日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

胃の舞台

2011年08月16日 | エッセイサロン
2011年8月16日 毎日新聞「はがき随筆」掲載

 医者が内視鏡で私の胃を画面に映し、診ている。私はベッドで同じ画面を見ながら説明を聞く。臓器の内部を見るという不思議な感覚。いつの間にか内壁の様子やその色模様などを真剣に見ている。胃の中で動きを感じるたび、そこが演技するように画面が変わる。

 見えない所が診られるようになった現代医学。どこまで技術が進歩するのか、あまりの長寿は考えもの。そんなことを思っていると「治っていますよ」の声で十数分の色鮮やかな舞台が終わった。

 仕事を終えた内視鏡がつり下げられ揺れている。物言わぬそれに心の中でそっと「ありがとう」。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おめでとうございます。 (yattaro-)
2011-08-18 21:26:22
はがき随筆掲載、おめでとうございます。
益々順調ですね。
さて今年はいったい何篇の最高記録になるのでしょう。
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読みました~ (金ちゃん)
2011-08-19 12:50:00
初めて見たとき、自分の胃の中だけど、そうじゃないような不思議な気がしました。
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yattaro-さん (tatu_no_ko)
2011-08-19 22:08:34
有難うございます。
今回はこれまでにない早すぎた掲載に戸惑いました。
質が伴ってくれるとなお嬉しいのですが。
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金ちゃんさん (tatu_no_ko)
2011-08-19 22:09:44
脳の中もあのように見れる日が来るかも。
すかすかのそれは見たくありませんね。
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