観察


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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駅の改札口で待ち合わせをして立っていた。
目の前を大勢の人が通過していく。
それをぼんやり眺めていた。

そういえば何か事件があると、この位置に警察官が立ち、鋭い目つきで通行人を観察していることがある。
台を置いて一段高いところから見ている。
恐らく容疑者が通るかもしれないという情報が入って、その人物の特徴に合致する人を探しているのだろう。

交番の前に貼ってある手配書を見ると、指名手配の犯人の容貌についていろいろ書かれている。
テレビドラマでも、警察が目撃者に様々な情報を聞き出すシーンが出てくる。
その人物の身長、年齢、顔の特徴などを細かく聞き出し、時には似顔絵も作成する。

しかし僕のようにボーッと立っている人間では、とてもあのような記憶は残らない。
人が前を横切ったな・・という程度の記憶しか残っていない。
それがどんな人物であったかなんて聞かれても、せいぜい性別程度で、それ以外はまったく答えられない。
そういう細かいことを観察して覚えている人もいるが、僕はまったく駄目なタイプだ。

これでは役に立たないな・・と思い、試しにあちらから歩いてきた男性をじっくりと観察してみた。
年齢は多分50歳代。
身長は・・・170センチから175センチくらいであろうか。
離れているので意外に身長の判断が難しい。
恐らくここに立つ警察官は、周囲の例えば駅の券売機や壁のポスターなどの高さを覚えていて、それと比べているのだろう。

ヘアは七三に分けているが、分け目の辺りが少し薄くなっている。
額が大きめで黒縁のメガネ、顔つきは特徴が少ないので表現のしようがない。
それにこの距離では細かいところまでは見えない。
この程度の情報では、似顔絵を作るのはちょっと無理だな・・・

服装は明るめのグレーのセーターに濃紺のジャケット。
下もライトグレーのスラックスだ。
しかも驚いたことに靴までもが、ライトグレーの革のモックトゥタイプのものであった。
ちょっと変わった色の靴である。
これだとジャケットを脱ぐと、グレー一色になってしまう。
よほどグレーが好きなのだろう(笑)

特徴を文章化することで、多少は記憶を強化できるようだ。
特に靴に関しては、興味があるから鮮明に頭に残る。
僕の場合、通行人の特徴をすべて覚えるのは無理だから、靴で記憶するというのもひとつの手である。
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