情報


D810 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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最近仕事で、エンドユーザーと直接話をする機会があった。
製造元にいると、販売店と話すことはあっても、こういう機会は少ないのだ。
強く感じたのは、ものを購入しようという人は、製造元の人間の話すことは、素直に信用してくれる・・ということだ。
それに対し、お店の人が言ったことは、どうも胡散臭く感じるようで、鵜呑みにしない傾向がある。

確かに、この世で一番その製品について詳しいのは、作った本人である。
何故こういう作りになっているのか・・という疑問に、納得のいく答えを即座に用意できるのは、自らの手でそれを作り上げた人だけだ。
それは確かなのだが、ネット時代になって、正確な情報を重要視する傾向が、顕著に増加してきたように感じる。

現代はインターネットを通じ、多くの情報が入手できる。
以前は新聞やテレビしか情報源がなかったが、今ではそれらは規制やバイアスのかかった、いうなれば半分嘘の情報だということに、多くの人が気付いている。
ところが、そのことを知っていながら、あえてそれらの情報も受け入れている。
その情報にフィルターをかけて、自分なりに真実を導き出し、上手く利用しているのだ。

その選別の能力に、一般の人までが長けてきているのが、現代の傾向のように感じた。
大量に情報を得て、その中から重要なもの、信用できるものをピックアップし、偏った部分を補正する。
普段からスマートフォンを離さず、常に大量の情報に晒される環境にあるため、嫌でもその技術が身につくのだろう。

「お店の人はこう言ったが、本当のところはどうなのか、製造者のプロの眼で見た、本音を教えて欲しい」
驚いたことに、何度となく、そう聞かれた。
お店の販売員の話すことは、質問した時に見せる一瞬の表情やしぐさから、完全には信用できない・・と判定されたのだろう。
販売員もプロである以上「わかりません」では済まないので、つい分かったような顔をしてしまうが、敏感なお客さんにはそれが見透かされてしまうのだ。
新聞やテレビと同じで、一応その情報も聞いておくが、信用度は低いということだ。

それに対し製造者自らが語ることは、真実なのだから当たり前ではあるが、圧倒的なリアリティを持つ・・と思われるようだ。
しかも生の情報として、非常に貴重なものと捉えられている。
もちろんエンドユーザーへの対応に慣れていないから、こちらは不器用に誠実に話すしかない。
恐らく、それがかえって真実味を増す要因になっているのだろう。
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