いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

子供に説明できない政治

2018-03-17 01:37:48 | せんせいとよばれて
今年は小5から中3まで、毎週7コマ社会を担当することに。
常に変動する科目、教科書の中身ばかりでなく、
今の世の中の動きもしっかり捉えて学べるように、
教える側も常にアップデートしないといけないから、
マンネリにもならず楽しい。

実際、授業ではあれこれ質問が飛び交う。
時間の許す限りなるべく答え、
また考えてもらうようにもしているが、
現代社会分野は本当に悩ましい。

憲法、原発、自衛隊。
難しいテーマがただでさえ多くある。
教科書との矛盾も多い。
憲法9条を子供たちが予備知識なく普通に読む限り、
自衛隊の存在には疑問を抱く。
「集団的自衛権」ともなれば、それはますます強まる。
安全保障の問題は単純ではないし、
「いい」か「悪い」かという二元論にはできない。
かといって、憲法や法律は必要ならば権力者が屁理屈こねて破ってもいいものなのか、
という風に子供たちが受け取ってしまっても困る。

こないだ書いたけれど「情報公開」や「知る権利」と、
昨今の「黒塗り」「公文書改竄」との齟齬も子供達は納得できない。
「なくした」「捨てた」でまかり通ってしまう政権側の姿勢にも、
そんなんでいいの?との声があがる。
自分たちは四六時中それで大人たちに怒られてるもんね。

思えば、安倍政権はずいぶんとこうした
「子供に説明のつかない」ルール破りや国会軽視を重ね、
民主的な手続きをぶち壊してきたもんだなと思う。
憲法改正の必要性は理解できても、
こういう姿勢で政治に臨む権力者たちがそれをやろうというのには、
疑わしさを払拭できないのは当然だろう。
「緊急事態条項」にはその下心がミエミエだ。

政治には建前と本音、清濁が入り混じる。
必ずしも子供に説明のつかない面があるのはやむを得ないとは思う。
でも子供でもわかるような明らかなウソ、ゴマカシ、ルール違反を
常態化させてしまっている現政権は、
子供達にまで政治や社会や大人たちへの不信感ばかりを募らせてしまっているのではないか。

彼らは学校での「権力者」たちの在り様に少なからずウンザリしている。
しかもそれは学校だけの問題ではなく、
日本社会全体に蔓延る病根だったりもする。
となると、問題は政権だけに留まらないわけだが、
彼らが(また有能であればあるほど)日本に絶望して
国を棄てる決断をする可能性の高さを思うと、うすら寒い思いがする。

何とか、手の届く範囲だけでも、とは思うけど。
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