<2917> 余聞、余話 「新年の野鳥たち」
新年や三三五五の鴨の群
野鳥たちに新年の感覚はなかろう。けれども人間さまであるこちらにはあるから野鳥たちにもその気分が纏っているように感じられるところ。よくカメラを持って散策に出掛ける馬見丘陵公園で、そう思った。昨年は正月早々イカルの群に出会ったが、今年は姿がない。昨年は鳥たちの好物であるエノキの実が豊富だったが、今年はどうも実の生りが悪く、極端に少ない。これが理由かも知れない。
それでも冬鳥の常連であるジョウビタキは雌雄で姿を見せている。広い公園であるが、例年ほぼ同じ場所に来るから不思議である。公園中央付近の木々の多い場所では単独行動のシメが見られ、ほかには池の中のカモ類に目が行く。普段あまり近くに寄って来ないハシビロガモのメスが水辺の直ぐ近くまで来たので、「おめでとう」と言ってやったら、挨拶のようなポーズを取った。
柵の上に止まっているジョウビタキの雄にも「おめでとう」と呼び掛ける気分でカメラを向け、シャッターを切ったら、こちらの心持ちがわかっているのかいないのか、カメラに向かって訝しげに首を傾けた。では、馬見丘陵公園で撮影した新年の野鳥たち五種を写真で紹介したいと思う。写真は左からジョウビタキのメスとオス、カモの仲間のバンとハシビロガモ、右端はシメ(いずれも同公園)。