盆前になると街中で黒衣(こくえ)の住職さんをよく見かける。近くはバイクで遠方は自動車で移動されるらしいが、暑い中ご苦労様です。しかし、これも大事なお勤めであり檀家も待っている。特に初盆のお宅は盆直前のお勤めを待っている。
あるTV番組で、宗派によって作法は異なると断っているが、お仏壇へのお参りは「仏様や亡き方へのご機嫌伺い」のように伝えていたという。亡き方や仏様を粗末にしてはいけないが、ご機嫌伺いのために仏壇の前に座る、宗教論をするわけではないが常識ある放送と私には思えない。
孫はよちよちのころ帰省すると必ず両親に挟まれて数珠を手にして見まねで礼拝する。孫用に買い置いた小さな数珠を喜び、遊びの合間に礼拝をしていた。学齢になってからも帰省すると挨拶の前、仏前に数珠を手にして座る。その孫も年末には選挙権を得るまでに成長した。あるとき黙って遺影を見上げていた。きっと何かを感じたのだろう。
次の檀家もあるので、盆勤めが終わって住職との会話は挨拶程度と短いが仕方ない。ヘルメットのあご紐を締めながら「あと1週間です」、檀家が多く梅雨のころから始まる檀家回り、若い住職の表情に安堵の笑み、盆近しと感ずる。
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