日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

遺 影

2017年04月30日 | 生活・ニュース
 「毎年、年初めに遺影用の写真を撮っておく」と話していた人は亡くなってから久しい。遠方の方で飾られた遺影は見ていないが、心がけからして故人を忍にふさわしいものだっただろうと推量する。

 亡くなってからでは撮れない遺影用の写真、生前に撮ったものを探すのに苦労した話はいくつか聞いている。我が家には3枚の遺影がある。祖父母のは紋付き袴で二人並んだ記念写真。父のは亡くなる少し前に撮った運転免許更新用の残りから複製したもので、職場の制服姿で真正面を向いている。「これを遺影に」と母のもの自らが選んだ1枚。それは息子が高校1年の時に撮ったもので第一作になる。

 カメラを持って60年近くなる。撮るのは好きだが、進んで一人姿を撮ってくれと手を挙げた記憶はない。すがた、かたち、顔だち体つきが端麗ならいざ知らず、それらに縁遠いのがその理由。冗談では遺影をどれにすると話すが、選べる幾枚かがあってのこと、身近にその必要性が生じ、チラリと頭をかすめる。

 孫が2歳のころと思う、遺影を見上げて「なにか」と聞く。楽しさ満載の写真に囲まれて育っているころの事、白黒の写真に異様さを感じたのだろう。説明すると「変身」しているいう。そんな時から十数年、残した息子らが困らないように写真を残すのも終活の小さなアイテムかもしれない、通夜へ向か道すがら思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 見守る | トップ | さわやかに5月 »

コメントを投稿

生活・ニュース」カテゴリの最新記事