周防教会・牧会ジャーナル

教会週報の裏面の記事を掲載しています。

9月21―27日

2008年09月28日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo 9月25日。広島市民球場。阪神ファンの僕が1塁側2階内野指定席でカープの応援をしている。敵の敵は味方という言葉通り、アンチ巨人という共通点でここに座っている。最後まで妙な違和感が残ったが、それはそれで貴重な体験やった。巨人を応援したこともある。大リーグチームと戦った時やった。敵の敵って…結局何なんやろ?

9/21(日) 田の縁を真っ赤に彩る彼岸花の季節が来た。子供の頃、妹が彼岸花を摘んで帰ったら、母親に「縁起悪い」と叱られていたのを思い出す。日本中で勝手な言いがかりをつけられた花やが、実は結構この花が好きだという人は多い。縁起などどこ吹く風とばかりに咲く独特な形と色が痛快。

22(月) 牧師をしていると急な予定が入るなんていうのは日常茶飯事で、手帳に書いていないことが24時間関係なく起こる。教会員が亡くなったという訃報が入ったのも、急な相談事が入って広島に向かっている途中のことやった。しかし、ことと場合によっては死よりも優先するものも

23(火) ある。うちの教会は礼拝の最中に相談電話が入った時、礼拝より電話を優先するという申し合わせがある。「やれるだけのことをやって、後は神様に任せようか思うて」と笑いながら言っておられた棚田明子さんの葬儀を行なう。あなたも、ちゃんと優先順位をご存知だったんですね。

24(水) あかん。一昨日の前夜式で感極まってしまった。経を上げながら泣く坊主なんておらんぞ…と自分に言い聞かせていたが、棚田さんのお孫さんの泣き顔を見た瞬間、張り詰めていた感情の糸が切れた。でも僕は西洋坊主やし、まだまだ修行が足りんから許して下さい。

25(木) 移転新築のため今シーズンで幕を下ろす広島市民球場での残り試合はあともう僅か。僕が生まれて初めてプロ野球を観たのもこの球場やったので、どうしても、もう一回観戦したくて赤いシャツを着て出かけた。赤色で染まったスタンドに何度も起こるウェーブ。ハッと気付く。この光景は

26(金) まさに田の縁を彩る彼岸花や。それがウェーブすると、まるで彼岸花が風にゆらいでいるように見える。こんな球場は他に無い。試合は広島5―4巨人。逆転勝ちに興奮した客にビールをかけられながらも僕はとても心地よかった。すぐ隣に原爆ドームの屋根が浮かんでいる。よく目に焼き付けておこう。

27(土) 『聖餐~イエスのいのちを生きる』という本が届いた。「多様な聖餐式の形があってもよい」と主張する57人の牧師や信徒が書いた本。さっそく読んでみたが、どの方の主張も神学的観点においても、心情的立場からも説得力がある。が…10冊も販売を引き受けてしまった。同情的観点から誰か買って!


9月14―20日

2008年09月22日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo “さんま、さんま、さんま苦いか塩っぱいか”は佐藤春夫が谷崎潤一郎の妻、千代を慕って書いた「秋刀魚の歌」の一節。一匹50円という破格値で買ったこの秋に獲れたばかりのさんま。敬意を表し七輪で焼いた。炭火でしか出せないふんわりとした身の柔らかさ。ところで泣きながら食った佐藤春夫のさんまは…美味かったんやろか?

9/14(日) 今夜は鞍掛山の山頂でお月見宿泊の予定やったが、明日未明に雨が降るという予報で断念した。かわりに角田一家と丑三つ時のバーベキューを楽しむ。その光景はまるで証城寺の狸囃子の如し。雲の合間から時おり顔を出す仲秋の名月が魑魅魍魎(チミモウリョウ)らの宴を照らし出していた。

15(月) 休日の午後、本郷駐在所に11人でお邪魔して賑やかに過ごす。夕方5時、勤務を終えて、やっとみんなと合流できると意気揚々現れた徹巡査部長を尻目に「ほな帰りまっさ」と駐在所を後にする。徹さんにゃ悪いことしたなあ…と教会に戻ったら、そこにあきらめ切れぬ徹さんがいた。マンガやで。

16(火) 久しぶりに来た真理が言う「帆波(ホナ)が学校に行っているなんて変な感じ」と。それが元教員のいうセリフか?でも確かに居て当たり前の帆波が6月から登校し出した時は僕も変な感じやった。今、当の本人は運動会の応援団に入っとる。できれば団長をしたいって。変な感じを通り越して、変な娘や。

17(水) 牧師をしていると、ここに書けないような仕事や出来事に時々遭遇する。そんな時はこんなことを書いたりしてごまかす。ある本に書かれていた小話を一つ。《沈没間際の船上にて》航海の途中で貨物船が沈み始めた。船長は外国人乗組員たちに海に飛び込むよう指示を出した。アメリカ人に

18(木) は「飛び込めば君は英雄だ」と。イギリス人には「飛び込めば君は紳士だ」と。ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則だ」と。イタリア人には「飛び込めば女にモテるぞ」と。フランス人には「飛び込むな」と。そして最後に日本人に言った「みんな飛び込んでいるぞ」。

19(金) 小話その2《浮気現場にて》家に帰った時、女房が見知らぬ男とベッドにいた場合。世界の夫たちのリアクション。アメリカ人はすぐさま男を撃ち殺した。イギリス人は決闘を申し込んだ。ドイツ人はしかるべき法的措置を取らせてもらうと通告した。イタリア人とフランス人

20(土) は自分も服を脱ぎ始めた。そして日本人は正式に紹介されるまで名刺を手にして立っていた。…てなわけで、この教会の信徒をしていると(普通の教会では)週報に書けんような文章に時々遭遇する。そんな時、牧師はこうやってごまかす。僕が今日あるのも全てみなさんに育てられたせいです。


9月7―13日

2008年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo 教会の横にあるガーデンテーブル。コーヒーを飲みながら読書したり、うたた寝をしたり、バーベキューをしたり、ビアガーデンになったり、もしかしたら礼拝堂よりも「多目的な癒し空間」になっているかもしれん。まあ、雨が降りゃ礼拝堂でするんやけどね。でも、礼拝にだけしか用いない礼拝堂って…贅沢すぎてもったいないオバケが出るで。

9/7(日) 夜、家族で光市までラーメン(夕食)を食べに行った帰り、涼しい秋の夜風に誘われるまま山道をドライブ。全開した車の窓から飛び込んでくる虫の音。空には上弦の月。「まるで滑走路のように夜空に続く」中央フリーウェイもええが、何が飛び出してくるやら分からん真っ暗な林道や農道の方が僕は好き。

8(月) 岩国教会にて牧師会。予定時間に来られない牧師が何人かいるので、どうせならみんなが揃うまで待つことにした。この分区はのんびりしていてええ。でも毎回、会のあとに持たれる晩飯の時間だけはほとんど変更されたことがない。食事は待てん。理性は消えて、本能が音頭を取る。

9(火) あてどもなく原チャリで走り回った。やっぱこの季節は最高や。教会に戻ると彩七(サイナ)が言う「また一人でカラオケに行って来たん?」確かに一人カラオケは楽しかったが、そう何度も行けるもんやないで。ちゅうか…僕が出かけた時の理由って、そんなんしか思い当たらんのかい!

10(水) そやから念を押したのに!3月に税務署に確定申告に行った時「おたくは(所得が少ないので)いいです」と言われ「ほんまにええんですか?」と重ねて尋ねたのに!「それで支障を来たすようなことはありませんから」とまで言われたのに!今日、市から「申告がまだです」という通知が届いた。

11(木) もしかして、税務署と市は仲悪いんやろか?とにかく気を取り直して市の税務課に行く。「長女が毎月家計にお金を入れてくれているんですけど」と言ったら「それは申告しなくてもいいです」と言われた。せっかく正直に告白したのに。よし!いつの日か僕も「過少申告する」ようなご身分になってやる。

12(金) 今夜は一人じゃないよ。参加者は家族ら6名。19時に入店。しかしこの時点でいったい誰が予測したろう?次々曲を入れにゃいけんという脅迫観念に押され、100曲以上も熱唱するわ、皿は割るわ、途中で二人ほど爆睡してしまうわ、財布の底をついて店を出るのが明朝5時になるなんて。

13(土) まだまだ残暑がきつい。中学生らを連れてかき氷屋へ。イチゴとメロンは売切れ。全種類を完売した時点でかき氷の営業が終わる。今日は初めてオレンジを注文。何?!美味いがな!なんで今まで知らんかったんや。僕の夏を返してくれ。さらばミルク金時!来年、僕の夏はオレンジでスタートや。


8月31日―9月6日

2008年09月07日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo 子供らに「入れ物を置いて朝までにギンナンが入っていたら小遣いあげる」と言った。青いバケツは彩七(サイナ)、黄色のカゴは帆波(ホナ)。翌朝、それぞれに一つだけ実が入っていて、まんまと千円ずつ勝ち取られてしまう。まさかこんなに落ちてくるとは思わんかった。「缶詰の空き缶なら1万円!」と言おうと思ったがやめてよかったわい。

8/31(日) 夕方、車で1時間半ほどの所に行く予定があったが、昨夜は2時間しか寝ていないのでメッチャ眠い。そこで「居眠り運転をする危険のある者を黙って見過ごすわけにゃいかんよね」と徹さんに申し出たところ、運転してくださった。個人的にはこの功績を県警本部長に報告したいとこや。

9/1(月) ここ1~2年で急増している原理被害相談に、3県で実質2名の牧師じゃ当然手が回らない。しかし被害者家族はどんな遠くからでもこんな田舎町まで訪ねて来られる。「ワラをもつかむ」とはこういうことなんやろなあ。役に立つワラならええが所詮はワラ。でも、一緒に沈む覚悟ぐらいはある。

2(火) 夜、大島教会の軒先に巣くったアシナガバチを退治しに行く。最初は殺虫剤を使おうと思ったがハチに罪は無い。殺さず引っ越してもらうことにした。天語に作業させたのはええが、手間取っている間にヤブカの大襲撃を受けて全身ボコボコ。やつら…ハチの危機を助けにきたに違いない。

3(水) 『火でハチ退治の副住職、お寺を全焼』というネットニュースを見た。「坊主が殺生するなんて」などという厳しい書き込みが殺到。だけど人が良かれと思ってやったことを誰が責められる。住職(父親)さん!どうやろ、ここはひとつ「スズメバチじゃなくブツバチやなあ」と笑い飛ばしてやってえな。

4(木) 「疲労する危険のある者に無理な作業をさせるわけにはいかんでしょ」と徹&珠実夫婦に申し出たところ、手伝ってくださった。おかげで入居者を迎える亀の里の部屋の改装ができた。業者を呼べば改装費に「うん万円」はかかったはず。個人的にはこの功績を警視総監に報告したいとこや。

5(金) ここしばらく真夏の暑さがぶり返している。空気が涼しくなった夕方、原チャリで山道を走りに行った。車では行きにくい道なき道を気の向くままに走ったのはええけど、教会に戻ってきたら体中クモの巣だらけの上、何匹ものクモさんが体を這っている。よ、ようこそ周防教会へ。

6(土) 火曜にハチ退治をした理由は、テレビ局がKONISHIKI(小錦)を連れて大島教会のフラ教室を取材に来るからだった。だが本人の体調不良で教会での取材は中止となる。せっかく230kgの体重で古い床をバンバン踏み抜いてもらえば局からお金がもらえる…と目論んでいたのになあ。