握り詰めの駒(ヒーローとアンチヒーロー)

2018-05-12 00:00:35 | しょうぎ
毎年恒例の詰将棋全国大会の席上で発表される「握り詰めコンテスト」の出題課題が発表になっている。いつも参加するだけなのだが、今年のお題は使用駒「王飛飛金金桂桂歩歩歩歩歩歩」の13枚。駒は八種類あるが、角と銀と香は今年はお休み。昨年は飛と角がお休みで、一昨年は飛がお休み。

しかし、飛と金と桂というのは基本的に詰将棋ではヒーローで、角と銀と香はアンチヒーローと考えられる。飛打、合駒、桂捨、同金、頭金まで5手詰というようなのは無数にあるだろう。しかも各二枚ずつというのは多過ぎ感がある。しかも歩が6枚。

ところで、ランダムに握るとどんな感じになるのかを駒の大きさで考えてみる。まず、使う駒は盛上とか彫埋というような漆が飛ぶような高級駒ではないような気がする。漆を傷めそうな感じがある。普及品の彫駒かプラ駒ではないだろうか。高級駒だと握りしめた手が痛くなるだろう。まず駒箱から王2枚と予備駒を取り除くのだと思うが、箱から出した時に、重い駒が中心に集まり軽い駒(歩)が周辺に散らばるような気がする。となると、今回のように歩が多いとなると、散らばった駒を、中心に集めて、任意性がないように混ぜ直したのではないだろうか。

次に、簡単な確率の話で、駒はおおむね大中小歩と4種に分かれる。
大・・・飛と角で4枚 4/38
中・・・金と銀で8枚 8/38
小・・・桂と香で8枚 8/38
歩・・・歩で18枚 18/38

これに今回の王以外の12枚を掛けると、大=1.26枚、中=2.53枚、小=2.53枚、歩=5.68枚となる。実際には大2、中2、小2、歩6ということで、それほど奇妙ではないようだ。

飛金桂は詰将棋では強い駒なので、攻め方に強い駒を集めて、よってたかって王を追いかけるような趣旨にするのか、敵味方に配分して粘着的な問題にするか、あるいは6枚の歩を全部裏返して難解で余詰との闘いを挑むのか、そんなところだろうか。

個人的には参加するだけなので、過去の制作在庫に改造可能品を探しに行って1日で対応したので、その程度のものしか用意していないのである。


さて、4月28日出題作の解答。

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空中の玉を捕まえるのは厄介だ。それも大駒の離し王手と嫌なことが続く。合駒は曲者の桂。最後に馬が横滑りと読みにくい手が並んでいる。解きたくない問題だろうか。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。


手数は11手。ヒントは、「ぴょん」。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。