いぶろぐ

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脱退とか解散とか(加筆)

2005-05-01 05:40:42 | Rebirth歴史資料館
そういうマイナス事項を発表しなければならない日のライブは、
不思議とその告知まではいいライブになる。
なんでだろうね、とシュンスケと話していた。
ダイゴ達が抜けたときもそうだったが、無意識のうちに引き締まるのか。
ともあれ、今日ライブに来てくれた人々は、
せっかくの楽しい空気から一転、蹴落とされてしまったわけで、
多くの人に喜んでもらおうというところが
そもそもの出発点にある俺としては非常に辛かった。

本当に、申し訳ない。その一言。
でもね、俺もみんなと同じ気持ちだってことも、解って貰えたらなと思う。
形の上では俺の脱退→解散となっているけれども、
俺に自分からバンドを投げ出す気持ちはなかったんだよ。
確かに俺はワガママな人間だ。周囲との誤解やすれ違いも少なくない。
でもワガママだけで辞めるなら去年、
レコーディング終了の時点でとっくに辞めてる。
あのときの制作スタッフやメンバーからの酷い扱いは絶対に忘れない。

気分屋、理屈家、アバウト、個人主義…等々、
俺は本当に欠点の多い人間だけれども、
その裏返しに他人には真似できない長所というのも持っているはずで、
それらがバンドやステージに活かされているとメンバーは理解して、
価値を認めてくれてると思ってた。
俺には常識がない。
だけど、だからこそ引き出せる色んなものがあるはずだ、てね。
でも、そうじゃなかったようなんだ。

話し合いはシュンスケの一言がきっかけになって始まった。
「もう、この状態で続けていくのは無理じゃないか?」と。
それは彼自身がRebirth通信にも書いているから、
ファンの間では彼が口火を切ったように誤解されている向きもあるようだが、それは違う。
たまたま、きっかけとなったのが彼になっただけだ。
彼は色んな事情を総合して、現在のRebirthに限界を感じるという
メンバー共通の認識を明るみに出しただけだ。
その後の話し合いの展開を見る限りでも、
メンバーそれぞれが同じように考えていたのには違いない。
何より、シュンスケは最もRebirthを何とかしようと最後までもがいていた人間だ。
偶然、テレビ出演と時期が重なってしまったために、あらぬ誤解まで招いているが、
彼に変な下心や損得勘定はない。それは俺が保証する。
どうか彼は責めないでやって欲しい。

では、なぜ解散なのか。
「解散」はあくまで結果であって、選択ではなかった。
当初のバンドの選択は「息吹脱退」(というか追い出す)にあった。
俺の中では決め手になった台詞が二つある。
ひとつは、ある複数のメンバーの言葉。
「ボーカルを換えて、Rebirthをやるべきだと思う」
彼らには遅刻してくる俺、荷物を率先して運ばない俺、
事務所の言うことを聞かない俺、タバコを嫌がる俺、塾の仕事を優先している俺、
そういうイメージしかなかったようだ。
まあしょうがないね。だらしないのは事実だから。
でも一方で、ファンや関係者の多くが認めてくれた、
MC、ステージ演出、原稿、妄想ラジオ、似非哲学、テレビラジオ雑誌での言動…
そういった、俺を俺たらしめているもの、
そしてRebirthをRebirthたらしめているもの、
これらについては全くと言っていいほどその価値は認めてもらえないようだ。
彼らは以前からことにつけて、鬼のクビでも獲ったかのごとく、
「イブキのMCには批判的な意見もある」なんて言ってたしね。
だからなんだ?っていうね。
すべての人に賞賛されるMCなんてあんの??
もとより、万民ウケなんてまったく期待してないし、考えてもないよ。
俺のスタイルが支持者と同様、敵も多く作るのは明らかだろうね。
じゃあそこで無難なことしゃべって曲につなげばいいってか。
俺は違うと思うよ。
バンドがかっこいいと思ってるだけで、客は退屈なんてこともあるし、
その逆もある。
Rebirthというバンドの評価には、
ボーカリストのパフォーマンスだって大きな要素としてあるはずだ。
そこでメンバーが俺を理解してくれるのか、
「世間様」に迎合して俺を抑え込みにかかるのかとでは、大きな差があるね。

全ての人に受け入れられるモノなんてあるわけがない。
でもそれを目指せという彼らの方法論は、
俺には「無難」と「没個性」にしか見えない。
だから彼らは、理不尽で身勝手な「関係者」たちにも、お追従ができるのだと思う。
俺がバンドをやっているのは自己証明であって、欲得ではない。
「オトナの判断」で耐えなければならないこともあるだろうが、
エライヒトのご機嫌をとるばかりがバンドの生き残り方なのだろうか?
そんな者が、何を訴えて、ロックを名乗るのか?
「オトナの分別」「割り切り」を身につけろと何度言われたことか。
なら、君らは普通に会社員になれば良かったんじゃないのか?と単純に思う。
バンドをやることに何か主体的な理由があるのかも疑わしい。
業界というものに忠実であることだけが成功の方法論とは思えない俺は、
次第に、何をするにも事務所にお伺いを立てるRebirthの状況にやる気をそがれていく。
そしてそんな俺の姿は格好のスケープゴートだ。
いわく、「息吹が言うことを聞かないから、やる気がないからRebirthがうまくいかない」。
こうして、少しずつ溝ができていく。

シュンスケは、俺の価値というものも十二分に認めてくれていたし、
俺のこういう思惑も理解してくれていた。
だから、「息吹外し」が順調に進むミーティングの場で、
何を言うだろうかと思っていた。
「俺は、息吹の豊かな才能は認める。けれども俺はもっと純粋に音楽に特化したところでやってみたい。」
この一言で、俺の腹は完全に決まった。
シュンスケの言いたいこと、やりたいこと、
考えていることがすべて解った気がした。
この1年間、バンドがうまくいかないすべての原因が、
俺の態度や失策にあるとされてきた。
しかし、その裏に隠された多くの問題点をも、シュンスケは指摘したのだ。
Rebirthは俺とシュンスケ、そしてシュンスケのイエスマンたちで構成されていた。
そこにシュンスケは不満があったに違いない。
この時点で、他のメンバーはそれに気付いていない。
俺を除いた4人に新しいボーカルを迎えてRebirthを続けるつもりでいただろう。
だが、シュンスケはそこに明白な一線を画す。
「このまま息吹と一緒にやることはできないけれど、息吹が抜けて何がRebirthだ、とも思う。俺も、抜けるよ。」

メンバーは大誤算だったに違いない。
俺だけを外すつもりが、アテにしていたシュンスケまで抜けると知るや、
このバンドを続けるかどうかで頭を悩ませ始めた。
「息吹を外して続けるべきだ」と言っていたはずが、
ソロバンを弾いてか、自らも突然翻したり。
引くに引けず、自分を励ますためのあまり具体的でない美辞麗句を
解散発表の場にまで持ち込んでしまったり。
なりゆきにまかせたり。

残されたメンバーの手によって、Rebirthは解散となった。
彼らの選択は責められない。
しかし、7年もの間守り続けてきたバンドの最後としては、
あまりにも無責任であっけないものではなかったか。
俺とシュンスケが「脱退」という言葉にこだわったのはこういう事情による。

この発表と同時に関係各位にも、友人知人にも報告のメールを送った。
すると夜遅くにもかかわらず、みんな次々とねぎらいの言葉を返してくれたのだった。
色んな声に触れたが、一番多かったのが、
「残念だけど、お前ならこれからまたもっと面白いことやってくれるでしょ、がんばれ」
というものだった。これが本当に嬉しかった。

プレハのポンセ氏もAREAのマネージャも、本当に惜しんでくれて、
俺と俺がいるRebirthとをどれだけ認めていたかを語ってくれた。
やはり、解散すべきではなかったかもしれない。
でも、俺にはもう戻れるところがないのだ。

シュンスケには、本当に悪いことをしたと思っている。
彼は誰よりも我慢したし努力した。言行が一致していた。
俺がヘソを曲げてしまったときもあいつだけはねばり強く俺を諭してくれた。
あいつの期待には応えたかったが、ついにそれは叶わなかった。
あいつが多分、一番俺のことを解ってくれていたと思う。良いところも悪いところも。
その上で、今回の決断に至ったのだ。
あいつはこう言った。
「イブキはRebirthにこだわらずに外へ出た方が、きっと良い仕事すると思うよ」
と。
バンドを途中で壊すことのマイナスを、
一番よく解っているはずのシュンスケがこうまで言ってくれた。
そこまで追いつめたのはきっと俺なのだ。本当に申し訳なかった。

Rebirthの方では書けること書けないことあるので、
ここでは俺のごく個人的な見解を書いていきます。
あくまで俺の主観だから、見る人が見れば違うこともあるかも知れないよ。
だけど、俺について聞きたいことがもしあれば、掲示板やコメントを通じて声を寄せて下さい。
できる限り誠実に応えます。
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