後遺症


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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おかしな話だが、大学を卒業して、社会人になっても、しばらく高校生時代の夢を見た。
それは、「今日はテストだ」という夢だ。
決して楽しい夢ではない。

机に向かっていると、窓の外が白んできて、やばい、もう間に合わない・・と焦る。
焦れば焦るほど、勉強が進まない。
追い詰められて、あれやこれやと方策を練るうちに、はっと目が覚める。

目が覚めても、そういう夢を見た後は、しばらくは状況が把握できない。
ベッドに横になったまま、部屋の中を見回しているうちに、頭の中の回路が正常に動き出す。
それで、やっと胸をなでおろす。
「ああ・・・夢か・・・」
それにしても、社会人になって、いまだに高校時代のテストの夢か・・と失笑する。

学校での経験の後遺症・・なのだろう。
精神的な疾患と言ってもいいほどだ。
夢にまで見るのだから、症状としては重い。

受験校の学生生活というのは、精神的には重い体験である。
学校に通うことで、こんな後遺症が残るなんて、何とも皮肉な話ではある。
しかも夢を見なくなったのは、比較的最近のことで、完治までにずいぶんとかかったことになる。

ところで、話は変わるのだが、亡くなった父親や祖母が、夢に出てくることもある。
内容はよく覚えていないのだが、夢の中で何か会話をしている。
舞台は、やはり何十年か前の世界のようだ。

目が覚めた直後は、どこまでが現実の世界なのかわからず、しばらく混乱状態にある。
夢だったのか・・という認識はあるのだが、一方でまだ半分、あちらの世界の中にいる。
そうだ、夢で見たことを父親に話そうかな・・などと思い、起き上がろうとして、そこで初めて、父親は既に10年も前に亡くなっていることに気付く。
ああ、もう父親はいないのだった・・と思うが、そういう時は、何とも言えない寂しさを味わうことになる。
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