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市内を貫流する清流・錦川も大雨になると茶色く濁りその後遺症は数日続く。「今、川は濁流となりいる。明日・明後日には砂利や泥水で洗い流され素晴らしい清流に戻る」と川を生業の一つにする上流の人の長年の経験が言わせる。それは坂本龍馬の「今一度川を洗濯し候」という言かららしい。濁流が川を洗濯するとは面白い。
源流から100㌔余も下流になると、増水したいくつかの支流の水量も加わり300㍍を超える川幅一杯になる。流れる川面を橋上から眺めると、流れはゆっくりだがいくつもの渦が巻いている。その渦は流木を巻き込み下流へと移っていく。ゆっくりした流れからは想像つかない流力を見せる。いつも見かける水鳥はどこに避難しているのか見えない。
中州の風情ある枯れすすきの原は下流へ向かって押し倒され、気の毒極まりない。この試練が新しい芽生えを促すのだろう。中州は野鳥の住処にもなっているが、水鳥と同じく姿は見えず鳴き声も聞こえない。こちらもどこへ避難しているのだろう。毎回、減水すれば帰ってくる素晴らしい知恵を持ってはいるが、巣の復旧は大変だろう。
6月になると鮎魚が解禁になり、夏の岩国観光の主役となる鵜飼が始まる。先月の末、鵜飼の主役となる鵜の飼育施設「吉香 鵜の里」が完成した。ここで飼育訓練された鵜の活躍が楽しみだが、濁流に見舞われるとその日は中止となる。思う存分に鵜を活躍させて欲しいとは天に祈るしかない。
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