いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

受験オリンピック

2022-02-07 00:09:11 | せんせいとよばれて
テレビでね、オリンピックの結果を報じて、
メダルの数が何個…ってやるじゃないですか。
んでも最近は、出演者もメダルを称えつつ、
メダル圏外だった選手にも気遣ってコメントしますわね。

そう、メダル獲得は素晴らしいことなんだけれど、
みんながみんな獲れるわけじゃなくて、それぞれに苦労や葛藤があって、
運不運やメンタルや好不調もあって、その上での結果なんですよね。

選手の実像に迫れば迫るほど、「メダル確実!」なんて気安く言えなくなる。
知らないからこそ、遠くから無責任な他人が、
「メダル」というわかりやすい結果だけを褒めそやす。

受験もまったく同じなんですよ。
有名校や第1志望校にみんながみんな合格するわけじゃない。
努力や姿勢と結果は必ずしも一致しない。
それでもみんな不安やプレッシャーと闘いながら目標に向かって頑張った。
難関校合格はたしかに素晴らしい、誇っていい。
頑張ったお子さんは大いに誉めてあげてください。
でも周囲が、特に大人がやたらにハシャイで、そればっかりもてはやすのはちと違う。

まして、「偏差値●●以下の学校には通う価値がない」なんて、
いいですか、断言しますよ、アホの言うことですよ。
「メダル以外はオリンピックに出た意味がない」なんて言うのと同じですよ。
「おれは昔、偏差値●●の学校に受かった!」
だからどうしたと。おまえもやればできると?
メダリストがそんなこと言いますかね。

負けた痛みを知らない勝者は盲目。
僕自身もそうカテゴライズされちゃうのかもしれないけれど、
難関私立中高を出て、難関大学を出た人の教育観なんて、たかがしれたもの。
ものすごーーく視野が狭くなってると思っていた方がいいよ。

僕もこの仕事をやってなければ気づけなかったことがたくさんある。
数えきれないくらいの子供たちと、毎年真剣勝負に臨んで、
たくさんの涙も見て、やっと辿り着けた境地がある。

この春、厳しい入試に挑んだお子さんを持つ保護者の皆さんに、
ちょっと風変わりな(へそ曲がりな)進学塾代表からメッセージを。

結果は色々、お気持ちは重々わかります。
でも、どんな形であっても、お子さんの味方でいてあげてあげてくださいね。
「オリンピック」を目指して真剣に頑張った経験は、
けっしてメダルだけで報われるものではないし、
厳しい結果を突きつけられることで覚醒するものもあるでしょう。
逆に「メダリスト」がチヤホヤされているウチに、
調子に乗って転落して…なんて話だって少なくありません。
そう、お子さんの人生は入試なんかでは終わらないんです。
まだまだこれからなんです。

ずっと一番の応援団で、味方でいてあげましょう。
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