【宗丹池】

【宗丹池】

静岡鉄道狐ヶ崎駅に隣接するイオン清水店の場所はかつて遊園地だった。 

能島の巴川べりで瓦を焼いていた祖父の家では、ときどき孫たちに
「こんだのやすみにゆうえんちへとつれてくか」
という嬉しい話があり、お弁当を作り、能島、堀込、吉川と草むした古道をたどり、国道警ら隊のところで国道 1 号線を渡り、古道を南下し旧上原跨線橋を渡って旧東海道沿いの遊園地に出た。それが徳川以前、中世期の古い東海道だったのである。

狐ヶ崎遊園地脇に大きな池があり、子どもたちは遊園地の池と呼び、正式には上原堤、古くは宗丹池と言った。

 狐ヶ崎の上原堤は宗丹池ともいい、 伴野新太郎氏の先祖重郎左衛門が北條早雲の弟宗丹の許を得て堀ったものとの伝承がある。早雲は其の出自について研究が重ねられているが、さまざまな説がある。兄弟については諸書に記述はなく、歴史として書くことは困難である。しかし、伴野氏方には戦災まで古文書もあったという。 伴野家では明治二十七年生の新太郎氏を北條新九郎に因み新太郎と命名したという。これは北條早雲が同家に宿し、そのお礼に池の築造を許可し、早雲の弟の長與の号に因みて宗丹と名付たと伝える。(『ふるさと有度』)

上原配水場脇の坂を登り、南幹線を歩いてイオン清水店駐車場に降りたら懐かしい自動車が駐車してあった。このかたちが好きでたいせつに乗られているのだろう。

イオン清水店に初めて入ってみた。こういうなんでもありの大型ショッピングモールが郊外にでき、自家用車族以外のために旧市街から無料送迎バスが走り、それらにより大資本が地域の資産を汲み上げるポンプ場になっている。

幼い頃ボートに乗せてもらった宗丹池に人の気配はなく静かに睡蓮が咲いていた。

2024年5月15日 宗丹池

明治二十三年清水測量地図

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