山椒魚といえば教科書にもあった井伏鱒二の作品を思い出す。成長しすぎて自分の棲家である出入り口に頭がコップの栓のようにつかえ岩屋から出られなくなってしまった山椒魚の悲嘆をユーモラスに描いた短編作品。井伏の代表的作品の一つといわれる。頭部には小さな目と鼻、そして大きな口があり真正面から眺めると大頭で、棲家かの出入り口に頭が栓のようになりそうだが、横から眺めると意外にスマートだ。
世界最大級の両生類で、生きた化石でその一生を水中でくらす両生類として保護されるが、準絶滅危惧種に指定されている。学習会で驚いた一つに、オオサンショウウオのあの体つきから大変な量の餌が必要だろうと想像していたが、小食で体重の0.03%の餌で成長、その量は1週間に1~2匹の魚でいいという。カエルやサワガニも好物、時には水面を渡るモグラやネズミも口にするとそうだ。
オオサンショウウオは未知の生き物、年齢不詳、寿命不詳、性別不明、目は見えるのか、幼生の暮らしなど、何を研究しても新発見、だから面白いという。その生態が解明されていない生き物がいる宇佐川に興味が湧く。そんな不明だらけのオオサンショウだが17歳で大人、100歳くらいまで生きれる、と人間に近い姿が観察から浮かんできたという。神秘的ないくつかは未解明で残してほしい。
オオサンショウウオは「清流」だけに生息する、と全国会の会長の話。この流域住民の結束は強く、長年にわたり清流を保つための奉仕活動が小学生も含めて続いているという。井伏鱒二の「山椒魚」で、岩屋に入ってきた小さな川エビが、山椒魚の肌を岩と間違え産卵する、という話しがある。そんな長寿のオオサンショウウオが住みかとなる清流よ、いつまでも、と学習会終了の挨拶を聞いた。
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