つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

歌集 海濱独居抄

2013-11-11 | 短歌
 旅行で留守している間に、鎌倉在住の江島彦四郎先生から第六歌集「海濱独居抄」が届いていました。2006.9.27 に第五歌集を紹介していますが、その時上梓された「海濱居日常」に次ぐもの。著者は元医師であり、歌人で、私の所属する短歌結社・「高嶺」の指導者。11/6に主宰者の井上生二先生(10/25に歌集雀舌記を紹介) が亡くなられ、後継者です。

 歌集のタイトルに海濱とあるのは、鎌倉の海岸に近いところに住まわれているからです。大正15年生まれの著者は7年前奥様を亡くされ、その後の孤独な日常生活を詠まれています。下に抜粋し紹介します。ハードカバー。237頁。

バッハ一曲ききて為事にとりかかる為事は一週間分の洗濯

杖もちて岬までゆく遊歩道また山頭火おもひいでつつ

葉を白くかへて群がる半夏生施餓鬼の寺の池の明かるさ

ひとり住み何年なりや夜にのむ薬の水の冷たくなりぬ

またの名を雪待月といふ霜月はわが生まれ月妻死にし月

心臓の震へが胸をつきやまぬ夜のひとりの眠り眠れず

窓にきて聞く蟲の音と雨のおと末期といふを思ひをりつつ

             






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2 コメント

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Unknown (tona)
2013-11-11 13:13:13
何かじーんとくるお歌ですね。
いまでさえそうなってきたのに、一人になったときにはどんなでしょうと、お歌を味わいながら静かな外を眺めています。
>心臓の震へが胸をつきやまぬ夜のひとりの眠り眠れず
私まで心臓が震えるような思いです。
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tonaさま (matsubara)
2013-11-11 16:27:16
著者は内科医ですから、こういう歌は
どきっとします。
静謐な歌が多いです。
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