城山ロープウエー山麓駅そばの重要文化財・目加田家の庭に三椏の花が咲き始めた。この三椏が和紙の原料として登場するのは16世紀、戦国時代になってからという。三椏だけで漉いた紙の強度を補うため楮も使われた。
観光で訪れた人が「み・つ・ま・た」、と一字区切りで読んでいた。初めての人には珍しい字かもしれない。三椏は、その枝が三叉、呼び方の通り三つに分岐しているからです、と枝を指して話すと笑って頷かれ、そばの説明板を写真に撮られていた。
岩国藩の紙は有名で、その歴史は天正年間に上方から入ったという説がある。その原料は楮が使われたと記録に残っている。楮は山奥のやせた地に適するということで、当時の山代地区の斜面を利用して作られ、紙となり藩財政の大きな力となった。
三椏の花をよく見るとその形が面白い。蜂の巣を逆さにつるしたように見える。枝が3つにわかれる不思議さとあわせ、ちょっとおもしろいと思う。これから花の本番になる。可愛い、綺麗という感じはちょっと起きないが、目加田家の庭に咲いていると歴史の重みを感じさせる。
(写真:咲き始めた三椏の花)
剪定されたのか小さくなっていますが、花は同じように咲いています。
きれいな流れ、豊富な水量。錦川という自然に恵まれて発展した紙作り。
今も引き継がれていますね。みつまたやこうぞが原料ではありませんが。
逆さ蜂の巣、面白いですね。