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COLKID プチ日記
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知人の会社で開発した、比較的高額な商品がヒットしている。
増税前ということもあるが、今までに無い売れ行きであるという。
驚くような数を売る販売店もあり、かなりの売上になっているようだ。
ネットを通じての問合せも多く、それへの対応だけでかなりの作業量になる。
それに対し、知人はひとつひとつ丁寧に返事を書いている。
自分の仕事への影響が出ないように、朝早くか、夜遅くの時間を利用して書く。
時には休日にも自宅のパソコンから返信する。
専門の要員を雇うのではなく、自ら時間をかけて返事を書くのだ。
そのこともヒットの後押しになっているようだ。
作っているメーカーのトップが、こつこつと誠実にメールを書くことが、質問者の信用を得る大きな要因になるのだ。
もちろん、それにはまず文章を書く能力を持つことが前提になるが、その点文学部出身の彼は、書くことをあまり苦にしていないようだ。
聞いているうちに、これは案外新しいビジネスの形かもしれないと感じた。
販売店での説明は、往々にして口八丁手八丁だったり、逆に全然わかっていなかったりして、購入者に不信感を与えることになる。
またネットユーザーには、そういうのを敏感に察知する人が多い。
様々な情報から得た専門的な知識が多く、それらを選別、処理する能力も高く、その結果自分に自信も持っているので、中途半端な説明は通用しないのだ。
お店の人はこう言っているが、作る側としてはどう思っているか、本当のところを教えて欲しい・・という内容のメールがけっこう来るという。
時には少し首を傾げたくなる情報もあるが、知人としても、さすがに販売店を嘘つき呼ばわりは出来ないので、少し遠まわしな表現をせざるを得ないこともあるようだ。
だが書くに書けないという彼の真意は、ちゃんと顧客に伝わっているのではないだろうか。
そもそもネットの時代には、ユーザーとメーカーが直結し、最終的には販売店が必要なくなるのではないかと思っていたが、それに近付きつつあるのかもしれない。
丁寧に返事を書くと、それに対する感謝のメールが来るので、それにまた返したりと、顧客とのメールでの関係はなかなか終わらない。
質問に対して、自分の個人的な経験を綴ったりもするので、事務的ではなく、内容が深くなることもあるという。
そういう親身になって書かれた文章に対し、ユーザーは思いのほか敏感に反応する。
このやり方には、諸刃の剣になりかねない危険性もある。
しかし作る人間としては、これ以上でもこれ以下でもなく、嘘偽りの無い真実を書いているのだ。
その誠実さや人柄が相手に伝わることが、一番重要なのだろう。
ところでもうひとつ、大きな傾向が見えてきたという。
質問者の居住地域が、東京周辺に極端に集中しているのだ。
僕も質問の集計を見せてもらったが、全国から寄せられた数百通のメールのうち、約7割が東京、神奈川などに集中していた。
お金がその地域に集中しているのか、あるいはネットユーザーがその地域に多いのか、それはまだ不明である。
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