周防教会・牧会ジャーナル

教会週報の裏面の記事を掲載しています。

2月20—26日

2022年02月27日 | 日記・エッセイ・コラム

旅先で雪が降った。帰り道に奥出雲へと向かう。そこにはすっかり雪に埋もれた横田相愛教会があった。この教会は国の登録有形文化財になっている。「すごい」と感心するなかれ。こんな指定を受けてしまうとメンテナンスがややこしい。勝手にいじることすらままならない。Oh My God!とはこの教会のことや。

 

2/20(日) 今日が光教会の礼拝であることは知っていたが、肝心の説教準備をするのをすっかり忘れていた。しかし歳を取るというのは恐ろしいもので、若い頃なら大パニックやが(それ以前に忘れるヘマも無いやろ)、今じゃ説教題が決まった時点で8割は完成しとる。ゆえに焦りもせず何食わぬ顔で礼拝をする。

 

21(月) いよいよ近づいて来たのは学期末試験の時期。今日はその準備に追われる。というより、今日から追い回されることになる。追い回された僕が作る試験を受ける生徒も気の毒や。今回もまた「何か質問はありませんか?」なんて言いながら試験教室を回る自分の姿を思い浮かべると涙がチョチョ切れる。

 

22(火) 本物のぬるま湯に入った。場所は松江に近い某旅館の大浴場。自分の体温よりも低い。出ると容赦なく寒さが襲う。助けも呼べないまま、湯舟から出られぬこと1時間。覇気も意欲も持たず、今の境遇に甘んじることを「ぬるま湯につかる」と言うがこういうことか!でもええ体験をさせてもらいました。

 

23(水) 朝から降雪。帰り道に共生庵の荒川牧師を訪ねる。カーナビが古いので半信半疑で向かう。そのまま素直にナビを信じておけばよかったのに、途中から自分の記憶の方を信じてナビを無視したら、とんでもない山道を走ることとなった。まるでナビの反逆に遭ったみたい。今回は色々と教訓深い旅でした。

 

24(木) 今日が最後の授業となる。まずは4クラス。ある生徒が提出したノートに今日の授業のことが書かれていた。「ぬるい温泉で温度を測る時にどうすればよいか。湯舟で自分の小便に手をかざし、温かければそのお湯は体温よりも低いことがわかる」。そんな事まで書いてどうすんねん!誰にも見せるなよ。

 

25(金) 授業。残り2クラスは近所の光教会の礼拝堂見学に連れて行く。ある生徒が個人的に質問をしてきた。「ウクライナのことどう思います?」。ノートに小便のことを書いていた生徒と対照的な質問に驚く。それにしても、世界のあちこちでこんな強引で理不尽な圧政が起こっている。この国も内情は同じ。

 

26(土) 教会カレンダーを作るのを忘れていて、今朝はほぼ徹夜になった。計画通りに進んでいると思っている矢先にこういうミスが発覚するとダメージが大きい。それでも発覚したからこそ無事に済んだ。ただ、過去には気付かぬままの方がよかったということもある。好きな子に彼がいたような場合がそう。ちょっと違うか?


2月13—19日

2022年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

この写真が一番お気に入りやった僕の大親友が逝った。時代劇好きな僕を「殿」と呼んでくれた。牧師のくせにキリスト教が嫌いやった。正確に言えば、こんなキリスト教にしてしまったことが嫌いやった。ジョンレノンもそんなことを言っていたな。だから僕とはとても気が合う男やった。矢野一郎。享年60。

 

2/13(日) 夕方、礼拝堂に中学生のカップルが来てピアノを弾いていた。時々やって来ては大騒ぎをする悪ガキ野郎どもとは雰囲気がちがう。どれくらいの仲なのか覗いてみたかったが、そこは我慢して牧師室に退散した。自分の中学生時代と言えば…。卒業する間際まで、まだカエルを取って遊んでいたっけ。

 

14(月) 耳を疑うとはこのことか。電話の向こうから聞こえてくる恵利子さんのハキハキした声からは悲しい知らせなどとは思えなかった。その足で広島に向かう。ご自宅には本当に眠っているとしか思えないヤノイチの姿があった。つい先日会ったばかりで「また来てね」なんて言ってたがな。冗談きついで。

 

15(火) 冗談にしろ、真剣にしろ、人がしないようなことをして驚かせる破天荒な性格に共感が持てた。そういう点が僕ともよく似ていて、とにかく取り扱いの難しい男やった。骨上げの時、彼の股関節の骨を拾ったのは僕やで。思わず小声で「チンチンのそばや」と呟いた。彼ならきっと笑ってくれるはずや。

 

16(水) ヤノイチのショックは大きいがこんな時に喪に服すのを許してくれるような奴ではない。ちなみに僕の場合、死んだらハチマキをして、瞼の上に目を書いて、ひげも書いて、頬にグルグル巻き、胸に「これでいいのだ」と書いた紙を持たせてくれというのが遺言。だから今週のジャーナルも暗い話題は書かん。

 

17(木) 起きたら雪が積もっていた。こんな日はさすがにバイクは無理やからリフトバスで学校に行く。スタッドレスを履いていても一度ケツを振った。そういえばヤノイチにもバイクの後ろに乗せてやるという約束をしていた。こんなことになるなら二人乗り解禁になる前に違反承知で乗せてやれば良かった。

 

18(金) 今日の気温は10℃まで上がるそうなので当然バイクや。しかし学校に着くと全身が冷え冷え。コーヒーを入れて温まる。思い出すのは僕が聖書の教師になった時、ヤノイチが「参考に」と自分の教材や試験問題をくれた。でもその内容のすごさに僕はすっかり自信を無くしてしまったことを覚えている。

 

19(土) 小学生の頃に合い鍵を作るのが流行った。中学生時代は学校で僕に開けられない鍵は無いほど腕をあげた。ポケットには常に何種類もの鍵を入れていて、いちいち職員室に取りに行かなくても自分で開けまくった。もしも天国というところに扉があって、そこにも鍵があるのなら、僕が全部開けといてやる。


2月6—12日

2022年02月13日 | 日記・エッセイ・コラム

昼食をとろうと、柳井の某レストランに入ったら、そいつは突然現れた。あまりにビックリして正面写真が撮れなかったので、立ち去る後ろ姿だけ撮った。なんじゃこりゃ?帰って調べたらロボットウェイターとかで40万円するという。すげえなあ。でも天邪鬼な僕は働く姿よりも、ミスる場面が見たくて、ずっと眺めていた。

 

2/6(日) 予想通りというより、当然のように負け戦となった。今回は県知事選挙。超保守王国山口にて過去に支持者が勝ったのは数えるまでも無く、この40年で2度だけと記憶している。それも「この人こそ」と思って投票したのではなく「こっちよりましや」程度。教団も似ているのでよその事は言えん。

 

7(月) 最近また、神学生時代に書いた日記を読み返している。自分の日記やから面白い。当時の自分の姿が鮮明に浮かぶ。しかし一生懸命書いていたのは最初の数年。ほとんどが白紙ページで満ちている。でも避けられないのは「僕が死んだら誰が読むねん?」という問題。柩に入れて燃やしてもらうしかない。

 

8(火) 河郷診療所へ。午前診療の最後の患者やったこともあってドクターが少し時間をかけて診てくださった。やっぱり大きな病院と違ってええなあ。その点は教会も似ているなあ。そう言えば日記にこんなことを書いていた。「たった一人の為に田舎の教会に行く」。燃えていたなあ。今はくすぶっとるのう。

 

9(水) 愛隣幼児学園にて礼拝。年長さんに話をするのは来月で最後。ところで礼拝後、バイクの話となり「もう少し排気量が大きなバイクが欲しいんです」と話したら、園長さんから「ダメ!」と言われた。去年免許を取りに行くときにも「ダメ!」と言われた。ここまでズバリ言い切ってくれる人は彼女だけ。

 

10(木) 今日予定していた授業内容の半分も進めんかった。どうも僕の悪い癖ですぐに話が脱線してしまう。当然予定には無い脱線ゆえ、クラスによってどんな脱線話をしたのかは覚えていない。まあ、僕の授業なんて誰も聴いとらんから安心やで。と言いたいとこやが、脱線話だけはよく覚えているみたいや。

 

11(金) ネット映画を観た。人には「歳のせい」と言っているが、実は僕はどうも昔から涙もろい。小学生時代は松竹新喜劇を観てよく泣いた。中学時代は深夜ラジオで泣いたし、高校時代は浪曲で泣いた。今日も映画で泣いた。一つだけ昔と違うのは、涙に目ヤニが交ざり、細い目の瞼がくっついてしまうこと。

 

12(土) 節分の日、鬼になって孫たちを泣かせてやりたかったが仕事で叶えられなかった。今日一家で遊びに来たので早速ドクロの面と血走った入れ目でガオ~!と登場。しかし誰も泣かん。期待していた2歳の末っ子までがバカにした顔でこちらを見ている。耐性が出来とる。今後、抜本的改革が必要である。


1月30日—2月5日

2022年02月06日 | 日記・エッセイ・コラム

今をさかのぼること50年前。1972年に長崎島原付近で誕生したミカン。しかしそのイビツな形や見た目の悪さゆえ農水省から品種登録がもらえなかった。ところが収穫後しばらく置いている間に糖度が急速に増した。これだ!とばかり、外見の悪さを逆にセールスポイントとし名付けられたのが『デコポン』。さて写真も撮った。食おうっと。

 

1/30(日) 光教会は次週礼拝の説教題を外の掲示板に貼る。習字3段の僕が書く。パッと見は上手に見えるが子供の頃の3段なので、よく見るとまるで下手。そんな字が毎回大衆の目にさらされる。今日は漢字を間違ったが用紙がもったいないのでそのまま掲示した。まあ誰が書いたかは知られないので安心やが。

 

31(月) もう1月が終わる。歳を取ると時を早く感じるというが、去年の秋は時が止まったかと思った。自動二輪教習に通っていた時や。ひと月もあれば卒業できると思っていたが、途中で今年中に取れるかな?と不安になったのを思い出す。でも今はこの寒い中でも快適に乗っている。バイク熱はまだ冷めん。

 

1(火) 所用の前に広島の三越デパートに行った。デパートなんて所は何年ぶりやろ?しかし見て回るうちにだんだん心配になってきた。どれもこれもメチャ高い。誰が買いに来るんや?店員さん大丈夫やろか?倒産して路頭に迷ったりせんかな?え?あんたが心配せんでも買うレベルの人はちゃんとおるって?

 

2(水) 心臓の定期検診へ。エコー検査をする技師のお姉ちゃんの声がとても可愛いので「声優みたいやね」と告げた。昨日もレストランでウェイトレスに話しかけたらテーブルの下で帆波が僕の足を蹴った。苦情ではないしナンパでもないぞ。もちろんセクハラでもない!歳とるとひとこと言いたくなるもんや。

 

3(木) 凍える中をバイク飛ばして授業に行った。あれ?なんかおかしいぞ。まさか…と事務所に行って聞いたら「今日は休校です」と。またやっちまった。これで何回目やろ。せっかく「今日は何の日か知ってるか?節分ちゃうで、僕の誕生日や!」と生徒たちに言おうと思ってたのに。そんなハッピーな64歳。

 

4(金) 教室に入ったら生徒たちが「誕生日おめでとう!」と言って、ハッピーバースデーを歌ってくれた。何というサプライズ!感動のあまり涙こそ出んかったが「歌もええが、何か形でくれるもんは無いんか?」と言ったら、シラ~となった。またやっちまったぜ。帆波!こういう時こそ僕を蹴飛ばしてくれ!

 

5(土) 結婚が決まった帆波のお相手(僕は進次郎と呼んでいるが本名は違う)のお母さんが挨拶にやって来られた。しきりと帆波が僕の足を蹴る。今週は蹴られてばっかりや。理由はよく分からんが、僕が帆波の欠点や本性を言い過ぎたのではないかと思われる。武士の情けで、まだ10%程度しかバラしてないぞ。