引」なので斎場が休みになり日程が一日ずれた。田舎ではいまだに友引は禁忌という風習が残っている。だけどそのおかげ?で、ドイツから帰って来られた娘さんも前夜式から出席することができた。辻牧師に「僕の葬儀は頼みます」と言われたのは5年ほど前のこと。それまでに僕の隠退の方が先やと高をくくっていたのに。ちょっと早過ぎますよ。

 

19(火) 前夜式。あちこちから沢山の方々が参列に来られた。中には四国からフェリーで来て、とんぼ返りされた牧師も。ことのほか涙腺の弱い僕はなるべく泣いている人の顔を見ないようにして式を進める。なんとか式を終えた後、お孫さんの萌さんに言われた。「村田牧師の真面目な姿を初めて見ました」。おっしゃる通り。自分でも自分ではないような気がしてます。

 

20(水) 告別式。萌さんの言葉に目を覚まされ、今日は真面目な自分を棄て、いつもの自分で送り出すことにした。「辻牧師に初めて会った時は雲の上のような存在でしたが、ほんまに雲の上に行ってしまいました」等々、冗談を連発。今さら「こんな葬儀を頼んだんやない!」なんて言われても自己責任ですよ。でも遺族代表の挨拶で、学さんも笑わせてくれましたよ。

 

21(木) 今日は虚脱状態で一日を過ごす。実は辻牧師が亡くなられた日にうちの次女の彩七に三人目が生まれたので上の子らはうちで預かっている。そしてこの子らはなぜか僕を怖れている(もちろん身に覚えはあるけれど)。妻が一番上の孫にひらがなを教えていた時、こんなことを言ったとか。「『じいちゃんキライ』ってどうかくの?」。ようし、こっちも本気出すぞ。

 

22(金) 栗栖さんのお見舞いへ。預かった手紙を帰って読んでみた。何じゃこりゃ?遺言状みたいやぞ。普段より丁寧に書いてはいるが誤字脱字だらけやがな。教会に献金をしてくれるというのはええが金額が書いてないし。日付も無ければ名前も無い。まあそれはそれとして、あなたはまだすこぶる元気ですから。あり余るほど時間があるので、もう一回書き直し。

 

23(土) 今週は時間の感覚が狂ってしまい、今日が日曜日だとばかり思い込んでいた。そのおかげで一日のんびりと過ごす。そう言えばさっき気付いたんやが、教会の玄関に藁が散らばっていた。早くもツバメがやって来て去年の古巣の改装を始めたようや。『初燕 一筆書きで 巣にもどる』なんていう俳句があるが、これからはフン爆弾にはくれぐれもご注意を。


3月10―16日

2019年03月17日 | 日記・エッセイ・コラム

分区牧師会は各教会を会場に順繰りで開催され、会の後の夕食は高級料亭にて開かれる。んなわけない。この日の牧師会は牧野邸で開かれ、こんな見事な夕食が提供された。ちょっとした旅館のようなメニュー。でもこんなことをされると次の会場はたまったもんやない。しかも次はうちになりそうや。そこで今後の皆のためを考えて、次回はカレーかうどんやな。

 

3/10(日) 役員会で今年度は千円ほど繰り越せる見通しが報告された。教団年鑑で全国の会計状況を見るとほとんどの教会がギリギリで運営しているが、中には繰越金が数百万~一千万以上も出る教会がある。教会の始まりが持ち物を共有したペンテコステというならば、伝道伝道と目を吊り上げる前に(給料差は構わんから)せめて繰越金がシェアできんか? 

 

11(月) 本棚を整理していたら中学時代の日記が出てきた。当然手に取って読みふけることになる。なになに…48年前の今日の事が書いてあるぞ。「体育の授業で公園にマラソンに行った。先生のあとについて走った。すると滑り台に登って滑った。みんなあとに続いた」。これが今の時代ならSNSとやらでクレームが出そうなおふざけが普通に行なわれた良き時代。

 

12(火) 愛隣幼児学園の年長児にとって今日は最後の礼拝。卒園前の定番紙芝居は『良きサマリヤ人』。強盗に襲われた旅人を発見した人が次々と無視して立ち去る。だがサマリヤ人だけが旅人を助けたというクリスチャンなら誰でも知っているお話。現実は違う。旅人なんぞを助けた日にゃ、聖なる宮はたちまちホームレスで溢れかえる。鍵もちゃんと掛けなきゃ。

 

13(水) 所用で天神の総代長さん宅を訪ねる。いつものようにニコニコと満面の笑顔で迎えてくださった。帰り際「あ、そうそう。また駐車場が必要な時はどうぞ勝手に境内をお使いくださいね」と言ってくださった。そこで僕も「お祭りの時には教会の駐車場もお使いください」と返答をする。腰が低く、丁寧で親切なお方。出来ればうちの教会にスカウトしたいくらいや。

 

14(木) 10分千円カットへ。お髪が心もとないお方には悪いけれど(いらんこと言わんでええねん)もともと僕は髪の量が多いので、「すいておきます」と言って、僕に惚れとるんかなと思うほど(いらんこと言わんでええねん)20分近くもカットしてくれた。ところでこの場合の「すく」の漢字やが「鋤く」か「透く」か「空く」か「剥く」か「梳く」か。一体どの字を用いるのかな?

 

15(金) 徳山の牧野牧師宅で牧師会をしていると凄まじい雷。一発だけやったがどこかに落ちたみたい。牧師会から戻り仕事をしていたら凄まじい雷。電気が一瞬消えた。これも一発だけやったがどこかに落ちたみたい。落雷情報を見て調べたら、徳山と玖珂だけに落雷マークが表示されとった。もし僕を狙ったものだと証明されたら、どれだけ人生が変わったことか。

 

16(土) いよいよこの時がきた!長かったような短かったような。時期自治会長さんに教会に来ていただき引継ぎの説明をする。ご夫妻で来られたが、奥さんの方はうちの子が小学生時代にお世話になった先生。思えばここでお会いするのは家庭訪問以来のことか。あの頃は僕も若く、学校に文句ばかり言っていた。そういう意味においてあの時代のクレーマーやんか。


3月3―9日

2019年03月10日 | 日記・エッセイ・コラム

「撮って、撮って!」と、せがむので望みを叶えてさしあげた。その天真爛漫な性格から、我が教会のアイドル。え?アイドルなんて書いたら、某教区では大問題?また彼女は由緒ある神社のお嬢様でもある。え?お嬢様なんて書いたら某教区では糾弾もん?くわばら、くわばら、くわばらかずお。

 

3/3(日) ひな祭りイベントを企画していた団体や、遠くから礼拝に来られる方々や、錦帯橋マラソンの手伝いに行かれている下手さんにはお気の毒やけど、今日は朝から雨。どうしても笑みがこぼれてしまう。とにかくこの季節、日曜日は皆さんミツバチになって教会に花粉をドッサリ運び入れてくださるからなあ。まあうちの場合ミツバチというよりゃ、クマンバチやが。

 

4(月) 眼の定期検診へ。検査時は「目を大きく開けてください」と言われるが、これでもかと自分では目ん玉が落ちそうになるくらいに目をひんむいているつもりでも、必ず「ちょっとごめんなさいね」と言って、手でピッと瞼を上げられる。だったら最初からそうすりゃええがな。昔からバーブ佐竹とか、菅原洋一などと言われてきた僕は少しだけ傷つく。え?誰それって?

 

5(火) 広島の病院へクリスさんのお見舞いに行く。驚いたことに、部屋にはトイレはあるわ、シャワーはあるわ、もはやハイクラスホテル並みの個室。しかしなぜこんな個室に周防教会に来るような身分の彼女が入ることができるのか?想像するに、どこかから「周防は妖怪のたまり場でっせ」という情報が漏れたと思われる。だとしたら・・・これは隔離と言うべきやな。

 

6(水) 確定申告に行く。思い切って担当職員に小声で聞いてみた。「あのう・・・自治会長手当も申告すべきですか?」。少し迷って「ちょっとお待ちください」と言いながら席を外された。しばらくして戻った職員が言うに「あれは公費なのでいいそうです」。やった!お上のお墨付きが出たんや。これで教区の小教会謝儀互助申請の時に収入として申告なんかせんぞ。

 

7(木) 今日はモビリオを車検に出す。月々一万円の車のローンもまだ一年残っているのにもう車検。もしかして代車は友希のフェラーリ?と期待をしたがマークⅡやった。それでも馬力と言い、乗り心地と言い、モビリオが霞んでしまうほどの車。よし、車検の間はこれを乗り回そう。と思ったがガソリンがほぼ空。フェラーリなら絶対満タンにして乗り回したけどな。

 

8(金) 社協から「ご高齢の方々に手渡すように」と預かった品を配って回ったがお留守の家が多い。また夕方にでも出直すことにするか。そして、逢魔が時と呼ばれる夕刻に再び回る。その中の一軒で玄関のベルを押したが出て来られない。明らかにカメラが作動した反応まであるのに出てこられない。部屋の灯りが点いているから居るはずやが。また明日出直そう。

 

9(土) 昨日、お留守だった家を回る。その中の一軒で「変わったことはありませんか?」と尋ねると、ゆうべ変な人が来たという。全身黒づくめで、マスクをして、メガネをかけて、玄関のベルを何度もしつこく押していたとか。「不安な時はすぐに福祉員の僕に連絡してください」と伝える。ちゅうか・・・それって、間違いなく花粉対策の完全防備をした僕のことですよね。


2月24日―3月2日

2019年03月03日 | 日記・エッセイ・コラム

羽田空港第2ターミナル。飛行機に慣れた人と、いわゆる田舎もんとの違いはすぐに判る。田舎もんは離陸時に窓の外を見て興奮する。席の回りにあるスイッチやボタンに興味を示す。サービスドリンクの種類を聞き返し、何を注文するか悩む。雑誌を持ち帰る。僕はどれもしなかった。常連に見られたいからガマンした田舎もんなのだ。

 

2/24(日) 礼拝後、久しぶりに会堂の長椅子で寝た。寝たとは言っても今回はチョイ寝程度やったが。以前こんな話を同僚にしたら「皆が教会にまだ居るのに寝るの?」と驚かれたことがあったが、僕は逆になぜそこで驚くのかが分からんかった。皆の楽しげな会話の声を聞きながら会堂の長椅子で眠るなんて至福の時間やと思うんやけどなあ。やってみりゃ分かる。

 

25(月) 昨日の『辺野古埋め立て沖縄県民投票』で反対票が圧倒。にもかかわらず政府はお決まり用語の「粛々」を用いながら「工事を進める」というコメントを出した。平和を守るため武器兵器(危なくて米国では売れんオスプレイとか)を揃えて仮想敵国を威嚇し、有事のためサンゴ礁を埋め立て、自然を破壊してまで基地を置くか。全て平和のためね。ふ~ん。

 

26(火) メッチャ高いけれど背に腹はかえられん。そこで泣く泣く二千円近くもする花粉アレルギー用の目薬を買うことにした。目が痒くなってガマンができなくなってしまったからや。前にもお願いしたことがありますが、すっかり忘れておられると思うので、ここであらためて申し上げます。「教会のドアや窓の開け放しはあかんで!」。あんたらのことを言ってるんやで。

 

27(水) 回覧版を配る。後、来月の回覧二回で僕は自治会長の役目を終えることになる。配る足取りの軽いこと。花粉なんてへっちゃらさ!それは嘘。でもたった一年間やったが面白かった。特に今年度は天神祭りがあったので面白さは極みに達していた。しかし今思っても牧師なんぞによく祭りの責任を任せたもんや。ここの自治会と神社総代は只者ではないぞ。

 

28(木) 自治会長引継ぎのため、三月中に色んな報告書を準備しなければならん。思えばこの一年、慣れないパソコンを駆使して回覧を作ったおかげでワードやエクセルの機能を10~20%ほど使えるようになった。たったそれだけ?いや、それくらいが丁度ええ。これ以上上達したら仕事が増えるだけ。と言いたいが、も少し上達した方が仕事もはかどるやろな。

 

1(金) 映画を観に行くのは去年の6月以来のこと。今回は『グリーン・ブック』を観た。余韻にひたりながら昼飯を食べようとフードコートに行くと中学生で溢れ返っている。しかもガキのくせにステーキなどを食っているではないか。こら!お前ら!学生はラーメンを食えラーメンを!え、今日は卒業式?そういうことなら許してやろう。誰が何の権威で許してやるのやら。

 

2(土) 先日カープの入場抽選券でひと騒動あったが、今日は戦時下の1943年に横文字の野球用語が禁止された日。例をあげると、ストライク=よし。ボール=だめ。アウト=ひけ。ファウル=圏外。野球用語以外では、スキー=雪滑。コロッケ=油揚げ肉饅頭。カンガルー=袋鼠。マッチ=当て擦り。パーマ=電髪。コントラバス=妖怪的四弦。ご苦労なこって。