危険がいっぱい


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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真っすぐな道を走っていたら、対向車がこちらの車線にふらふらと入ってきた。
完全にこちらを向いて進んでくる。
な・・何で!?
慌ててブレーキを踏んだが、これは正面衝突かというタイミングであった。

目一杯踏んだので、大きなスキール音がして、僕の車は激しく前のめりになった。
対向車の運転席で、驚いた顔でこちらを見るドライバーのおばさんの顔が見えた。
あちらも慌ててハンドルを切り、自分の車線に戻ろうとした。
2台がぎりぎりのところでぶつからずにすれ違った。

あまりの事に、最初は何でこんなことになったのか理解できず、自分が悪かったのだろうかと考えた。
しかし普通に制限速度内で自分の車線を走っていたら、対向車が勝手に飛び込んできたのだ。
こちらに非はないだろう。

道の脇を通行していた自転車を追い抜こうとしたおばさんドライバーが、こちらの車線に大きくはみ出してきたのだ。
対向車が来ていないか、当然確かめたのだろうが、何しろ高齢の女性だから動作が鈍い。
それから追い抜きを始めるのに何秒かかかり、対向車線を走ってきた僕の車とまともにぶつかるタイミングになってしまったのだろう。

間一髪衝突は免れたが、本当に危ないところだった。
あれでは避けようがない。
自分では安全に走っているつもりでも、ああいう車と鉢合わせすると、下手をするとあの世行きにもなりかねないということだ。
ほとんど通り魔と遭遇するようなものだ。

もう何十年も前のことだが、当時の社長と二人で朝早くトラックに乗って、得意先に商品を届けに行ったことがある。
荷物を下ろして帰る途中、広い国道を走っていると、十数メートル前方の中央分離帯の向こう側で何かが起きた。
反対車線は生垣に隠れてよく見えなかったが、どうやら居眠り運転のトラックが、中央分離帯に接触したようだった。
土砂がバッと舞い上がり、火花も少し見えた。

その小石や砂が、こちらのトラックのフロントガラスにバラバラと激しく降り注いだ。
ビックリしたが何もできず、そのまままっすぐ運転し続けるしかなかった。
もしも対向車が中央分離帯を飛び越して正面からぶつかってきても、どうしようもなかったろう。

しばらく走ってから、ふと社長が漏らした言葉を思い出す。
「あの車とぶつかって二人とも死んでしまったら、幹部がいなくなった会社はどうなるんだろうね」
人生は危険が一杯で、いつ想定外の事が起きるかわからないということだ。
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